JPH0332047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プラグピンとこのプラグピンが挿入
され電気接続される受け端子とを備えた接続装置
に関するもので、特に超小型のプラグピンとこれ
を受ける超小型の受け端子とを備え、平板状に構
成したICパツクの電気接続に使用される接続装
置に関する。

［従来の技術］ 第７図は平板状のICパツクの一例を示すもの
で、このICパツク７０は、メモリ、CPUなどの
半導体集積回路を収容する部分７１とコネクタ７
２の部分から構成される。このコネクタ７２には
多数の孔７３が格子状に形成されていて、この孔
７３に受け端子７４が１個ずつ配置される。この
孔７３の配列は、例えばコネクタの端面の長さ１
cmの範囲に１０個という高密度なもので、各受け
端子７４は非常に小型である。

第８図は受け端子７４を取出して示すものであ
る。すなわちこの受け端子７４は、円筒形の接触
部７５と、この接触部７５の一端から延出形成し
た取出ピン７６とから構成されている。この取出
しピン７６の先端７６ａには、上記ICパツク７
０の半導体回路が接続される。円筒形の接触部７
５には、プラグピン７８の一端７８ａが挿入され
嵌合接触する。このプラグピン７８は第９図に示
すようなコネクタ７９中に配置されたもので、こ
のプラグピン７８の他端７８ｂはたとえば印刷回
路基板の回路に接続される。こうしてこのプラグ
ピン７８を介して、ICパツクの半導体回路は上
記印刷回路基板の半導体回路に接続される。

このようなコネクタ７２および７９からなるコ
ネクタ装置において、プラグピン７８は断面が円
形の棒状のものである。そして受け端子７４の円
筒形の接触部７５の直径は、第１０図に示すよ
うにプラグピン７８の直径ｄよりもやや小さく設
定されており、プラグピン７８が嵌まり込むよう
になつている。このためプラグピン７８を繰り返
し挿抜することによつて、接触部７５はこの円筒
形が展開するような力を受けて変形し、プラグピ
ン７８を保持する機能が著しく低下すると共に、
プラグピン７８もこの嵌合接触時に摩耗する。

［考案が解決しようとする問題点］ したがつて本考案の目的は、プラグピンの挿抜
が繰返し行なわれても受け端子が変形せず、また
受け端子との嵌合接触に伴うプラグピンの摩耗も
少ない、挿抜耐久性に優れた接触装置を提供する
ことである。

［問題点を解決するための手段］ すなわち本考案に係る接続装置にあつては、受
け端子は四角筒状に折曲げて構成しこの四角筒の
対向する２面の少なくとも一方に並行した２枚の
弾性接触片を形成する。一方プラグピンは、上記
四角筒状の受け端子の上記対向する２面に挟み込
まれるように四角柱状に構成し、さらに少なくと
も上記弾性接触片に接触する側面の両縁は弧面状
に構成する。

［作用］ このように構成された接続装置において、受け
端子は四角筒状であり、四辺形の枠体がプラグピ
ン挿入口を強固にしているので、プラグピンの挿
抜を繰り返しても変形を受けにくい。また受け端
子にプラグピンを挿入した場合、受け端子の上記
２枚の接触片に触れる面は弧面状に形成されてい
るので、接触片はこの弧面にしたがつて押し広げ
られて傾いた状態でプラグピンに接触する。この
ように接触片はプラグピンに無理なく接触するの
で、プラグピン表面の摩耗は少ない。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の一実施例に係る接
続装置を説明する。第１図は接続装置の受け端子
１０およびプラグピン３０を示すもので、受け端
子１０はICパツク等に装着され、プラグピン３
０は印刷回路基板などに接続され、必要に応じて
これらを挿入および抜去することにより、ICパ
ツクの半導体回路と上記印刷基板の半導体回路と
を接続することができる。

受け端子１０は、基本的には１枚の金属板を四
角筒状に折曲して形成されている。受け端子１０
のプラグピン挿入口１１は、四辺形の開口を有す
る第１の枠体１２によつて構成され、プラグピン
挿入方向の奥部には第１の枠体１２と向かい合う
ように第２の枠体１３が形成されている。そして
第１の枠体１２の底辺１４と第２の枠体１３の底
辺１５の相互間にはこれらと一体に支持部１６が
形成されている。この支持部１６は、受け端子１
０の内側に向かつて弓状に突出湾曲し、弾性接触
片を構成している。そしてこの支持部１６に対面
する側には、第１および第２の弾性接触片１７，
１８が並行して形成されている。これらの弾性接
触片１７，１８は、枠体１２および１３の上辺を
連結している。このような受け端子は、支持部１
６の両端付近で両側に突出している結合片１９，
２０を直角に折り曲げて形成される。こうして弾
性を有する支持部１６と、第１および第２の弾性
接触片との間において、プラグピン３０は弾性的
に挟み込まれ電気接触する。また第２の枠体１３
の底辺１５には、支持部１６と反対の方向に延出
する信号導出ピン２１が形成されている。

このような四角筒状の受け端子１０に対応し
て、これに嵌合させるプラグピンは四角柱状に形
成することが考えられる。しかし第３図に示すよ
うにプラグピン４０が四角柱状である場合、角４
１および４２の部分が接触片１７および１８に接
触して局部的に摩耗する恐れがある。これは接触
片１７，１８が、プラグピン４０の挿入に伴つて
上方向に押し上げられるだけでなく、同時に左右
に開く方向にも移動して矢印ａのような回転運動
をするからである。

そこで第２図に示すように、プラグピン３０の
弾性接触片１７，１８に接触する表面の両縁に近
い部分を弧面３１，３２となるように形成する。
すなわちプラグピン３０は、基本的には受け端子
１０の四角筒の形状に対応した四角柱とし、そし
て接触片１７および１８に接触する面３３の両側
の縁を弧面３１，３２とするのである。この弧面
３１，３２の曲率は、受け端子１０の構造に応じ
て適宜決定されるものであるが、接触片１７，１
８の矢印ａの方向の回転運動に対応すると共に、
良好な電気接触の得られるような曲率とする。ま
た弧面は面３３の縁だけでなく、この面３３全体
が曲面となるようにしてもよく、また下面の縁部
３４，３５も弧面にしてもよい。こうしてプラグ
ピン３０の少なくとも接触片１７，１８に触れる
面を弧面状に形成することにより、プラグピンの
角が局部的に摩耗することはなくなり、このプラ
グピン３０の挿抜耐久性を良好にすることができ
る。

受け端子１０の第１の枠体１２の開口１１の径
Ｌは、プラグピン３０の径Ｄよりもやや長くし
て、プラグピン３０の挿入時に枠体１２がピン３
０によつて、こじられることのないようにする。
またこのように開口１１を広くすることにより、
プラグピン３０の挿入位置が、多少ずれるような
ミスアライメントが生じた場合であつても、プラ
グピン３０が直接受け端子１０を変形させること
はない。

また同じくこのようなミスアラインメントの生
じた場合でも、接触片１７，１８はプラグピンの
弧面３１，３２に適合して安定して弾性接触する
ことができる。

また受け端子の枠体１２は、金属板を四角に折
り曲げて形成したものである。このため枠体１２
の機械強度は、これら角の部分１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ，１２ｄによつて強化され、枠体１２に対
してこれを押し広げる方向の力が加えられた場合
でも、枠体１２は円筒形の受け端子よりも変形し
にくく、いわゆる耐こじり性が高い。また支持部
１６、および第１および第２の弾性接触片１７，
１８はそれぞれ両端支持ばね構造であり、枠体１
２，１３の間を固定連結する梁が設けられていな
いので、これらの支持部１６および接触片１７，
１８は可撓性に富み、プラグピン３０との接触状
態は安定している。

さらにこのような受け端子およびプラグピンに
対して、次のような表面処理を施すことにより、
嵌合耐久性をより高めることができる。すなわ
ち、パラジウム合金メツキ処理を含む多層の表面
処理、あるいは硬質の貴金属例えば金のメツキ層
を含む多層の表面処理を施すことにより、著しく
嵌合耐久性を向上することが可能となる。このよ
うな表面処理は、メモリカードのように特に挿抜
耐久性の要求される用途において有用である。

第５図は他の実施例を示したものである。この
受け端子５０も基本的には四角筒状の構造である
が、並行した２枚の弾性接触片５１および５２は
片持ちばねであり、これら接触片５１，５２に対
面する面の支持部５３は平面である。この実施例
の場合も、弧面を有するプラグピン６０を嵌合さ
せると、第６図のように接触片５１，５２は、そ
れぞれ弧面６１，６２に適合してプラグピン６０
に接触するので、プラグピンの角部が局部的に摩
耗することはない。

［効果］ 以上のように、本考案に係る接続装置において
は、受け端子は四角筒状に構成してこの少なくと
も一側面に弾性接触片を２枚並行して切り起こし
形成してプラグピンに弾性接触するようにし、一
方のプラグピンは上記受け端子に対応して四角柱
状に構成し、その側面のうち少なくとも上記接触
片に接触する一側面の両縁を弧面状に形成してい
る。上記受け端子の接触片がプラグピンによつて
上方向および左右方向に押し広げられる際、この
接触片は上記弧面にならつて無理なく傾いた状態
でプラグピンに弾性接触するので、プラグピンの
摩耗は少なく、また受け端子は四角筒状であり耐
こじり性が高いため挿抜耐久性の優れたコネクタ
装置を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る接続装置の
受け端子およびプラグピンを取出して示す図、第
２図は上記実施例の−線に対応する断面図、
第３図は第２図と同様の断面図で上記実施例を説
明するための図、第４図は第１図の−線に対
応する断面図、第５図は他の実施例を示す図、第
６図は第５図の−線に対応する断面図、第７
図はICパツクの外観を示す図、第８図乃至第１
０図は従来のコネクタ装置を説明するための図で
ある。 １０……受け端子、１６……支持部、１７，１
８……弾性接触片、１９，２０……結合片、３０
……プラグピン、３１，３２……弧面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 断面が四辺形の四角柱状プラグピンと、この
   プラグピンが挿入される受け端子とを具備し、 この受け端子は、前記プラグピンが挿抜可能
   に構成され四辺形の開口を有する第１および第
   ２の枠体と、この四辺形の一辺に沿つて位置し
   前記両枠体を連結し前記プラグピンの一側面と
   接触する支持部と、この支持部と対向する前記
   枠体の側面において形成され、前記プラグピン
   と接触する一対の弾性接触片とを具備し、 前記受け端子の一対の接触片と接触する前記
   プラグピンの接触面である四角柱状プラグピン
   の少なくとも両側の縁部分を弧面状に形成した
   ことを特徴とする接続装置。 (2) 前記受け端子の支持部も弾性接触片となるよ
   うに内方に湾曲して構成したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の接続装
   置。