JPH0330055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はクツシヨン芯体の上下面の少なくと
も一方の面に外装体が添設されるマツトレス装置
に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般にマツトレス装置は、多数のコイルスプリ
ングを平板状に連結してスプリングユニツトを形
成し、その上下面の少なくとも一方の面に外装体
が設けられる。この外装体としては、表地と裏地
との間にウレタンフオームなどの詰物を介在させ
たものが多く使用されている。。そして、上記外
装体はその周縁部がスプリングユニツトの外周面
を覆うまち地にエツジテープによつて縫着され、
また裏地の周辺部は一端をこの裏地に縫着し他端
をコイルスプリングに連結したフランジ布によつ
てスプリングユニツトに固定される。

ところで、このような外装体においては、美観
の向上や詰物がずれ動くのを防止するため、表
地、裏地および詰物の三者を一体にキルテイング
している。キルテイングはその線が深く鮮明であ
ることが重要な要件の１つでる。しかしながら、
上述したマツトレス装置において、キルテイング
された外装体を設ける場合、その外装体の周縁を
まち地に縫合したり、裏地をフランジ布でスプリ
ングユニツトに固定するときに、外装体にかなり
大きな張力を加えながら行なわなければ、たるみ
のない良好な状態に設けることができない。する
と、その張力によつて外装体の表地、裏地および
詰物が伸びるので、この伸びによつてキルテイン
グの線が浅く不鮮明になるという欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、外装体をスプリングユニツトに設
けるときに、この外装体に加わる張力で外装体が
伸びてキルテイングの線が浅く不鮮明になること
がないようにしたマツトレス装置を提供すること
にある。

〔考案の概要〕

この考案は、外装体の内面側に、インナクロス
をその周辺部を上記外装体の周辺部に縫着して設
けるとともに、このインナクロ衰スの周辺部に一
端がスプリングユニツトのコイルスプリングに連
結されるフランジ布の他端を縫着することによつ
て、上記外装体を張設するときの張力がこの外装
体に直接加わるのを防止したマツトレス装置であ
る。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図と第２図を
参照して説明する。第１図中１はベツドである。
このベツド１は一端にヘツドボード２、他端にフ
ツトボード３が設けられた基体４を有し、この基
体４上にはマツトレス装置５が載置されている。
このマツトレス装置５は第２図に示すようにスプ
リングユニツト６を備えている。。このスプリン
グユニツト６は、多数のコイルスプリング７をヘ
リカル線８で平板状に連結して形成されている。
このスプリングユニツト６の上下面周縁には枠線
９がそれぞれ設けられている。また、スプリング
ユニツト６の上下面にはそれぞれウレタンフオー
ムなどからなる板状の上部弾性材１０と下部弾性
材１１とが接合されている。上記上部弾性体１０
の外面には上部外装体１２が設けられ、上記下部
弾性材１１の外面には下部外装体１３が接合され
ている。これら各外装体１２，１３は表地１４と
裏地１５との間に綿、羽毛あるいはウレタンフオ
ームなどの詰物１６を充填するとともに、これら
三者を格子状のキルテイング１７によつて一体に
縫合して形成されている。また、各外装体１２，
１３の内面側、つまり裏地１５には上記外装体１
２，１３とほぼ同じ大きさのインナクロス１８が
接合され、このインナクロス１８の周辺部は上記
外装体１３，１４の周辺部に縫着されている。こ
のインナクロス１８は伸縮性あるいは張力に対す
る伸びが小さな非伸縮性のいずれの布地であつて
もよい。さらに、上記インナクロス１８の周辺部
にはフランジ布１９が一端を縫着して設けられて
いる。

そして、上記各外装体１２，１３は上記フラン
ジ布１９の他端をスプリングユニツト６の周辺部
に位置するコイルスプリング７にクリツプ２０で
連結することによつて張設されている。また、各
外装体１２，１３の周縁部はスプリングユニツト
６の外周面を覆うまち地２１の上下端にテープエ
ツジ２２によつて縫合されている。

このような構造のマツトレス装置によれば、各
外装体１２，１３を張設するに際し、外装体１
２，１３をたるみのない状態とするためにフラン
ジ布１９を介してインナクロス１８に張力を加え
る。。すぬと、このインナクロス１８は引伸ばさ
れた反力によつて各弾性材１０，１１の外面に圧
接する。したがつて、これらの圧接による摩擦力
で上記外装体１２，１３がずれ動くのが防止され
る。また、外装体１２，１３の張設はインナクロ
ス１８にフランジ布１９が設けられているため、
このフランジ布１９を引張ることによつて張力を
与えやすいばかりか、張力を与えた状態での固定
を上記フランジ布１９によつて容易に行なえる。
さらに、上下部外装体１２，１３をたるみのない
状態に設けるため、インナクロス１８を引張つて
も、この張力は上記外装体１２，１３に直接加わ
ることがない。したがつて、上記外装体１２，１
３の表地１４と裏地１５とが伸びることがないか
ら、各外装体１２，１３に施こされたキルテイン
グ１７の形状が崩れることがない。つまり、キル
テイング１７の線が浅く不鮮明になることがな
い。

第３図はこの考案の他の実施例をし、この実施
例はインナクロス１８を外装体１２，１３に比べ
て比例的に小さな面積、すなわち長さ寸法と幅寸
法とを外装体１２，１３に比べて小さく形成し
た。このようにすれば、インナクロス１８を張設
するときに、これに大きな張力を加えてかなり伸
ばしても、外装体１２，１３よりも大きくなりず
らいから、インナクロス１８が外装体１２，１３
にたるみが生じずらないばかりか、上記外装体１
２，１３に張力ぎ加わることもない。

つまり、、この考案におけるインナクロス１８
は外装体１２，１３とほぼ同じ大きさのものある
いは小さなもののいずれであつてもよい。

第４図はこの考案のさらに他の実施例を示す。
この実施例はいわゆるボトムマツトレスに適用し
た場合で、スプリングユニツト６は枠体２５上に
設けられ、コイルスプリング７の下端はタツカ２
６によつて上記枠体２５に固定されている。ま
た、まち地２１の下端部は上記枠体２５の下面側
に固定され、上端には上部外装体１２の周縁部が
テープエツジ２２によつて縫合されている。つま
り、スプリングユニツト６の上面側にだけ上部弾
性材１０と上部外装体１２とが設けられ、下面側
には弾性材と外装体とが設けられていないという
点で上記一実施例と異なる。

このような構造においても上記一実施例と同様
上部外装体１２を良好に張設することができる。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案は、外装体の内面側
に、インナクロスを周辺部を上記外装体の周辺部
に縫着して設けるとともに、このインナクロスの
周辺部に一端がスプリングユニツトのコイルスプ
リングに連結されるフランジ布の他端を縫着し
た。したがつて、インナクロスに張力を加えて上
記外装体をたるみのない状態で張設すると、イン
ナクロスが伸ばされた反力で上記スプリングユニ
ツトに圧接するから、これらの圧接による摩擦抵
抗で上記外装体がずれ動くのが防止される。ま
た、上記フランジ布によつてインナクロスに張力
を与えやすいばかりか、張力を与えた状態でのス
プリングユニツトへの固定が容易に行なえる。さ
らに、インナクロスによつて外装体に張力が直接
加わるのが防止されるから、上記外装体を張設す
るときにこれに施こされたキルテイングの形状が
崩れることがないなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すベツドの斜
視図、第２図は同じくマツトレス装置の断面図、
第３図はこの考案の他の実施例を示すインナクロ
スが設けられた外装体の断面図、第４図はこの考
案のさらに他の実施例を示すマツトレス装置の断
面図である。 ６……スプリングユニツト、７……コイルスプ
リング、１２，１３……外装体、１４……表地、
１５……裏地、１６……詰物、１８……インナク
ロス、１９……フランジ布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルスプリングを平板状に連結してスプリン
   グユニツトを形成し、このスプリングユニツトの
   上下面の少なくとも一方の面に、表地と裏地との
   間に詰物を設けるとともにこれら三者を一体にキ
   ルテイングしてなる外装体が添設されるマツトレ
   ス装置において、上記外装体の内面側には、イン
   ナクロスが周辺部を上記外装体の周辺部に縫着し
   て設けられているとともに、上記インナクロスの
   周辺部には一端が上記コイルスプリングに連結さ
   れるフランジ布の他端が縫着されていることを特
   徴とするマツトレス装置。