JPH0330098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、主として病人、重度身体障害者、
寝たきり老人等の患者がオムツの内側に重ね合わ
せて汚物を除去する際に使用されるオムツ中敷に
関するものである。

（従来の技術） 従来は、内部に粉砕パルプ等の吸水体が充填さ
れた長い長方形状に形成された紙オムツで患者の
腰部分から腹部分まで包み込むようにしていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、紙オムツが長方形状に長く形成
されていて、使用時に患者の腰部分から腹部分ま
で包み込むため、オムツの交換作業が極めて困難
で、特に女性の場合は１枚の交換作業でも患者の
腰部分から足まで持ち上げなければならず、重労
働であつた、また、患者及びその患者を看護する
家族等にとつて必需品であるにも拘らず、紙オム
ツの原材料の製品コストより小売価格が割高とな
り、経済的理由から紙オムツ１枚を半分に切断し
て使用することもあり、その際、紙オムツの切口
から、汚物が付着した中身の粉砕パルプ等の吸水
体が零れ落ちたり飛散したりして、寝具、患者、
看護人等に触れ、不衛生で掃除や後処理等が著し
く面倒であつた。更に、使用後は汚物が紙オムツ
全体に広がつてしまうため、焼却及び廃棄処分す
るまで、悪臭を漂わせたり、或いは視覚を通じて
不快感を抱かせたりしていた。

そこで、この考案は、叙上のような問題点を解
決すべく案出されたもので、女性及び男性の如何
に拘らず、軽労働でオムツの交換作業を極めて容
易にできるようにすると共に、衛生的に掃除や後
処理等を著しく簡単にできるようにし、更に使用
後に焼却及び廃棄処分するまで、悪臭を漂わせた
り、或いは視覚を通じて不快感を抱かせたりする
のを確実に防止できるようなオムツ中敷を提供す
るものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この考案は、従来の問題点を解決するために、
吸水体の表面に肌接触シートが設けられ、且つ吸
水体の裏面に防水シートが設けられた正方形状の
中敷本体を形成し、この中敷本体裏面の防水シー
トの一角部には手挿入用及び包み込み用の三角形
状のポケツト部を設け、このポケツト部の外面に
はオムツ固定用の両面粘着テープと折畳時の抑止
用の両面粘着テープとを並設したことを技術的手
段とする。

（作用） この考案は、叙上のような技術的手段により、
使用時に、中敷本体裏面のポケツト部に手を挿入
して、患者の尻部を左右斜めにしながらオムツの
内側適所に菱形に差込んで一方の両面粘着テープ
にて固定した後、下敷きのオムツと一緒に包み込
んで止着し、そして、使用後は、中敷本体のポケ
ツト部がある一角部を除いた三角部を内側中心方
向へ折重ね、この上に、中敷本体のポケツト部が
ある一角部側を二つ折り状態に折重ねた後、中敷
本体裏面のポケツト部を表側へ引つ繰り返して、
中敷本体裏面の防水シートにポケツト部外面の他
方の両面粘着テープで抑止するようにする。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

この考案のオムツ中敷は、第１図及び第２図に
示すように、先ず、綿状パルプ、吸収紙、不織布
等の天然繊維製の吸水体１の表面に丈夫な紙製の
肌接触シート２が設けられ、且つ吸水体１の裏面
にビニール製等の防水シート３が設けられた正方
形状の中敷本体４を形成する。次に、この中敷本
体４裏面の防水シート３の一角部には手挿入用及
び包み込み用の三角形状のポケツト部５を設け
る。そして、このポケツト部５外面の開口縁部の
幅方向中央部には互いに粘着層６と剥離紙７とか
らなる、オムツ固定用の両面粘着テープ８と折畳
時の抑止用の両面粘着テープ９とを並設したもの
である。

［考案の効果］ この考案は、叙上のように、吸水体１の表面に
肌接触シート２が設けられ、且つ吸水体１の裏面
に防水シート３が設けられた正方形状の中敷本体
４を形成し、この中敷本体４裏面の防水シート３
の一角部には手挿入用及び包み込み用の三角形状
のポケツト部５を設け、このポケツト部５の外面
にはオムツ固定用の両面粘着テープ８と折畳時の
抑止用の両面粘着テープ９とを並設したから、使
用時においては、ポケツト部５外面の一方の両面
粘着テープ８の剥離紙７を剥離した後、中敷本体
４裏面のポケツト部５に手を挿入して、患者の尻
部を左右斜めにしながらオムツの内側適所に菱形
に差込んで両面粘着テープ８の粘着層６にて固定
し、その後、下敷きのオムツと一緒に包み込んで
止着する。そして、使用後は、第３図及び第４図
に示すように、中敷本体４のポケツト部５がある
一角部を除いた三角部を内側中心方向へ折重ね、
この上に、中敷本体４のポケツト部５がある一角
部側を二つ折り状態に折重ねた後、中敷本体４裏
面のポケツト部５を表側へ引つ繰り返して、中敷
本体４裏面の防水シート３にポケツト部５外面の
他方の両面粘着テープ９で抑止する。

すなわち、中敷本体４を正方形状に形成したこ
とにより、オムツの内側適所に菱形に置けること
と、中敷本体４裏面の防水シート３の一角部にポ
ケツト部５を設けたことにより、ポケツト部５に
手を挿入して患者の尻部を左右斜めにしながらオ
ムツの内側適所に差込んだり、或いは中敷本体４
の一角部を包み込んだりできることと、ポケツト
部５の外面に各両面粘着テープ８，９を並設した
ことにより、オムツの内側適所に両面粘着テープ
８で固定したり、或いは中敷本体４裏面の防水シ
ート３に抑止したりできることとが相俟つて、女
性及び男性の如何に拘らず、軽労働でオムツの交
換作業が極めて容易にできる。

しかも、ポケツト部５に手を挿入して患者の尻
部に差込めることによつて、汚物が付着した尻部
に直接触れずにすむことと、ポケツト部５外面の
両面粘着テープ９によつて、小さく折畳んで防水
シート３に抑止できるため、従来のように半分に
切断した紙オムツの切口から、汚物が付着した中
身の粉砕パルプ等の吸水体が零れ落ちたり飛散し
たりして、寝具、患者、看護人等に触れること
や、汚物が中敷本体４から外部へ零れ落ちるのを
防止できることとが相俟つて、衛生的に掃除や後
処理等を著しく簡単にできるばかりでなく、使用
後は汚物が中敷本体４の全体に広がつても焼却及
び廃棄処分するまで、悪臭を漂わせたり、或いは
視覚を通じて不快感を抱かせたりするのを確実に
防止できる。

それに、中敷本体４を正方形状に形成して、オ
ムツの内側適所に菱形に置くようにしたことによ
り、従来のように紙オムツが長方形状に長く形成
して、患者の腰部分から腹部分まで包み込むもの
に比較して、原材料が半分以下ですみ、しかもオ
ムツが使用不能なほど汚れる迄は、この考案のオ
ムツ中敷のみを交換すれば良く、オムツ交換の重
労働が楽になり、頻繁に取り替えが容易で、患者
及び看護人の負担が減少し、便利であると同時に
衛生的、且つ経済的効果がはるかに大なるもので
ある。

更に、ポケツト部５の外面に両面粘着テープ８
を設けたことにより、オムツの内側適所に両面粘
着テープ８で固定できるため、患者が多少寝がえ
りしても、オムツからずり落ちたり移動したりす
ることなく、オムツへの装着状態を著しく安定さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は裏面から見た斜視図、第２図は第１図のＡ−
Ａ矢視線断面図、第３図及び第４図は使用状態を
示し、第３図は中敷本体の三角部を内側中心方向
へ折重ねた状態の平面図、第４図は折畳んだ状態
の平面図である。 １……吸水体、２……肌接触シート、３……防
水シート、４……中敷本体、５……ポケツト部、
６……粘着層、７……剥離紙、８……両面粘着テ
ープ、９……両面粘着テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸水体の表面に肌接触シートが設けられ、且つ
   吸水体の裏面に防水シートが設けられた正方形状
   の中敷本体を形成し、この中敷本体裏面の防水シ
   ートの一角部には手挿入用及び包み込み用の三角
   形状のポケツト部を設け、このポケツト部の外面
   にはオムツ固定用の両面粘着テープと折畳時の抑
   止用の両面粘着テープとを並設したことを特徴と
   するオムツ中敷。