JPH0332924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、空調装置のエアアウトレツトに関
し、特にフイン装置付きエアアウトレツトに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、自動車等に装備された空調装置のエアア
ウトレツトにおけるフイン装置Ｓは、第３，４図
に示すように構成されており、横フイン１がノブ
３の回動により横フイン連結棒５を介して一斉に
揺動され、ノブ３先端における凹部３ｅの横方向
移動により、縦フイン２が縦フイン連結棒７を介
して一斉に揺動されるようになつている。

縦フイン２には、ノブ３先端と縦フイン２との
干渉を避けるための孔２ｃが形成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、このような従来のフイン装置では、
ノブ３が回転中心Ｃの回りに揺動されるので、ノ
ブ３の先端が前後方向に大きく変位する。

そして、最大限に揺動された場合であつても、
縦フイン２を揺動しうる凹部３ｅと孔２ｃとがそ
なえられなければならず、このため凹部３ｅが前
後方向に長くなり、これに対応して孔２ｃが大き
くなる不具合がある。

本考案は、このような問題点の解消をはかろう
とするもので、縦フインにノブの移動を許容する
ための大きな穴を形成しなくても横フインおよび
縦フインを支障なく揺動させうるようにした、フ
イン装置付きエアアウトレツトを提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案のフイン装置付きエアアウト
レツトは、空調装置のアウトレツトにおいて、同
アウトレツトの縁部に枢支された複数の横フイン
と、同横フインの背後に列設された複数の縦フイ
ンと、上記複数の横フインの姿勢を一斉に変化さ
せるべく同横フインの両側端に枢着された横フイ
ン連結棒と、上記複数の縦フインの姿勢を一斉に
変化させるべく同縦フインの上下両端に枢着され
た縦フイン連結棒と、所要の上記横フインに摺動
可能に嵌装されたフイン姿勢調整用ノブとをそな
え、同ノブと上記縦フインとがジヨイントにより
連結されて、同ジヨイントが、上記横フインの回
転中心線上に配設され上記ノブに枢支されたノブ
連結部と、上記縦フインに回動可能に且つ前後移
動可能に連結された縦フイン連結部と、上記のノ
ブ連結部と縦フイン連結部とを連結する中央部と
で構成され、上記ノブを嵌装された上記横フイン
に、上記ノブの移動を許容する切欠きが形成され
たことを特徴としている。

〔作用〕

上述の本考案のフイン装置付きエアアウトレツ
トでは、ノブの回動により横フインの姿勢が調整
され、ノブの横フインに沿う移動により縦フイン
の姿勢調整がジヨイントを介し行なわれる。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の実施例について説明
すると、第１，２図は本考案の一実施例としての
フイン装置付きエアアウトレツトを示すもので、
第１図はその要部を模式的に示す分解斜視図、第
２図は第１図の−矢視断面図である。

第１，２図に示すように、空調装置のアウトレ
ツトにおいて、風の向きを案内して調整するため
のフイン装置Ｓが装備されており、フイン装置Ｓ
は、アウトレツトの縁部に支軸１ｂを介し枢支さ
れた多数の横フイン１と、支軸２ｄを介し枢支さ
れた多数の縦フイン２とで構成されている。

横フイン１は横フイン連結棒５により連結され
ており、上下方向中間部の横フイン１に装着され
たノブ３を回動させることにより、一斉に揺動さ
れてその姿勢が調整されるようになつている。

また縦フイン２は横フイン１の後方に列設され
るとともに、縦フイン連結棒７により連結されて
おり、中央部の縦フイン２に嵌挿されたジヨイン
ト６をノブ３により横方向に移動させることによ
り、多数の縦フイン２が一斉に横方向に揺動され
て、姿勢が調整されるようになつている。

ところで、ジヨイント６のノブ連結部６ａは横
フイン１の支軸１ｂの回転中心線上に配設されて
おり、ノブ３の回動と横フイン１の揺動とが一体
の状態で支軸１ｂの回りに支障なく行なわれるよ
うになつている。

また、横フイン１の揺動に際しての横フイン１
とジヨイント６の中央部６ｃとの相対変位はノブ
３の上下部材のそれぞれに形成された凹部３ｅに
より許容されるようになつている。

ところで、ノブ３は、その孔３ａを横フイン１
の中間部に嵌装されており、孔３ａは横フイン１
の外形よりわずかに小さい縦断面を有するように
形成され、ノブ３が横フイン１に沿つて摺動でき
るようになつている。

ノブ３の縦フイン２側には、ジヨイント６のノ
ブ連結部６ａを嵌挿するための孔３ｂが形成され
ており、孔３ｂとノブ連結６ａとは相対的に回動
可能になつている。

孔３ａと孔３ｂとはノブ３の縦フイン２側端面
に開口する案内孔３ｃにより連通されており、ノ
ブ３は、横フイン１とジヨイント６のノブ連結部
６ａとに案内孔３ｃを通じて嵌装されている。

横フイン１の左右方向中間部には切欠き１ｃが
形成されており、ノブ３の横方向の移動を許容す
るようになつている。

ジヨイント６は、ノブ連結部６ａ，縦フイン連
結部６ｂおよびノブ連結部６ａと縦フイン連結部
６ｂとを剛に連結する中央部６ｃとで構成されて
いる。

縦フイン連結部６ｂは、縦フイン２に形成され
た孔２ｂに嵌挿されている。

孔２ｂは縦長の状態で縦フイン２の前後方向に
延在しており、縦フイン連結部６ｂが縦フイン２
の揺動により前後方向に移動しうるようになつて
いる。

また、孔２ｂには、縦フイン２の両側面に開口
するように左右方向に延在して形成された孔２ａ
が交叉しており、縦フイン２の揺動時におけるジ
ヨイント６の中央部６ｃの左右揺動を許容できる
ようになつている。

本考案の一実施例としてのフイン装置付きエア
アウトレツトは上述のごとく構成されているの
で、まず、横フイン１の姿勢を調整するには、ノ
ブ３を回転中心Ｃの回りに回動させる。

これにより、横フイン１は支軸１ｂの回りに揺
動されるが、ノブ３も支軸１ｂと同軸上のノブ連
結部６ａを中心に揺動される。

このとき、ジヨイント６の中央部６ｃはノブ３
の凹部３ｅに進入する。

すなわち、横フイン１とノブ３とが一体になつ
て揺動される。

このとき、ジヨイント６は移動せず、ジヨイン
ト６および縦フイン２は駆動されないそのままの
状態が保持される。

そして、縦フイン２の姿勢を調整する場合に
は、ノブ３を横フイン１の長手方向に沿い横方向
に摺動させる。

これによりノブ３およびジヨイント６が横フイ
ン１の切欠き１ｃ内を横方向に移動し、縦フイン
２がジヨイント６の縦フイン連結部６ｂに押され
て、支軸２ｄを中心とする揺動が行なわれる。

この場合における縦フイン連結部６ｂと縦フイ
ン２との前後方向における相対変位は、孔２ｂに
より許容される。

また、ジヨイント６の中央部６ｃと縦フイン２
との相対角度の変化は孔２ａに中央部６ｃが進入
し移動することにより許容される。

このように、ノブ３が支軸１ｂと同一軸線上で
揺動されるため横フイン１の揺動によりジヨイン
ト６の前後および上下方向の変化が発生せず、こ
れにより、ジヨイント６を一定の位置に保てるよ
うになつて、縦フイン２の揺動のための操作部で
ある縦フイン連結部６ｂ、孔２ａ、孔２ｂを一定
の場所に設定できるようになる。

したがつて、従来発生していた、横フイン１の
揺動による縦フイン２の操作部の変位を防止でき
るようになり、縦フイン２の揺動のための大きな
孔２ｃを形成する必要がなくなる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案のフイン装置付き
エアアウトレツトによれば、空調装置のアウトレ
ツトにおいて、同アウトレツトの縁部に枢支され
た複数の横フインと、同横フインの背後に列設さ
れた複数の縦フインと、上記複数の横フインの姿
勢を一斉に変化させるべく同横フインの両側端に
枢着された横フイン連結棒と、上記複数の縦フイ
ンの姿勢を一斉に変化させるべく同縦フインの上
下両端に枢着された縦フイン連結棒と、所要の上
記横フインに摺動可能に嵌装されたフイン姿勢調
整用ノブとをそなえ、同ノブと上記縦フインとが
ジヨイントにより連結されて、同ジヨイントが、
上記横フインの回転中心線上に配設され上記ノブ
に枢支されたノブ連結部と、上記縦フインに回動
可能に且つ前後移動可能に連結された縦フイン連
結部と、上記のノブ連結部と縦フイン連結部とを
連結する中央部とで構成され、上記ノブを嵌装さ
れた上記横フインに、上記ノブの移動を許容する
切欠きが形成されるという簡素な構成で、横フイ
ンの姿勢に関係なく、一定の位置に縦フインの揺
動のための操作部を設けることができるようにな
り、ノブと縦フインとの干渉を防止できるように
なる利点がある。

また、従来の縦フインにその揺動のためノブの
変位を許容するように形成されていた大きな孔を
設ける必要がなくなり風向の制御能力を向上させ
る利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案の一実施例としてのフイン
装置付きエアアウトレツトを示すもので、第１図
はその要部を模式的に示す分解斜視図、第２図は
第１図の−矢視断面図であり、第３，４図は
従来のフイン装置付きエアアウトレツトを示すも
ので、第３図はその要部を示す斜視図、第４図は
第３図の−矢視図である。 １……横フイン、１ｂ……支軸、１ｃ……切欠
き、２……縦フイン、２ａ，２ｂ，２ｃ……孔、
２ｄ……支軸、３……ノブ、３ａ，３ｂ……孔、
３ｃ……案内孔、３ｅ……凹所、５……横フイン
連結棒、６……ジヨイント、６ａ……ノブ連結
部、６ｂ……縦フイン連結部、６ｃ……中央部、
７……縦フイン連結棒、Ｃ……回転中心、Ｓ……
フイン装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空調装置のアウトレツトにおいて、同アウトレ
   ツトの縁部に枢支された複数の横フインと、同横
   フインの背後に列設された複数の縦フインと、上
   記複数の横フインの姿勢を一斉に変化させるべく
   同横フインの両側端に枢着された横フイン連結棒
   と、上記複数の縦フインの姿勢を一斉に変化させ
   るべく同縦フインの上下両端に枢着された縦フイ
   ン連結棒と、所要の上記横フインに摺動可能に嵌
   装されたフイン姿勢調整用ノブとをそなえ、同ノ
   ブと上記縦フインとがジヨイントにより連結され
   て、同ジヨイントが、上記横フインの回転中心線
   上に配設され上記ノブに枢支されたノブ連結部
   と、上記縦フインに回動可能に且つ前後移動可能
   に連結された縦フイン連結部と、上記のノブ連結
   部と縦フイン連結部とを連結する中央部とで構成
   され、上記ノブを嵌装された上記横フインに、上
   記ノブの移動を許容する切欠きが形成されたこと
   を特徴とする、フイン装置付きエアアウトレツ
   ト。