JPH0330738B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、変速出力軸とこれと直角なドライブ
軸とを連動連結するバギー車等のベベルギヤ装置
に関する。

（従来技術及びその問題点） 第３図に示すように第１、第２ベベルギヤ５，
２５、クランクケース２と一体のベベルケース部
４０内に備えている。変速出力軸１８を支持する
ベアリング２２は直接クランクケース２に嵌着さ
れている。第１ベベルギヤ５を支持するベアリン
グ４１はベアリングハウジング４２に嵌着され、
バウジング４２はケランクケース２に嵌着されて
いる。

ところが上記のような構造で両ベベルギヤ５，
２５の歯合わせを調整する場合には、エンジン組
立て工程において、エンジンを少なくとも仮組し
た状態で行なわなければらない。即ちエンジンを
仮組した状態において、ハウジング４２をずらし
たりあるいはカバー４３を取外したりしながら、
ハウジング４２のつば部４２ａとクランクケース
２の間のシム４４や、第２ベベルギヤ２５とベア
リング２２の間のシム２８を調整しなければなら
ない。従つてエンジンの組立て作業に手間がかか
る。

（発明の目的） 両ベベルギアの歯合わせの調整をエンジンの組
立て作業とは別の場所で行えるようにすることに
より、エンジン組立ての作業能率の向上を図るこ
とを目的としている。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するために本発明は、クランク
ケースとは別体にベベルケースを備え、ベベルケ
ース内には前後方向に間隔を隔てた１対のドライ
ブ軸用ベアリングを設け、該ベアリングによりド
ライブ軸を支承すると共に上記両ベアリング間に
第１ベベルギヤ及びカムダンパーを備え、出力軸
を概ね上記両ベアリング間に位置させると共に、
出力軸用ベアリング及びベアリングホルダを介し
てクランクケースに支承させ、上記出力軸用ベア
リングをホルダの内周面に、段部とナツトにより
軸方向移動不能に固定し、出力軸用ベアリングの
端面に出力軸とは別対の第２ベベルギヤの端面を
シムを介して軸方向位置調節自在に当接させ、ク
ランクケースには出力値と直角なベベルケース取
付座を形成し、ホルダには出力軸と直角な位置決
め段部を形成し、ベベルケースには出力値と直角
な取付面を形成し、上記取付座がベベルケース及
び出力軸用ベアリングの位置決め基準面となるよ
うに、上記取付座にベベルケース取付面及びホル
ダの位置決め段部を直接当接させるようにしてい
る。

（実施例） 第１図は４輪バギー車に備えられたベベルギヤ
装置の水平断面図を示しており、この第１図にお
いて、ベベルケース１はクランクケース２とは別
対に形成されており、ベベルケース１内の前端部
にはベアリング３が嵌着され、ベアリング３の内
周面には第１ベベルギヤ５が嵌着されている。第
１ベベルギヤ５にはドライブ軸６の前端部が嵌入
され、締付けナツト７により係止されている。第
１ベベルギヤ５はカムダンパー８を介して一体回
転可能にドライブ軸６に連結されている。カムダ
ンパー８のカム摺動体１０はドライブ軸６にスプ
ライン嵌合すると共に、コイルばね１１により第
１ベベルギヤ５側に付勢され、ベベルギヤ５のカ
ム形成部５ａに当接している。

ベベルケース１の後端部には支持筒１２を介し
てローラベアリング１４が嵌着され、ローラベア
リング１４はドライブ軸６を支持している。支持
筒１２の後端フランジ部１２ａはシム１６を介し
てベベルケース１の後端面に当接し、ボルト１５
によりケース１に締着されている。ドライブ軸６
の後端部は伝動機構等を介して後車輪に連動連結
している。１７は走行距離計駆動用のギヤであ
り、ドライブ軸６のウオーム軸に噛み合つてい
る。

クランクケース２にはドライブ軸６の直角な変
速出力軸１８が備えられると共に、出力軸１８と
直角なベベルケース取付座２０が形成されてい
る。出力軸１８はベアリング２２の内周面に嵌着
され、ベアリング２２は筒状のベアリングホルダ
２３の内周面に嵌着されている。ベアリング２２
のアウタレースの一端縁はホルダ２３の内向きつ
ば部２３ａに当接し、他端縁は係止ナツト２４に
当接し、それによりホルダ２３に対してベアリン
グ２２を軸方向移動不能に係止している。ナツト
２４はホルダ２３の内周面に螺着されている。出
力軸１８はベベルケース１内に突出しており、そ
こに第２ベベルギヤ２５がスプライン嵌合してい
る。出力軸１８の先端部には締付けナツト２７が
螺着されており、ナツト２７とベアリング２２の
インナーレースにより第２ベベルギヤ２５を軸方
移動不能に係止している。ベアリング２２と第２
ベベルギヤ２５の間には第２ベベルギヤ２５の位
置調節用のシム２８が配置されている。ホルダ２
３のベベルケース側の端部には、出力軸１８と直
角で、かつクランクケース２の取付座２０に対向
する位置決め用段部２６が形成されている。

ホルダ２３はその段部２６が取付け座２０に当
接し、ボルト３０によりクランクケース２に固定
されている。

ベベルケース１には出力軸１８と直角で、かつ
クランクケース２の取付座２０に対向する取付面
３１が形成されている。ベベルケース１はその取
付面３１がクランクケース２の取付座２０に当接
し、複数本のボルトによりクランクケース２に固
着されている。

（作用） ベベルギヤ装置の歯合わせの調整は、予めエン
ジン組立てラインとは別の場所で行なわれる。

例えば第２図に示すように仮取付座２０′及び
仮出力軸１８′を有するジグＧを準備しておき、
ジグＧの凹部３３にホルダ２３を嵌合し、段部２
６を仮取付座２０′に当接させる。ホルダ２３内
にベアリング２２を嵌着すると共にナツト２７に
よりベアリング２２を係止する。そしてベベルケ
ース１をジグＧに仮に取付け、両ベベルギヤ５，
２５の歯合わせの調整を行なう。

即ち第２ベベルギヤ２５とベアリング２２の間
のシム２８の厚みを調整することにより、段部２
６を基準面として第２ベベルギヤ２５の軸方向の
位置を決定する。またベベルケース１の後端面と
支持筒１２のフランジ部１２ａの間のシム１６の
厚さを調整することにより、ベベルケース１に対
する第１ベベルギヤ５の軸方向（前後方向）の位
置を調整する。

次にエンジン組立て工程において、ベベルケー
ス１を取付ける前には、出力軸１８はまず図示さ
れていない他端部がクランクケース２に片持ち状
に支持され、第１図に示されている側の端部は自
由状態になつている。

上記のような状態のクランケース２に、ホルダ
２３、ベアリング２２及びナツト２４の三者を１
つのユニツトとしてクランクケース２の孔２ａに
嵌合し、ホルダ２３の段部２６を取付座２０に当
接させ、ボルト３０により固定する。

そして予め調整済みのシム２８を出力軸１８に
嵌め、第２ベベルギヤ２５の出力軸１８にスプラ
イン嵌合し、ナツト２７で固定する。

次にドライブ軸６及び第１ベベルギヤ５が予め
組付けられているベベルケース１を、その取付面
３１を取付座２０に当接させてクランクケース２
に固着する。

このようにクランクケース２の取付座２０を基
準面としてベベルギヤ装置を組付けるこにより、
両ベベルギヤ５，２５は正確な位置に確実にセツ
トされる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は、ベベルケースを
クランクケースとは別体に形成し、クランクケー
スは出力軸と直角なベベルケース取付座を形成
し、変速出力軸用ベアリングを保持するベアリン
グホルダには出力軸と直角な位置決め段部を形成
し、ベベルケースには出力軸と直角な取付面を形
成し、上記取付座にベベルケースの取付面及びホ
ルダの段部を当接させるようにしているので、次
のような効果がある。

即ちホルダの段部のベベルケースの取付面をジ
グの仮取付座に合わせることにより、エンジン組
立て前に予め別の場所で、正確にベベルギヤ間の
歯合わせの調整を行なうことができる。

それによりエンジン組立て時には、クランクケ
ースの取付座にホルダの段部及びベベルケースの
取付面を当接させて組付けるだけで、両ベベルギ
ヤを正確な位置にセツトできる。従つてエンジン
組立て作業においては、歯合わせ調整作業を行な
う必要はなくなり、エンジン組立ての作業能率が
向上する。

本発明の重要な特徴及び利点を再度まとめてみ
ると： (A) クランクケース２に形成された取付座２０が
ベベルケース１及び出力軸用ベアリング２２の
双方の取付位置の基準面となつているのあり、 (B) ベベルケース１はその取付面３１が直接取付
座２０に当接することにより位置決めされ、 (C) 出力軸用ベベルギヤ２５が位置調節自在に当
接するベアリング２２は、ホルダ２３に段部２
３ａとナツト２４により軸方向移動不能に固定
され、 (D) 上記ホルダ２３の段部２６が取付座２０に直
接当接することによりベアリング２２が位置決
めされているのである。

これによりエンジン組立前に、ジグの基準面を
利用して予めベベルギヤ間の歯合わせ調整をして
おくことができ、組立ラインにおけるクランクケ
ースへの組付時には１つの取付座２０にベベルケ
ース１及びベアリングホルダ２３の直接合わせる
ことにより、歯合わせ調整は不要となり、組立ラ
インにおける作業の能率向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したベベルギヤ装置の水
平断面図、第２図はジグによる歯合わせ調整中の
第１図のベベルギヤ装置の水平断面図、第３図は
従来例の水平断面図である。１……ベベルケー
ス、２……クランクケース、５……第１ベベルギ
ヤ、６……ドライブ軸、１８……出力軸、２０…
…取付座、２２……ベアリング、２３……ベアリ
ングホルダ、２６……段部、２５……第２ベベル
ギヤ、２８……シム、３１……取付面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変速出力軸１８とこれと直角なドライブ軸６
   とを連動連結するバギー車等のベベルギヤ装置に
   おいて、クランクケース２とは別体にベベルケー
   ス１を備え、ベベルケース１内には前後方向に間
   隔を隔てた１対のドライブ軸用ベアリング３，１
   ４を設け、該ベアリング３，１４によりドライブ
   軸６を支承すると共に上記両ベアリング３，１４
   間に第１ベベルギヤ５及びカムダンパー８を備
   え、出力軸１８を概ね上記両ベアリング３，１４
   間に位置させると共に、出力軸用ベアリング２２
   及びベアリングホルダ２３を介してクランクケー
   ス２に支承させ、上記出力軸用ベアリング２２を
   ホルダ２３の内周面に、段部２３ａとナツト２４
   により軸方向移動不能に固定し、出力軸用ベアリ
   ング２２の端面に出力軸１８とは別体の第２ベベ
   ルギヤ２５の端面をシム２８を介して軸方向位置
   調節自在に当接させ、クランクケース２には出力
   軸１８と直角なベベルケース取付座２０を形成
   し、ホルダ２３には出力軸１８と直角な位置決め
   段部２６を形成し、ベベルケース１には出力軸１
   ８と直角な取付面３１を形成し、上記取付座２０
   がベベルケース１及び出力軸用ベアリング２２の
   位置決め基準面となるように、上記取付座２０に
   ベベルケース取付面３１及びホルダ２３の位置決
   め段部２６を直接当接させるようにしたことを特
   徴とするベベルギヤ装置。