JPH0787900A - 反すう動物用飼料添加組成物 - Google Patents

反すう動物用飼料添加組成物

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JPH0787900A
JPH0787900A JP5240029A JP24002993A JPH0787900A JP H0787900 A JPH0787900 A JP H0787900A JP 5240029 A JP5240029 A JP 5240029A JP 24002993 A JP24002993 A JP 24002993A JP H0787900 A JPH0787900 A JP H0787900A
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ruminant
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feed additive
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JP5240029A
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Nobuyoshi Kitamura
信義 北村
Susumu Shibahara
進 柴原
Hiromi Suzuki
裕美 鈴木
Naoko Sugano
直子 菅野
Toru Ikeda
徹 池田
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生物学的活性物質を反すう動物の第1胃内で
安定に保護し、第4胃以下の下部消化器官で効率よく消
化吸収させる点にある。 【構成】 生物学的活性物質を含有する核を、(A)動
植物性油脂、融点40℃以上の脂肪酸エステルよりなる
群から選ばれた少なくとも1種の物質、(B)胆汁末ま
たは胆汁由来の有機酸から選ばれた少なくとも1種の物
質及び(C)レシチン、室温で液状の不飽和高級脂肪酸
または硬化動植物性油脂もしくは脂肪酸エステルに溶解
する非イオン性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種
の物質を含有しない或いは含有する被覆組成物で被覆し
た粒状の反すう動物用飼料添加組成物並びに該反すう動
物用飼料添加組成物の表面を上記(A)もしくは(A)
及び(C)からなる上層被覆剤で更に上層被覆すること
を特徴とする2層被覆反すう動物用飼料添加組成物であ
る。 【効果】第1胃中で優れた保護性と第4胃以下の下部消
化器官中での極めて優れた溶出性を兼ね備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反すう動物用飼料添加組
成物に関する。さらに詳しくは、反すう動物の第1胃
(ル−メン)中では安定で、第4胃より下部の消化器官
で生物学的活性物質を放出することを可能にする被覆組
成物で生物学的活性物質を被覆し、第4胃より下部の消
化器官で生物学的活性物質を消化吸収させることを可能
にした反すう動物用飼料添加組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】牛や羊などの反すう動物ではアミノ酸、
ビタミン等の生物学的活性物質を直接経口投与すると、
第1胃中の微生物によって大部分が分解され、有効利用
されない。
【0003】したがって、これら生物学的活性物質を、
第1胃中では微生物の分解から保護し、第4胃より下部
の消化器官で消化、吸収させるような反すう動物用のル
−メンバイパス製剤は反すう動物用の飼料、栄養剤、動
物薬等の分野で重要である。
【0004】生物学的活性物質を含有する反すう動物用
飼料添加物としては、炭素原子数12以上の脂肪酸、硬
化動・植物油等で被覆することが以前より提案されてい
るが、これら油脂で被覆された粒子は第1胃内の保護性
は良いが、第4胃より下部の消化器官で生物学的活性物
質を溶出させることが難しい。
【0005】このため溶出性を促進するための物質を、
油脂等の保護物質中に添加して生物学的活性物質と共に
分散し粒状化する方法、特定条件下での溶出性を併せ持
った保護物質により生物学的活性物質を被覆する方法等
が提案されている。
【0006】保護物質に溶出性を促進するための物質を
生物学的活性物質と共に分散する方法としては、例えば
特開昭60−168351では生物学的活性物質と、炭
酸カルシウム20重量%以上、かつ炭素数14個以上の
脂肪族モノカルボン酸、硬化した油脂等を10重量%以
上含有し造粒する方法を提案している。また、特公昭5
9−10780では生物学的活性物質30〜50重量%
を、炭素数14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸
またはリシノ−ル酸の塩10〜35重量%及び残部を炭
素数14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸、リシ
ノ−ル酸、硬化した油脂等からなる保護物質中に分散す
る方法を提案している。
【0007】特定条件下での溶出性を併せ持った保護物
質で被覆する方法としては、例えば特開昭63−317
053では炭素数12〜24個を有する脂肪族モノカル
ボン酸、硬化した油脂とレシチン及びグリセリン脂肪酸
エステルからなる保護剤で生物学的活性物質を被覆する
方法を提案している。
【0008】しかしながら、保護物質中に生物学的活性
物質を分散する方法では、粒子表面近傍に生物学的活性
物質が存在する為、保護性を重視するためには生物学的
活性物質の含有率をかなり下げる必要がある。また水溶
性の生物学的活性物質の場合は第1胃内の滞留時間が1
0数時間〜数日間であることを考慮すると、保護物質中
の生物学的活性物質を十分に保護することが難しい。ま
たレシチン及びグリセリン脂肪酸エステルと油脂からな
る保護物質で被覆した場合、被覆層の強度が不十分で保
護性に問題が残る。また、レシチン及びグリセリン脂肪
酸エステルは油脂の乳化作用を期待したものではある
が、第4胃以降での消化器官を通過する時間を考える
と、単独では溶出性が十分であるとは言えない。
【0009】また、第1胃と第4胃のpHの差を利用
し、pH応答性の合成ポリマ−で被覆する方法も提案さ
れているが、被覆工程に有機溶剤を使用すること、被覆
剤自体の安全性が未確認であること等を考慮すると、十
分満足できる手段とは言えない。
【0010】この様に、反すう動物への経口投与を目的
とする場合、第1胃での生物学的活性物質の放出を防止
し、かつ第4胃より下部の消化器官で生物学的活性物質
的を溶出させる製剤設計が重要な問題である。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】本発明が解決しよう
とする課題は安全性が確認されている物質からなる組成
物を用いて、生物学的活性物質を1層または2層被覆
し、この被覆層により反すう動物の第1胃内で安定に生
物学的活性物質が保護され、第4胃以下の下部消化器官
で効率よく消化吸収される反すう動物用飼料添加組成物
を開発することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するため鋭意努力した結果、生物学的活性物質を
含有する核を、胆汁末または胆汁由来の有機酸から選ば
れた少なくとも1種を含有する保護物質の皮膜で被覆し
た製剤が第1胃中で優れた保護性と第4胃以下の下部消
化器官中での優れた溶出性を兼ね備えていることを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0013】本発明は、生物学的活性物質を含有する核
を、(A)動植物性油脂、融点40℃以上の脂肪酸エス
テルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の物質、
(B)胆汁末または胆汁由来の有機酸から選ばれた少な
くとも1種の物質及び(C)レシチン、室温で液状の不
飽和高級脂肪酸または硬化動植物性油脂もしくは脂肪酸
エステルに溶解する非イオン性界面活性剤から選ばれた
少なくとも1種の物質を含有しない或いは含有する被覆
組成物で被覆した粒状の反すう動物用飼料添加組成物並
びに該反すう動物用飼料添加組成物の表面を上記(A)
もしくは(A)及び(C)からなる上層被覆剤で更に上
層被覆することを特徴とする2層被覆反すう動物用飼料
添加組成物である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明において、生物学的活性物質として
は周知の各種の栄養物やこれらを含む飼料あるいは薬物
類、例えばアミノ酸及びその誘導体、アミノ酸のヒドロ
キシ同族化合物、タンパク質類、炭水化物類、ビタミン
類及び獣医薬類から選ばれる1種または2種以上の混合
物が挙げられるが、被覆基材との関連で水溶性の生物学
的活性物質が特に望ましい。
【0015】具体的には、リジン、メチオニン、トリプ
トファン、スレオニン等のアミノ酸類;N−アシルアミ
ノ酸、N−ヒドロキシメチルメチオニンのカルシウム
塩、リジン塩酸塩等のアミノ酸誘導体;2−ヒドロキシ
−4−メチルメルカプト酪酸及びその塩等のアミノ酸の
ヒドロキシ同族化合物;穀物粉末、羽毛粉末、魚粉等の
天然栄養物の粉末;カゼイン、トウモロコシタンパク、
馬鈴薯タンパク等のタンパク質;澱粉、ショ糖、ブドウ
糖等の炭水化物;ビタミンA、ビタミンA酢酸塩、ビタ
ミンAパルミチン酸塩、ビタミンB群、チアミン、塩酸
チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、ニコチン酸アミ
ド、パントテン酸カルシウム、パントテン酸コリン、塩
酸ピリドキシン、塩化コリン、シアノコバラミン、ビオ
チン、葉酸、p−アミノ安息香酸、ビタミンD2、ビタ
ミンD3、ビタミンE等のビタミン類及びそれに類する
機能を有する物質;テトラサイクリン系、アミノ配糖体
系、マクロライド系、ポリエ−テル系の抗生物質、ネグ
フォン等の駆虫剤、ピペラジン等の虫下し、エストロジ
ェン、スチルベスト−ル、ヘキセスト−ル、チロプロテ
ィン、ゴイトロジェン、成長ホルモン等のホルモン類;
アミラ−ゼ、プロテア−ゼ、キシラナ−ゼ、ペクチナ−
ゼ、セルラ−ゼ、ラクタ−ゼ、リパ−ゼ等の酵素類が使
用される。
【0016】生物学的活性物質を含有する核の調製法は
特に制限はなく、必要に応じて増粘剤、賦形剤等を添加
し、通常の造粒法、流動造粒法、撹はん造粒法等により
粒状、好ましくは球形に近い粒子を調製することにあ
り、その粒子径は3mm以下、1.0mm以上が好適で
ある。
【0017】増粘剤としては、ヒドロキシプロピルセル
ロ−ス、メチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−
スナトリウム等のセルロ−ス誘導体、ポリビニルアルコ
−ル、ポリビニルピロリドン等のビニル誘導体、アラビ
アゴム、グアガム、ポリアクリル酸ナトリウム、キサン
タンガム等が使用できる。
【0018】賦形剤としては、澱粉、タンパク質、結晶
セルロ−ス等を用いることができる。さらに必要であれ
ば、比重調製剤として、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、タルク等を添加して比重を調製してもよく、通常
保護物質で被覆された粒子の比重は0.9〜1.4に調
製するのが望ましい。
【0019】前記生物学的活性物質を含有する核を被覆
する保護物質としては、硬化した植物性油脂、硬化した
動物性油脂、融点40℃以上の脂肪酸エステルよりなる
群から選ばれた少なくとも1種の物質が使用できる。
【0020】硬化植物油としては、硬化パ−ム油、硬化
パ−ム核油、硬化大豆油、硬化菜種油、硬化ひまし油等
が、硬化動物油としては、硬化牛脂、硬化豚脂等が使用
できる。脂肪酸エステルとしては、飽和または不飽和の
脂肪酸とグリセリンのモノエステルまたはジエステル、
脂肪酸の高級アルコールエステル等が使用できる。
【0021】本発明における胆汁末または胆汁由来の有
機酸としては、動物の胆汁を粉末化したもの、コール
酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸またはこ
れらのグリシンまたはタウリンの抱合体等の有機酸が例
示される。また、胆汁末または胆汁由来の有機酸の使用
量については保護物質100重量部に対して0.1〜1
5重量部、好ましくは0.1〜10重量部を使用すれば
よい。使用量が上記範囲以下では第4胃以降での被覆層
の破壊促進が十分でなく、目的とする溶出性が得られな
い。また上記範囲以上では第1胃通過までに被覆層の破
壊が促進され、溶出した生理学的活性物質が第1胃内の
微生物により分解され、効率よく反すう動物に消化吸収
されないので効果的でない。
【0022】本発明において、生物学的活性物質を主成
分とする核を被覆組成物または被覆組成物を上層被覆剤
で被覆した皮膜は、反すう動物の唾液、第1胃液などか
ら生物学的活性物質を主成分とする核を保護し、第1胃
までの生物学的活性物質の溶出を防止する。その作用有
するものとして、前記保護物質等が使用されるが、これ
ら単独では第4胃以降の消化管における生物学的活性物
質の溶出が十分でないため反すう動物に消化吸収されな
い。本発明の皮膜に配合される動物の胆汁末または胆汁
由来の有機酸は、脂肪、脂質等を乳化する作用を有する
ため、反すう動物自身が第4胃以降で分泌する胆汁液や
パンクレアチンの乳化作用を促進して保護物質を崩壊せ
しめ、第4胃以降の消化管における生物学的活性物質の
溶出を容易にする。その結果、生理学的活性物質を含有
する被覆粒子が第1胃を通過し、反すう動物の消化吸収
部位で生理学的活性物質が効率よく消化吸収される。
【0023】本発明の反すう動物用飼料添加組成物おい
て、保護物質の被覆量はできるだけ少ない方が生物学的
活性物質の含有率が大きくなり望ましいが、少なすぎる
と保護性が維持できないため、生物学的活性物質を含有
する核100重量部に対し10〜200重量部、具体的
には20μm〜150μmの保護物質を被覆するのが好
ましい。
【0024】本発明の反すう動物用飼料添加組成物は、
本発明の胆汁末または胆汁由来の有機酸の他、レシチ
ン、室温で液状の不飽和高級脂肪酸、油脂または脂肪酸
エステルに溶解する非イオン性界面活性剤から選ばれた
少なくとも1種の物質を保護物質に含有することによ
り、さらに効果的になる。即ち、これら物質の添加はこ
れら物質の乳化作用により第4胃以降での被覆層の崩壊
をさらに促進することにある。
【0025】レシチンとしては、大豆レシチン、菜種レ
シチン等の植物性レシチンが例示される。室温で液状の
不飽和高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸等が例示される。非イオン性界面活性剤とし
ては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコ−ル脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ステロ−ル、スフィンゴ脂質等が例示
される。これらの使用量は保護物質100重量部に対し
て0.1〜10重量部未満を使用すればよい。
【0026】本発明の反すう動物用飼料添加組成物の保
護物質の被覆組成物は前記被覆組成物により目的を達成
することができるが、より生理学的活性物質を反すう動
物に有効利用させるために、さらに胆汁末または胆汁由
来の有機酸を含有しない保護物質で被覆することができ
る。また必要に応じて溶出促進補助剤として、無機塩、
水に溶解もしくは膨潤する天然系高分子、可塑剤等の物
質を被覆層に添加することは何等差し支えない。
【0027】無機塩としてはリン酸水素カルシウム、炭
酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ、
二酸化ケイ素、カオリン、ベントナイト等が例示され、
水に溶解もしくは膨潤する天然系高分子物質としてはア
ルブミン、カゼイン、ゼラチン、セリシン、小麦グルテ
ン、ゼイン等の動物または植物由来の蛋白質、寒天、ア
ラビアゴム、キサンタンガム、グアガム、アルギン酸及
びその塩、ペクチン、デキストリン、澱粉及び澱粉グリ
コール酸等の誘導体或はその塩、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体及び
その塩等の植物または微生物由来の多糖及び多糖を化学
修飾した糊料が例示され、可塑剤としてはプロピレング
リコール等が例示される。これらの溶出促進補助剤は一
般に被覆量全体の10数重量パーセント未満である。
【0028】本発明中の反すう動物用飼料添加組成物に
おける被覆方法は特に制限はなく、通常の被覆方法、例
えば流動コ−ティング法、パンコ−ティング法、溶融コ
−ティング法、撹拌コ−ティング法、スプレ−コ−ティ
ング法等で被覆することができる。
【0029】以下に、本発明を実施例及び比較例により
更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例
に限定されることはない。
【0030】第1胃内の保護性 調製した試料約1gを、300ml三角フラスコ中に投
入し、第1胃液に相当するMc Dougall緩衝液200ml
を注入して39℃で24時間振とうした。振とう終了
後、生物学的活性物質の溶出量を分析し、第1胃内での
保護性を算出した。 保護性=組成物中の生物学的活性
物質含量−生物学的活性物質の溶出量尚、実施例中の生
物学的活性物質であるアミノ酸の溶出量は液体クロマト
グラフィ−を用いて分析した。
【0031】*Mc Dougall緩衝液:水1000ml中に
以下の試薬を溶解した緩衝液。 炭酸水素ナトリウム :7.43g リン酸2ナトリウム・12水塩:7.00g 塩化ナトリウム :0.34g 塩化カリウム :0.43g 塩化マグネシウム・6水塩 :0.10g 塩化カルシウム :0.05g
【0032】第4胃内の溶出性 保護性試験終了後、回収したサンプルを300ml三角
フラスコに投入し、次に第4胃液に相当するClark-Lubs
緩衝液200mlを注入して39℃の温度下で1時間振
とうした。振とう終了後、生物学的活性物質の溶出量を
分析し、第4胃の溶出率を算出した。
【0033】*Clark-Lubs緩衝液:1000ml中に以
下の試薬を溶解した緩衝液。 塩化カリウム:3.73g 塩酸 :2.1ml
【0034】小腸内の溶出性 第4胃内の溶出性試験終了後、回収したサンプルを30
0ml三角フラスコに投入し、小腸液に相当する緩衝液
200mlを注入して39℃の温度下で7時間振とうし
た。振とう終了後、生物学的活性物質の溶出量を分析
し、小腸の溶出率を算出した。
【0035】上記第4胃相当液中での溶出率と小腸相当
液中での溶出率の合計値を第4胃より下部の消化器官の
溶出率(以下、消化器官相当溶出率と呼ぶ)とした。
【0036】
【実施例1】L−リジン塩酸塩325g、タルク17
2.5g、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム2.
5g、水135gをニ−ダ−に投入して混練した後、
1.5mmфの目開きのスクリ−ンを有する押しだし造
粒機を用いて円柱状の顆粒を得た。得られた顆粒を球形
化装置(マルメライザ−、不二パウダル社製)を用いて
球形に近い顆粒とした。得られた球状顆粒を流動乾燥
し、粒径1.0mm〜2.5mmのL−リジン塩酸塩含
有の核を得た。得られた核をふるいで分別し、実施例に
用いた。
【0037】溶融した硬化牛脂99重量部に胆汁末1重
量部を添加した被覆組成物を流動コ−ティング法により
平均粒径1.5mmの核100重量部に対し、33.3
重量部の割合で核に被覆した。得られた被覆粒子につい
て上記評価試験を行った結果を表1に示した。第1胃溶
出率24%、消化器官相当溶出率68%であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例2】溶融した硬化牛脂99重量部に胆汁末1重
量部を添加した被覆組成物を、L−リジン塩酸塩の代わ
りにメチオニン375gを用いた以外は実施例1と同様
に調製した平均粒径1.5mmの核100重量部に対
し、33.3重量部の割合で核に被覆した。この被覆粒
子について上記評価試験を行った結果を表1に示した。
第1胃溶出率21%、消化器官相当溶出率67%であっ
た。
【0040】
【実施例3】溶融した硬化牛脂99重量部にコール酸1
重量部を添加した被覆組成物を、実施例1と同様に平均
粒径2.0mmの核100重量部に対し、33.3重量
部の割合で核に被覆した。この被覆粒子について上記評
価試験を行った結果を表1に示した。第1胃溶出率19
%、消化器官相当溶出率68%であった。
【0041】
【実施例4】溶融した硬化牛脂96.5重量部に胆汁末
0.5重量部、オレイン酸3重量部を添加した被覆組成
物を、実施例1と同様に平均粒径1.18mmの核10
0重量部に対し、33.3重量部の割合で核に被覆し
た。この被覆粒子について上記評価試験を行った結果を
表1に示した。第1胃溶出率18%、消化器官相当溶出
率77%であった。
【0042】
【実施例5】溶融した硬化牛脂98.5重量部に胆汁末
0.5重量部、レシチン1重量部を添加した被覆組成物
を、実施例1と同様に平均粒径1.5mmの核100重
量部に対し、33.3重量部の割合で核に被覆した。こ
の被覆粒子について上記評価試験を行った結果を表1に
示した。第1胃溶出率10%、消化器官相当溶出率78
%であった。
【0043】
【実施例6】溶融した硬化牛脂96.75重量部に胆汁
末0.25重量部、オレイン酸3重量部、レシチン1重
量部を添加した被覆組成物を平均粒径1.8mmの核1
00重量部に対し、17.6重量部の割合で核に被覆し
た。さらに上記被覆粒子に溶融した硬化牛脂100重量
部を添加した被覆組成物を核100重量部に対し、1
5.7重量部の割合で被覆粒子に被覆した。この被覆粒
子について上記評価試験を行った結果を表1に示した。
第1胃溶出率8%、消化器官相当溶出率75%であっ
た。
【0044】
【実施例7】溶融した硬化牛脂97.75重量部に胆汁
末0.25重量部、レシチン2重量部を添加した被覆組
成物を平均粒径1.8mmの核100重量部に対し、1
7.6重量部の割合で核に被覆した。さらに上記被覆粒
子に溶融した硬化牛脂97重量部、レシチン3重量部を
添加した被覆組成物を核100重量部に対し、15.7
重量部の割合で被覆粒子に被覆した。この被覆粒子につ
いて上記評価試験を行った結果を表1に示した。第1胃
溶出率14%、消化器官相当溶出率76%であった。
【0045】
【実施例8】溶融した硬化牛脂88.75重量部に胆汁
末0.25重量部、オレイン酸3重量部、レシチン1重
量部、タルク5重量部、澱粉グリコール酸Na2重量部
を添加した被覆組成物を平均粒径1.8mmの核100
重量部に対し、11.1重量部の割合で核に被覆した。
さらに上記被覆粒子に溶融した硬化牛脂98重量部、レ
シチン2重量部を添加した被覆組成物を核100重量部
に対し、22.2重量部の割合で被覆粒子に被覆した。
この被覆粒子について上記評価試験を行った結果を表1
に示した。第1胃溶出率7%、消化器官相当溶出率86
%であった。
【0046】
【比較例1】溶融した硬化牛脂100重量部を実施例1
と同様に平均粒径1.5mmの核100重量部に対し、
33.3重量部の割合で核に被覆した。この被覆粒子に
ついて上記評価試験を行った結果を表2に示した。第1
胃溶出率6%、消化器官相当溶出率2%であった。
【0047】
【表2】
【0048】
【比較例2】溶融した硬化牛脂90重量部にレシチン5
重量部、グリセリンモノステアレート5重量部を添加し
た被覆組成物を、実施例1と同様に平均粒径1.5mm
の核100重量部に対し、33.3重量部の割合で核に
被覆した。この被覆粒子について上記評価試験を行った
結果を表2に示した。第1胃溶出率84%、消化器官相
当溶出率8%であった。
【0049】
【比較例3】溶融した硬化牛脂97重量部にオレイン酸
3重量部を添加した被覆組成物を、実施例1と同様に平
均粒径1.5mmの核100重量部に対し、33.3重
量部の割合で核に被覆した。この被覆粒子について上記
評価試験を行った結果を表2に示した。第1胃溶出率1
2%、消化器官相当溶出率12%であった。
【0050】
【比較例4】溶融した硬化牛脂99重量部にレシチン1
重量部を添加した被覆組成物を、実施例1と同様に平均
粒径1.5mmの核100重量部に対し、33.3重量
部の割合で核に被覆した。この被覆粒子について上記評
価試験を行った結果を表2に示した。第1胃溶出率14
%、消化器官相当溶出率10%であった。
【0051】
【比較例5】溶融した硬化牛脂80重量部に炭酸カルシ
ュウム20重量部を添加した被覆組成物を、実施例1と
同様に平均粒径1.5mmの核100重量部に対し、3
3.3重量部の割合で核に被覆した。この被覆粒子につ
いて上記評価試験を行った結果を表2に示した。第1胃
溶出率9%、消化器官相当溶出率25%であった。
【0052】以上の結果、本発明の実施例は第1胃中で
の保護性と第4胃より下部消化器官での溶出性に優れて
いることが明かである。また、胆汁末とオレイン酸等の
併用及び胆汁末を含有しない外層をもうけることにより
保護性と溶出性が向上していることも判る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、生物学的活性物質
を含有する核を、硬化動植物性油脂、融点40℃以上の
脂肪酸エステルよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の物質、及び胆汁末または胆汁由来の有機酸を含有する
被覆組成物で被覆してなることを特徴とすることによっ
て、従来の技術に比べ、第1胃中の保護性、第4胃より
下部消化器官での溶出性に優れた効果を有する反すう動
物用飼料添加組成物が得られた。本発明は生物学的活性
物質が反すう動物に有効に吸収されることを可能にした
飼料添加物を提供するものであり、産業上の意義は極め
て大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 直子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 池田 徹 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物学的活性物質を含有する核を、(A)
    硬化動植物性油脂、融点40℃以上の脂肪酸エステルよ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種の物質、(B)胆
    汁末または胆汁由来の有機酸から選ばれた少なくとも1
    種の物質及び(C)レシチン、室温で液状の不飽和高級
    脂肪酸または硬化動植物性油脂もしくは脂肪酸エステル
    に溶解する非イオン性界面活性剤から選ばれた少なくと
    も1種の物質を含有しない或いは含有する被覆組成物で
    被覆した粒状の反すう動物用飼料添加組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の反すう動物用飼料添加組成物の
    表面を上記(A)もしくは(A)及び(C)からなる上
    層被覆剤で更に上層被覆することを特徴とする2層被覆
    反すう動物用飼料添加組成物。
JP5240029A 1993-09-27 1993-09-27 反すう動物用飼料添加組成物 Pending JPH0787900A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009535056A (ja) * 2006-05-02 2009-10-01 ルーラル ディベロップメント アドミニストレーション ナショナル ライブストック リサーチ インスティチュウト 反芻胃保護コリンの製造方法
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