JPH0331423B2

JPH0331423B2 -

Info

Publication number: JPH0331423B2
Application number: JP59159193A
Authority: JP
Inventors: Shinji Ando; Masazo Ootaguro; Takayoshi Masuda; Keisuke Watanabe
Original assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Current assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date: 1984-07-31
Filing date: 1984-07-31
Publication date: 1991-05-07
Also published as: JPS6137054A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は飼料添加用粒子に関する。更に詳しく
は、生理活性物質を保護する事により、反すう動
物の第１胃を通過させ、第４胃以降で溶出させる
特徴を有した飼料添加用粒子に関するものであ
る。反すう動物は第１胃（ルーメン）に種々の微生
物を共生させ、彼らの働きを借りる事によつて本
来高等動物は利用できないセルロースなどの成分
も消化し、利用している。第１胃の存在と機能は
反すう動物にとつて極めて大きな意味を持つもの
である。しかしながら、近年反すう動物の生理学
的、栄養学的研究を通じ、反すう動物の生産性を
制約している要因の１つとしての第１胃の存在が
指摘されている。すなわち第１胃では分解されて
ほしくない生体にとつて有効な物質を第１胃をそ
のまゝ通過させ、第４胃以降で分解、吸収させる
事により生体にとつて有効な物質をより効率的に
利用しようという研究が盛んになつている。また
より効率的な経営を目差す畜産業界からも第１胃
を通過させる技術の開発が望まれており、いくつ
かの方法が提出されているが、いずれも、その効
果が充分であるとは言えない。（従来の技術）例えばドイツ特許第2212568号には、生物学上
有効な物質を、炭素原子14〜22個を有する脂肪族
モノカルボン酸又はリシノール酸又はかかる酸混
合物からなるか又はかかる酸又はかかる酸混合物
の塩からなる被膜でおゝつた粒子形のものを示し
ている。また特公昭56−1057号には、生物学的に活性な
物質を、炭素数が少なくとも14である飽和の直鎖
もしくは分枝状の置換もしくは未置換の脂肪族モ
ノカルボン酸もしくはその塩または該飽和の酸も
しくはその塩と炭素数が少なくとも14である不飽
和の直鎖もしくは分枝状の置換もしくは未置換の
脂肪族モノカルボン酸もしくはその塩との混合物
からなるマトリツクスで被覆されているものを示
している。また特開昭56−154956号には、生物学上有効な
物質に、炭素原子14〜22個を有する脂肪族モノカ
ルボン酸又は前記酸の数種の混合物の塩を含有す
る被膜を備えている粒子の形のものを示してい
る。さらに特開昭58−175449には、生物学的活性
物質を、炭素原子14〜22個を有する直鎖又は分枝
状の飽和又は不飽和のモノカルボン酸、硬化した
植物性脂肪及び硬化した動物性脂肪の中から選ば
れる１種又は２種以上の物質とキトサンとを含有
する保護物質の被膜で包囲したものを示してい
る。（発明が解決しようとする問題点）しかしながらドイツ特許第2212568号、特公昭
56−1057号においては被膜物質の崩壊が小腸以降
で行なわれる事を期待しているため、消化、吸収
に使用される時間には制約があり、消化吸収が充
分に行なわれない欠点を有している。また特開昭
56−154956号、特開昭58−175449号においては、
上記の欠点を克服すべく、第４胃内で崩壊し、生
体にとつて有効な物質を溶出せしめる被膜物質を
使用しているが、被膜物質の第４胃内での崩壊作
用が充分ではなく、その硬化は安定しているとは
言えない。即ち未だ満足すべき第１胃を通過し、
第４胃以降で溶出する飼料添加物がないのが実情
である。（問題点を解決するための手段）本発明者等は、以上の様な情勢下種々検討した
結果、生理活性物質：Ａ、中性条件下では安定で
あるが、塩酸酸性の条件下では崩壊又は溶出する
物質：Ｂ及び炭素数が14以上の直鎖状又は分枝状
の飽和又は不飽和モノカルボン酸、又はそれらの
塩、又は融点40℃以上の植物性油脂、又は融点40
℃以上の植物性油脂、又は融点40℃以上のロウか
らなる群より選ばれる少なくとも１種の物質：Ｃ
を含有する粒子において、該粒子の表面より粒径
の１％〜20％に相当する表層部分が、Ｂを10重量
％以上、Ｃを90重量％以下含有する被膜で被覆さ
れていることを特徴とする飼料添加用粒子が、上
記のような欠点のない優れた飼料添加物である事
を見出し、本発明を完成させるに至つた。以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の飼料添加用粒子が対象とする動物は反
すう動物であり、その代表的な例は、肉用牛、乳
用牛、子牛、羊、山羊等である。本発明に含有される生理活性質、Ａとは、栄養
物やこれを含む飼料更には薬物類であつて第１胃
の微生物で消費されることなく第４胃以降で反す
う動物自体の体内に有効に吸収させたいものであ
り、例えばアミノ酸、アミノ酸誘導体、蛋白質、
ビタミン、酵素類、炭水化物、動物薬、ホルモン
等でありその代表的な例は、アミノ酸としては、イチオニン、リジン、スレ
オニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトフア
ン、フエニルアラニン、バリン、グリシン、アミノ酸誘導体としては例えばＮ−アシルアミ
ノ酸例えばＮ−ステアロイルメチオニン又はＮ−
オレオイルメチオニン、Ｎ−ヒドロキシメチルメ
チオニンのカルシウム塩、リジン塩酸塩、メチオ
ニンヒドロキシアナログ、グルタミン酸ナトリウ
ム、蛋白質では、羽毛粉末、魚粉、カゼイン、ト
ウモロコシ蛋白質又はバレイシヨ蛋白質にも適用
できる。更にビタミンとしてはビタミンＡ、ビタミンＡパル
ミチン酸塩、ビタミンＡ酢酸塩、β−カロチン、
ビタミンD₂、ビタミンD₃、ビタミンＥ、メナジ
オン重亜硫酸ニトリウム、ビタミンＢ群（チアミ
ン、塩酸チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、
ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、パ
ントテン酸コリン、塩酸ピリドキシン、塩化コリ
ン、シアノコバラミンピオチン、葉酸、パラアミ
ノ安息香酸）、酵素類としては、プロテアーゼ剤、アミラーゼ
剤、混合酵素剤、リパーゼ剤、炭水化物としては、デンプン、ブドウ糖、シヨ
糖、動物薬としては、テトラサイクリン系、アミノ
配糖体系、マクロライド系、ポリペプタイド系、
ポリサツカライド系、ポリエーテル系等の抗生物
質、ネグフオン等の駆虫剤、ピペラジン塩等の虫
下しホルモンとしては、エストロジエン、スチル
ペストロール、ヘキセストロール等の発情ホルモ
ン、チロプロテイン、ゴイトロジエン等の甲状腺
ホルモンが挙げられる。通常これらは１種で用いられるが、２種以上の
混合物も使用可能である。また、これらの生理活性物質は、表層部分に含
有されていてもかまわないが、第１胃内での生理
活性物質の安定性に問題が生じるため、好ましく
は、表層部分には含有されない方がよい。次に中性条件下では安定であるが塩酸酸性の条
件で崩壊又は溶出する性質を有する物質(B)の例と
しては、ベンジルアミノメチルセルロース、ジメ
チルアミノメチルセルロース、ピペリジルエチル
ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテ
ードジエチルアミノアセテート、セルロースアセ
テート、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエー
テル等のセルロース誘導体、ビニルジエチルアミン−ビニルアセテートコポ
リマー、ビニルベンジルアミン−ビニルアセテー
トコポリマー、ポリビニルジエチルアミノアセト
アセタール、ビニルピペリジルアセトアセタール
−ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアセ
タールジエチルアミノアセテート、ポリジメチル
アミノエチルメタクリレート、ポリジエチルアミ
ノメチルスチレン、ポリビニルエチルピリジン、
ビニルエチルピリジン−スチレンコポリマー、ビ
ニルエチルピリジン−アクリロニトリルコポリマ
ー、メチルビニルピリジン−アクリロニトリルコ
ポリマー、メチルビニルピリジン−スチレンコポ
リマー等のポリビニル誘導体、アルギン酸カルシウム等の多糖類の金属塩、炭
酸カルシウム、第３リン酸カルシウム、第２リン
酸カルシウム、第３リン酸マグネシウム、リン酸
亜鉛、リン酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、
ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸
鉛、炭酸コバルト等の塩酸より弱酸性で、生体に
受容可能な酸の水不溶性、等が挙げられる。Ｂの表層部分における含有量は、10重量％以上
である。10重量％以下の場合は、相対的にＣの含
量が多くなり反すう動物の第４胃内で生理活性物
質が溶出しにくくなり効果が充分ではない。また
Ｂは、内層部分（表層部分の内側の部分）に含有
されていても一向にさしつかえない。次に炭素数が14以上の直鎖状又は分枝状の飽和
又は不飽和モノカルボン酸又はその塩、又は融点
40℃以上の動物性油脂又は融点40℃以上の植物性
油脂又は融点40℃以上のロウから選ばれる少なく
とも１種の物質(C)の表層部分における含有量は、
90重量％以下である。90重量％以上の場合は、反
すう動物の第４胃内で生理活性物質が溶出しにく
くなり、効果が充分ではない。またＣは、内層部
分に含有されていても一向にさしつかえない。更に本発明には以上のＡ、Ｂ、Ｃの他に適宜
種々の目的で１種以上の第４成分を添加する事も
可能である。例えば、粘結剤、比重調整剤、増量
剤、嗜好性増強剤、滑剤等が挙げられる。本発明の飼料添加用粒子を製造する方法は、当
該分野において任意の方法が採用される。例え
ば、少なくともＡ、Ｃを含有する粒子を作製した
後（又は作製しながら）Ｃの融点以上の温度で、
少なくともＢの存在下で、粒子を流動させながら
熱処理する事により粒子を完成する方法が好適に
用いられる。（発明の効果）以上に記述した様に、本発明の飼料添加用粒子
は、生理活性物質が反すう動物の第１胃を通過
し、第４胃で溶出する優れた性能を有すると共
に、安全性、経済性も高いため産業上極めて有用
である。以下実施例を用いて本発明を更に詳細に
説明する。尚、実施例中の部は重量部であり％は
重量％である。実施例１〜４、比較例１ DL−メチオニン(A)、54℃硬化油(C)、および粘
結剤として、カルボキシメチルセルロースを、第
１表に示す比率で、リボンミキサーを使いあらか
じめ均一混合した後、造粒機を用いて直径３mmの
球状粒子を製造した。次に、得られた球状粒子
100部と重質の炭酸カルシウム(B)を第１表に示す
量、ロータリーエバポレーターに入れ90℃で40分
間、ロータリーエバポレーターを回転しながら熱
処理を行ない、球状粒子のコーテイングを完了し
た。得られた飼料添加用粒子を用い、人工第１胃
液、人工第４胃液下でのDL−メチオニンの溶出
テスト及び作製した球状粒子の各層の組成の分析
を行なつた。 DL−メチオニンの溶出テストに用いた人工第
１胃液としては、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、
人工第４胃液としては0.1N塩酸を用いた。溶出
テスト人工第１胃液又は、人工第４胃液を100ml
入れた300ml容量の三角フラスコに上記で作製し
た球状飼料添加用粒子を５ｇ浸漬し、振とう装置
で37℃に保ち所定時間振とう後、それぞれ溶液中
に溶出したDL−メチオニンをヨード滴定法で分
析した。振とう時間は人工第１胃液では10時間、
人工第４胃液では３時間とした。また球状粒子の
各層の組成の分析は以下の如く行つた。先ず作製
した球状粒子50個を鋭利な刃物で２つに切断後、
表面より粒径の２割の部分およびその内側の部分
よりピンセツトを用いてそれぞれ約0.5ｇサンプ
リングし、分析に供与した。分析は油脂含量はエ
ステル価法、重質の炭酸カルシウムは原子吸光
法、DL−メチオニンはヨード滴定法を採用した。
各実施例及び比較例の配合割合、溶出テスト結果
及び各層の組成の分析結果を併せて第１表に示
す。尚、各層の組成の分析結果については、粘結
剤の分析は行なつていないが粘結剤以外の３成分
の合計を100とした数字である。【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１生理活性物質：Ａ、中性条件下では安定であ
るが、塩酸酸性の条件下では崩壊又は溶出する物
質：Ｂ及び炭素数が14以上の直鎖状又は分枝状の
飽和又は不飽和モノカルボン酸、又はそれらの
塩、又は融点40℃以上の動物性油脂、又は融点40
℃以上の植物性油脂、又は融点40℃以上のロウか
らなる群より選ばれる少なくとも１種の物質：Ｃ
を含有する粒子において、該粒子の表面より粒径
の１％〜20％に相当する表層部分が、Ｂを10重量
％以上、Ｃを90重量％以下含有する被膜で被覆さ
れていることを特徴とする飼料添加用粒子。