JP3295998B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3295998B2
JP3295998B2 JP01022593A JP1022593A JP3295998B2 JP 3295998 B2 JP3295998 B2 JP 3295998B2 JP 01022593 A JP01022593 A JP 01022593A JP 1022593 A JP1022593 A JP 1022593A JP 3295998 B2 JP3295998 B2 JP 3295998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電複写機、同プリン
タなど静電記録プロセスを利用する、特に中間転写媒体
を使用する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像担持体の表面に形成されたトナー像
を、いったん中間転写媒体に転写し、その後このトナー
像を、さらに紙や他の材質のシート等の転写材に転写す
るよう構成した画像形成装置の従来例としては、たとえ
ば特開昭59−50474号公報に、 中間転写媒体として、導電性基層の表面に絶縁性の粘
着層を設けたローラないしベルトを用い、前記導電性基
層と像担持体との間にバイアス電圧を印加する。
【0003】表面に粘着層を有する絶縁性の中間転写
媒体に導電性押圧ローラを押し当て、前記ローラと像担
持体間にバイアス電圧を印加する。
【0004】ものがある。このような仕方によって、像
担持体から中間転写媒体へ転写効率を向上させるものが
示されている。
【0005】また、特開昭63−223678号公報
に、中間転写媒体に像担持体からトナー像を転写する転
写バイアス電圧を印加し、さらに、中間転写媒体上のト
ナーを転写材に転移させるため、転移方向にバイアス電
圧を印加させる。
【0006】ものが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−50474号公報のおよびのような手段で
は、像担持体から中間転写媒体への転写効率を向上させ
るが、は転写材に転写定着する際にもバイアス電圧が
かかっていることになるため、トナーを中間転写媒体か
ら分離することがむずかしく、またにおいては、中間
転写媒体とトナーの間には静電気力により引き合う力が
働くため、像担持体から中間転写媒体に転写後中間転写
媒体を除電しなければならないが、除電を充分に行うこ
とは困難であり、以上のような理由からトナー像を中間
転写媒体から最終の転写材に転写する際に、転写媒体上
にトナーが残留するという問題点があった。
【0008】特開昭63−223678号公報は、中間
転写媒体上のトナーを転写材に転写する転写効率を良く
するための手段であるが、その効果は若干は認められる
ものの、熱、圧力、電界の作用により行われる転写定着
におけるそれぞれの効果、特にそれらの相補効果につい
ては何ら記述するものではなく、さらに、転写定着を効
率よく行うためのそれぞれの条件の設定の仕方について
も、何ら提示するものではなかった。
【0009】本発明は、転写定着手段を有する画像形成
装置で、転写定着手段にかけられる熱、圧力、電界の効
果について明らかにし、圧力、電界を所定の範囲にする
ことにより、中間転写媒体から転写材への転写効率を高
め、転写後の転写材上での印字品質が良く、さらには機
内のトナー汚染も少なくする画像形成方法および装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】像担持体と、その表面に
形成されたトナー像を受容する中間転写媒体と、前記中
間転写媒体上のトナー像を転写材に転写定着する転写定
着手段とを備えた画像形成装置において、前記転写定着
手段には、中間転写媒体上のトナーが転写材に転移する
方向の電界を発生するバイアス電圧印加手段を配し、前
記中間転写媒体は、導電性を有する基体の表面に誘電性
もしくは抵抗性のコート層を有し、前記中間転写媒体と
前記転写材との接触率が80%以上、前記バイアス電圧
印加手段による前記中間転写媒体上のトナーが転写材に
転移する方向の電界(E)が5×10V/m以下とした
ことを特徴とする。
【0011】
【実施例】以下図面に基づいて、本発明を詳細に説明す
る。
【0012】(実施例1)図1は、本発明による画像形
成装置の概略図である。
【0013】像担持体2と、像担持体2に接触しその後
転写定着部9を通過するベルト状の中間転写媒体5、そ
してこれを支持する加熱ローラ6、加圧ローラ8、転写
ローラ4、従動ローラ10とから主要な部分は構成され
ている。中間転写媒体5は矢印aの方向に進行し、矢印
bの方向に回転する像担持体2に転写ローラ4により圧
接される。像担持体2は、矢印bの回転に従い、まず帯
電器11により表面が均一に帯電され、図示されていな
いレーザー光源より出射されたレーザー光12により潜
像が形成される。形成された潜像が像担持体2の回転に
従って現像位置に移動すると、現像手段13は現像動作
に入り像担持体2の表面上に潜像に従ってトナー像1を
形成する。次に、形成されたトナー像1は、像担持体2
と転写ローラ4とのニップ部分に入り、転写ローラ4に
よって印加されるバイアス電圧により、中間転写媒体5
上に転写される。以上、像担持体2からトナー像1が中
間転写媒体5に転写されるプロセスが一次転写である。
【0014】一次転写時のバイアス電圧は中間転写媒体
の材質や厚み、トナー種により異なるが200〜300
0Vが必要である。このバイアス電圧の効果により像担
持体2から中間転写媒体5にはトナー像1の一次転写は
効率的に実行されるが、像担持体2上に中間転写媒体5
へ移行せず残留したトナーは、像担持体2の回転に従い
クリーナー部3に達し、そこでかき取られて像担持体2
上からは完全に除去される。残留トナーが除去された
後、図示されていない光源より出射される除電光により
像担持体2の電荷は除去される。残留トナー、残留電荷
の除去が行われた像担持体2は、次の画像形成のために
準備される。
【0015】ここで、像担持体2の感光層は、有機光導
電体、無機光導電体、有機・無機の複合型光導電体が使
用でき、この感光層は潜像を形成する手段(本実施例で
はレーザー光13を用いているが)が発生する光の波長
域に感度を有すれば良い。また、像担持体2は円筒状で
はなくフィルム基体上に感光層が形成されていても良
い。帯電器11は、たとえば、コロトロン、スコロトロ
ン、ローラ式、ブラシ式が使用でき、像担持体2の帯電
極性は、用いる感光層の特性に合わせた極性にする。転
写ローラ4は、芯金上に導電性のスポンジをつけたもの
を用いたが、他の転写手段としては、コロトロン、スコ
ロトロン、ローラー式、ブラシ式等が使用できる。いず
れも中間転写媒体5の背面側に配置される。
【0016】トナーは、ポリエステル系樹脂、スチレン
アクリル系樹脂等の結着樹脂中に、色材を分散した、体
積平均粒径約10μmの粒子であって、必要に応じ、金
属石鹸、ポリエチレングリコール等の界面活性材(分散
剤)、電子受容性の有機錯体、塩素化ポリエステル、ニ
トロフニン酸、第4級アンモニウム塩、ピリジウム塩等
の帯電制御剤、ポリプロピレンワックス等の離型剤、タ
ルク等の充填剤、SiO2、TiO2等の流動性向上剤等
が内添、もしくは、外添される。各トナーは各現像器内
で、均一に混合、分散され、所定電荷に帯電される。現
像器内にキャリアと共に混合しても良い。トナーの帯電
極性は、像担持体2の帯電をマイナスにし、反転現像を
行う場合は、マイナスとなる。
【0017】図2は、中間転写媒体5の構成を示す図で
ある。中間転写媒体5は、ベルト基体15とその表面に
あるコート層16の2層のものを用いたが、ベルト基体
15の両面にコート層16がある3層、あるいはそれ以
上の層を有する構造でも良い。ベルト基体15に用いる
材質は、電気的な性質から、誘電性(体積抵抗1013Ω
cm以上)、導電性(体積抵抗100〜103Ωcm)、
抵抗性(体積抵抗104〜1012Ωcm)の3種類のも
のである。誘電性のものとしては、ポリイミドやポリア
ラミド等の樹脂フィルムやセラミックフィルム等、導電
性のものとしては、アルミニウム、ニッケル等の金属、
合金等のもの等、また抵抗性のものとしては、ポリイミ
ドやポリアラミドにカーボンブラックや金属を混入させ
て抵抗を小さくしたもの等が使用できる。ベルト基体1
5上のコート層16は、ある方がトナーの離型性や耐久
性の面で有利であり好ましいが、無くても使用すること
ができる。コート層16の材質としては、電気的に誘電
性のものか、抵抗性のものが使用できる。誘電性のもの
としては、フッ素、シリコンゴム等が使用でき、抵抗性
のものとしては、フッ素やシリコンゴム等のものにカー
ボンブラックや金属を混入させて抵抗を小さくしたもの
等が使用できる。なお、中間転写媒体5は、転写定着部
9で加熱ローラ6により加熱されるから、中間転写媒体
5を構成するものが、樹脂等の素材であればガラス転移
点が200℃以上、もしくは、ガラス転移点がみられな
い材料により構成されることが望ましい。
【0018】中間転写媒体5は、矢印aの方向に進行
し、転写定着部9にはいる。転写定着部9は、中間転写
媒体2の内部にあり、中間転写媒体5が進む方向に駆動
され、その内部に加熱手段を有する加熱ローラ6と、加
熱ローラ6と中間転写媒体5をはさんで圧接し、バイア
ス電圧印加手段を有する加圧ローラ8により構成され
る。
【0019】加熱ローラ6は、アルミ・鉄・ステンレス
鋼等の材質の素管表面にフッ素樹脂やシリコンゴム等が
つけられてできており、加熱ローラ6の円筒の内部には
制御可能な熱源が位置する。熱源には、ハロゲンラン
プ、セラミックヒーター等を一つ、あるいは複数を用い
ることができる。この内部の熱源により加熱ローラ6は
加熱され、表面は所定の温度に維持されている。加熱ロ
ーラ6のかわりに、板状の熱源に耐熱性のシリコンゴム
やフッ素等をコートしたものを使用することもできる。
【0020】中間転写媒体5上のトナー像が転写定着部
9に移動すると、それに合わせて転写材14は矢印cの
方向に搬送され、中間転写媒体5の周速度と同速度で加
熱ローラ6と加圧ローラ8のニップ部に移動する。加熱
ローラ6は、転写材14が通過する以前に、内部の熱源
に通電され、熱ローラ6の表面は所定の温度に達すると
共に、所定温度に保持されるように熱源が制御されてい
る。加熱ローラ6と加圧ローラ8のニップ部では、中間
転写媒体5上のトナーは中間転写媒体5を介して加熱ロ
ーラ6より軟化点温度以上に加熱されるとともに、加圧
ローラ8により加えられる圧力により転写材14と接触
し、溶融したトナーが転写材14と濡れ、浸透し、トナ
ーは転写材14と接着する。ニップ部9通過後は、図示
されない剥離手段により転写材14と中間転写媒体5か
ら剥離し、その後転写材14は搬送され、トナーは冷
却、凝集して、転写材14上にトナー像が定着される。
この時の加熱ローラ6の表面温度は、ニップを通過する
間にトナーをゴム状あるいは液状に変化させるのに必要
な熱量を与えられるよう、通常80〜200℃に設定さ
れている。以上、中間転写媒体5より転写材14にトナ
ー像1を転写定着するプロセスが二次転写である。
【0021】中間転写媒体5としては、導電性ポリイミ
ドフィルムをベルト基体とし、コート層にはフッ素コー
トにしたものを使用した。導電性ポリイミドの厚さは3
0μmので、シームレスベルトに成形したものの表面
に、厚みが25μmのフッ素をコートしている。導電性
ポリイミドの体積抵抗は5×101Ωcm、でフッ素の
比誘電率は3.0であった。加圧ローラ8は、ステンレ
ス製の芯金に導電性スポンジを巻いたものを使った。全
体の直径は30mmで、内部の芯金は直径20mm、肉
厚10mmである。導電性スポンジの体積抵抗は108
Ωcmであった。トナーはポリエステルを主成分とし、
体積平均粒径10μmのものを使用し、現像量は1.5
層程度で、厚みは14μmであった。トナーの帯電量は
15μC/gで、比誘電率は3であった。トナー層と転
写材との間には、1μmの間隙があるものとする。転写
材にはppc用紙を用い、その厚みは約100μmで、
紙の水分量は約5%に調湿したものを用いた。また、電
気的性質は比誘電率が3.0、厚み方向の抵抗は2.0
×107Ωcmであった。また、二次転写時の中間転写
媒体5とppc用紙とのニップは、幅4mm、横の長さ
は220mmであった。この時の加熱ローラ6と加圧ロ
ーラ8との間の圧力は、0.8kg/cm2であった。
また、加熱ローラ6の表面温度は、160℃に設定し
た。上記のような中間転写媒体、トナーおよび転写材を
用いて、二次転写を行った。
【0022】このような画像形成装置を用いて実験を行
った。
【0023】二次転写で中間転写媒体5と加圧ローラ8
の間にかけられるバイアス電圧を変化させるとともに、
中間転写媒体5を挟んで加熱ローラ6と加圧ローラ8の
間の圧力を変化させたときの、転写効率の測定を行っ
た。
【0024】加熱ローラ6の温度を150℃一定とし、
加熱ローラ6と加圧ローラ8間を通過する速度も5pp
mで一定として実験を行った。中間転写媒体5には、上
述と同様の導電性ポリイミドにフッ素コートをしたもの
を用いた。
【0025】加圧ローラ8のバイアス電圧を細かく変化
させた。トナーにかかる電界が0.5×106V/mご
とに変化させた。また、それぞれのバイアス電圧条件で
加熱ローラと加圧ローラ間にかかる圧力も同様に変化さ
せ、0.1kg/cm2に変化させて実験を行った。
【0026】加圧ローラ8にかけるバイアス電圧を0か
ら変化させたが、最初中間転写媒体5上にトナーが多く
残留していたが、徐々に減少し、さらに上げていくと残
留するトナーがなくなっていた。二次転写で加圧ローラ
8にかかるバイアス電圧が250Vでは、中間転写媒体
5上に残留するトナーは全くなく、この時のトナー層に
かかる電界を算出したところ、6×107V/mであっ
た。さらに、バイアス電圧を上げていくと、中間転写媒
体5上のトナーは同様に100%転写されるが、電圧を
さらに大きくしていくと、ある電圧以上でトナーが中間
転写媒体5上に再び残留するようになることが確認され
た。
【0027】つぎに、上記と同様の画像形成装置を用
い、バイアス電圧は一定とし、加熱ローラ6と加圧ロー
ラ8にかかる圧力を変化させて、他の条件は上記と同様
にして、中間転写媒体5上に残留するトナーを調べた。
圧力を0から変化させ、徐々に大きくしていったとこ
ろ、圧力が小さい時は残留トナーが非常に多かったが、
圧力を大きくするにつれて減少していき、ある圧力から
は残留トナーが全くなくなった。さらに、圧力を大きく
していったが、残留するトナーはそれ以降は全く発生し
ていなかった。
【0028】評価は、中間転写媒体5からppc用紙へ
のトナーの転写効率の測定を行った。中間転写媒体5上
の像担持体2から転移したトナー重量をテープ転写した
ときのテープ重量の変化により調べ、ppc用紙へ転写
定着後、中間転写媒体5上の残留トナーを同様にテープ
転写により重量を測定し、転写効率を求めた。
【0029】中間転写媒体上に残留したトナーは、中間
転写媒体5がプロセス上を回転し、再び像担持体に接触
した際、像担持体表面をを傷つけたり、次回の転写定着
で転写材に移り、本来の画像部以外の部分に付着して印
字画像を汚す等の問題点がある。このため残留トナーが
発生した場合には、中間転写媒体のクリーニングが必要
となる。しかし、中間転写媒体上でいったん溶融し固定
化したトナーはクリーニングされにくいことと、また画
質の面で抜けを減らすことから、中間転写媒体5上に残
留するトナーの量はないことが望ましい。効率良く円滑
にプロセスを進行するためには、転写効率は数値上では
95%以上が望ましい。
【0030】図3は、電界を変化させた時の転写効率の
結果を示すグラフである。横軸は中間転写媒体と転写材
間の電界、縦軸は中間転写媒体から転写材へ移行する二
次転写時のトナーの転写効率である。加圧ローラーの荷
重を変化させて、加熱ローラと加圧ローラのニップ部の
圧力を0.2,0.5,1kg/cm2に変化させた時
の曲線をそれぞれ、、で示している。転写効率が
95%を越える電界領域がそれぞれの圧力により異な
る。圧力が低いほど、電界が大きくなければならない。
また、50×107V/mをこえる領域では、どれも転
写効率が95%以下になっていた。
【0031】圧力が大きいほど転写効率がよくなるとい
う結果が得られたが、さらにトナーの中間転写媒体上の
残留を減らすために、残留トナーがなぜ生ずるかについ
てのメカニズムを調べた。
【0032】まず、転写定着後のフィルムと紙について
目視、光学顕微鏡により観察を行ったところ、残留トナ
ーは紙の凹部で主に発生していた。これにより、転写材
と中間転写媒体とで、十分接触してない個所では、トナ
ーが残りやすくなる。そこで、圧力を変化させた場合の
フィルムと紙との接触面積を調べてみることにした。図
4は、フィルムと紙との接触率の関係のグラフである。
縦軸が転写材と中間転写媒体の面積接触率、横軸が加熱
ローラと加圧ローラのニップ部にかかる圧力となってい
る。接触率は圧力が上がるほどに増加し、0.2kg/
cm2以上で80%を越えることがわかる。
【0033】図3と図4とから、転写効率95%以上が
可能となるのは、圧力が0.2kg/cm2以上でバイ
アス電圧をある設定以上にする、あるいは電界のアシス
ト無しで圧力1kg/cm2以上とし接触率を高くする
かのどちらかの状況であることがわかった。つまり、バ
イアス電圧が無くとも転写効率をあげることが可能であ
り、バイアス電圧をかける場合にもバイアス効果が効率
的に働くように設定することが可能であることを示して
いる。
【0034】図5は、以上の結果から二次転写効率が9
5%以上の圧力と電界の領域をまとめたものである。縦
軸が中間転写媒体と転写材間にかかる電界、横軸が加熱
ローラと加圧ローラのニップ部の圧力を示す。二次転写
の転写効率が95%以上の良好な領域は、以下の3つの
エリアとなるという結果が得られた。
【0035】I、p≧0.2kg/cm2、かつ2×10
6≦E≦5×108V/m II、p≧0.5kg/cm2、かつ1×106≦E≦5×
108V/m III、p≧1kg/cm2、かつE≦5×108V/m このようにして、作成された印字画像は、黒べたも均一
で、細線やドットも再現よくはっきりとでており、画質
がよかった。バイアス効果を有効に使えるため、圧力を
必要以上に高くすることはないため、印字のつぶれが少
ない。また、紙カールも少ない。さらに、圧力を大きく
するためのおおがかりな装置も少ない。また、中間転写
媒体の長寿命化ができるとともに、一次転写、二次転写
の転写効率が100%近いため、画像形成後の機内を観
察したところトナー飛散が少なくなっていた。
【0036】本発明においては、中間転写媒体5と加圧
ローラ8との間にバイアスにより電界を形成しているた
め、中間転写媒体5上のトナーには、加圧ローラ8へ転
移する方向へ働く力が作用し、トナーは転写材14へ転
移し、鮮明な画質を形成することができる。また、バイ
アス電圧が印加されていないときの加圧ローラ8におけ
るような摩擦帯電による画像の乱れを生ずるおそれも少
ない。
【0037】また、中間転写媒体5上にはトナー残留は
ほとんどない。従って、クリーニング手段は動作させる
必要はない。また、トナーの中間転写媒体5上への固着
も発生し得ない。
【0038】本発明を適用した実施例について説明した
が、これに限定されるものではなく、その他の画像形成
装置にも適用できる。
【0039】(比較例)実施例1と同様の実験装置を用
いて、圧力pを0.1kg/cm2として電界を変化さ
せたときの二次転写効率を調べた。その結果、二次転写
効率は、図3に示すような曲線となり、95%を越える
領域はなかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、像担持体
と、その表面に形成されたトナー像を受容する中間転写
媒体と、前記中間転写媒体上のトナー像を転写材に転写
定着する転写定着手段とを備えた画像形成装置におい
て、前記転写定着手段には、中間転写媒体上のトナーが
転写材に転移する方向の電界を発生するバイアス電圧印
加手段を配し、前記中間転写媒体は、導電性を有する基
体の表面に誘電性もしくは抵抗性のコート層を有し、前
記中間転写媒体と前記転写材との接触率が80%以上、
前記バイアス電圧印加手段による前記中間転写媒体上の
トナーが転写材に転移する方向の電界(E)が5×10
V/m以下とすることにより、像担持体からトナー像
の中間転写材への転写効率を良好に維持しながら、トナ
ー像の転写材への最終転写効率を向上することができ、
転写材へ良好な画像を得ることができる。
【0041】また、印字が良く、転写材のカールが少な
いうえに圧力を必要以上に大きくする必要がないので軽
量・コンパクトに設計することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を複写機に適用した実施例を
示す側面図。
【図2】 図2は、本発明に用いる中間転写媒体の構成
を示す図。
【図3】 図3は、本発明を用いたときの中間転写媒体
上のトナーが転写材へ移動する転写効率と電界Eとの関
係を示したグラフ。
【図4】 図4は、本発明を用いて転写定着を行ったと
きの、中間転写媒体と転写材にかかる圧力と中間転写媒
体とppc用紙との接触率の関係を示したグラフ。
【図5】 図5は、本発明を用いて転写定着を行ったと
きの、中間転写媒体から、転写材舳の転写効率が95%
を越える圧力−電界の領域を示すグラフ。
【符号の説明】
1 トナー 2 像担持体 3 クリーナー部 4 転写ローラー 5 中間転写媒体 6 ヒートローラー 7 転写材挿入部 8 加圧ローラー 9 転写定着部 10 駆動ローラ 11 帯電器 12 レーザー光 13 現像手段 14 転写材 15 ベルト基体 16 コート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 G03G 15/20 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、その表面に形成されたトナ
    ー像を受容する中間転写媒体と、前記中間転写媒体上の
    トナー像を転写材に転写定着する転写定着手段とを備え
    画像形成装置において、前記転写定着手段には、中間転写媒体上のトナーが転写
    材に転移する方向の電界を発生するバイアス電圧印加手
    段を配し、前記中間転写媒体は、導電性を有する基体の
    表面に誘電性もしくは抵抗性のコート層を有し、 前記中間転写媒体と前記転写材との接触率が80%以
    上、前記バイアス電圧印加手段による前記中間転写媒体
    上のトナーが転写材に転移する方向の電界(E)が5×
    10 V/m以下、とした ことを特徴とする画像形成装
    置。
JP01022593A 1993-01-25 1993-01-25 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3295998B2 (ja)

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