JPH0330203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車のエンジンにて回転駆動される
オルタネータの取付装置に関するものである。

〈従来の技術〉 自動車のエンジンにて回転駆動されるオルタネ
ータは、エンジンに取付けられた支持台上に固設
され、エンジンのクランク軸端のプーリとオルタ
ネータのプーリとをベルト伝達されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 近時の自動車、殊に観光バス等においては多く
の電化製品が設備され、電力使用量が増大してい
る。従つて、オルタネータも電力使用量に対応し
た容量のものが要求される。しかしながら、大容
量のオルタネータは必然的に大型化される。

ところで、オルタネータは前記のようにエンジ
ン側のプーリとオルタネータのプーリ間をベルト
伝達されて回転駆動をされるため、エンジンの変
位でベルトのテンシヨンが変化することのないよ
うオルタネータはエンジンに取付けられ、エンジ
ンと相対変位することなく同一変位するよう設置
される。従つて、オルタネータが大型化すると設
置スペースの問題がある。また、従来搭載されて
いた小型のオルタネータに、他の小型のオルタネ
ータを追加して電力量を増大することも考えられ
るが、これもエンジンに取付けられるスペースが
なく、この問題の解決を要求されていた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされたもので、その要旨は、自動車のフレーム
側に支持台をエンジンのクランク軸線と平行する
軸線回りで揺動可能に軸支し、この支持台とエン
ジンとを伸縮調整可能なロツドにより前記支持台
の揺動方向に対し直交する軸線で連結し、前記支
持台上にエンジン側の回転プーリとベルト伝達さ
れたオルタネータを固設したものである。

〈作用〉 本考案は、エンジン以外の固定部所に搭載され
たオルタネータは、エンジンの変位をロツドによ
つて伝達し変位する支持台によつてエンジンと同
一変位し、ベルトのテンシヨンが常に一定に確保
され、オルタネータをエンジン以外の部所に設置
可能としたものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図及び第２図において、１はフレームで
ある。このフレーム１にブラケツト２を固設し、
ブラケツト２には支持台３をエンジン（図略）の
クランク軸Ｏと平行する軸線回りで揺動可能に支
軸４にて枢支する。前記支持台３上には彎曲した
アーム５が固設され、このアーム５とエンジン側
に固定した取付部材６との間を伸縮調整可能なロ
ツド７により前記支持台３の揺動方向に対し直交
する軸線で連結している。また、前記支持台３上
には回転軸をクランク軸線Ｏと平行する方向に向
けたオルタネータ８が固設される。このオルタネ
ータ８は支持台３上にボルトにて固定される他
に、アーム５にもボルトにて固定される。そし
て、エンジンのクランク軸端に設けられているプ
ーリ９とオルタネータ８のプーリ１０とにベルト
１１が掛け渡されている。さらに前記アーム５と
フレーム１とにはベルト１１の上下方向の振れを
抑止する振れ止め用ローラ１２，１３が設置され
ている。

本考案は上記の構成によるものであるから、オ
ルタネータ８はエンジン以外の固定部分に設置す
ることが可能となり、大容量の大型のオルタネー
タであつてもスペース的に問題なく搭載できる。
また、オルタネータ８を設置する支持台３はフレ
ーム１に対しクランク軸線Ｏと平行な軸線回りに
揺動可能に支軸４にて軸支されているためにロツ
ド７を伸縮調整することによりプーリ９，１０の
軸間距離が調整されベルト１１のテンシヨンを適
正に調節することができる。しかも、エンジンの
揺動はロツド７を介して支持台３に伝達し、支持
台３をエンジンの変位と同一変位して設定された
ベルト１１のテンシヨンを保持する。また、振れ
止め用ローラ１２，１３は、周回するベルト１１
の上下方向の振れが発生した場合に、これを抑止
し、プーリ９，１０からのベルト１１の外れを防
止する作用を行つている。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、エンジン以外の
固定部分であるフレームに、エンジンの回転をベ
ルトによつて伝達されるオルタネータを設置した
支持台をエンジンのクランク軸線と平行する軸線
回りで揺動可能に軸支し、この支持台とエンジン
とを伸縮調整可能なロツドにより連結した構成で
あるから、従来のようにオルタネータをエンジン
ブロツクの側方に直接結合支持した構造に比較す
ると、大容量の大型のオルタネータの搭載を可能
とする。

また、上記従来講造では、エンジンの大きな振
動が直接オルタネータに作用するため、オルタネ
ータの支持剛性を大きくする必要があり、これに
よりオルタネータはエンジンと共振し、オルタネ
ータに対して悪影響を及ぼす。

しかし、本考案では支持台が軸支されているフ
レームは振動が小さく、オルタネータの支持剛性
を大きくする必要がないのでオルタネータに対す
る影響が少なく、かつエンジンの大きな変位に対
してもベルト伝達系の軸間距離を常に一定に保持
する利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は側面図、第３図は支持台の軸支部の詳細図で
ある。 １…フレーム、３…支持台、４…支軸、７…ロ
ツド、８…オルタネータ、９，１０…プーリ、１
１…ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のフレーム側に支持台をエンジンのクラ
   ンク軸線と平行する軸線回りで揺動可能に軸支
   し、この支持台とエンジンとを伸縮調整可能なロ
   ツドにより前記支持台の揺動方向に対し直交する
   軸線で連結し、前記支持台上にエンジン側の回転
   プーリとベルト伝達されたオルタネータを固設し
   たことを特徴とするオルタネータ取付装置。