JPH0333364Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は工作機械に使用されるバイト、カツタ
等のスローアウエイ式工具にクランプされる大型
のスローアウエイチツプクランプ装置に関する。

（従来の技術） 従来のバイト、カツタ等のスローアウエイ式工
具では、スローアウエイチツプのクランプ方法と
して、クランプオン、レバーロツク、ピンロツク
などの方式あるいはこれらの組合せが一般に使用
されている。これらはいずれも小型のスローアウ
エイチツプのクランプ用として開発されたもので
あり、主としてチツプのノーズ部分を使用する切
削加工のためのものと考えられる。

またエンドミルのように比較的広い加工面を一
回で切削しようとするときは、小型のチツプを多
数使用して、これらの重ね合わせによりひとつの
面を仕上げる方式をとつているのが一般的であ
る。しかし切削加工の多様化と要求品質の高度化
に伴い、広い加工面もしくは複雑形状の加工面を
ひとつのチツプの稜線で加工する総形工具用スロ
ーアウエイチツプが必要とされるようになつてき
た。このような目的に使用されるチツプは当然大
型のものになる。この場合上述のようなクランプ
方法は、締付力が弱い、大型のチツプにも適用で
きるようにするとクランプ部に大きなスペースを
必要とするなどの欠点がある。工具の形状・寸法
はさまざま制約があるのでこのような欠点は致命
的であり、もつと単純で画期的なクランプ方法の
考案が要望されていた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は、スローアウエイチツプの切刃
稜線を使つて切削を行なう加工において、その加
工の性格上大型化したチツプを少ないスペースで
強固にクランプすることができるようなスローア
ウエイチツプクランプ装置を提供することにあ
る。一般に広い加工面をスジや段差が発生しない
ようにひとつのチツプで仕上げようとすると当然
チツプは大型化する。このときコストやスペース
効率の点を考慮すると、チツプは正方形に近い形
ではなく、細長い長方形に似た形になると考えら
れる。本考案の別の目的は、かかる長方形大型ス
ローアウエイチツプのクランプに適したスローア
ウエイチツプクランプ装置を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） このため本考案は、チツプ座とチツプ座のほぼ
中央に穿設された貫通穴とを有する工具本体と、
チツプ座に挿入されるチツプであつて前記貫通穴
に整合する貫通中央穴及び中央穴上部をさらに穴
ぐりして形成しチツプ上面に接するテーパ面を含
む長穴状座ぐりを有するチツプと、前記座ぐり、
中央穴及び貫通孔に補合する形状のクランパと、
前記クランパ底面に穿設された係合部及び工具本
体底部と係合する係合部材と、を含むことを特徴
とするスローアウエイチツプクランプ装置とした
ものである。即ち長方形大型スローアウエイチツ
プの形状により適合するよう、回り止めの機能を
持つた長円形の頭部を有するクランパでチツプを
クランプし、チツプの裏方向よりボルト等の係合
部材で引きつけて確実にクランプできるようにし
たものである。

（実施例） 次に本考案の実施例につき、図面を参照して説
明すると、第１図乃至第５図において、まず工具
本体５０のチツプ座４０の略中央部にクランパ２
０の脚部２２よりも少し大きくて深い穴４１をあ
け、穴４１の先にはボルト３０の通る穴４２をあ
ける。

次にチツプ１０にはクランパ２０の頭部２１の
形状に合つた長円形の面取り即ち座ぐり１１を形
成するとともに前記穴４１と同径またはそれより
も大径の貫通中央穴１３をあける。このチツプ１
０をチツプ座４０に装着し、中央穴１３にクラン
パ２０の脚部２２を通し、工具本体５０の底部５
１よりボルト３０でクランパ２０のめねじ部２４
を下方に引きつけることによつて、クランパ２０
の頭部２１のテーパ部２３がチツプ１０の面取り
即ち座ぐり１１のテーパ面１２を圧しチツプの底
面１４をチツプ座底面４３に強固に密着させ、大
型チツプであつても少いスペースで強固にクラン
プすることができるようになつた。

（本案の効果） 本考案によると、長方形にできる大型のスロー
アウエイチツプを１個のボルトといつた係合部材
のみで比較的均一にクランプすることができ、か
つクランプ装置に要するスペースも極めて少な
く、またクランプ装置にモーメントのかかる部分
が少なく、部品も少ないので強度やコストの面か
らも有利なスローアウエイチツプクランプ装置と
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例スローアウエイチツ
プクランプ装置の上面図、第２図は第１図の側面
からみた立面断面図、第３図ａは第１図で示すチ
ツプの上面図、第３図ｂは同チツプの長手方向中
央部で切断した側面断面図、第４図ａは第２図で
示すクランパの上面図、第４ｂ図は同クランパの
長手方向中央部で１部を切り欠いた側面図、第５
図は第２図で示す工具本体の立面断面図である。 １０…チツプ、１１…座ぐり、１２…テーパ
面、１３…中央穴、２０…クランパ、２４…めね
じ部（係合部）、３０…ボルト（係合部材）、４０
…チツプ座、４１，４２…穴（貫通穴）、５０…
工具本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チツプ座とチツプ座のほぼ中央に穿設された貫
   通穴とを有する工具本体と、チツプ座に挿入され
   るチツプであつて前記貫通穴に整合する貫通中央
   穴及び中央穴上部をさらに穴ぐりして形成しチツ
   プ上面に接するテーパ面を含む長穴状座ぐりを有
   するチツプと、前記座ぐり、中央穴及び貫通孔に
   補合する形状のクランパと、前記クランパ底面に
   穿設された係合部及び工具本体底部と係合する係
   合部材と、を含むことを特徴とするスローアウエ
   イチツプクランプ装置。