JPH0332069B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は潜像を現像し生成する未定着画像を熱
や圧力等の定着方式により定着せしめて画像を得
るための新規な画像形成装置及びその方法に関す
る。 従来、電子写真複写機等の画像形成装置におい
て、トナー像を紙等に定着する工程に関しては
種々の方法や装置が開発されている。現在最も一
般的な方法は熱と圧力を同時に適用するいわゆる
熱ロール定着方式であり、これはトナー像を担持
している受像シートを加熱されたローラーと接触
させてトナー像を受像シートに定着させる方法で
ある。しかしながら、このような定着方式を利用
するといわゆるオフセツツト等のトブルを生じ易
い。オフセツトは受像シートに担持されたトナー
像の一部がローララー表面に転移するという好ま
しくない現像であり、熱ロール定着方式を開発す
る上での大きな問題である。現在一般に多用され
ている熱ロール定着器ではトナー像と接触するロ
ーラーは通常、離型性のよいシリコンゴムもしく
はフツ素系樹脂によつて少なくとも表面層が形成
されているが、その表面にオフセツト防止のため
及びローラー表面の疲労を防止するためにシリコ
ンオイルのような離型性の油を塗布する方式が多
い。 しかしながら油を塗布する方式では、油塗布系
を設けることにより定着装置が複雑になること及
び油の蒸発により使用者に不快感を与えること等
の問題がある。それゆえ、油塗布によつてオフセ
ツトを防止せんとする方向は好ましくなく、むし
ろ定着温度域の広い耐オフセツト性の良好なトナ
ーの開発が望まれているのが現状である。 確かに熱ロール定着方式の開発において、材料
的に限定されたロール材質及び離型性油に過度の
離型性を求めることは定着システム設計上適当で
はなく、むしろ現像特性とのバランスを保ちつつ
オフセツトフリーのトナー開発することの方が、
安価でコンパクトな定着装置を作る上では重要で
ある。従来より、オフセツトフリーのトナーを開
発するための重要なポイントとして、トナー溶融
時の粘性・離型性があげられる。すなわち、トナ
ーが溶融時温度変化に対して粘度の変化が少なく
かつ適当な粘度を有しており、さらに熱ロールに
対して離型性を有するようにトナー組成を設計す
ることが重要である。これらは一言で言えば、ト
ナーの熱的物理的性質の問題である。 しかしながら本発明者は、トナーの熱的物理的
性質のみでは説明できない次のようなな現像を見
い出した。 ここで、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合
体100重量部，低分子量ポリプロピレン10重量部，
カーボンブラツク６重量部から成るトナーを作成
する。このトナーをキヤリアー鉄粉と混合して負
荷電性トナーとし、正性潜像を現像して普通紙に
転写する。得られる未定着画像をＮとする。ま
た、同一のトナーを表面コートしたキヤリアー鉄
粉と混合して正荷電性トナーとし、負性潜像を現
像して普通紙に転写する。得られる未定着画像を
Ｐとする。次いで、表面がポリテトラフルオロエ
チレンで被覆され、内部にハロゲンランプを有す
る定着ローラーと表面がシリコンゴムで被覆され
た加圧ローラとを有する定着器を用いて、画像
Ｎ，Ｐの定着テストを行なつた。結果は以下の表
１の通りであつた。

【表】 ○：良 △：やや良 ×：不良
また定着テストに用いた普通紙を定着器に通す
と紙は正に帯電し、紙に対して２本のローラー共
負に帯電する。この事実と上記の定着テストの結
果とを考え合わせて、本発明者らは次のように推
察している。すなわち、帯電実験の結果定着時紙
は正に帯電しているのであるから、画像上のトナ
ーが正に帯電したトナーであると、トナーは紙か
ら離れて定着ローラーへ転移する方向の電気的な
力を受け、紙とは密着しずらくなりローラーへオ
フセツトし易くなる。逆に画像上のトナーが負に
帯電したトナーであると紙と密着し易くなりオフ
セツトしずらくなる。それゆえ、画像Ｎは定着性
耐オフセツト性双方に秀れているが、画像Ｐは同
じトナーを用いているにもかかわず定着性，耐オ
フセツト性が劣つているのである。表−１におい
て、画像Ｐは低い温度（150〜170℃）においてオ
フセツト性が劣ることに注意されたい。定着ロー
ラーの温度が高ければ（190〜200℃）トナーは十
分に溶融して紙と密着するので、電気力の影響が
殆んどなくなると考えられる。 このような状況下において、負性潜像等を現像
し、正帯電トナー像を熱ロール定着方式等を用い
て定着する画像形成方法及び装置を開発するべく
なされたものである。 この本発明は、像担持体
と、この像担持体上の潜像を正帯電トナーで現像
する現像手段と、像担持体上のトナー像を転写材
に転写する転写帯電手段と、転写材上のトナー像
を定着する未定着画像と接する第１回転体、この
第１回転体と圧接する第２回転体と、を有する画
像形成装置において、上記現像手段による現像部
と転写帯電手段による転写部との間の位置で、ト
ナー像に上記第１回転体の摩擦帯電極性と同極性
の放電を付与する放電手段を有することを特徴と
する画像形成装置、及び、像担持体上に静電潜像
を形成する第１の工程と、この像担持体上の静電
潜像を正帯電トナーで現像する第２の工程と、像
担持体上のトナー像を転写材に静電的に転写する
第３の工程と、未定着トナー像に定着回転体を接
触させて定着する第４の工程と、を有する画像形
成方法において、上記第２の工程と第３の工程と
の間にトナー像に上記定着回転体の摩擦帯電極性
と同極性の放電を付与する工程を有することを特
徴とする画像形成方法である。 以下の説明において、電気的負性潜像とは現像
電極に対して電位的に負である潜像を意味し、負
電荷を有する潜像はもちろん、正電荷を有する潜
像であつても反転現像を行なう場合には本発明に
包含される。上記電気的負性潜像等を形成する工
程としては、例えば酸化亜鉛感光体，各種有機光
導電体等のＮ型導電体に負電荷を付与し像露光し
て形成するカールソン法，絶縁層−Ｐ型光導電体
−導電性基板の３層を有する感光体を負帯電し、
像露光と同時に正帯電もしくはAC除電、さらに
全面露光を行なつて形成するNP法等周知の方法
がある。 電気的負性潜像を現像する方法としては、例え
ば、米国特許第2874063号明細書に記載されてい
る磁気ブラシ法、同第2221776号明細書に記載さ
れているカスケード現像法、特開昭54−42141号
に記載されている絶縁性磁性トナーを用いる方
法、パウダークラウド法，インプレツシヨン法，
高抵抗の磁性トナーを用いる方法等がある。 以下の実施例で使用する加熱された少なくとも
１対のローラー間を通過せしめて、トナー像をト
ナー支持体に定着するものとしては、例えば内部
に熱源を有する表面がフツ素系樹脂乃至シリコー
ンゴムで被覆された定着ローラーと必要に応じて
内部に熱源を有するフツ素系樹脂乃至シリコーン
ゴムで被覆された加圧ローラーとをほぼ互いに平
行に設けて配置し、両ローラー間におよそ0.01〜
10Kg／cm程度の線圧を印加して、両ローラー間を
通過する画像を熱定着する方法がある。この工程
においては、必要に応じて熱エネルギーを供給す
るための第３のローラー，オフセツトしたトナー
を除くためのクリーナー，オイルを塗布するため
の手段等を設けても良い。また、必要に応じて潜
像保持体上の現像画像を転写部材上に転写する工
程を有するが、そのためにコロナ転写方式，バイ
アスロール転写方式，磁気転写方式等を用いるこ
とができる。この場合、通常潜像保持体上の残余
のトナーをクリーニングする必要があるが、その
ためにはブレードクリーニング方式，フアーブラ
シクリーニング方式，磁気ブラシクリーニング方
式等を用いることができる。 さらに、上記電気的負性潜像をトナーを用いて
現像した後からトナー像をトナー支持体に定着す
る工程に至る間の工程において、前記トナー像を
負性に帯電せしめる工程としては、トナー像に負
極性コロナを付与して負性に帯電せしめるものが
好ましいが、本発明は、これに限定するものでな
く逆特性に変換するものであれば良い。 上記電気的負性潜像を現像するためのトナーと
しては、熱ロール定着に適した比較的分子量分布
の広いスチレン系重合体，アクリル系重合体，ポ
リエステル，エポキシ樹脂，ポリアミド等の重合
体を結着樹脂とし、着色剤として、カーボンブラ
ツク，鉄黒，グラフアイト，ニグロシン，群青，
フタロシアニンブルー，ベンジジンイエロー，ハ
ンザイエロー，キナクリドン，金属錯塩染料，各
種レーキ顔料等を用いれば良い。 さらに、必要に応じて正荷電制御・凝集防止・
離型性向上等の目的のために、ニグロシン置換さ
れた４級アンモニウム塩，ジメチルアミノエチル
メタクリレート重合体，ビニルピリジン重合体，
アクリルアミド重合体，塩基性染料及びそのレー
キ，コロイド状シリカ，低分子量ポリエチレン，
低分子量ポリプロピレン，ビスアマイド，高級脂
肪酸及びその金属塩等を添加しても良い。 また、上記説明した使用するトナーを磁性トナ
ーとするには、強磁性の元素及びこれらを含む合
金，化合物等であり、マグネタイト，ヘマタイ
ト，フエライト等の鉄、コバルト，ニツケル，マ
ンガン等の合金や化合物、その他の強磁性合金等
従来より磁性材料として知られている物質等を添
加すればよい。さらに、必要に応じて鉄粉，ガラ
スビーズ，ニツケル粉，フエライト粉等のキヤリ
アー粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤とし
て用いても良く、粉体の自由流動性改良等の目的
でコロイド状シリカ微粉末やトナー固着防止のた
めに酸化セリウム等の研摩剤を添加しても良い。 以下実施例を以つて本発明を詳述するが、もち
ろん本発明がこれに限定するものではない。 第１図は、本発明に係る画像形成方法が適用可
能な複写装置又は記録装置の一実施形態を示す。
１は酸化亜鉛感光体であり、酸化亜鉛−バインダ
ー層とアースされた導電性基体とから成り、矢印
の方向に定速回転する。（ここでは線速100mm／
sec）２は周知の帯電装置であり、−7KVの負極
性コロナを放電し、感光体１上に負荷荷を付与す
る。３は原稿像又は光像あるいは画像信号により
変調された光ビーム等を投影する光像照射装置で
ある。これらにより感光体１上に負性潜像を形成
し、形成された負性潜像は現像装置４を用いて現
像される。現像装置中のトナー４ａは、スチレン
−メタクル酸ブチル共重合体100重量部，140℃に
おける溶融粘度が280CPSのポリプロピレン，ニ
グロシン染料２重量部，磁性粉60重量部，コロイ
ダルシリカ２重部からなる正荷電性磁性トナーで
あり、内部に固定された磁石４ｃを有するSUS
製の現像スリーブ４ｂが矢印の方向に感光体１と
ほぼ同じ線速で回転することによつて、250μに
設定された鉄製ブレード４ｄとスリーブ４ｂの間
隙を通過してスリーブ４ｂ上にコートされる。コ
ートされたトナーは感光体１とスリープ４ｂとの
最小間隙部において、潜像のパターンに応じてス
リーブ４ｂから感光体１へと転移する。ここで、
スリーブ４ｂと感光体１との間隙は250μに設定
されており、スリーブ４ｂには−1150Vの直流バ
イアス1.2KHz，1.5KVの交流バイアスが印加され
ている。続いて、感光体１上の正帯電したトナー
像は−6KVの帯電装置６によつて定着ローラ９
ａの摩擦による帯電性と同極性の負電荷を付与さ
れ、負極性となる。さらに負極性となつたトナー
像５は＋7KVの帯電装置７によつて転写紙８上
に転写される。次いで、ポリテトラフルオロエチ
レンで被覆された内部に熱源を有する定着ローラ
ー９ａとシリコンゴムで被覆された加圧ローラー
９ｂとを有する定着装置９によつて定着される。
なお、９ｃはオイルを含浸せしめたクリーナーで
ある。一方感光体１上の転写されなかつた残余の
トナーはクリーナー１０によつて感光体１上より
除去される。得られた画像は鮮明で、またオフセ
ツトは観察されなかつた。これに対して帯電装置
６を用いず、さらに逆特性の−0KV印加された
帯電装置７′を用いることを除いては上記と同様
に行なつたところオフツトがみられた。 また本実施例では、現像部と転写部の間でトナ
ー像に放電を付与しているため、転写紙表面に影
響を与えることがなく転写電荷による転写紙に対
するトナーの保持効果を損ねることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の略断面図であ
る。 １は感光体、２，６，７，７′は帯電装置、８
は転写紙、９は定着装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 像担持体と、この像担持体上の潜像を正帯電
   トナーで現像する現像手段と、像担持体上のトナ
   ー像を転写材に転写する転写帯電手段と、転写材
   上のトナー像を定着する未定着画像と接する第１
   回転体、この第１回転体と圧接する第２回転体
   と、を有する画像形成装置において、 上記現像手段による現像部と転写帯電手段によ
   る転写部との間の位置で、トナー像に上記第１回
   転体の摩擦帯電極性と同極性の放電を付与する放
   電手段を有することを特徴とする画像形成装置。 ２ 像担持体上に静電潜像を形成する第１の工程
   と、この像担持体上の静電潜像を正帯電トナーで
   現像する第２工程と、像担持体上のトナー像を転
   写材に静電的に転写する第３の工程と、未定着ト
   ナー像に定着回転体を接触させて定着する第４の
   工程と、を有する画像形成方法において、 上記第２の工程と第３の工程との間にトナー像
   に上記定着回転体の摩擦帯電極性と同極性の放電
   を付与する工程を有することを特徴とする画像形
   成方法。