JPH033434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、卓上形と壁掛形とに使用できる電話
機に関する。

〔従来の技術〕

電話機は、置台等に載置されて使用される卓上
形と、壁面等に懸架されて使用される壁掛形とに
大別される。卓上形電話機においては、その本体
上にハンドセツトを載置する構造であるため、ハ
ンドセツトを保持する構造は格別必要としない。
一方、壁掛電話機においては、その本体は取付ブ
ラケツトに固定されているが、これに組付けるハ
ンドセツトを保持する何らかの構造は必須のもの
である。例えば、電話機本体には、その受話口嵌
合凹部の壁面より楔状の凸部を一体に形成し、一
方ハンドセツトには、その受話口の周壁に凹部を
設け、電話機本体にハンドセツトを組付けた状態
において前記凸部と凹部との係合によつてハンド
セツトが脱落しないように構成されていた。とこ
ろで、卓上形と壁掛形との兼用が図られれば使用
者も便利であり、また筐体を統一した仕様とする
ことができるので製造上も有利である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述したようなハンドセツト保
持構造をそのまま卓上形のものに転用した場合に
は、ハンドセツトを取上げる際に引掛かつてしま
い使用しずらくなる。着信があつてあわててハン
ドセツトを取上げようとした時、これが引掛かつ
て落してしまうと通話が切断され、相手に迷惑を
かけることにもなり到底実用にはならない。した
がつて、従来では卓上形と壁掛形とではまつたく
仕様を異にしたものを、それぞれ別個にデザイ
ン，設形しなければならなかつた。一方、最近は
通話回路部品等の電子化，各種部品の小型化等に
よつて電話機の小型化，軽量化が進み、かつ単な
る通話手段としてだけではなく、室内インテリア
としても位置づけられているため、色合い、種々
の付加機能のものが用意され、同一製品であつて
もその種類は多数になつている。したがつて、卓
上仕様のものと壁掛仕様のものとの共用化が図ら
れれば、そのメリツトは極めて大きい。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、底面から受話口嵌合凹部に連通する取付孔を
有する電話機本体と、壁面などに固定されかつ前
記取付孔を貫通できるフツクを有する取付ブラケ
ツトとから構成したものである。

〔作 用〕

したがつて、壁面などに固定された取付ブラケ
ツトのフツクを取付孔に挿入するようにして電話
機本体を懸架すると、前記フツクの先端が受話口
嵌合凹部中に突出し、取付ブラケツトはハンドセ
ツト保持部材としても機能する。

〔実施例〕

以下本願発明について、図面に示した実施例に
よつて詳細に説明する。

実施例の電話機は、ハンドセツトにダイヤルが
付設された小型電話機を示し、図において１０は
電話機本体，３０はハンドセツト、４０は取付ブ
ラケツト部材である。電話機本体１０はその長手
方向の一方上面が前下がりの傾斜面１１として構
成された全体略楔箱形を呈しており、前記傾斜面
の一部にはハンドセツト３０の送話口３４が嵌入
するところの凹陥部１２が設けられている。ま
た、傾斜面１１の下部には、機ひも掛合片１３が
出入り自在にして収納されており、この掛合片の
先端は略Ｕ字状に形成されていて電話機本体１０
の周面の一部を構成している。掛合片１３はこれ
を引出した状態において、その先端部に機ひもを
掛合することができる。電話機本体１０の長手方
向他方上面にはハンドセツト３０の受話口３５が
嵌入するところの凹陥部１４が設けられている。
全体矩形に形成されたこの受話口嵌入凹陥部１４
の底面中央部には断面長円形状のフツクボタン１
５が上方へと突出している。また、この凹陥部１
４の下方周壁には開口１６が開設されており、こ
の開口は電話機本体１０を貫通してその底面に開
口する取付孔１７と連通している。この取付孔１
７は、底部に向つて次第にその径が大となる逆漏
斗状を呈している。なお、上面中央部には、その
内面にダイヤル番号を記入することができる開閉
自在な蓋体１８が設けられている。さらに電話機
本体１０の底面には、機みものモジユラージヤツ
クを接続するところのコネクター部１９が凹設さ
れるとともに環状凸部の内部にラバーシートを埋
設してなるゴム足部２０が複数個設けられてい
る。ハンドセツト３０は、その内面中央部に押ボ
タンダイヤルスイツチ３１が付設されるととも
に、その上部には保留スイツチ３２が、下部には
スライドスイツチ形の受話音量調整スイツチ３３
がそれぞれ設けられている。下方部を前記電話機
本体１０の傾斜面１１に対応して内方へとやや曲
げて全体略々く字状に形成したハンドセツト３０
は、その折曲内面に楔状に突出する送話口３４が
設けられるとともに上部内面には略角錘台形状を
なす受話口３５を有している。この受話口３５の
下部周壁には凹部３６が設けられている。なお、
送話口３４側の下縁面からはカールコールド３７
が引出され、その他端は図示しないが電話機本体
１０の側面に達して内部回路に接続されている。
ここで、電話機本体１０とハンドセツト３０のそ
れぞれの長手方向寸法および幅寸法はほぼ等し
く、また、凹陥部１２，１４間の間隔と送話口３
４，受話口３５間の間隔とはほぼ等しい。しかし
て、電話機本体１０上にハンドセツト３０を乗せ
れば、凹陥部１２に送話口３４が、また凹陥部１
４に受話口３５がそれぞれ嵌入し、受話口３５は
その自重によりフツクボタン１５を押下げる。

以上のように構成された実施例電話機は、これ
をそのまま置台上に載置して使用に供すれば卓上
形電話機となる。一方、この実施例電話機は、取
付ブラケツト４０にこれを懸架することによつて
壁掛形電話機として使用することができる。すな
わち、壁面等にねじ止め固定される取付ブラケツ
ト４０は、その先端４２を上方へと折曲したフツ
ク４１を有している。このフツク４１に取付孔１
７を嵌合させることによつて、電話機本体１０は
取付ブラケツト４０上にワンタツチで懸架支持さ
れるのである。取付孔１７中に嵌合されたフツク
４１は、第１図に示すように、その先端４２が前
記開口１６より受話口嵌入凹陥部１４中に突出露
呈し、この凹陥部１４に嵌合されたハンドセツト
３０の受話口３５の下部周壁の凹部３６と係合す
る。しかして、取付ブラケツト４０上に懸架され
た電話機本体１０上に取付けられるハンドセツト
３０は、その受話口３５の凹部３６に取付ブラケ
ツト４０のフツク先端４２が係合していることに
よつて、電話機本体１０から落下することなく確
実に保持されるのである。なお、このようにして
壁掛形として使用される実施例の電話機は、やや
長い機ひもを用意し、電話機本体１０より掛合片
１３を引出してその先端にこれを適当量巻回し、
使用に際してフツク４１から電話機本体１０を抜
取つて機ひもの長さ分宛、適当な場所まで持運ぶ
ことができる。

なお、上記実施例は小型電話機について説明し
たが、本考案は電話機本体側にダイヤルを有する
型の電話機等にも実施できることは勿論である。
さらに、フツクの形状についても電話機を懸架し
た状態において、受話口嵌合凹部中に突出して受
話口，すなわちハンドセツトを保持する構造のも
のであればよい。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように本発明によれば、卓
上形として使用することができるとともに、壁掛
形として使用する場合には、これを懸架する取付
ブラケツト自体を利用してハンドセツトの保持を
行うようにしたものであり、卓上形，壁掛形とに
そのまま兼用される電話機が提供される。また、
外観上は従来の電話機とまつたく変わることもな
く、好みに応じて取付け、載置状態を変えること
が可能であり、電話機の利用範囲を自由に選ぶこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例電話機の要部を示す縦断面図、
第２図は同一部切欠分解斜視図である。 １０……電話機本体、１２……送話口嵌合凹陥
部、１４……受話口嵌合凹陥部、１５……フツク
ボタン、１６……開口、１７……取付孔、３０…
…ハンドセツト、３１……ダイヤル、３４……送
話口、３５……受話口、３６……凹部、４０……
取付ブラケツト、４１……フツク、４２……先
端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電話機本体に、その底面からハンドセツト受
   話口の嵌合凹部に連通する取付孔を設け、この取
   付孔に壁面等に固定された取付ブラケツトのフツ
   クを嵌合することによつて電話機本体を取付ブラ
   ケツト上に懸架支持するとともに、前記フツクの
   先端は前記嵌合凹部中に突出露呈してハンドセツ
   トを保持するように構成したことを特徴とした電
   話機。