JPH0329088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はキヤリツジおよびコラムの左右および
後方への切粉の飛散を防止するに好適な工作機械
の切粉飛散防止カバに関するものである。

従来の技術 工作機械には摺動面への切粉の進入を防止する
ためや、機械の周辺への切粉の飛散を防止するた
めに切粉飛散防止カバが従来より設けられてい
る。従来一般に使用されているものは、前記摺動
面への切粉を防止するためにジヤバラ状のカバで
被包するものが採用されているが、カバ表面が水
平であるか又は若干傾斜しているもののみであつ
た。

考案が解決しようとする問題点 工作機械には立設するコラムが設けられ、主軸
頭がコラムに取付けられていることから、コラム
の左右および後方に切粉が飛散する場合が多い。
従来技術のものでは飛散した切粉の摺動面への進
入は防止されるが、コラム周りへの切粉の飛散を
防止することができず、各所に切粉の堆積が生じ
清掃に時間を要すると共に、周辺機器に切粉が付
着および進入する不具合が生ずる。

本考案は前記不具合を解決するもので、コラム
周りの切粉の飛散を防止し、切粉除去作業の効率
を向上すると共に、要部への切粉の付着や進入を
防止し得る工作機械の切粉飛散防止カバを提供す
ることにある。

問題点を解決するための手段 本考案はこのために左右方向（Ｘ軸方向）に移
動するキヤリツジ側面と機械の不動側間にジヤバ
ラ状の伸縮自在構造のカバを架設し、該カバの前
後方向（Ｚ軸方向）の前面側を後方に向つて立上
り形成すると共に、上下方向（Ｙ軸方向）には、
Ｚ軸方向に前記キヤリツジに摺動自在に支持され
るコラムに沿つて適宜高さ立上る垂直面を形成し
てなる工作機械の切粉飛散防止カバを構成するも
のである。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図に本実施例が適用される工作機械の概要
構造を示す。

ベツド２上にはベース３が載置され、ベース３
上にはキヤリツジ１６がＸ軸方向に移動可能に載
置される。キヤリツジ１６はベースの摺動面に沿
い図示しない送りねじ軸等によりＸ軸方向に移動
すべく形成される。キヤリツジ１６にはＺ軸方向
に沿つてコラム４が摺動自在に支持される。コラ
ム４には主軸５を装着する主軸頭６が摺動可能に
支持される。ベツド２上のテーブル７上に載置さ
れる被加工物（図示せず）は主軸５により加工さ
れる。

キヤリツジ１６の側面と機械の不動側たるベツ
ド２の側面間にはそれぞれ切粉飛散防止カバ１
（以下、カバ１という）が架設される。

第２図および第３図によく示す如く、カバ１は
伸縮自在のジヤバラ構造から形成される。すなわ
ちカバ１はカバ部材１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１
Ｅ，１Ｆをジヤバラ状に連結したものから形成さ
れ、カバ部材１Ａは１Ｂに、カバ部材１Ｂは１Ｃ
に、カバ部材１Ｃは１Ｄに、カバ部材１Ｄは１Ｅ
に、カバ部材１Ｅは１Ｆにそれぞれそつくり収納
し得るように形成されると共に、図示しない係止
手段を介し伸長時に脱離しないように形成され
る。なおカバ部材１Ａと１Ｆにはプレート８，９
が設けられ、プレート８，９はそれぞれキヤリツ
ジ１６側およびベツド２側に固定されるべく形成
される。なおプレート８，９は軽量化のため抜き
孔１０をそれぞれ形成する（第３図）。なお伸縮
方向は第１図に示す如くＸ軸方向に沿つて行われ
る。

カバ部材１Ａ等はそれぞれ相似形状に形成され
るが、まづ下方に拡がる傾斜面１１，１２を有す
ると共に、傾斜面１１，１２の上端部から垂直に
立上る垂直面１３，１４を形成する。なお垂直面
１３，１４はコラム４の高さ方向に沿つて適宜高
さだけ立上つて形成される。また垂直面１３，１
４の交わる最頂部は相互に折曲し、閉止面１５を
形成する。傾斜面１１，１２の最下端部は垂直方
向に折曲形成されるが、これは図示しないローラ
ガイド等に係合する部分であり、この部分はカバ
１の伸縮動作を円滑にするためおよび強度上、加
工上の要請によるもので、特に前記折曲形状のも
のに限定するものでない。傾斜面１１，１２は第
１図に示す如くＺ軸方向に沿つて配設され、その
前面側の傾斜面１１は後方に向つて立上るように
形成される。カバ１の材質は特に限定しないが、
鋼製、樹脂、ゴム等材が使用される。

カバ１は前記の如く、ベツド２とキヤリツジ１
６間に架設されるため、キヤリツジ１６のＸ軸方
向の移動に追従して伸縮する。すなわちキヤリツ
ジ１６のＸ軸方向はカバ１により遮閉される。

切削時において前記の如く切粉が発生するが、
切粉は傾斜面１１により下方に落下されると共
に、垂直面１３により後方への進入が防止され
る。すなわち傾斜面１１、垂直面１３およびジヤ
バラ状に架設されるカバ１の全体により、キヤリ
ツジ１６の左右および後方への切粉の飛散が防止
される。更に傾斜面１１および垂直面１３に衝突
した切粉は下方に誘導され、所定の場所に集約さ
れる。勿論、キヤリツジ１６の摺動面および送り
ねじ軸等への切粉の進入が防止され、周辺機器へ
の切粉の付着も生じない。

本実施例において、コラム４のＺ軸方向の移動
がカバ１により拘束されるように見えるが、コラ
ム４がＺ軸方向に移動する構造の工作機械の場合
には、コラム４側面とカバ１間に図示しない可撓
部材（ジヤバラ状の切粉防止カバであつてもよ
い）を架設すればよい。また本実施例でカバ１は
６個のカバ部材１Ａ等から構成されるが、勿論こ
れに限定しない。また傾斜面１２は形成されなく
ても構わない。

考案の効果 以上の説明によつて明らかな如く、本考案によ
ればキヤリツジおよびコラムまわりの切粉の飛散
を完全に防止し、摺動面および周辺機器等への切
粉の付着、進入を防止すると共に、切粉除去作業
効率を向上し得る効果が上げられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の配置状態を示す斜視
図、第２図は本実施例の側面図、第３図は第２図
の矢視正面図である。 １……切粉飛散防止カバ、１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，
１Ｄ，１Ｅ，１Ｆ……カバ部材、２……ベツド、
３……ベース、４……コラム、５……主軸、６…
…主軸頭、７……テーブル、８，９……プレー
ト、１０……抜き孔、１１，１２……傾斜面、１
３，１４……垂直面、１５……閉止面、１６……
キヤリツジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右方向（Ｘ軸方向）に移動するキヤリツジ側
   面と機械の不動側側面間に架設される伸縮自在の
   ジヤバラ構造のカバであつて、前後方向（Ｚ軸方
   向）の前面側には後方に向つて立上る傾斜面を有
   すると共に、上下方向（Ｙ軸方向）にはＺ軸方向
   に沿つて前記キヤリツジに摺動自在に支持される
   コラムに沿つて適宜高さだけ立上る垂直面を形成
   することを特徴とする工作機械の切粉飛散防止カ
   バ。