JPH05192096A - 反すう動物用飼料添加組成物 - Google Patents

反すう動物用飼料添加組成物

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JPH05192096A
JPH05192096A JP4294920A JP29492092A JPH05192096A JP H05192096 A JPH05192096 A JP H05192096A JP 4294920 A JP4294920 A JP 4294920A JP 29492092 A JP29492092 A JP 29492092A JP H05192096 A JPH05192096 A JP H05192096A
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ruminant
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Satoshi Ueda
智 上田
Haruo Hirauma
晴雄 平馬
Makoto Ozawa
真 小澤
Takeshi Nagai
武 永井
Wataru Nakamatsu
亘 中松
Hiroyuki Sato
弘之 佐藤
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安全性、経済性を考慮した上で、生物学的活性
物質を反すう動物の第1胃内で安定に保護し、第4胃以
下の下部消化器官で効率よく消化吸収出来る反すう動物
用飼料添加組成物を開発することにある。 【構成】生物学的活性物質を含有する核を、少なくとも
下記のa)、b)及びc) a)炭素数14〜22個を有する直鎖または分枝状の飽
和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物性油脂、
ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少なくとも1種
の物質 b)キトサン c)不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ばれた少な
くとも1種の物質を含有する被覆組成物で被覆してなる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反すう動物用飼料添加組
成物に関する。さらに詳しくは、反すう動物の第1胃
(ルーメン)中では安定で、第4胃以下の消化器官で生
物学的活性物質を放出することを可能にする被覆組成物
で生物学的活性物質を被覆し、第4胃以下の消化器官で
生物学的活性物質を消化させることを可能にした反すう
動物用飼料添加組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】牛や羊などの反すう動物ではアミノ酸、
ビタミン等の生物学的活性物質を直接経口投与すると、
第1胃中の微生物によって大部分が分解され、有効利用
されない。
【0003】したがって、これら生物学的活性物質を、
第1胃中では微生物の分解から保護し、第4胃以下の消
化器官で消化、吸収させるような反すう動物用のルーメ
ンバイパス製剤は反すう動物用の飼料、栄養剤、動物薬
等の分野で重要である。
【0004】生物学的活性物質を含有する反すう動物用
飼料添加物としては、脂肪酸、硬化動・植物油等の保護
物質で被覆することが以前より提案されている。しか
し、生物学的活性物質を第1胃で保護するために十分な
量の保護物質を被覆すると、第4胃より下部の消化器官
で生物学的活性物質を溶出させることが難しい。
【0005】このため、油脂以外に溶出性を促進するた
めの物質を、保護物質中に添加し、生物学的活性物質を
分散し粒状化する方法、保護物質により生物学的活性物
質を被覆する方法等が提案されている。
【0006】例えば米国特許USP4533557(特
公昭2−14019)では、生物学的活性物質を硬化動
物油脂、硬化植物油脂、飽和、不飽和のモノカルボン酸
の少なくとも1種とキトサンからなる混合物中に分散
し、粒状化することを提案している。ここではpHが酸
性条件下で溶解または膨潤するキトサンの性質を利用し
ている。しかしながら分散された生物学的活性物質は、
粒子表面または表面近傍にも存在するため、被覆膜厚の
均一性に欠け、膜厚が極端に薄い部分も存在するため、
一般にこの粒子形態では第1胃中での保護性能が低く、
保護性能を向上させるためにはかなり多量の保護剤が必
要となって、溶出性が低下するという欠点を有する。こ
の発明で示された実施例では保護性の良いものは溶出性
が悪く、溶出性が高いものはそれに従って保護性が悪く
なっており、十分な性能を有しているとは言えない。
【0007】また、例えば、特開昭60−168351
では、生物学的活性物質と、炭酸カルシウム20重量%
以上、かつ脂肪族モノカルボン酸、硬化した油脂等を1
0重量%以上含有し造粒する方法を提案しているが、粒
子の第4胃通過時間及び、炭酸カルシウムの溶解速度か
ら考えて溶出性に問題が残る。
【0008】さらに、特開昭63−317053では、
脂肪族モノカルボン酸、硬化した油脂と、レシチン及び
グリセリン脂肪酸エステルからなる被覆剤で生物学的活
性物質を被覆する方法を提案しているが、小腸の通過時
間が短く、レシチン、グリセリン脂肪酸エステルの乳化
作用のみでは溶出性が十分であるとは言えない。
【0009】その他に、第1胃と第4胃のpHの差を利
用するため、pH応答性の合成ポリマーで被覆する方法
も提案されているが、被覆に有機溶媒を使用すること、
被覆剤が高価になること、等を考慮すると、安全性、経
済性の点で十分に満足できる手段とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、安全性、経済性を考慮した上で、生物学的
活性物質を反すう動物の第1胃で安定に保護し、第4胃
以下の下部消化器官で効率よく消化吸収させる点にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するため鋭意努力した結果、生物学的活性物質を
含有する核を、炭素数14〜22個を有する直鎖または
分枝状の飽和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植
物性油脂、ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少な
くとも1種の物質、キトサン、および不飽和脂肪酸、乳
化剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の物質から
なる被覆組成物で被覆することにより、さらには、キト
サンと、不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ばれた
少なくとも1種の物質の配合比、被覆組成物の使用量、
被覆層の膜厚、粒子径を調整することにより第1胃での
優れた保護性と、第4胃以下の下部消化器官中での優れ
た溶出性を兼ね備えることができることを見いだし、本
研究を達成した。
【0012】すなわち、本発明は生物学的活性物質を含
有する核を、少なくとも下記のa)、b)及びc) a)炭素数14〜22個を有する直鎖または分枝状の飽
和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物性油脂、
ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少なくとも1種
の物質、 b)キトサン、 c)不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ばれた少な
くとも1種の物質、を含有する被覆組成物で被覆してな
ることを特徴とする反すう動物用飼料添加組成物であ
る。
【0013】本発明において、生物学的活性物質(以下
「核物質」と略す)としては周知の各種の栄養物や、こ
れを含む飼料あるいは薬物類、例えば、アミノ酸及びそ
の誘導体、アミノ酸のヒドロキシ同族化合物、タンパク
質類、炭水化物類、ビタミン類及び獣医薬類から選ばれ
る1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】具体的には、リジン、メチオニン、トリプ
トファン、スレオニン等のアミノ酸類;N−アシルアミ
ノ酸、N−ヒドロキシメチルメチオニンのカルシウム
塩、リジン塩酸塩等のアミノ酸誘導体;2−ヒドロキシ
−4−メチルメルカプト酪酸およびその塩等のアミノ酸
のヒドロキシ同族化合物;穀物粉末、羽毛粉末、魚粉等
の天然栄養物の粉末;カゼイン、トウモロコシタンパ
ク、馬鈴薯タンパク等のタンパク質;澱粉、ショ糖、ブ
ドウ糖等の炭水化物;ビタミンA、ビタミンA酢酸塩、
ビタミンAパルミチン酸塩、ビタミンB群、チアミン、
塩酸チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、ニコチン酸
アミド、パントテン酸カルシウム、パントテン酸コリ
ン、塩酸ピリドキシン、塩化コリン、シアノコバラミ
ン、ビオチン、葉酸、p−アミノ安息香酸、ビタミンD
2、ビタミンD3、ビタミンE等のビタミン類、およびそ
れに類する機能を有する物質;テトラサイクリン系アミ
ノ酸糖体系、マクロライド系、ポリエーテル系の抗生物
質、ネグフォン等の駆虫剤、ピペラジン等の虫下し、エ
ストロジェン、スチルベストロール、ヘキセストロー
ル、チロプティン、ゴイトロジェン等のホルモン類が使
用される。
【0015】生物学的活性物質を含有する核(以下「該
核」と略す)の調製法に特に制限はなく、必要に応じて
増粘剤、賦形剤等を添加し、通常の造粒法、例えば押し
出し造粒法、流動造粒法、撹拌造粒法等により粒状、好
ましくは球形に近い粒子を調製する。
【0016】増粘剤としては、ヒドロキシプロピルセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン等のビニル誘導体、アラビ
アゴム、グアガム、ポリアクリル酸ナトリウム等が使用
できる。
【0017】賦形剤としては、澱粉、タンパク質、結晶
セルロース等を用いることができる。
【0018】本発明の反すう動物用飼料添加組成物中の
被覆組成物中にはキトサン及び不飽和脂肪酸、若しくは
乳化剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の物質が
含有される。キトサンはpHが酸性であることによって
溶解または膨潤する性質を有し、主に第4胃の酸性条件
で核物質を溶出させる作用を有する。
【0019】本発明の反すう動物用飼料添加組成物が第
4胃内に滞留する時間を考えると、第4胃におけるキト
サンの作用のみでは溶出性は不足するが、レシチン等の
乳化剤の作用によって保護剤である油脂成分が乳化さ
れ、小腸内での核物質の溶出性を促進し、より有効に核
物質を利用せしめる。
【0020】不飽和脂肪酸の添加は、硬化油脂、脂肪
酸、ワックス等の硬度、強度あるいは融点等の物性を微
妙に変化させ、キトサンの働きをより有効にして核物質
の溶出性を助ける。
【0021】上記被覆組成物の使用量は、核物質の第1
胃内の保護性、第4胃以下の消化器官内での溶出性とい
った反すう動物用飼料添加組成物の性能に影響し、被覆
組成物の反すう動物用飼料添加組成物全体に占める割合
を10〜60重量%に調整する必要がある。この範囲よ
りも被覆率を大きくすると、第1胃中での保護性能は向
上するが、第4胃での溶出性能が低くなると共に、反す
う動物用飼料添加組成物中の核物質の含有率が低下する
ので好ましくない。被覆率が小さい場合には第1胃での
保護性に問題が生じる。
【0022】被覆組成物の膜厚はできるだけ均一である
ことが望ましく、核物質を第1胃中で保護するためには
少なくとも膜厚が20μm以上必要である。また、第4
胃以下の消化器官で核物質を溶出させる必要から、膜厚
は300μm以下に調整する。
【0023】炭素数14〜22個を有する直鎖または分
枝状の飽和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物
性油脂、ロウ、ワックスよりなる群から選ばれた少なく
とも1種の物質は核物質を第1胃内で保護する目的で使
用されるため、反すう動物の体温では安定である必要が
あり、融点が40℃以上の物質が使用できる。
【0024】炭素数14〜22個を有する直鎖または分
枝状の飽和脂肪酸としてはステアリン酸、パルミチン酸
等が使用できる。硬化した動物性油脂としては、硬化牛
脂、硬化豚脂等が、硬化した植物性油脂としては、パー
ム油、大豆油、菜種油、ヒマシ油等を硬化した硬化油脂
が使用できる。ロウ類としては、カルナバロウ、蜜ロウ
等が使用できる。ワックス類としては、天然ワックス、
合成ワックス、パラフィンワックス等が使用できる。
【0025】本発明に使用するキトサンには特に制限は
なく、通常市販されている程度の純度でよい。キトサン
の量は被覆組成物全体の1〜15重量%を含有する。キ
トサンをこれ以上含有させ、溶出性を向上させようとす
ると、実質的には保護性を確保することが難しくなる。
キトサンが1重量%未満になると各物質の溶出を促進す
る作用が弱くなり、溶出性が低下するので好ましくな
い。
【0026】本発明に使用される不飽和脂肪酸として
は、例えば炭素数が10から22の不飽和脂肪酸、即ち
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベトロセレン
酸、バルミトレイン酸、リシノール酸等が使用でき、ま
たこれらの混合物でもよい。
【0027】不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ば
れた少なくとも1種の物質の量は1〜30重量%を含有
する。不飽和脂肪酸、乳化剤をこれ以上含有させ、溶出
性を向上させようとすると、実質的には保護性を確保す
ることが難しくなる。不飽和脂肪酸、乳化剤が1重量%
未満になると各物質の溶出を促進する作用が弱くなり、
溶出性が低下する。
【0028】不飽和脂肪酸、乳化剤の添加量とキトサン
の添加量を、不飽和脂肪酸、乳化剤の種類に応じて上記
組成範囲内から適当な配合比を選定し、第1胃で核物質
を十分保護し、第4胃以下の消化器官で放出性の優れた
被覆組成物を形成することができる。
【0029】乳化剤としては例えば、大豆、卵黄等より
製造されるレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が使用
でき、これらの混合物でもよく、純度等に制限はない。
【0030】さらに、本発明の反すう動物用飼料添加組
成物は、速やかに第1胃を通過させるために、比重1.
0〜1.5の範囲に調整されることが望ましく、上記被
覆組成物によってこの範囲内に粒子の比重を調整できな
い場合には、比重調整剤を被覆組成物または核物質を含
有する核に含有させることができる。
【0031】比重調整剤として炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、カオリン、タルク等を添加してもよい。
【0032】本発明の被覆組成物または該核中の比重調
整剤10重量%以下を含有する。これを越えると保護が
難しい。
【0033】本発明の反すう動物用飼料添加組成物は前
記該核に前記被覆組成物を被覆してなることを特徴とし
ている。この被覆方法に特に制限はなく通常の被覆方
法、例えば流動コーティング法、パンコーティング法、
溶融コーティング法で被覆することができる。
【0034】また、反すう動物用飼料添加組成物の粒子
径は、粒子径が大きいと咀嚼の影響が大きくなり、あま
り粒子径を小さくしようとすると通常の被覆方法では操
作が困難となるため、0.5mm〜5mmの範囲に調整
する
【0035】以下に、本発明を実施例および比較例によ
りさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】反すう動物用飼料添加組成物としての有効性
は以下の方法で評価した。
【0037】保護試験(第1胃内の保護性) 調製した試料約1gを、200ml三角フラスコ中に投
入し、第1胃液に相当するマクドーガル緩衝液100m
lを注入して、39℃の温度下で24時間振盪した。振
盪終了後、核物質の溶出量を分析し、第1胃の保護性を
算出した。
【0038】なお、核物質として、アミノ酸の溶出量に
関しては液体クロマトグラフィーで分析を行った。
【0039】*マクドーガル緩衝液:水1000ml中
に以下の試薬を溶解した緩衝液。 炭酸水素ナトリウム :7.43g リン酸2ナトリウム・12水塩:7.00g 塩化ナトリウム :0.34g 塩化カリウム :0.43g 塩化マグネシウム・6水塩 :0.10g 塩化カルシウム :0.05g
【0040】第4胃内の溶出性 前記保護試験終了後、振盪したサンプルを回収し、さら
に200ml三角フラスコに投入し、第4胃に相当する
クラークラブス緩衝液40mlを注入して、39℃の温
度下で1時間振盪した。振盪終了後、核物質の溶出量を
分析し、第4胃の溶出性を算出した。
【0041】*クラークラブス緩衝液:水1000ml
中に以下の試薬を溶解した緩衝液 塩化カリウム:3.73g 塩酸 :2.1ml
【0042】小腸内の溶出性 第4胃内の溶出性試験終了後、振盪したサンプルを回収
し、さらに200ml三角フラスコに投入し、小腸液に
相当する緩衝液100mlを注入して、39℃の温度下
で7時間振盪した。振盪終了後、核物質の溶出量を分析
し、小腸の溶出性を算出した。
【0043】生物学的活性物質核の調製 L−リジン塩酸塩(A)325g、タルク172.5
g、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.5g、
水135gをニーダーに仕込み、混練した後、1.5m
mの目開きのスクリーンを有する押し出し造粒機(ファ
インディスクペレッター、不二パウダル社製)を用いて
円柱状の顆粒を得た。得られた顆粒を球形化装置(マル
メライザー、不二パウダル社製)を用いて球形に近い顆
粒とした。得られた球形顆粒を流動乾燥後、1.4mm
〜1.7mmにふるい分けして、L−リジン塩酸塩を有
する該核を得た。同様な方法で、D,L−メチオニン
(B)375g、タルク120g、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム5g、水150gの組成で造粒し、
1.4mm〜1.7mmのD,L−メチオニンを有する
該核を得た。
【0044】
【実施例1】溶融した硬化牛脂(融点61℃)85重量
部に対し、キトサン10重量部、オレイン酸5重量部を
加え、混合した被覆組成物を、核100重量部に対し6
7重量部の割合で被覆した(被覆率40%)。被覆は撹
拌流動造粒・コーティング装置(ニューマルメライザ
ー、不二パウダル社製)を用いて実施した。この反すう
動物用飼料添加組成物について上記評価試験を実施した
第1胃溶出率、第4胃溶出率、小腸溶出率を表1に示し
た。また被覆組成物の膜厚の測定結果の平均値も併せて
表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【実施例2〜12】実施例1と同様に表1に示した被覆
組成物及びその組成量により、反すう動物用飼料添加組
成物を調製し、その評価結果と膜厚の測定結果も表1に
併せて示した。図1は実施例2で調製した反すう動物用
飼料添加組成物の断面を示した図である。
【0047】
【比較例1〜8】実施例1と同様に表2に示した組成物
及びその組成量を配合し、比較のための被覆粒子を調製
した。その評価結果と膜厚の測定結果を表2に併せて示
した。
【0048】
【表2】
【0049】
【比較例9】核物質を、キトサンを含む被覆在中に分散
し、粒状化する方法で第1胃中の保護性能を確認するた
め、米国特許USP4533557中に開示されている
実施例を追試した。溶融したステアリン酸57重量部、
212μmのふるいを通過したキトサン3重量部、炭酸
カルシウム10重量部、および75μm以下の粒径に粉
砕したリジン塩酸塩30重量部を混合し、冷却したステ
ンレスのバット上に混合物質を滴下して半球状の粒子を
得た。この被覆粒子の評価結果を表3に示した。図2は
比較例8で調製した被覆粒子の断面を示した図である。
【0050】
【表3】
【0051】
【比較例10】比較例8と同様な方法で表3に示した組
成物及びその組成量を配合し、比較のための被覆粒子を
調製した。その評価結果を表3に併せて示した。
【0052】以上の結果より、本発明の反すう動物用飼
料添加組成物は従来の組成物に比べ、第1胃中の保護
性、第4胃より下部消化器官での溶出性に優れた効果を
有することがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、生物学的活性物質
を含有する核を、キトサン、および不飽和脂肪酸、乳化
剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の物質を含有
する、炭素数14〜22個を有する直鎖または分枝状の
飽和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物性油
脂、ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少なくとも
1種の被覆組成物で被覆することにより、さらには、キ
トサンと、不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の物質の配合比、被覆組成物の使用
量、被覆組成物の膜厚、粒子径を調整することにより、
従来の技術に比べ第1胃での優れた保護性と、第4胃以
下の下部消化器官中での優れた溶出性を兼ね備える反す
う動物用飼料添加組成物が得られた。
【0054】本発明は、生物学的活性物質が反すう動物
に有効に吸収されることを可能にした飼料添加物を提供
するものであり、産業上の意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で調製した粒子断面図である。
【図2】比較例8で調製した粒子断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 武 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 中松 亘 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 佐藤 弘之 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物学的活性物質を含有する核を、少なく
    とも下記のa)、b)及びc) a)炭素数14〜22個を有する直鎖または分枝状の飽
    和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物性油脂、
    ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の物質、 b)キトサン、 c)不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の物質、を含有する被覆組成物で被覆してな
    ることを特徴とする反すう動物用飼料添加組成物。
  2. 【請求項2】被覆組成物中のキトサンの量が被覆組成物
    全体の1〜15重量%、不飽和脂肪酸、乳化剤からなる
    群から選ばれた少なくとも1種の物質の量が被覆組成物
    全体の1〜30重量%であることを特徴とする請求項1
    記載の反すう動物用飼料添加組成物。
  3. 【請求項3】不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ば
    れた少なくとも1種の物質がオレイン酸であることを特
    徴とする請求項1記載の反すう動物用飼料添加組成物。
  4. 【請求項4】不飽和脂肪酸、乳化剤からなる群から選ば
    れた少なくとも1種の物質がレシチンであることを特徴
    とする請求項1記載の反すう動物用飼料添加組成物。
  5. 【請求項5】被覆組成物の占める割合が反すう動物用飼
    料添加組成物全体の10〜60重量%であることを特徴
    とする請求項1記載の反すう動物用飼料添加組成物。
  6. 【請求項6】生物学的活性物質を含有する核を被覆する
    被覆組成物の被膜の膜厚が、20μm〜300μmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の反すう動物用飼料添
    加組成物。
  7. 【請求項7】反すう動物用飼料添加組成物の粒子径が
    0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1記載の
    反すう動物用飼料添加組成物。
  8. 【請求項8】炭素数14〜22個を有する直鎖または分
    枝状の飽和脂肪酸、硬化した動物性油脂、硬化した植物
    性油脂、ロウ、ワックスからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の物質の融点が40℃以上であることを特徴と
    する請求項1記載の反すう動物用飼料添加組成物。
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