JPH033416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オフセツト印刷機の版またはブラン
ケツトを、それぞれ版胴またはブランケツト胴の
外周に巻き付け、緊張させる締付装置に関する。

従来、版またはブランケツトの締付装置には、
第１図および第２図に示されるように、巻込軸３
の一端部にウオームホイール６を取り付け、該ウ
オームホイール６をウオール５に噛み合わせ、巻
込軸３を回動させるものと、巻込軸の一端部にラ
チエツト機構（図示せず）を取り付け、該ラチエ
ツト機構を介して巻込軸を回動させるものとがあ
る。

なお、第１図および第２図中、１は版、２は版
胴を示し、また第２図中、４は版胴ベアラーを示
す。

しかし、前記従来技術ではいずれも巻込軸の一
端部に回転トルクを与えて回動させるようにして
いるため、巻込軸がねじれ、版またはブランケツ
トに掛かる緊張力に差が生じ、片張りとなる欠点
があつた。特に、版胴またはブランケツト胴の外
径が小さく、巻込軸径を十分大きく取れない場合
には前記片張りが著しく大きくなる。

そして、版またはブランケツトに片張りが生じ
ると、印刷品質が低下する他、片張りが著しい場
合には版またはブランケツトが局部的に摩耗する
などの問題があつた。

この問題を解決するため、従来巻込軸の両端部
に、該巻込軸の回動装置を設ける技術が提案され
ている（実用新案登録第1147704号参照）。

しかし、この従来技術は巻込軸の両側で回動操
作しなければならず、操作性が悪い欠点があつ
た。

本考案の目的は、前記従来技術の欠点をなく
し、巻込軸の両端部のねじれ量の差により生じる
版またはブランケツトの緊張力の差に起因する片
張りを防止でき、かつ版またはブランケツトの締
め過ぎおよび緩みを防止でき、しかも巻込軸の一
端部から回動操作しうるオフセツト印刷機の版ま
たはブランケツトの締付装置を提供するにある。

本考案の特徴は、版またはブランケツトの巻込
軸を中空に形成し、該巻込軸の内部にトーシヨン
バーを挿入し、トーシヨンバーの一端部を回動機
構に連結するとともに、トーシヨンバーの他端部
を巻込軸の長さ方向の中央部に噛み合わせ、該巻
込軸の長さ方向の中央部に回転トルクを与えうる
ように構成したところにあり、この構成により前
記目的を確実に達成することができたものであ
る。

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第３図および第４図は、オフセツト印刷機の版
１を版胴２に巻き付け、緊張させる本考案の一実
施例を示すもので、版胴２には巻込軸用の円筒形
の空間部２ａが形成され、版胴２の外側から前記
空間部２ａに向かつて版１の端部を差し込む差込
溝２ｂが形成されている。

前記版胴２に形成された空間部２ａには、中空
に形成された巻込軸７が挿入されており、該巻込
軸７の両端部は版胴ベアラー８に回動自在に支持
されているが、図面には一端部の版胴ベアラー８
のみが示され、巻込軸７の他端部とこれを支持す
る版胴ベアラーとは省略されている。また、巻込
軸７には外側から中空部７ａに向かつて版１の端
部の巻込溝７ｂが形成されている。

前記巻込軸７の中空部７ａの長さ方向の中央部
には、後述の第２のセレーシヨンギア１５と噛み
合う内歯１４が形成されている。そして、前記巻
込軸７の中空部７ａにはトーシヨンバー９が挿入
されている。

前記トーシヨンバー９の一端部には、第１のセ
レーシヨンギア１０が形成され、該第１のセレー
シヨンギア１０にはウオームホイール１１が嵌着
され、該ウオームホイール１１は第１のセレーシ
ヨンギア１０とビス１３で固着され、前記ウオー
ムホイール１１はウオーム１２に噛み合わされて
おり、前記第１のセレーシヨンギア１０とウオー
ムホイール１１とウオーム１２とでトーシヨンバ
ー９の回動機構が構成されている。なお、ウオー
ム１２の軸には回動操作用のハンドルが取り付け
られているが、図面では省略されている。

一方、トーシヨンバー９の他端部には、第２の
セレーシヨンギア１５が形成され、該第２のセレ
ーシヨンギア１５は前記巻込軸７の中空部７ａの
長さ方向の中央部に形成された内歯１４に噛み合
わされており、トーシヨンバー９を回動操作した
とき、前記内歯１４と第２のセレーシヨンギア１
５とを介して巻込軸７の長さ方向の中央部に回転
トルクを与えうるように構成されている。

前記実施例の締付装置は、次のように作用す
る。

すなわち、版胴２に版１を巻き付け、その両端
部を版胴２に形成された差込溝２ｂに差し込み、
さらに版１の一端部を巻込軸７に形成された差込
溝７ｂに差し込んだうえで、手動により回動機構
のウオーム１２を回動させると、ウオームホイー
ル１１および第１のセレーシヨンギア１０を通じ
てトーシヨンバー９が回動操作され、該トーシヨ
ンバー９に形成された第２のセレーシヨンギア１
５と巻込軸７の中空部の長さ方向の中央部に形成
された内歯１４との噛み合いを介して巻込軸７の
長さ方向の中央部に回転トルクが与えられ、該回
転トルクにより巻込軸７が回動される結果、巻込
軸７の長さ方向の両端部のねじれ量の差を解消す
ることができる。したがつて、巻込軸７のねじれ
量の差による版１の幅方向における緊張力の差を
なくすことができ、版１の片張りを確実に防止す
ることができる。

さらに、トーシヨンバー９によりバネクツシヨ
ンを生じ、したがつて長時間の運転による版１の
伸びに伴う緩みを防止できる。

また、トーシヨンバー９を使用したことによつ
てその作用により版１の締め過ぎによるウオーム
ホイール１１とウオーム１２への負担を軽減する
ことができる。

以上は、版１を巻き付け、緊張する締付装置に
ついて説明したが、本考案はブランケツトの締付
装置にも適用できること勿論である。

また、本考案ではトーシヨンバー９の回動機構
は図示の、第１のセレーシヨンギア１０とウオー
ムホイール１１とウオーム１２との組み合わせに
限らないし、トーシヨンバー９から巻込軸７の長
さ方向の中央部に回転トルクを伝達する機構も図
示の内歯１４と第２のセレーシヨンギア１５との
組み合わせに限らず、所期の機能を果たしうるも
のであればよい。

本考案は、以上説明した構成、作用のもので、
本考案によれば巻込軸の長さ方向の中央部に回転
トルクを与え、回動させるようにしているので、
巻込軸の両端部のねじれ量の差により生じる版ま
たはブランケツトの緊張力の差に起因する片張り
を確実に防止しうる効果があり、したがつて版ま
たはブランケツトの片張りに伴う印刷品質の低下
および版またはブランケツトの局部的な摩耗等の
トラブルを全て解消しうる効果がある。

さらに、本考案によればトーシヨンバーを使用
しているので、その作用により版またはブランケ
ツトの締め過ぎを解消できる効果を有する他、長
時間運転時の版またはブランケツトの緩みを防止
できる効果がある。

また、本考案によればトーシヨンバーの一端部
に設けられた回動機構を操作することにより、ト
ーシヨンバーを通じて巻込軸を回動させることが
できるので、操作性が良好なる効果をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の締付装置の横断面図、第２図は
第１図の縦断面図、第３図は本考案の一実施例を
示す横断面図、第４図は第３図の縦断面図であ
る。 １……板、２……版胴、７……巻込軸、７ａ…
…巻込軸内の中空部、８……版胴ベアラー、９…
…トーシヨンバー、１０……回動機構を構成する
第１のセレーシヨンギア、１１……同ウオームホ
イール、１２……同ウオーム、１４……巻込軸内
の長さ方向の中央部に形成された内歯、１５……
内歯に噛み合わされた第２のセレーシヨンギア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 版またはブランケツトの巻込軸を中空に形成
   し、該巻込軸の内部にトーシヨンバーを挿入し、
   トーシヨンバーの一端部を回動機構に連結すると
   ともに、トーシヨンバーの他端部を巻込軸の長さ
   方向の中央部に噛み合わせ、該巻込軸の長方向の
   中央部に回転トルクを与えうるように構成したこ
   とを特徴とするオフセツト印刷機の版またはブラ
   ケツトの締付装置。