JPH0330113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案に係るガス滅菌器用加温装置は、病院
や各種研究所に於いて、使用済の手術用具や実験
器具等を滅菌処理するガス滅菌器に付設し、滅菌
処理が効率良く行なわれる様に、滅菌容器内を加
温する場合に使用される。

（従来の技術） 病院や各種研究所に於いては、使用済の手術用
具や実験器具等に付着した細菌による二次感染を
防止する為、これらの器具等を酸化エチレン等の
滅菌性ガスを使用して滅菌処理する事が広く行な
われている。

この様な滅菌性ガスを利用して被滅菌物の滅菌
処理を行なう場合に使用するガス滅菌器に於いて
は、滅菌容器内に収納した被滅菌物やこの滅菌容
器内に送り込んだ滅菌性ガスを加温する事で、滅
菌処理が効率良く行なわれる様にする為、加温装
置が付設されている。

即ち、例えば第２図に示す様に、被滅菌物を収
納する内缶１の外面とこの内缶１の周囲を囲む外
缶２の内面との間にウオータジヤケツト３を設
け、このウオータジヤケツト３の下端部と上端部
とを結ぶ循環パイプ４の途中に、循環ポンプ５
と、ヒータ６により水を加温する加温器７とを設
けている。

内缶１内を加温する場合には、循環ポンプ５を
運転すると同時に加温器７のヒータ６に通電し
（或はヒータ６を構成する伝熱パイプ内に加熱用
流体を流し）、加温された水を上記ウオータジヤ
ケツト３内に送り込み、上記内缶１を周囲から加
温する。

尚、図面に於いて、１３はウオータジヤケツト
３内に新たな水を補給する為の防水パイプ、１４
はウオータジヤケツト３内に存在する水を排出す
る為の排水パイプである。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上述の様に構成され作用する従来の
ガス滅菌器用加温装置に於いては、上述の様な不
都合を生じる。

即ち、内缶１と外缶２とは、何れも鉄製である
為、内缶１内を加温する為にウオータジヤケツト
３内と循環パイプ４内との間を循環する水に接触
する内缶１の外面と外缶２の内面とが錆びて、上
記水中に鉄の錆が混入してしまう。

加温用の水中に混入した鉄錆は、循環ポンプ５
を傷めてその寿命を短くするだけでなく、水位計
（図示せず）を見難くする等、種々の不都合を生
じる。

第２図に示す様に、加温用の水を加温器７内の
ヒータ６で加温する構造の加温装置の場合、上記
水中に防錆剤を混入する事で上記不都合を解消す
る事も出来るが、上記水を加温する為、この水中
に加温用の水蒸気を送り込む構造の加温装置の場
合、単に防錆剤を混入しただけでは十分な効果を
得る事が出来ない。

即ち、加温用の水中に水蒸気を送り込む事で、
この水を加温する場合、水蒸気が凝縮する事で水
の容積が次第に増す為、水量の増加分をオーバフ
ローパイプから排出しなければならない。

オーバフローパイプから排出される水中には防
錆剤が混入しているのに対し、加温の為水中に送
り込まれる水蒸気内には当然に防錆剤が混入して
いない為、ウオータジヤケツト３内に存在する水
中の防錆剤濃度が次第に薄くなる事は避けられ
ず、そのままにしておいた場合、十分な防錆効果
を得る事が出来なくなつてしまう。

本考案のガス滅菌器用加温装置は、上述の様な
不都合を解消するものである。

ｂ 考案の構成 （問題を解決するための手段） 本考案のガス滅菌器用加温装置は、第１図に示
す様に構成されている。

即ち、前述した従来の加温装置の場合と同様
に、被滅菌物を収納する内缶１の外面とこの内缶
１の周囲を囲む外缶２の内面との間にウオータジ
ヤケツト３を形成し、このウオータジヤケツト３
内の水を加温する事で、上記内缶１内を加温する
様にしている。

この為、上記ウオータジヤケツト３の下端部と
上端部とを循環パイプ４で結び、この循環パイプ
４の途中に、循環ポンプ５と、加温用水蒸気送り
込みパイプ８とを設けている。

ウオータジヤケツト３の上端部にオーバフロー
パイプ９を設けて、加温用水蒸気送り込みに伴う
水量の増加分を排出出来る様にしている。

更に、本考案のガス滅菌器用加温装置に於いて
は、上記循環パイプ４の途中に補給パイプ１０の
一端を接続し、この補給パイプ１０の他端を防錆
剤を貯溜したタンク１１に接続している。

この補給パイプ１０の途中には、定容量型の補
給ポンプ１２を接続して、この補給ポンプ１２を
一定量だけ運転する事で、循環パイプ４内を流れ
る水中に、一定量の防錆剤を送り込める様にして
いる。

（作用） 上述の様に構成される本考案のガス滅菌器用加
温装置の場合、内缶１内を加温する場合、循環パ
イプ４内を流れる水中に加温用の水蒸気を送り込
む事でこの水を加温するが、水蒸気の凝縮に伴う
水量の増加分は、オーバフローパイプ９から排出
される。

補給パイプ１０の途中に設けた補給ポンプ１２
は、ガス滅菌器により滅菌作業を開始する際、或
は滅菌器による滅菌作業が終了した際に、一定量
だけ運転し、タンク１１内に存在する防錆剤を、
一定量だけ循環パイプ１０内を流れる水中に送り
込む。

この為、水蒸気の凝縮に伴つてオーバフローパ
イプ９から水が排出されても、ウオータジヤケツ
ト３内に存在する水中の防錆剤濃度は常に十分に
保たれ、内缶１の外面と外缶２の内面との防錆が
図られる。

ｃ 考案の効果 本考案のガス滅菌器用加温装置は、以上に述べ
た通り構成され作用する為、加温用のウオータジ
ヤケツト内に存在する水中に鉄錆が混入する事を
有効に防止する事が出来、水中に混入した鉄錆に
よつて循環ポンプが傷んだり、或は水位計が見難
くなつたりする事がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の、第２図は従来の、それぞれ
ガス滅菌器用加温装置を示す回路図である。 １：内缶、２：外缶、３：ウオータジヤケツ
ト、４：循環パイプ、５：循環ポンプ、６：ヒー
タ、７：加温器、８：加温用水蒸気送り込みパイ
プ、９：オーバフローパイプ、１０：補給パイ
プ、１１：タンク、１２：補給ポンプ、１３：給
水パイプ、１４：排水パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被滅菌物を収納する内缶の外面とこの内缶の周
   囲を囲む外缶の内面との間に形成されたウオータ
   ジヤケツト内の水を加温する事で上記内缶内を加
   温する為、上記ウオータジヤケツトの下端部と上
   端部とを結ぶ循環パイプの途中に、循環ポンプ
   と、加温用水蒸気送り込みパイプとを設け、ウオ
   ータジヤケツトの上端部にオーバフローパイプを
   設けたガス滅菌器用加温装置に於いて、上記循環
   パイプの途中に一端を接続し、他端を防錆剤を貯
   溜したタンクに接続した補給パイプの途中に、定
   容量型の補給ポンプを接続した事を特徴とする、
   ガス滅菌器用加温装置。