JPH0328835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、眉墨等のペンシル状の化粧料の端部
に嵌め込まれるキヤツプの構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

眉墨等のペンシル状の化粧料は、丸棒体の先端
に化粧料を突出させ、絵を描く如くして使用する
ものであり、非使用時にはこの化粧料を損傷しな
いように保護しておく必要がある。

この保護手段として考えられるのは、従来の口
紅容器の如く化粧料を繰り出す方式であるが、眉
墨等は細身であるために、このような繰り出し構
造では構成が複雑となり、使用時に芯となる化粧
料を押圧するので化粧料が後退してしまうといつ
た不都合がみられた。

それゆえに、この種の化粧料にあつてはペンシ
ル状の丸棒体とし、化粧料が突出する先端部をキ
ヤツプにより保護する手段がとられている。

しかしながら、丸棒体の端部に単にキヤツプを
嵌め込むだけでは外れ易く、化粧料の保護が充分
に達成されないことになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記した従来の欠点、不都合を解消
するべく考案されたキヤツプ構造であつて、化粧
料を芯とするペンシル状の丸棒体の端部にキヤツ
プを確固と嵌め込み、しかも着脱を簡単に達成す
るようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、丸棒体１４の端部が嵌め込まれるキ
ヤツプ体１と、このキヤツプ体１内に嵌め込まれ
る弾性体５とから構成される。

先ずキヤツプ体１は、前記した丸棒体１４の直
径よりもやや大きい内径を有する筒壁２の内周面
に、係止溝３を周設した有頂円筒形状である。

そして、弾性体５は、略円筒状に弾性変形させ
た姿勢で前記筒壁２内に嵌め込まれる硬質弾性材
製の金属薄板であつて、筒壁２の内周とほぼ等し
い幅を有しており、この金属薄板の上端部６から
下端部７にかけての長さ方向に沿つて、複数の窓
孔８を開孔することにより、複数の弾片９を残存
形成したものである。

弾片９に、内方に湾曲して前記した丸棒体１４
の外面に弾接する保持部１１を形成すると共に、
外方に屈曲して前記した筒壁２内周面に当接する
変形部１２を形成し、さらに前記金属薄板の端部
に、筒壁２の係止溝３に係止する係止片１３を、
上端と下端を立ち上がらせて舌片状に半抜き加工
により外方に突設した形態で設けている。

〔作用〕

上記した構成にあつて、弾性体５を略円筒状に
弾性変形させて筒壁２内に嵌め込み、弾性体５の
係止片１３を筒壁２の係止溝３に係止することに
より、弾性体５はキヤツプ体１内に嵌め込み固定
される。

この場合、弾性体５は金属薄板を弾性変形させ
て筒壁２内に嵌め込むものであるために、その弾
性復帰力が筒壁２内面に直接作用して弾接し、ま
た係止片１３は半抜き加工により外方に突出し、
しかも上端と下端を立ち上がらせて舌片状にして
いるので、キヤツプ体１内への嵌入方向に力が作
用すると、その上端が係止溝３上端縁に当接し、
また脱出方向に力が作用すると、その下端が係止
溝３下端縁に当接して、係止を確固たるものにし
ているのである。

上記したようにして、弾性体５をキヤツプ体１
内に嵌め込んだ姿勢では、弾性体５はその弾性復
帰力によつて筒壁２内周面に弾接し、また弾性９
の外方に屈曲する変形部１２が筒壁２内周面に当
接することによつて保持部１１が内方に湾曲膨出
する。

従つて、化粧料１５を芯材とした丸棒体１４を
嵌め込むと、丸棒体１４の直径は筒壁２の内径よ
りやや小さいので、きつく嵌入し、内方に膨出し
ている保持部１１を外方に弾性変形せしめながら
この保持部１１に弾接し、確固と保持されること
になる。

〔実施例〕

図示実施例にあつて、キヤツプ体１は金属等で
成形され、筒壁２の上端に頂壁４を連設した構成
であり、係止溝３は筒壁２の開口端部に周設され
る。

また、弾性体５は硬質弾性材で成形されて弾性
変形が自在なものとなつており、その係止片１３
は前端部６でも後端部７であつても良く、半抜き
加工により外方に突出する姿勢で、必要に応じて
複数設けられるが、この個々の係止片１３は一対
の係止片部１３ａと係止片部１３ｂより構成され
ている。すなわち一方の係止片部１３ａは弾性体
５の外方斜め上端方向に突出し、他方の係止片部
１３ｂは外方斜め下端方向に突出しており、係止
溝３に係止した際に、一方の係止片部１３ａは弾
性体５のキヤツプ体１内への嵌入限を設定し、他
方の係止片部１３ｂは弾性体５がキヤツプ体１か
ら抜け出ないように機能する。

また、弾片９は、窓孔８を設けることによつて
容易に弾性変形できるものとなり、この一部には
突起１０が内方に突出する姿勢で設けられてい
る。この突起１０は丸棒体１４の所定周面に当接
するものであり、丸棒体１４を嵌め込んだ場合、
突起１０と当接した状態が丸棒体１４の嵌入限と
なり、また弾片９の保持部１１が変形によつて内
方に膨出して丸棒体１４の周面に弾接することに
なり、丸棒体１４の嵌入限の姿勢を維持するので
ある。

〔効果〕

本考案のキヤツプ構造は、以上説明したような
構成となつているので、ペンシル状化粧料の丸棒
体の端部にキヤツプを確固と組み付けることがで
きてその状態を維持させることができ、しかも着
脱が容易であり、また構成部材が少なく構成が簡
単であつて成形が容易で成形コストも廉価であ
り、化粧料を確実に保護できる等、多くの優れた
作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の組み付き状態の拡大断面図で
ある。第２図は弾性体の展開正面図である。 符号の説明、１……キヤツプ体、２……筒壁、
３……係止溝、５……弾性体、８……窓孔、９…
…弾片、１０……突起、１１……保持部、１２…
…変形部、１３……係止片、１４……丸棒体、１
５……化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 丸棒体の端部が嵌め込まれる有頂円筒の筒壁の
   内周面に係止溝を周設したキヤツプ体と、前記筒
   壁の内周とほぼ等しい幅を有し幅方向に略円筒状
   に弾性変形させた姿勢で前記筒壁内に嵌め込まれ
   る硬質弾性材製の金属薄板の上端部から下端部に
   かけての長さ方向に沿つて、複数の窓孔を開孔す
   ることにより複数の弾片を残存形成し、該弾片に
   内方に湾曲して前記丸棒体周面に弾接する保持部
   を形成すると共に、外方に屈曲して前記筒壁内周
   面に当接する変形部を形成し、さらに前記金属薄
   板の端部に、前記筒壁の係止溝に係止する係止片
   を、上端と下端を立ち上がらせて舌片状に半抜き
   加工により外方に突設した弾性体とから成るキヤ
   ツプ構造。