JPH0328880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は、衣服の袖等の細長状布片の端部の
みに接着又は折曲げ等の加工部がある複数枚の縫
製パーツを連続的にプレス加工したのち、それら
を自動的に積載するように構成した縫製パーツ用
プレス機に関するものである。

（従来の技術） 従来、衣服の身頃又は芯地等の縫製パーツを、
その長手方向が送り方向に沿う状態で縦長送りし
てプレス加工するようにしたプレス装置が知られ
ている。また、このプレス装置の搬出口前方には
前記縫製パーツの搬送方向に移動する移動部材を
備えた積載装置が接続配置されて、加工後の縫製
パーツが自動的に回収されるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、ブレザー又はコートの袖等のように
細長状布片の端部のみを加工するために、縫製パ
ーツをその長手方向が送り方向に直交する状態で
横長送りする場合には、前記従来の縦長送り用の
プレス装置及び積載装置によつては複数枚の縫製
パーツを連続的に自動処理することができないと
いう問題がある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記問題点に着目してなされたもの
であり、一端部を垂下させた状態で縫製パーツを
搬送案内するための案内面を備えたプレス装置に
おける搬出口の前方下側に、縫製パーツの垂下面
を横切るように移動されて縫製パーツを二つ折り
の状態で積載するための移動部材を備えた積載装
置を配置し、その積載装置の上方には縫製パーツ
を前記搬出口から前記移動部材の上方位置まで搬
送するための補助送り機構を設けるという構成に
した。

（作用） 従つて、この考案の縫製パーツ用プレス機にお
いては、縫製パーツがその一端部を垂下させた状
態でプレス装置の案内面に沿つて横長送りされた
のち、補助送り機構によつてプレス装置の搬出口
から積載装置の移動部材の上方位置まで補助送り
され、そこにおいて縫製パーツの垂下面を横切つ
て移動された移動部材上に二つ折りの状態で積載
される。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて詳細に説明する。

第１，２図に示すように、縫製パーツ用プレス
機のフレーム１上にはプレス装置２が設置されて
いる。このプレス装置２は、図示しない加熱ヒー
タ及び加圧ローラと、上下搬送ベルト３Ａ，３Ｂ
と、搬送ベルト３Ａ，３Ｂに沿つて延びるように
一側面に形成された開放部４と、その開放部４よ
り露出した縫製パーツＰの一端部を垂下させた状
態で縫製パーツＰを搬送案内するための案内面を
構成するテーブル５と、搬出口６とを備ている。
そして、衣服の袖等の細長状をなす複数枚の縫製
パーツＰが、その長手方向を搬送方向に対し直交
させた状態で、搬送ベルト３Ａ，３Ｂによつて横
長送りされ、その端部にある接着又は折曲げ等の
加工部が前記加熱ヒータと加圧ローラとの協働に
よつてプレス加工されたのち、搬出口６より順次
連続的に送り出されるようになつている。なお、
搬出口６には、縦長送りによつて加工された衣服
の身頃又は芯地等の縫製パーツを搬出案内するた
めの傾斜板７が設けられている。

プレス装置２における搬出口６の前方下側には
積載装置９が設置されている。積載装置９上に
は、縫製パーツＰの搬送方向に延びる支軸１０に
より第１揺動杆１１を介して移動部材としての積
載棒１２が揺動可能に支持され、シリンダ１３に
より縫製パーツＰの垂下面を横切つて左右に往復
移動されるようになつている。積載棒１２はその
外面にスポンジ等を巻回することによつて滑り止
め処理されている。また、前記支軸１０には第２
揺動杆１５を介して保持棒１６がストツパ１７よ
りも外方において揺動可能に支持されており、第
２揺動杆１５が引張ばね１４により常にはストツ
パ１７に押接されている。

積載装置９の上方には縫製パーツＰをプレス装
置２の搬出口６から前記積載棒１２の上方位置ま
で搬送するための補助送り機構１９が配置されて
いる。この補助送り機構１９は、積載棒１２の上
方に位置するようにプレス装置２のテーブル５前
端に延設された補助案内板２０と、その案内板２
０に対し上方から対向する送りベルト２１とから
構成されている。補助案内板２０は図示しない長
孔とねじ等よりなる適宜の調整手段を介して補助
案内板Ｐの搬送方向と直交する方向に位置調整可
能となつている。送りベルト２１は、補助案内板
２０の先端部に立設された支柱２２ａに固定され
た支持板２２上の昇降用シリンダ２３によつて昇
降されかつばね２４によつてバランス保持された
装着板２５上の一対のプーリ２６，２７間に掛装
され、プレス装置２における搬送ベルト３Ａ用の
駆動ローラ軸３ａと連動するタイミングベルトＶ
によりプレス装置２の運転中常時に駆動されるよ
うになつている。なお、送りベルト２１をそれ専
用のモータにより間欠駆動させることも可能であ
る。さらに、補助送り機構１９はプレス装置２の
搬出口６近傍において縫製パーツＰを検出するた
めの光反射センサ等によりなる検出器２８を備え
ている。

次に、以上のように構成された装置の作用を説
明する。

さて、第１図に示す状態においてプレス装置２
の搬送ベルト３Ａ，３Ｂの周回に伴いプレス加工
後の縫製パーツＰが検出器２８の設置位置まで送
られ、同位置への縫製パーツＰの到達が検出され
ると、第３図ａに示すように、昇降用シリンダ２
３の作動により送りベルト２１が下動されるとと
もに、積載装置９に配設した第１タイマ２９が作
動される。この第１タイマ２９には積載棒１２の
待機位置における待期時間、並びに送りベルト２
１の下降位置における送り作動時間が予め調整設
定されている。この状態において、縫製パーツＰ
が搬出口６より搬送されて送りベルト２１と補助
案内板２０との間に供給されると、縫製パーツＰ
は送りベルト２１の周回によつて補助案内板２０
上を搬出口６から積載棒１２の上方位置まで補助
送りされる。

そして、縫製パーツＰが積載棒１２の上方位置
に達した状態において第１タイマ２９がタイムア
ツプすると、揺動用シリンダ１３の突出作動によ
つて積載棒１２が、第３図ｂに示すように、待機
位置から縫製パーツＰの垂下面を横切つて外方に
揺動されるとともに、昇降用シリンダ２３の没入
作動によつて送りベルト２１が補助案内板２０よ
り上昇して縫製パーツＰを解放する。積載棒１２
の揺動途中において、縫製パーツＰの中央部が積
載棒１２と保持棒１６とにより挟持され、この状
態で積載棒１２と保持棒１６とが引張ばね１４の
作用に抗してさらに外方へ一体揺動されると、第
３図ｃに示すように、縫製パーツＰの他端部が補
助案内板２０と送りベルト２１との間より引き出
されて積載棒１２上に二つ折りの状態で支持され
る。なお、積載棒１２の揺動ストロークは、揺動
用シリンダ１３におけるエアの供給と排出との間
の時間を設定されるための第２タイマ３０によ
り、縫製パーツＰの長さに対応した所定値に予め
調整されている。

積載棒１２及び保持棒１６は第３図ｃに示す位
置において第３タイマ３１により予め調整設定さ
れた所定の時間だけ静止され、その静止時間が終
了すると、第３図ｄに示すように、揺動用シリン
ダ１３の没入作動に伴つて積載棒１２が待機位置
に復動されるとともに、引張ばね１４のばね力に
よつて保持棒１６がストツパ１７に当接する位置
まで復動される。また、これと同時に昇降用シリ
ンダ２３の突出作動により送りベルト２１が補助
案内板２０上に下降される。そして、この待機状
態においてプレス装置２の搬出口６より次の縫製
パーツＰが搬出され、前記した各動作を繰返して
積載棒１２上には複数枚の縫製パーツＰが連続的
に積載回収される。

なお、送りベルト２１を前記した専用モータに
より駆動する場合には、そのモータを前記検出器
２８からの信号に応答して起動させるとともに、
前記第１タイマ２９のタイムアツプ信号に応答し
て停止させることができる。また、前記補助案内
板２０の位置調整により縫製パーツＰの垂下長さ
を適宜変更すれば、長さが異なる複数種の縫製パ
ーツＰをそれらの中央位置にて積載棒１２により
正しく積載回収することができる。

なお、この考案は前記実施例の構成のみに限定
されるものではなく、例えば送りベルト２１にか
えてローラを用いたり、積載棒１２を送りベルト
２１の下方にて直線移動するように配置したりす
るなど、この考案の趣旨を逸脱しない範囲で各部
の構成を任意に変更して具体化することも可能で
ある。

考案の効果 以上詳述したように、この考案によれば、縫製
パーツがその一端部を垂下させた状態でプレス装
置の案内面に沿つて横長送りされたのち、補助送
り機構によつてプレス装置の搬出口から積載装置
の移動部材の上方位置まで補助送りされ、そこに
おいて縫製パーツの垂下面を横切つて移動された
移動部材上に二つ折りの状態で積載されるので、
衣服の袖等のように端部のプレス加工を要する複
数枚の縫製パーツを整然と自動的かつ連続的に積
載回収することができるという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す
縫製パーツ用プレス機の正面図、第２図はその右
側面図、第３図ａ〜ｄはそれぞれ異なる作動状態
における要部の略体正面図である。 プレス装置……２、開放部……４、案内面を構
成するテーブル……５、搬出口……６、積載装置
……９、移動部材としての積載棒……１２、補助
送り機構……１９、補助案内板……２０、送りベ
ルト……２１、検出器……２８、タイマ……２
９、縫製パーツ……Ｐ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端部を垂下させた状態で縫製パーツＰを搬
   送案内するための案内面５を備えたプレス装置
   ２における搬出口６の前方下側に、縫製パーツ
   Ｐの垂下面を横切るように移動されて縫製パー
   ツＰを二つ折りの状態で積載するための移動部
   材１２を備えた積載装置９を配置し、その積載
   装置９の上方には縫製パーツＰを前記搬出口６
   から前記移動部材１２の上方位置まで搬送する
   ための補助送り機構１９を設けたことを特徴と
   する縫製パーツ用プレス機。 ２ 前記補助送り機構１９は、前記案内面５と同
   一平面内において前記移動部材１２の上方に配
   設された補助案内板２０と、その案内板２０に
   対し縫製パーツＰを介して上方から対向する送
   りベルト２１とから構成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の縫製パーツ用プレ
   ス機。 ３ 前記補助送り機構１９は、前記補助案内板２
   ０に対して昇降可能な送りベルト２１と、前記
   移動部材１２の作動に同期して送りベルト２１
   を上昇させて縫製パーツＰを解放するための作
   動部材２３とを含んでいる実用新案登録請求の
   範囲第２項に記載の縫製パーツ用プレス機。 ４ 前記補助送り機構１９は、前記搬出口６の近
   傍において縫製パーツＰを検出し、その検出信
   号に関連して前記作動部材２３を作動させるた
   めの検出器２８を備えている実用新案登録請求
   の範囲第３項に記載の縫製パーツ用プレス機。 ５ 前記検出器２８の検出信号に基づいて前記作
   動部材２３の作動開始時間を調整設定するため
   のタイマ２９を備えている実用新案登録請求の
   範囲第４項に記載の縫製パーツ用プレス機。 ６ 前記補助案内板２０は、縫製パーツＰの搬送
   方向と直交する方向に位置調節可能に構成され
   ている実用新案登録請求の範囲第２項に記載の
   縫製パーツ用プレス機。 ７ 前記移動部材は、縫製パーツＰの搬送方向に
   延びる軸線の周りで揺動可能な積載棒１２より
   構成されている実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の縫製パーツ用プレス機。