JPH0330761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は廃熱回収ボイラの制御方法に係り、
特に低圧、高圧の関節炭器のスチーミングを防止
し、かつ低圧、高圧の各ボイラドラムのレベル制
御を容易に行なえる制御方法に関する。

ガスタービン発電により生じた排ガスを始めと
して各種排ガスの熱を回収する方法として排ガス
流中の廃熱ボイラを配置して熱回収を行なうが、
この場合、熱回収効率を高めるため高圧ボイラと
低圧ボイラを併設した混圧型ボイラを設置するこ
とがある。第１図は従来の混圧ボイラの一例を示
す。図において、脱棺器２２内のボイラ用水は低
圧給水ポンプ２１により主給水管路４５を経て低
圧節炭器１７において昇温した後低圧ドラム１２
に供給される。

低圧ドラム１２内の缶水は降水管１４および蒸
発器１３を循環し、発生した蒸気はドラム１２か
ら低圧蒸気S₁として低圧タービン等所定の機器に
送られる。一方降水管１４を下降した缶水の一部
は高圧給水管路４６、高圧給水ポンプ１１、高圧
節炭器７を経て高圧ドラム２に至る。高圧ドラム
２内の缶水も低圧ドラム１２内の缶水と同様降水
管４、蒸発器３を循環し、発生した蒸気は高圧ド
ラム２、過熱器１を経て高圧蒸気Ｓとして高圧タ
ービン等の機器に供給される。

この型式のボイラにおいては、低圧節炭器１７
および高圧節炭器７に供給する給水の流量は主給
水管路４５を通過する給水量によつて調節される
ことになるため、弁４５ａを絞つてボイラ負荷低
下に対応して給水流量を減少させると低圧、高圧
の各節炭器１７および７においてスチーミングが
生じる。つまり各ボイラを通過する加熱媒体たる
排ガス量は常時時ほぼ一定であるため、給水通過
量が減少すると給水の単位体積当りの吸熱量が増
大してスチーミングを生ずる。節炭器内でスチー
ミングが生じると気液混合物の通過により伝熱管
は激しい衝撃を受け、いわゆるウオータハンマが
生じ、節炭器が損傷する虞れがある。またボイラ
ドラムの相互干渉を防止するため、低圧ドラム１
２をバイパスして管路４７を設けることもある
が、この場合には低圧節炭器内でスチーミングが
生じると気液混合物が高圧給水ポンプ１１に直接
流入するため、同ポンプ１１のキヤビテーシヨン
による振動損傷という問題も発生する。

また高圧ドラム２と低圧ドラム１２は降下管１
４高圧給水ライン４６、高圧節炭器７を介して連
通状態となつているため高圧ドラム２のレベル変
動が生じると低圧ドラム１２の缶水取り出し量が
変化し低圧ドラム１２のレベル変動となつて現れ
る。すなわち両ドラムに相互干渉が発生して両ド
ラムのレベルを一定に保持することが非常に困難
となる。

この発明の目的は上述した問題点を除去し、高
圧、低圧の各節炭器にスチーミングを生ぜずかつ
高圧、低圧の各ボイラドラムの相互干渉を防止す
る廃熱回収ボイラの制御方法を提供することにあ
る。

要するにこの発明は、給水ポンプ、節炭器、蒸
気ドラムを順に位置させ給水系を形成し、その給
水流量及び節炭器内圧力を調整する第１の流量調
節弁を前記節炭器と蒸気ドラムとの間の管路に設
け、ボイラ水の一部を給水ポンプ上流側に再循環
する管路を設け、かつ該管路に第２の流量調整弁
を設けたボイラにおいて、前記ボイラドラムの水
位に応じて第１の流量調整弁を調整し、節炭器出
口の給水温度とドラム水位に応じ第２の流量調節
弁を調整することを特徴とする廃熱回収ボイラの
制御方法である。

以下この発明の実施例を図面を用いて説明す
る。

第２図において、脱気器２２内の給水は主給水
管４５、低圧給水ポンプ２１、流量計２３を経て
低圧節炭器１７に至る。低圧節炭器１７を出た給
水は後述する制御方法により開度選定された第１
の流量調節弁１５を経て低圧ドラム１２内に流入
し、降水管１４と蒸発器１３を循環し、発生した
蒸気は低圧蒸気S₁として低圧タービンに供給され
る。１９は低圧節炭器１７の出口における給水温
度を検知する温度検知器であり、出口部給水温度
が設定値よりも低い場合には再循環ポンプ１８に
より節炭器入口側給水に高温の缶水を混入して温
度調節を行なう。

次に低圧節炭器内でスチーミングが生ずる虞れ
のある場合には次の制御を行なう。節炭器内での
スチーミングを防止するには節炭器を通過する給
水量を増加させて節炭器出口温度を飽和温度以下
にすれば良いわけであるから、第２の流量調節弁
２０を開として低圧ドラム１２内の缶水の一部を
脱気器２２に還流させて低圧節炭器１７の給水通
過量を増大させる。この場合同弁２０の開度は水
位計１６の信号と、温度検知器１９の信号により
調節し、必要量以上の缶水が脱棺器２２に還流し
ないよう調節する。この弁２０の調節により低圧
節炭器内のスチーミングを防止する外、水位計１
６の信号も受けることにより低圧ドラム１２内の
レベル制御も行なう。２４は還流量を検知する流
量検知器である。

一方低圧節炭器１７を出た給水の一部は管路４
８高圧給水ポンプ１１、流量計２５を経て高圧節
炭器７に至る。以後低圧ボイラと同様に、流量調
節弁５により流量制御されて高圧ドラム２に流入
し、降水管４および蒸発器３を循環し、発生した
蒸気はドラム２、過熱器１を経て高圧蒸気S₂とし
て高圧タービンに供給される。節炭器に対する缶
水の混入はポンプ８により、またスチーミングの
防止およびドラム水位調節は水位計６と温度検知
器９の信号により流量調節弁１０の開度を調節す
ることにより行なう。２６は高圧ボイラ側の給水
還流量を検知する流量検知器である。

第３図は低圧節炭器におけるスチーミング防止
のための制御方法をより具体的に示したものであ
る。図中５１はガスタービン負荷信号発信器、５
２はドラム圧力発信器、５３は節炭器出口給水温
度発振器、５４は缶水還流量発信器（第２図の符
号２４と対応）、５５はドラム水位発信器である。

ガスタービン負荷信号発信器５１からの信号に
より、関数発生器５６はあらかじめ入力しておい
た節炭器給通過量を加算器６０に入力し、これを
制御の先行要素とする。ドラム圧力発信器５２に
よる圧力ドラム圧力信号は関数発生器５７に入力
され、あらかじめ入力しておいた飽和圧力に対す
る給水温度の関係式から、検知圧力に対する飽和
温度を算出し、これより数度低い温度を指定して
設定器５８に入力する。設定器５８は発信器５３
による節炭器出口給水温度信号と前記指定温度と
を比較演算して偏差値を出し、比例及び積分器２
９を経て前記加算器６０に入力し、加算器６０は
流量信号を設定器６３に発する。この場合、発信
器５４による缶水還流量が演算器６１、掛算器６
２を経て補正値として設定器６３に入力される。
設定器６３の信号は比例および積分器６４、手動
または自動制御器６５により流量調整弁２０の開
度調節を行なう。

次にドラム水位調節のため、信号記憶器６７に
ドラム水位目標値を設定し、ドラム水位が弁の調
節不良等により上昇した場合にも弁２０を操作す
るようにしたものである。すなわち信号発生器６
６と信号記憶器６７により加算器６８において加
算してドラム水位設定値とし、発信器５５により
発信されたドラム水位の実測値とこの設定値を設
定器６９において比較演算し、この偏差値を上下
限設定器７０において制御範囲を限定するよう偏
差値を数値限定して加算器６０に補正値として入
力する。これにより弁２０の開度設定をスチーミ
ング防止とドラム水位調節の両方の観点から行な
うことができる。

高圧ボイラ側もこれと同様の制御を行なうこと
によりスチーミング防止と、ドラム水位調節を行
なう。

この発明を実施することにより高圧、低圧の各
節炭器のスチーミングを有効に防止でき、かつ高
圧、低圧の各ドラムの相互干渉を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の混圧型廃熱回収ボイラの系統
図、第２図はこの発明に係る制御方法を示す混圧
型廃熱回収ボイラの系統図、第３図は低圧ボイラ
の制御を具体的に示す系統図である。 ２……高圧ドラム、７……高圧節炭器、１２…
…低圧ドラム、５，１５……第１の流量調節弁、
１７……低圧節炭器、１０，２０……第２の流量
調節弁、２２……脱気器、５１……ガスタービン
負荷信号発信器、５２……ドラム圧力発信器、５
３……節炭器出口給水温度発信器、５４……缶水
還流量発信器、５５……ドラム水位発信器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 給水ポンプ、節炭器、蒸気ドラムを順に位置
   させ給水系を形成し、その給水流量及び節炭器内
   圧力を調整する第１の流量調節弁を前記節炭器と
   蒸気ドラムとの間の管路に設け、ボイラ水の一部
   を給水ポンプ上流側に再循環する管路を設け、か
   つ該管路に第２の流量調整弁を設けたボイラにお
   いて、前記ボイラドラムの水位に応じて第１の流
   量調整弁を調整し、節炭器出口の給水温度とドラ
   ム水位に応じ第２の流量調節弁を調整することを
   特徴とする廃熱回収ボイラの制御方法。 ２ 各ドラム内の缶水の還流量の決定因子として
   ガスタービン負荷信号、ドラム内圧力信号を加え
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   廃熱回収ボイラの制御方法。 ３ 各ドラム内の缶水の還流量決定の補正因子と
   して、還流量実測信号、ドラム水位設定値を加え
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   廃熱回収ボイラの制御方法。