JPH0333993B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒートポンプ式冷凍サイクルに関す
るものである。

従来のヒートポンプ式冷凍サイクルにおいて
は、第１図に示すごとく圧縮機１、四方切換弁
３、室外側熱交換器４、膨張装置５および室内側
熱交換器６を順次環状に接続し、冷房運転時には
実線失印で示すごとく圧縮機１からの高温高圧の
冷媒ガスを室外側熱交換器４に送り、ここで凝縮
した後膨張装置５を介して室内側熱交換器６で蒸
発させ、暖房運転時には破線矢印で示すごとく圧
縮機１からの高温高圧の冷媒ガスを逆循環させて
暖房を行うものである。

一般にこの種の冷凍サイクルにおいて、暖房運
転時、除霜を行う場合、四方切換弁３を切換える
ことより高温高圧の冷媒ガスを室外側熱交換器４
に流し、該熱交換器４に付着した霜と熱交換さ
せ、霜を融解除去するようになつているが、該四
方切換弁３を切換える際、室内側熱交換器６中に
あつた高圧の液冷媒が圧縮機１逆流し、液圧縮防
止用のアキユムレータ２中に滞留してしまい、該
冷凍サイクル中を循環する冷媒量が不足するため
十分な除霜が行なえず、またこのために、除霜に
多大の時間を必要とし、その間暖房運転ができな
いことより、室温の低下をまねき、快適性をそこ
なうという欠点があつた。

本発明は、上記欠点を除去することを目的とし
てなしたものであり、除霜時の圧縮機の液戻りを
防止し、効果的な除霜を行ない除霜時間の短縮を
図つたヒートポンプ式冷凍サイクルを提供するも
のである。

以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明す
る。

第２図は本発明に係るヒートポンプ式冷凍サイ
クルの冷媒回路図、第３図は同冷凍サイクルにお
ける圧縮機、四方切換弁及び電磁弁の動作説明図
である。

なお、実線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを
示し、また破線は矢印は暖房運転時の冷媒の流れ
を示す。

第２図において、１１は圧縮機、１２はアキユ
ムレーター、１３は冷房運転と暖房運転を切換え
る四方切換弁、１４は冷房運転時には凝縮器、暖
房運転時には蒸発器として作用する室外側熱交換
器、１５は電気信号により絞り度を可変できる電
動膨張弁からなる膨張装置、１６は冷房運転時は
蒸発器、暖房運転時には凝縮器として作用する室
内側熱交換器、１７は圧縮機１１の吸入側と四方
切換弁１３を結ぶ流路中に設けた電磁弁である。

第３図は、四方切換弁１３、膨張装置１５及び
電磁弁１７の動作を示したものであり、冷凍サイ
クル切換時には次の通り動作する。

まず、膨張装置１５が全開し、同時若しくは少
し遅延して電磁弁１７が閉成する。そして、所定
時間経過後、四方切換弁１３を切換え、同時に膨
張装置１５を適切な絞り状態にまで絞り、また同
時若しくは少し遅延して電磁弁１７を開成する。

次に、本発明の冷凍サイクルの動作について説
明する。

本冷凍サイクルは、通常運転時には膨張装置１
５はあらかじめ設定した絞り度、あるいに、圧縮
機吸入ガス過熱度等を検知して適切な絞り度にな
るように制御され、また電磁弁１７は開成されて
おり、第１図に示した従来の冷凍サイクルと同様
の運転状態となる。

暖房運転時に、タイマーデイアイサーあるいは
霜付検出装置等（図示せず）の信号により、除霜
を開始するために冷凍サイクルを切換えた場合、
まず、膨張装置１５を全開し、これと同時若しく
は少し遅延して電磁弁１７を閉成する。これによ
り、室内側熱交換器１６中の高温高圧の液冷媒は
圧縮機１１に吸入されることなく室外側熱交換器
１４へと流入する。この流入した高温高圧の液冷
媒のもつ熱により室外側熱交換器１４の膨張装置
１５に近い側に付着した霜が融解をはじめる。こ
うして室内側熱交換器１６中の液冷媒が室外側熱
交換器１４中へ移動し終つた後に、四方切換弁１
３を切換え、同時に膨張装置１５を適当な絞り度
まで絞り、また同時若しくは少し遅延して電磁弁
１７を開成する。この四方切換弁１３の切換は、
最初の膨張装置１５の全開時から時間的に制御を
行なつても良いし、又熱交換器の圧力または温度
等を検出して制御を行つても良い。

これで、冷凍サイクルは完全に逆サイクルに切
換つたことになり、圧縮機１１から吐出された高
温高圧の冷媒ガスにより室外側熱交換器１４の除
霜が開始される。除霜は室外側熱交換器１４の圧
縮機１１に近い側から徐々に行なわれるが、除霜
されにくい室外側熱交換器１４の膨張装置１５に
近い側は先に除霜されているので、短時間で除霜
を完了することができる。

また、四方切換弁１３の切換時に液冷媒が圧縮
機１１に流入し、アキユムレータ１２に滞留する
こともないので、効率の良い除霜を行うことがで
きると共に、液戻りによる液圧縮過電流等を防止
することができ圧縮機１１の信頼性を高めること
ができる。

除霜終了後、暖房運転に切換える時は、膨張装
置１５を全開し、電磁弁１７を閉成した後、四方
切換弁１３を切換えると共に、膨張装置１５を適
切な絞り度まで絞り、電磁弁１７を開成すればよ
い。この様にすれば、除霜運転から暖房運転に復
帰した後も、ただちに定常状態に近い冷媒分布で
運転を行なうことができるので室温の回復も早く
行なうことができる。

この様に、本発明のヒートポンプ式冷凍サイク
ルによれば、暖房運転時に除霜を行なう場合、短
時間で効果的な除霜を行なうことができるので、
除霜時の室温降下を少なくすることができ、暖房
運転復帰後の室温回復も早いため快適性のすぐれ
た暖房を行なうことができる。

又、室外側熱交換器を常に霜の付着が少ない効
率の良い状態で使用できるため効率の良い暖房運
転が可能となる。

更に、圧縮機への液戻りが防止できるので、圧
縮機の信頼性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１は従来のヒートポンプ式冷凍サイクルの冷
媒回路図、第２図は本発明に係るヒートポンプ式
冷凍サイクルの冷媒回路図、第３図は本発明の冷
凍サイクルにおける四方切換弁、膨張装置、電磁
弁の動作説明図である。 １１は圧縮機、１２はアキユムレーター、１３
は四方切換弁、１４は室外側熱交換器、１５は膨
張装置、１６は室外側熱交換器、１７は電磁弁を
それぞれ示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧縮機、四方切換弁、室外側熱交換器、電動
   膨張弁、室内側熱交換器を順次接続し、暖房時に
   おける除霜を四方切換弁によつて暖房サイクルか
   ら冷房サイクルに切り換えることによつて行うヒ
   ートポンプ式冷凍サイクルにおいて、 圧縮機の吸入側と四方切換弁との間の流路に、
   当該流路を開閉する電磁弁を設け、 当該冷凍サイクルの運転を制御すると共に、上
   記電動膨張弁、四方切換弁、電磁弁を制御する制
   御部を設け、 上記制御部は、 上記電磁膨張弁を、冷房運転時または暖房運転
   時に適度な絞り値に制御すると共に除霜切換え時
   に全開するよう制御する膨張弁制御手段と、 上記四方切換弁を、冷房運転時または除霜運転
   時に冷房サイクル側に切換え暖房運転時に暖房サ
   イクル側に切換える四方切換弁制御手段と、 上記電磁弁を、冷房運転時または暖房運転時に
   上記流路を開成し除霜切換え時に上記流路を閉成
   するよう制御する電磁弁制御手段と、 除霜切換え時に、電磁膨張弁を全開して電磁弁
   を閉成した後、遅延して四方切換弁を暖房サイク
   ルから冷房サイクルに切換えてから、電磁膨張弁
   を適度な絞り値に設定すると共に電磁弁を開成す
   るよう制御する除霜制御手段と、から構成して成
   るヒートポンプ式冷凍サイクル。