JPH0333739B2

JPH0333739B2 -

Info

Publication number: JPH0333739B2
Application number: JP60226693A
Authority: JP
Inventors: Akira Hoshino; Takaaki Osanai; Mikio Saji; Mitsuo Noda; Kohei Hirose
Original assignee: Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Current assignee: Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority date: 1985-10-14
Filing date: 1985-10-14
Publication date: 1991-05-20
Also published as: JPS6286031A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、脱臭性成形物に関し、更に詳しく
は、各種悪臭性物品の包装や脱臭等に適した脱臭
性成形物の提供を目的とする。

（従来の技術）従来、各種の悪臭源に対して使用する脱臭剤は
広く使用されており、又、各種悪臭性物品を包装
する為には、主として通気性の無いプラスチツ
ク、アルミニウム箔、金属容器、ガラス容器等が
使用されている。

（発明が解決しようとしている問題点）上記の如き従来の通気性の無い包材による包装
では、内容物の悪臭が揮散するのを防止出来る
が、それらの容器を開放した場合に、容器内に充
満している悪臭が一度に外に揮散する為、取り扱
い上不便である。

本発明者は、上記の如き従来技術の欠点を解決
すべく鋭意研究の結果、プラスチツクフイルム、
プラスチツクシート或いはプラスチツク容器等の
成形物の製造に際し、使用する熱可塑性樹脂中に
特定の物質を包含させておくときは、得られる成
形物、例えば、フイルム等の包材が優れた脱臭性
を有し、上記の如き従来技術の欠点が解決される
ことを知見して本発明を完成した。

（問題点を解決する為の手段）即ち、本発明はポリエチレン、ポリプロピレン
又はポリスチレンから選ばれた熱可塑性樹脂99.9
乃至80重量部及び芳香族トリ又はテトラカルボン
酸0.1乃至20重量％からなる脱臭性樹脂組成物及
びそれから形成した脱臭性成形物である。

次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明者
は従来から脱臭性樹脂組成物について種々研究し
ており、以前に脂肪族ポリカルボン酸の脱臭性に
着目し、これら脂肪族ポリカルボン酸を熱可塑性
樹脂中に加熱して練り込み、脱臭性熱可塑性樹脂
成形物を得る発明を完成したが、脂肪族ポリカル
ボン酸は、低融点であつたり、揮発性であつた
り、或いは昇華性が高かつたりして、比較的高い
加工温度を要する熱可塑性樹脂中への練り込みが
相当に困難性を有するものであつた。

そこでこの様な脂肪族ポリカルボン酸に代えて
芳香族トリ又はテトラカルボン酸を使用すること
によつて、前記の欠点が十分に解決されることを
知見したものである。

本発明においては使用する熱可塑性樹脂とは、
従来各種の成形物、例えば、プラスチツクフイル
ム、プラスチツクシート、プラスチツク容器等の
成形に使用されているポリエチレン、ポリプロピ
レン又はポリスチレンから選ばれた熱可塑性樹脂
であり、これらの熱可塑性樹脂はいずれも市場か
ら容易に入手して使用し得るものである。

本発明で使用し、本発明を主として特徴づける
芳香族トリ又はテトラカルボン酸とは、例えば、
トリメリツト酸、１，２，３−ベンゼントリカル
ボン酸、１，３，５−ベンゼントリカルボン酸、
ピロメリツト酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、ナ
フタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカル
ボン酸、ジフエニルテトラカルボン酸、ジフエニ
ルエーテルテトラカルボン酸、アゾベンゼンテト
ラカルボン酸等の芳香族トリ又はテトラカルボン
酸或いはそれらの無水物であり、本発明において
特に好ましい芳香族トリカルボン酸は、ベンゼン
トリカルボン酸、特にトリメリツト酸である。

以上の如き芳香族トリ又はテトラカルボン酸は
本発明においていずれも使用出来、その使用量
は、前記の熱可塑性樹脂との合計中で0.1乃至20
重量％を占める割合が好適である。使用量が0.1
重量％未満では、脱臭効果が不十分であり、又、
20重量％を越える量を使用してもそれ以上効果が
上昇しないので不経済である。

本発明で使用する脱臭性樹脂組成物は上記の２
成分を必須成分とするが、その他従来公知の樹脂
用の各種添加剤、例えば、着色剤、充填剤、体質
顔料、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤等は必要に
応じて任意に配合し得るものである。

上記の脱臭性樹脂組成物は、上記成分を単に混
合するのみでも得ることが出来るし、又、該混合
物を溶融混練してペレツト状等に造粒したもので
もよい。更に後に無添加の熱可塑性樹脂で希釈し
て使用する為の高濃度（例えば、10乃至20重量％
の濃度）の芳香族トリ又はテトラカルボン酸を含
有するマスターバツチの状態でもよい。

以上の如きの脱臭性樹脂組成物は、本発明の脱
臭性成形物の製造に有用である。

本発明の脱臭性成形物は、上記の脱臭性樹脂組
成物を各種の形状の成形物、例えば、プラスチツ
クフイルムやシートからなる包材或いは樹脂組成
物を各種の方法で成形した任意の形状の容器等の
成形物である。

この様なフイルム、シート、容器等の成形は、
従来公知のインフレーシヨン装置、プレス、カレ
ンダー、押出成形機、ブロー成形機、射出成形
機、真空成形機等により、従来公知の各種条件を
そのまま利用して行うことが出来、容易に本発明
の脱臭性成形物を得ることが出来る。

（作用・効果）以上の如き本発明の脱臭性成形物、例えば、フ
イルム等の包材は、その表面に使用した芳香族ト
リ又はテトラカルボン酸のフリーのカルボキシル
基が露出しており、又、順次芳香族トリ又はテト
ラカルボン酸が成形物の表面にブリードしてくる
為に、アミン系やアンモニア系、その他の塩基性
の臭気成分を良好に吸着保持する性質がある。

従つて、被包装物が悪臭の強い物品、例えば、
魚や魚製品、各種漬物、その他の各種食品等の包
装に使用すると、それらから発生する悪臭を包材
自体が吸収する為、これらの包装を開いた時にも
強い悪臭が周囲に拡散することが無い。又、同様
の理由で食品に限られず、各種の家庭生ごみ、工
場の排出物等の包装にも有効である。

又、本発明の脱臭性成形物は、上記包材以外に
も、悪臭や異臭が発生したり、蓄積する場所にお
ける脱臭性成形物、例えば、粒状の脱臭剤、脱臭
性壁装材、床敷体、織物その他の成形品として有
用である。

次に実施例を挙げて発明を更に具体的に説明す
る。尚、文中、部又は％とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。

実施例１低密度ポリエチレン99部にトリメリツト酸１部
を配合し、ミキサーで混合し、40mm押出機（Ｌ／
Ｄ＝28、C.R.＝3.1、ダイメージ付スクリユー、
シリンダー温度130℃、スクリユー回転速度
70rpm）にて混練し、ペレツト状の脱臭性樹脂組
成物を得た。

次いで上記脱臭性樹脂組成物をインフレーシヨ
ン装置（30mm押出機、内径50mmインフレーシヨン
ダイ、シリンダー温度140℃、スクリユー回転数
60rpm）に投入し、肉厚約50μmのポリエチレン
フイルムを得た。

上記フイルムを50mm×210mmのサイズに切断し、
この２枚のフイルムを300mlの三角フラスコ内に
かさ状につるし、口をパラフインでシールした。
このフラスコ内には悪臭源として42ppmのアンモ
ニア水100mlが入れてあり、一定時間経過後のフ
ラスコ内のアンモニア（ppm）を北川式検知管で
測定した結果は下記の通りであつた。

１日後２日後９日後ブランク 15 15 15 本発明品７３１注；ブランクは、トリメリツト酸無添加のポリ
エチレンから成形した同一厚及び同サイズのポリ
エチレンフイルムである。

又、上記のブランクと本発明品のフイルムの
各々から袋を作成し、この袋の中に解凍した小魚
を入れて放置し、３日後に開封したところ、本発
明品のフイルムから作成した袋内の悪臭は僅かで
あつたのに対し、ブランクの場合には激しい悪臭
が拡散した。

実施例２乃至４下記の成分を使用し、他は実施例１と同様にし
て本発明のプラスチツク包材を得、実施例１と同
様にしてその性能を測定したところ下記の通りで
あつた。

実施例２高密度ポリエチレン 95部無水トリメリツト酸５部１日後２日後９日後ブランク 15 15 15 本発明品 10 ７３実施例３ポリプロピレン 97部１，３，５−ベンゼントリカルボン酸３部１日後２日後９日後ブランク 15 15
15 本発明品９６
２実施例４ポリスチレン 98部ナフタレントリカルボン酸２部１日後２日後９日後ブランク 15 15 15 本発明品 10 ８５実施例５高密度ポリエチレン80部にトリメリツト酸20部
を配合し、以下実施例１と同様にしてトリメリツ
ト酸濃度20％の脱臭性樹脂組成物を得た。

この脱臭性樹脂組成物を無添加の高密度ポリエ
チレンで20倍に希釈して、ブロー成形機（45mmス
クリユー、スクリユー回転数30rpm、シリンダー
温度200℃）を用いて、肉厚１mm、直径60mm、高
さ170mmのボトル状成形物を得た。この容器中に、
一部腐敗した食肉を入れて密封し、３日間放置後
に開封した場合の悪臭は、トリメリツト酸無添加
の同じ容器の場合に比較して著しく弱いものであ
つた。

実施例６実施例５のトリメリツト酸に代えて、ピロメリ
ツト酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフエニ
ルエーテルテトラカルボン酸又はアゾベンゼンテ
トラカルボン酸を同様に使用したものも、実施例
５と同様に脱臭効果に優れていた。

実施例７ポリプロピレン70部及びトリメリツト酸30部を
配合し、ヘンシエルミキサーで1500rpmの回転数
で２分間混合し、次いで40mm押出機（Ｌ／Ｄ＝
28、C.R.＝3.1、ダルメージ付スクリユー、シリ
ンダー温度200乃至215℃、スクリユー回転数
90rpm）にて混練し、ペレツト状の脱臭性樹脂組
成物を得た。これをナチユラル樹脂で10倍に希釈
して、紡糸機にて200乃至215℃で紡糸及び３倍に
延伸して15デニールの繊維とした。

上記の繊維１ｇを束ね、28％アンモニア水10マ
イクロリツトルが入つている300mlの三角フラス
コ中に糸でつるし、パラフインで密封し、アンモ
ニア水を完全にガス化した。その後経時的なアン
モニアガスの濃度（ppm）変化を北川式ガス検知
管で測定したところ下記の結果を得た。

30分 120分 180分ブランク 7300 7100 7100 本発明品 2500 1200 600

Claims

【特許請求の範囲】１ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリスチ
レンから選ばれた熱可塑性樹脂99.9乃至80重量部
及び芳香族トリ又はテトラカルボン酸0.1乃至20
重量部からなる脱臭性樹脂組成物を成形してなる
脱臭性成形物。２芳香族トリカルボン酸が、トリメリツト酸で
ある特許請求の範囲第１項に記載の脱臭性成形
物。