JPH033149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、排ワラ搬送装置の搬送終端部に、こ
れから横向き姿勢で送り出されてくる排ワラ束を
所定量収集して大束を結束放出する装置を、結束
空間の上部に排ワラ放出アームが位置する状態で
配設してある移動脱穀機の排ワラ結束装置に関す
る。

この種の従来の排ワラ結束装置では、前記結束
空間の入口部上面と排ワラ収集部上面とを同一又
はほぼ同一レベルに構成していたのであるが、こ
れによる場合は、放出アームにて叩き出された結
束排ワラ束が排ワラ収集部上面に沿つてほぼ水平
に放出されるため、その放出軌跡の最大対地高さ
が低く、その結果、小山状にためられる放出排ワ
ラ束の最上部のものが放出軌跡の最大対地高さ位
置に早期に達して放出を邪魔することになるた
め、これを避けるには、脱穀作業を幾度となく中
断して放出排ワラ束をその場から除去する、又は
山を崩し乍ら作業を行なう要があり、作業が煩
雑、面倒なものとなる欠点があつた。

また、従来の結束装置においては、例えば、複
数の排ワラ束を１束に結束するものではないが、
実開昭50−153167号公報に開示されたもののよう
に、結束空間の排ワラ収集部をビル及び紐ホルダ
ーの下方に設けたものが一般に知られていた。し
かしながら、この従来構造では、結束空間が、下
方の紐供給部と上方の結節部との間に制限される
ので、大束結束に際して、結束量が小さく制限さ
れるという欠点があつた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであ
つて、結束排ワラ束の放出軌跡の最大対地高さを
高めることができるとともに、一度に結束できる
量を増大できる移動脱穀機の排ワラ結束装置の提
供を目的とする。

本考案にかかる移動脱穀機の排ワラ結束装置
は、上記目的を達成するために、冒記構造のもの
において、前記結束空間の排ワラ収集部を、結束
空間の上部側に配置した結節部のビル及び紐ホル
ダーよりも排ワラ束の送り込み方向での下手がわ
で、かつ、排出ワラ束が送り込まれてくる前記結
束空間の入口部の上側壁よりも上方に上側壁を膨
出させて上下方向で広幅の収集用空間に形成して
あることを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用効果は次の通りであ
る。

すなわち、結束空間の排ワラ収集部を、排ワラ
束が送り込まれる結束空間の入口部よりも上方に
膨出する広幅のものに構成したものであるから、
排ワラ収集部内で結束処理された排ワラ束は放出
方向下手側上方に自由に移動することができるば
かりでなく、前記放出アームの放出方向下手側上
方への強制放出分力を受けるから、従来に比して
排ワラ放出軌跡の最大高さを可及的に高くするこ
とができる。

また、排ワラ収集部を、ビル及び紐ホルダーよ
りも排ワラ束の送り込み方向の下手がわに配設し
てあるので、紐供給部と結節部との間で結束空間
が制限されることなく、上方に膨出した大空間で
結束できることになつて、一回当りの結束量を従
来より増すことができる。

従つて、特別な放出排ワラ除去装置を用いるこ
となく、簡単な構造でもつて、放出排ワラ束の堆
積に対する山くずし等の操作、或いは、そのよう
な操作を行わない場合の堆積に起因する作業中断
回数を極力抑制して、作業の簡便化と共に能率向
上を図り得るに至つた。

さらに、結束量を増した状態で結束できるの
で、結束紐の消費量や結束動力の低減化を図るこ
とができ、経済的にできるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

移動脱穀機を構成するに、第１図で示す如く、
左右一対のクローラ走行装置１，１を有する機体
フレーム２上に、それの脱穀搬送装置（排ワラ搬
送装置の一例）３が左右横方向に沿う状態で脱穀
装置４を搭載するとともに、前記脱穀装置４の穀
稈供給口側には、ほぼ水平の穀稈供給姿勢と格納
姿勢とに変更可能な穀稈供給台５を取付け、か
つ、前記脱穀装置４の排ワラ出口側には、前記脱
穀搬送装置３から排ワラ補助搬送装置６を経て送
り出されてくる排ワラ束の複数個を収集して結束
したのち放出する結束装置７を取付けている。

前記結束装置７を構成するに、第２図で示す如
く、結束空間８の下部に、この結束空間８に排ワ
ラ束を掻込むパツカー９及び結束紐供給用ニード
ル１０を配設するとともに、前記結束空間８の上
部には、紐ホルダー１１、紐結節用ビル１２、結
束処理された排ワラの大束を放出する放出アーム
１３を配設している。

前記脱穀搬送装置３を構成するに、脱穀装置４
の扱口上部に沿つて脱穀フイードチエーン１４を
掛張し、前記扱口下部に沿つて架設したレール台
１５には、互いに枢支連結された複数個の挾持レ
ール１６……のガイドピン１７……を、前記脱穀
フイードチエーン１４の挾持搬送面に対する遠近
方向に変位自在に挿嵌支持させるとともに、前記
挾持レール１６……を脱穀フイードチエーン１４
の挾持搬送面側に移動付勢するスプリング１８…
…を設けている。

また、前記挾持レール１６……のうち、搬送終
端部に位置する挾持レール１６のガイドピン１７
を、搬送排ワラ束の通過に伴なつて変位するセン
サーに兼用構成し、このセンサー兼用ガイドピン
１７の変位回数を機械的に計測する機構１９を設
けるとともに、前記計測機構１９にて前記結束空
間８内に所定数の排ワラ束が収集されたことを計
測したとき、パツカー伝動系からニードル１０、
紐ホルダー１１、ビル１２、放出アーム１３への
伝動系に介在した周知の結節作動用回転クラツチ
（図示せず）を自動的に入り作動させるべく構成
している。

而して、前記結束空間８を構成するワラガイド
兼用の結節部カバー枠２０と結束部カバー２１と
のうち、前記結節部カバー枠２０の排ワラ収集部
８ｂに相当する部分を、紐案内板２２の後端部よ
りも少し前から上方に屈曲させて、すなわち、第
２図に示すように、紐ホルダー１１の設置位置よ
りも後方がわにおいて、前記排ワラ収集部８ｂを
結束空間入口部８ａよりも上方に膨出させるとと
もに、前記結束部カバー２１の排ワラ収集部８ｂ
に相当する部分を下方に屈曲して、前記排ワラ収
集部８ｂを下方にも膨出させて構成している。

また、前記結束部カバー２１側には、排ワラ収
集部８ｂ内に送り込まれてくる排ワラ束を収集案
内する円弧状の収集ガイド２３を設け、この収集
ガイド２３を、前記放出アーム１３の放出作動時
に放出方向下手側に弾性変位し乍ら大束の結束済
み排ワラ束を放出方向下手側上方に放出案内可能
な板バネから構成している。

尚、実用新案登録請求の範囲囲の項に図面との
対照を便利にする為に符号を記すが、該記入によ
り本考案は添付図面の構造に限定されるものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動脱穀機の背面図、第２図は要部の
拡大背面図である。 ３……排ワラ搬送装置、７……結束装置、８…
…結束空間、８ａ……入口部、８ｂ……排ワラ収
集部、１１……紐ホルダー、１２……ビル、１３
……放出アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排ワラ搬送装置３の搬送終端部に、これから横
   向き姿勢で送り出されてくる排ワラ束を所定量収
   集して大束を結束放出する装置７を、結束空間８
   の上部に排ワラ放出アーム１３が位置する状態で
   配設してある移動脱穀機の排ワラ結束装置におい
   て、前記結束空間８の排ワラ収集部８ｂを、結束
   空間８の上部側に配置した結節部のビル１２及び
   紐ホルダー１１よりも排ワラ束の送り込み方向で
   の下手がわで、かつ、排出ワラ束が送り込まれて
   くる前記結束空間８の入口部８ａの上側壁よりも
   上方に上側壁を膨出させて上下方向で広幅の収集
   用空間に形成してあることを特徴とする移動脱穀
   機の排ワラ結束装置。