JPH03288198A - 音響レンズ系 - Google Patents

音響レンズ系

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JPH03288198A
JPH03288198A JP2089319A JP8931990A JPH03288198A JP H03288198 A JPH03288198 A JP H03288198A JP 2089319 A JP2089319 A JP 2089319A JP 8931990 A JP8931990 A JP 8931990A JP H03288198 A JPH03288198 A JP H03288198A
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sound
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acoustic lens
axis
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Akira Hasegawa
晃 長谷川
Masayoshi Omura
正由 大村
Shinichi Imaide
愼一 今出
Hidetsugu Ikuta
英嗣 生田
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/18Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound
    • G10K11/26Sound-focusing or directing, e.g. scanning
    • G10K11/30Sound-focusing or directing, e.g. scanning using refraction, e.g. acoustic lenses

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波などにより物体の像を形成する音響レ
ンズ系に関するものである。
〔従来技術〕
近年、各種の超音波診断装置、超音波顕微鏡など、超音
波を利用して対象物の観察、検査、診断などを行なう装
置が開発されている。これらの装置では音響レンズを用
いて音源から発生する超音波を所望の位置に集束させ、
物体からの反射波により物体の表面あるいは内部の像を
得るようになっている。しかし、従来知られている音響
レンズの多くは2次元的な結像機能を持たないため、物
体表面のある広さの領域の像を得るには物体を移動させ
ることにより物体表面上で超音波の集束点を相対的に移
動させて走査を行う必要があり、機械的な構成が大掛か
りになるという問題があった。
これに対し、音響レンズに2次元的な結像機能を付与し
、物体を移動させることなくある広さの領域の像を得よ
うとする装置が考案された。
第35図はこの種の超音波装置の一例を示すものである
。この装置は多数の微小な超音波素子を升目状に配列し
てなるトランスデユーサ1と、音響レンズ系2とを備え
ている。トランスデユーサ1の各超音波素子はパルス発
生器3により駆動されて超音波を発生し、かつ物体で反
射した超音波を受ける(発信□器と検出器とを兼ねる)
ものである。なお、トランスデユーサ1と物体との開は
水などで満たされている。
まず、一つの超音波素子がパルス状の超音波を発生し、
これが音響レンズ系2により物体に集束される。物体で
反射した超音波は逆に音響レンズ系2により元の超音波
素子上に集束され、この超音波素子で電気信号に変換さ
れる。次いで同じ行の隣接する超音波素子が同様に動作
する。これを繰り返して1ラインの走査が終了したら次
の列に移る。そして、全ての超音波素子がこの様な動作
を終了した時点で、この超音波トランスデユーサ2の大
きさに対応する物体上の領域の像を表わす電気信号が得
られる。この信号を信号処理回路4で処理してモニター
TV5に物体像を表示する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような装置に用いられる音響レンズは、その軸上の
みならず軸外においても良好な結像性能を有することが
必要である。ところが、前記従来例では超音波を2次元
的に結像させるというアイデアは開示されているが、そ
れを実現する音響レンズの具体的構成に関しては何ら開
示がない。
本発明は、超音波などを2次元的に結像させる音響レン
ズの性質について検討し、軸上のみならず軸外において
も良好な結像性能を持った音響レンズ系を得ることを目
的とするものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明は、
物体より発する音波を結像させるための音響レンズ系に
おいて、該レンズ系を構成する音響レンズの少なくとも
一つのレンズ面を非球面としたことを特徴とするもので
ある。
以下、第1図ないし第10図に基づいて本発明の基本的
な考え方を説明する。
第1図は音波に関する屈折の法則を説明するものである
。図に示すように境界面6を挟んで2つの異なる媒質が
接しており、一方の媒質中から他方の媒質中へ音波が進
行してい(ものとする。図中矢印で示すように音波の波
面の法線の包絡線を音線と呼ぶことにすると、この音線
に対して幾何光学における光線に対するのと同じ屈折の
法則が成立する。すなわち、今、入射側の媒質■中のあ
る周波数の超音波の速度をVl、射出側の媒質■中の同
じ周波数の超音波の速度を■2、境界面6に立てた法線
と音線とのなす角を入射側、射出側において夫々θ0、
θ2とすると、 sinθ、 /sinθ2=v工/y2・・・・・・(
1)という関係が成立する。したがって、vl /v2
を両媒質の相対屈折率と考えれば、音線の概念を用いる
ことにより幾何光学の考え方を応用して音響レンズの特
性を解析することができる。
第2図は以下の説明で用いる記号を与えるために、大き
さを持つ物体の像を形成する(すなわち画角を有する)
音響レンズおよび結像に係わる音線を示した図である。
図において、7は第1面の曲率半径がrl+第2面の曲
率半径がr2の音響レンズであり、Oは物体、工は物体
Oの音響レンズ7による像である。また、8は音響レン
ズの開口数を決定する音束絞りである。軸上マージナル
音線(軸上物点から出て音響レンズの開口の最も外側を
通る音線)9がレンズの軸となす角をθ、最大像高の軸
外主音線(軸外物点から出て音束絞りの中心を通る音線
)10が軸となす角、すなわち画角をω、軸外マージナ
ル音線(軸外物点から出て音響レンズの有効径の最も外
側を通る音線)11が軸外主音線10となす角をφ、軸
外主音線10の第1面への入射高をh1物体Oと第1面
の面頂との距離をS、第2面の面頂と保工との距離をS
o、レンズの軸上厚をd、第1面とレンズの入射瞳との
距離をEPとする。
超音波装置では超音波の減衰を防ぐため、その伝搬経路
を水などの液体で満たしている。第1表に現時点で実用
上使用可能と考えられる音響レンズの媒質および水の諸
性質を一覧表としてまとめておく。通常、音響レンズの
媒質は水などの液体より屈折率が低いので、結像レンズ
は軸上より周辺の方が肉厚の大きい凹レンズの形状とな
る。以下、簡単な例を引いてこのような音響レンズの特
性を検討する。
(1)全反射 まず、音響レンズ系のレンズ面における音波の全反射に
ついて検討する。
音響レンズの形状は大きく2つのタイプに分けることが
できる。1つは第2図に示した物点および像点側に曲率
の強い凹面を有するものであり、もう1つは第3図に示
すように音響レンズ系が複数のレンズからなっていて互
いに対向する面が強い凹面となっており、物点および像
点側は平面あるいは緩い曲面となっているものである。
まず、第2図について説明する。このタイプのレンズで
は、画角が大きくなるとレンズ表面での全反射により軸
外の結像に与かる音束が減少し、回折の影響により軸外
の結像性能が劣化する。良好な性能を確保するには少な
くとの音束絞りを通過し得る音束のうち半分以上は像面
に到達する必要がある。したがって、少なくとの軸外主
音線が全反射により失われないようにしなければならな
い。第4図は音響レンズ7の入射面近傍を拡大して°示
したものであるが、上記の条件を満たすには軸外主音線
の第1面への入射角をω−1音響レンズ中の音速をVl
 、音響レンズの入射側の媒質中の音速をvoとすると
き、 ω−< 5in−”(vo /Vl )・・・・・・(
2)という条件を満足しなければならない。すなわち、
画角を用いて書き直せば、 ω十5il−”(i1/r1 )  (5in−1(V
o  /v1 )  ””(”)を満足することが必要
となる。h<rtの場合は左辺の第2項は無視すること
ができ、 (IJ<  5in−”(vo /vt )  ・・・
−(4)が条件となる。更に軸外マージナル音線11も
全反射しないようにする場合には、 ω−φ+5in−”(h/rx  )   5in−”
(vo  /V1 )  −(5)という条件を満足す
れば良い。
一方、軸上音束においては主音線がレンズの軸と一致す
るので、式(5)においてω=0としφをθで置き換え
ればよい。すなわち、 5in−1(h/rt )−θ< 5in−1(vo 
/vt ) −(6)という条件を満足すれば良い。角
θがこの条件を満足しない軸上音線はレンズ表面で全反
射されて失われることになる。
次に第3図に示したタイプについて説明する。
2つのレンズ12.13の間は物空間および像空間と同
じ媒質で満たされているものとする。
このタイプの音響レンズでは第1面の曲率半径r1が大
きいので式(3)において5in−1(h/r1)が小
さ(なり、同じ5in−”(vo /v工)に対してそ
の分だけωを大きくすることができので、広角化にはこ
のタイプのほうが有利である。しかし、軸上音線に関し
ては5in−”(h/rt )が小さい分だけθも小さ
くしなければならないので、大口径化には不利となる。
したがって、必要とされる画角や口径比によって式(3
) 、 (5) 、 (6)のいずれを満足させるかを
決め、それに応じてレンズの形状や材質を選択すること
が必要である。
(2)減衰 次にレンズ内部での音波の減衰について検討する。一般
にレンズ媒質の内部ではその外部の水などの液体中より
音波の減衰が激しい。このためレンズの肉厚は可能な限
り薄くすることが望ましい。
第5図は第2図に示したレンズの第1面および第2面の
近傍の厚さdl、dtの部分14.15を残して中央部
を除去し、その部分を水などの音波の減衰が少ない物質
で埋めたものである。このようにレンズを構成する物質
の一部をより音波の減衰が少ない物質で置き換えること
により、結像性能にほとんど影響することなく音波の減
衰を減らすことができる。実用上は、音響レンズ系の全
長(最も物体側の面から最も像側の面までの軸上の距離
)の中でのレンズ媒質の占める割合を半分以下にする1
、すなわちレンズ系の全長をDルンズ系を構成する各レ
ンズの軸上厚をdt (物体側がら順にi−1,2,・
・・)とするとき、D/2〉Σdt・・・・・・(7) を満足するように各レンズの厚さを定めると良い。
(3)収差補正 次に、音響レンズの収差について説明する。画角を有す
るレンズ系では軸上、軸外のいずれに対しても収差を良
好に補正することが重要である。
そこでまず球面収差について説明する。
第2図のタイプのレンズをモデルとして、球面収差を補
正するために条件を求めてみよう。簡単のためレンズは
対称型(rニーr2)、結像倍率は一1倍(s=−s’
)とする。VO/v□−n1軸上マージナル音線の第1
面への入射高をhM、音響レンズの焦点距離をfとする
と、このレンズの球面収差Δ(1/S’)は Δ (1/S’)=(h2 /f3)(Aq2+Bqp
+Cp2+D)  ・・・(a)で与えられる。ただし
、A、ESC,Dはレンズ媒質の屈折率によって定まる
係数、qはシェイブファクター、pはポジションファク
ターでq = (r、 +r、 ) / (r2−r、
 )・・・・・・(9)p = (s’ +s)/(s
’ −s)  ・・・・・・(10)で定義されるもの
である。r 1−r 2 、S−S″の条件よりq”’
p”oであるから球面収差はΔ(1/S’) = (h
  /f )・D・・・・・・(11)となる。Dは屈
折率により D=n2/8(n−1) 2−−(12)と表される。
レンズの口径比、焦点距離を一定であるとすれば(h/
f)は定数である(これをEと置く)から、結局球面収
差は Δ(1/S’)=n2/8(n−1) 2・E−・=(
13)となる。
第6図は右側の縦軸に球面収差、左側の縦軸にペッツバ
ール和、横軸に屈折率をとって式(13)をグラフ化し
たものである。この図から明らかなように、屈折率が1
に近づくと球面収差が急激に大きくなる。Δ(1/S’
)=5E程度が球面収差の実用上の限界と考えると、 n≦0.83  または 1.27≦n・・・・・・(
14)を満足するような媒質を選定すれば球面収差が良
好に補正された音響レンズを得ることができる。
逆にこの範囲を越えてレンズの屈折率が周囲の媒質に近
づくと、球面収差が大きくなって解像力が悪くなる。
次に軸外収差について説明する。軸外収差の中で最も問
題になるのは像面の湾曲である。実際の像面の湾曲はペ
ッツバール和の大きさと非点収差とに分けられるが、概
略的にはペッツバール和を像面の湾曲の評価尺度とする
ことができる。
球面収差を検討した場合と同様に第2図に示したモデル
について考察する。簡単のために第2図においてレンズ
の厚さdを0とすると、このレンズのペッツバール和P
sは Ps =(1−17n )(1/r)−(1/n −1
)(1/r)= (2/r) (1−1/n )・・・
・・・(15)で与えられる。ただし、rニー−r2=
rとした。
レンズの焦点距離fは 1 / f = 2 (n−1) / r ・・・・・
(16)であるから、この式(15) 、 (16)よ
りP s = 1 / n f ”” (17)となり
、ペッツバール和はレンズ媒質の屈折率に反比例するこ
とが分かる。
再び第6図を見ると、レンズの屈折率が周囲の媒質の屈
折率よりも小さい場合には球面収差の減少する方向とペ
ッツバール和の増大する方向とが一致していることが分
かる。したがって、球面収差と像面平坦性とのバランス
を考えてレンズ媒質を選定することが望ましい。なお、
像面の湾曲による解像力の低下を防止するため、超音波
素子を軸に垂直な面に対して湾曲した面上に配置するこ
とが必要となる場合もある。
第2表に「焦点距離f=100、軸上厚d=20、倍率
m=−1、FナンバF/9.8 、像高工=10のレン
ズを水中に置く」という条件下で、種々の屈折率の媒質
でレンズを構成した場合に生ずる諸収差、レンズ面の曲
率半径、レンズ面での全反射角度を一覧表として示して
おく。
以上の考察は第2図に示したタイプのレンズに関するも
のであるが、レンズの形状が異なる場合にも同様の傾向
を示すと考えて良い。すなわち、−船釣にはq”p”o
という関係が成立しないが、その場合でも球面収差は(
8)式のq、pを含む項の最小値に最後の項りが付加さ
れた形となるため、上で解析した項りに関する球面収差
の傾向はそのまま残るのである。また、像面の湾曲につ
いては単に式を簡略化するためにrl=−r2=rとし
ただけで、ペッツバール和はレンズの焦点距離と屈折率
に依存するから、上述の結果がすべての場合に当てはま
ることになる。
(4)非球面の導入 (1)ないしく3)で説明した考察により音響レンズの
基本的構成は定まるが、さらに結像性能を向上させるた
めにレンズ面を非球面化することについて検討する。こ
こで検討する非球面はレンズの軸の回りに回転対称なも
のに限るので、非球面の形状に関しては平面内の曲線を
考えれば十分である。ここでも説明を簡略にするため、
非球面を以下の式で表すこととする。すなわち、レンズ
の軸に沿って2軸、これに垂直にy軸をとり原点でy軸
に接する円の半径をrとすると (z−r)2+y2=r2・・・・・・(18)である
が、これを2について解くと z−y2/2r+y’/8r’+lIe・=(19)と
なるので、この円から僅かに偏る非球面を面頂における
曲率半径をr、非球面化の程度を表すパラメータをεと
して z = y’/2r+(y’/8r3)(1−ε)+−
−−−−−−−(20)と表すことにする。非球面が2
次曲面の場合はεは離心率の2乗となり、さく−1で双
曲線、ε=−1で放物線、−1<ε〈0で2軸を長軸と
する楕円、ε=0で円、0くεで2軸を短軸とする楕円
となる。
ここで再び第2図のレンズをモデルとして球面収差の補
正について考えてみよう。改めて非球面の入射側の媒質
中の音束をvo、射出側の媒質中の音束を■、として相
対屈折率をn 1 = Vo /vtとすると、上記の
ような非球面の導入によりy2 ε(1−n工) / 
2 r ’・・・・・・(21)で表される新たな球面
収差が発生する。したがって、レンズ全体の球面収差は
式(18)に上記の成分を加え、更に式(14)のEに
式(16)を代入してΔ(1/S’)=(n −1)y
’/2n’r’−y2c(1−n )/2r3(22)
となる。非球面の導入により球面収差を完全に補正する
条件はΔ(1/S’)=Oであるから、この条件の下で
式(21)をεについて解くと ε=  (1/nt)2・・・・・・(23)すなわち
、 ε=−(V、/vo )2・・・・・・(24)となる
。このモデルではVl < v。であるから−1くε〈
0となり、非球面の形状は第7図に示すようにレンズ系
の軸を長軸とする楕円となる。
一方、第3図に示したタイプのものでは、絞りを挟んで
互いに対向する面においてVl> VOであるからε〈
−1となり、非球面の形状は第8図に示すように双曲線
となる。
第7図から分かるように、このタイプのレンズ系では軸
から離れたところでの軸と面の接線とのなす角度の小さ
くなる度合いが大きいため、軸外の音束に対しては全反
射がより起こりやすく、画角の大きいレンズ系には必ず
しも適していない。
第8図のタイプは第7図のものとは異なり軸から離れた
ところでの軸と面の接線とのなす角度の小さくなる度合
いは小さいので、全反射の心配をすることな(非球面を
導入して球面収差の補正を行うことができる。
(5)レンズ形状に関する総合的考察 ところで、像面の湾曲の内、非点収差は非球面で補正で
きるがペッツバール和の補正は不可能である。このため
、実際に収差補正を考慮してレンズ設計を行う場合には
、まずペッツバール和が小さくなるようにレンズ系の基
本形状を定め、そこに非球面を導入して球面収差と非点
収差とを補正することになる。
非球面の形状に関しては球面収差の補正上、音響レンズ
の入射側の面のおいてはレンズ系の軸を長軸とする楕円
面、射出側の面においては双曲面が好ましい。この内、
後者は軸から離れるにつれて曲率が徐々に緩(なる形状
であるため、球面系で発生するマイナスの非点収差によ
る像面の湾曲を打消す作用を持ち、両収差を同時に補正
できるので好ましい。前者も同様な傾同を持ってはいる
が、軸上での曲率が等しいとすれば後者よりも軸から離
れたときの曲率の緩くなる程度が弱いので、非点収差を
補正する作用は後者よりは弱い。
以上から、画角が狭い場合には第7図のタイプを選べば
全反射の項で述べたように開口数を大きくすることがで
きるので回折による分解能の劣化の少ないレンズ系を得
ることができるので有利である。しかし、画角が広い場
合には第8図のタイプのレンズ系を選んだほうが全反射
も少なくかつ非点収差の補正もしやすいので有利である
なお、第7図のタイプを用いである程度の画角を持った
レンズ系を得ようとする場合には、第9図に示すように
軸上マージナル音線が通過する位置の近傍から外側で面
と軸とのなす角度を大きくすることが全反射を防ぐ意味
で好ましい。このような形状は非点収差による像面湾曲
の補正にも寄与するので、その点でも好ましいものであ
る。
さて、第7図と第8図の長所を合せ持ったものとして、
第10図のようなタイプのレンズ系がある。これは、第
3図のレンズ系で音束絞りと反対側の面に緩い曲率を持
たせたものである。すなわち、これらの面に全反射に悪
影響を及ぼさない程度の曲率を持たせて開口数を大きく
する効果を持たせ、開口絞りに向かい合った面に結像作
用の主な部分を負担させるようにしたものである。この
形状ならば球面収差の補正のために入射側面を楕円面と
した場合でも全反射を起こす虞はな(、画角も開口数も
大きくすることができる。そして、射出面を双曲面とす
れば、更に良好に収差補正を行なうことができる。この
ためには、レンズの音束絞りに向いた面の曲率半径が音
束絞りの反対側の面の曲率半径より小さいこと、すなわ
ち、R2〈R101010,(25) R3<R4 なる条件を満足することが必要である。なお、多数の音
響レンズからなるレンズ系においては、レンズ系全体の
画角や開口数に拘らず各音響レンズへ入射する音束の太
さや角度はまちまちとなるので、レンズの位置に応じて
先に解析したところにしたがって各面の曲率半径の大小
関係を検討する必要がある。しかし、少なくとも最も入
射側のレンズに関しては、開口数、画角両者を太き(す
るためには上記の条件を満足することが非常に好ましい
。また、多数の音響レンズからなるレンズ系の場合には
、音束絞りに向かって凹となる面の曲率半径の平均値を
R8、音束絞りに向かって凸となる面の曲率半径の平均
値をR工としたとき、RO<RT・・・・・・(26) なる関係を満足するように各面の曲率半径を定めれば良
い。これはより一般的には以下のようにいうことができ
る。すなわち、音束絞りに向かって凹の面および凸の面
の屈折力を入射側から順に夫々P Ols PTJsそ
の面の開口絞りからの距離を夫々dols dTJの絶
対値をとするとき、ΣPardon>ΣP TJ d 
TJ −・” (27)なる条件を満足することである
。これは絞りに向いた凹面の屈折力のウェイトを高くす
ることに他ならない。
なお、上で第7図について述べたことは、第5図のよう
にレンズの中央部を取り除いた場合にもそのまま通用す
ることである。第7図のタイプとは要するに物点、像点
に向いた面がその反対側の面よりも曲率が強いタイプと
いうことである。
(6)反射防止 次に音響レンズの表面における音波の反射防止について
説明する。音響レンズの表面では全反射とは別に周囲の
媒質との音響インピーダンスの差による反射波が発生し
、これがノイズの原因となる。このため、できるかぎり
表面反射を小さ(することが必要である。このために音
響レンズの表面に単層または多層からなる反射防止膜を
設ける。
レンズ媒質の音響インピーダンスをZL%音響レンズの
周囲の媒質の音響インピーダンスをZw、反射防止膜の
音響インピーダンスを該膜が複数の層からなる場合は音
響レンズの近い側の層から順に21、Z2、・・とすれ
ば、各層の厚さをλ/4として(λは使用される超音波
の波長)以下の関係が成立する。
(a)反射防止膜が単層の場合 Zt =、/T嘔YL・・・・・・(28)(b)反射
防止膜が2層の場合 Z1=’  Zw  L   0..0.、(29)Z
2 =’ fll「IL (c)反射防止膜が3層の場合 Z□/ZL=8ffiフ−工 Z2/ZL=8fて7777Tゴτ−(30)zs /
ZL =8Jてτ771771丁ボッ防止膜の材料とし
てはポリエチレン、ポリイミド、PVDF、ポリエステ
ル、エポキシにタングステンなどの粉末を混ぜたものが
あげられる。これらの合成樹脂をレンズ表面に熱圧着、
高周波融着、塗布、注型などの方法を用いて接着すれば
良い。各反射防止膜の厚さがちょうどλ/4となる周波
数で完全に音響インピーダンスがZwからZLに変換さ
れるが、この周波数から外れるにしたがって完全にマツ
チングが取れなくなり反射率が増加していく。反射防止
膜を多層にするに伴い反射率の小さい周波数帯域が広く
なる。超音波装置ではいわゆる距離分解能(物体の前後
の位置を判別する能力)を改善するために広い周波数帯
域を持った超音波パルスを使用する必要があるため、反
射防止膜を設けることは単に音束のロスを防ぐという以
上の重要な意味を持つことである。
ポリスチレンを素材とする音響レンズを水中で使用する
という条件下で反射防止膜を単層にした場合の具体例を
あげると、ZL(ポリスチレン)−2,39x 10’
 (kg/rr?s)、Zw(水) = 1,52 X
 10’(kg/rr?s)であるから上式よりZ1=
1.91X10’(m/ゴS)となる。ポリエチレンは
Z1=1.92X10’  (kg/rrrs)という
値を持つからこれを使用される超音波の中心周波数の波
長の1/4の厚さのシトにしてレンズ表面に熱圧着また
は接着剤にて接着すれば良い。
なお、反射防止膜の接着を容易にする上では各レンズ面
の曲率半径はなるべく大きいことが望ましい。
(7)迷音の除去 最後に迷音の除去について説明する。ここで迷音という
のは通常音響レンズの表面での反射などにより生じ、本
来の結像に与る音線とは別の経路を通って検出素子に到
達する音線のことである。
このような音線は検出すべき信号に対するノイズとなる
ので、迷音の除去は超音波装置のS/N比を向上させる
ために重要なことである。
迷音を除去する方法としては (a)音響レンズの表面、側面などで反射波を生ずる虞
のある音線をレンズ系に入射する前に予め除去する (b)レンズ系中での音波の反射を少なくする(C) 
レンズ系中で発生した迷音を像面に到達する前に除去す
る。
などが考えられる。この内(a)に関しては第1゜図に
示すように、レンズ系の入射側に吸音材などの音波を反
射しない物質で構成された迷音絞り14を設けることが
効果的である。一方、(b)に関しては先に述べた反射
防止膜も寄与するが、更に第10図に示すように各音響
レンズの側面に吸音材15.16を設けてこの面で遮音
の発生を減らすことができる。更に(C)に関しては、
レンズ系の音束絞り8や射出側に設けた遮音絞り17が
効果的に機能する。
〈以下余白ン 〔実施例〕 各実施例では非球面が使用されているが、これはレンズ
系の軸に沿ってy軸、これに垂直にy軸をとりy軸と非
球面との交点を原点としたとき以下の式で表わされるも
のである。
x =Cy2 /(1+v’T”ゴで7一−V丁)+Σ
 A2J  Y”ただし、Cはこの非球面の軸上の曲率
、Pは円錐係数、A2Jは2j次の非球面係数である。
A2Jが全て0の場合は上式は球面を表わす。
夾施洒よ f−81,27F/2.8  ω−7゜f 0m 00
 (物体) do=150    no−1 r 1= −49,5606(* ) d 1−7.7492   n l −0,6696r
2−00 (開口絞り) d2= 7.7492   n2−0.6696r 3
−49.5606  (* ) d3−150     nl−1 r4−00 (像) P”−0,5515A2t(1)=O(f−1,2,=
)P” =0.5515  A21”−0(i−1,2
,・・)β−1vo/Vx−0,6696PS−0,1
079実施例2 f−77,91F/1.64  ω−4,6゜ro−ω
(物体) do=150    no”1 r I−−49,5606(* ) d 1 ” 3.7529   nl−0,6696r
2−■(開口絞り) d 2−8.7529   n 2−0.6696r 
3 = 49.5606 (木) (13=150     nl−1 r4−00 (像) P(1)−0,5516A21 ” −0(1−L2.
 ・・)P ” =0.5516  A2+” =O(
i−1,2,・・)β−I   V o / V 1−
0.6696  PS=0.1032実施例3 f−76,48F/1.64  ω−4,6゜f □ 
−Co (物体) dO−150no=1 r 1−−49.5606 (水) dx = 1.Ont −0,6696r 2  富 
 o3 d 2−1.4098    n2−1r3−ω(開口
絞り) d3−1.4098   nl −1 r4   c。
d4= 1.On4−0.6696 r 5 = 49.5606  (* )d5=15O
n5”1 r6−の(像) P(1)=0.5516  A2+”−0(i−1,2
,・’)P (5)=0.5516  A21 (5)
=0 (i=1.2. ・・)β−I   V o /
 V l −0,6696PS−0,102実施例4 f−99,02F/3.28  ω−9゜rO−ω(物
体) do=150    no−1 r エ − ω d t = 1.0      n 1−0.8696
r 2−50.054 ()k ) d2−35.6063   n2 = 1r3− Co
 (開口絞り) d3−35.6061  n3−1 r 4−−50.[+54  (* )d4−1.0 
    n4−0.6698r 5 ■ ω d、−150n5−1 f 6−00 (像) P ” =1.0    A4 ” = −0,197
61X10−5A6 ” = −0,15835X10
−”As ” = −0,21668X10−12P”
 =0.5516  A4” −0,19761XIO
−’A6 ” −0,15835X10−”As ” 
=  0.21868X 10−12β−I   V 
o / V 1” 0.6696  PS−0,13実
施例5 f−128,84F/1.64  ω−4,6゜ro−
ω(物体) d□−150no−1 r 1 ″ ω dl −1,Onx  −0,6698r 2−50.
054 (* ) d2 − 62.4276   n2− 1r3−ω(
開口絞り) d3−62.4276   n3−1 r 4−−50.054 (木) d4= 1.0     n4−0.6696rs  
−00 d5”150     n5−1 r6−ω(像) P ” =−1,1465A21 (2)−〇 (i=
1.2.・・)P” =−1,1465A2+”−0(
i=1,2.・・)β−1v o / V 1= 0.
6896  PS=0.169実施例6 f−94,23F/2.624  ω−9,2゜ro−
co(物体) do=150    no−1 r1〜−210.6938 (*) cll−i、。
r 2−43.2951  (* ) d 2− 29.7350 f 3= Co (開口絞り) d 3 = 29.7350 r 4−−43.2951 (* ) d4−1.0 r s −210,6938(* ) d5−150     n5 r6−ω(像) P ”” =1.0    A4 6 8 P” −1,o    A4 6 8 P ”’ =1.0    A4 6 8 p(5ン  −1、0A 4 n4 − 0.762 n  1 −  0.762 2−1 3−1 1 −0.10332X 10”−’ −0,14884X10−8 0.12663X10−” −0,34938X10づ −0,12802X10−8 0.66805X10−12 044938 X 10−5 0.12802 X 10−8 −0.66805X10−12 0.10332X 10づ A6  ”  −0,14884X 10 ’As  
(5〉= −0,12663X 10−11β−I  
 V o / V 1−0.762    PS−0,
1092実施例7 f−94,917F/3.28  ω−9,2゜f o
 −00(物体) do=150    no−1 r 1−−214.8905 (* )d、 −1,O
nx −0,762 r 2 = 43.1245 (* )d2= 30.
6147 12−1 r、−の(開口絞り) d 3−30.6147  13−1 r 4= −43,1245(* ) d4−1.On4−0.762 r 5−214.8905 (* ) d5=15On5−1 r6 W 00 (像) P ” =1.0    A4 ” −−0,1414
1X10−5A6 ” −−0,84857XIO−9
As  (1)= p(2)  =1.Q     A4(2)  =A6
  ”  − As  (2)  〜 P14′吋、OA4”’ = A6  ”  − As  ”’  = p(5)=t、OA4 (51− A6  ”  = As  (5)= β−I   Vo / vx = 0.762丈奥男溢 f−126,03F/3.677   ω−14,5゜
f o −CCI (物体) do=190      n□−1 71−00(遮音絞り) dl−5,0nl−1 r 2−−136.0629 (* )d 2−12.
9965  n 2 = 0.3696r 3−176
4437 0.17072X10−” −0,36820X 10−5 −0.14204X10−’ 0.16844X10−” 0.36820 X 10−5 0.14204X 10−8 −0.16844X10−” 0.14141X10−5 0.84857X10−8 −0.17072X10−” PS−0,11 ds  −1,0nt  −0,6696r 2−95
.0930  (* ) d2 − 28.491    nl −1r 3 ″
 ω di  −1,0ms −0,762 r4= LS4.6677 (木) da  =  37.5238   n4− 1r、−
〇〇(開口絞り) ds−37,5238ns = 1 r 6−−94.6677 ()k: )db = 1
.Ong −0,762 rフ″ω (ly −28,491n7−1 r s = −95,0930(木) da = 1.0     ms −0,6698r、
 = (X) (遮音絞り) d9−160    n9=1 rto−ω(像) p(2) =1.Q P ” =1.0    A4 ” −−0,5849
1X10−’d 3−33.5424 r4−oo(開口絞り) d 4−23.0486 r s = −77,0553 d 、 −12,9977 r b = 287.8483 (木)ds−10,0 r、 −00(遮音絞り) d7= 188.259 r8− Co (像) p(2ゝ−1、0A a 6 P (6)=LOAa 6 β−I  VO/Vl− 実施例9 f−128,08F/2.872 r0−ω(物体) do”160 ro−ω(遮音絞り) n3 謹 1 4−1 ns  −0,6696 6−1 nl ■ 1 (2)−0,84461X10−’ ”  −0,94866X10−12 (6)−−0,18899X10−6 (6)−−0,317X10−” 0.6696   PS−0,100 0吋3.5゜ no  =  1 A6  ”  −−0,24789X10−’As  
”  −0,32596X10−”P”  =1.0 
    A4  (6)−0,58491X10 ’A
6  (6′−0,24789X10−’As  (8
’  = −0,32596X10−13P(8)吋、
0 β−I   V o / V 1−0.6696.0.
762  PS−0,145実施例10 f−126F72.82 0吋4.2゜ro−oO(物
体) do=160    no−1 rニーω(遮音絞り) dx −1,0nt −0,6696 r2 ” 78.2721 (木) d2−27.9934 12−1 r 3−−272.1705 di = 1.On3= 0.6696r4 Ma ω d4= 31.7784  n4−1 r、 −oo (開口絞り) dg = 31.7784   ms −1r6 ■ 
ω d6−1−Ong −0,6696 r 7 =  83.9282 d7−43.0056   nl −1r s = −
122,5614(* )da ” 1.Ons −0
,6696rg m Co (遮音絞り) d、−151,05n9−1 f16−oO(像) P ” =1.0    A4 ” = −0,502
B2X10−’P”’ =1.0    A4 (8’
 −0,10258X10−5β−I  V o / 
V 1−0.6696  PS−0,1512犬凰桝1
ユ f−115,65F/2.3  ω−18,5゜r6 
W 00 (物体) do−160no−1 rl−Co (遮音絞り) dx −1,0nx = 0.6696r 2−86.
8198 (* ) dl −32,3569n2= 1 r 3 −−120.5843 d3= 1.On3−0.6896 r4 思 ω d4= 33.1269   n4−1f 5−00 
(開口絞り) d5= 32.7272  n5−1 r 6 llI c。
d6−1.0     ms −0,6696r 7 
− 75.7517 dフ= 42.1819   nl −1r s = 
−72,5114()K )(Ig −1,5ng −
0,6696rg −Q) (遮音絞り) d、= 90.848   ng ” 1rho−■(
像) P ” =1.0    A4 ” −−0,7316
3X10−’P(8’ =1.0    A4 (8’
 −0,17805X10−5β−0,7V o / 
V 1−0.6696  PS−0,178大嵐何ニス f−95,4F/1.9685  ω−14゜rO= 
Q) (物体) do−160no−1 f 1− Co (遮音絞り) dl−1,On1= 0.6696 r2 ” 85.0(*) d2= 45.5005  n2−1 r 3= −94,4515 ds−1,0nx = 0.6696 r4  m  00 d4−22.217I  n< = 1f 5− Co
 (開口絞り) ds = 24.142I   ns −1rb  −
ω dg −1,0ns −0,6896 rフー53.7640 d7−38.4016   nl−1 r s = −53,1737(水) d8= 1.5     ns −0,6696r、−
ω(遮音絞り) dg  =  58.335    ng  −1rt
o−ω(像) P ”  =1.0     A4”  −−0,11
042X10−5p(8) =1.g    A4(8
ゝ−0,49295X 10づβ−0,5V o / 
V 1 = 0.6696  PS=0.187各実施
例において、rl、r2・・は各レンズ面の曲率半径、
dl、dl・・は各レンズ面の間隔、nl、n2 ・・
は各レンズ面の間の媒質の屈折率である。曲率半径の後
の(木)はその面が非球面であることを示している。ま
た、fはレンズ系全体の屈折率、F/はエフナンバ、ω
は半画角、P(1) は第iレンズ面の円錐係数、A2
J” は第iレンス面の2j次の非球面係数、βはレン
ズ系の結像倍率、PSはレンズ系のペッツバール和であ
る。
実施例1のレンズ形状を第11図、その収差図を第12
図に示す。この実施例は単レンズであり、両面が非球面
になっている。画角が7°とあまり太き(ないので主と
して球面収差を補正するために、非球面はレンズ系の軸
を長軸とする回転楕円面の一部になっている。レンズの
媒質はポリスチレンである。また、レンズの側面に設け
た溝18は音束絞りを設けるためのもので、この溝に吸
音特性の優れたシリコンゴムを充填することによりレン
ズ系の開口を制限しかつ遮音を除去することができる。
次に、実施例2のレンズ形状を第13図、その収差図を
第14図に示す。実施例1と類似の構成であるがF/1
.64の大口径に亘って球面収差をとくに良好に補正し
たものである。レンズ媒質はポリスチレンである。
次に、実施例3のレンズ形状を第15図、その収差図を
第16図に示す。この実施例は実施例2においてレンズ
媒質中での音波の減衰を少なくするためにレンズ系を2
つのレンズに分けて肉厚を極力薄くし、中央部分を水で
置き換えたものである。レンズ媒質はポリスチレンであ
る。
次に、実施例4のレンズ形状を第17図、その収差図を
第18図に示す。この実施例は音束絞り8側に凹面を向
けその反対側が平面である1対のレンズからなるもので
ある。凹面はいずれも双曲面に近い形状を有し、球面収
差のみならず非点収差も充分に補正できるため、ω=9
’と画角を大きくとることができる。各レンズの肉厚は
極力薄くしてレンズ媒質内での音波の減衰を防いでいる
また、レンズ同士の間隔を拡げることで凹面の屈折力を
小さくし、曲率半径をなるべく大きくできるようにして
いる。このため、凹面が双曲面に近いことと合わせてレ
ンズの肉厚が軸から離れた位置でも比較的薄くなり、音
波の減衰が非常に少ない形状となっている。レンズ媒質
はポリスチレンである。
次に実施例5のレンズ形状を第19図、収差図を第20
図に示す。この実施例は第4実施例においてF/1.6
4と開口を大きくし、特に球面収差を良好に補正したも
のである。画角はω−4,6°と狭いが高い解像力が得
られる。また、非球面は完全な双曲面になっている。レ
ンズ媒質はポリスチレンである。
次に、実施例6のレンズ形状を第21図、収差図を第2
2図に示す。この実施例は実施例4では平面であった外
側の面に屈折力を持たせたもので、ある。レンズ媒質は
TPXOO4である。
次に、実施例7のレンズ形状を第23図、収差図を第2
4図に示す。この実施例も実施例4では平面であった外
側の面に屈折力を持たせたもので、ある。レンズ媒質は
TPXOO4である次に、実施例8のレンズ形状を第2
5図、収差図を第26図に示す。この実施例では音束絞
りに向かい合った凹面は球面であり、絞りに向かって凸
になる外側の面を非球面としてこの非球面で僅かに像面
の湾曲を補正したものである。またこのレンズ系では音
束絞りのほかに入射側および射出側に遮音絞りが設けら
れている。レンズ媒質はポリスチレンである。
次に、実施例9のレンズ形状を第27図、収差図を第2
8図に示す。この実施例は音束絞りに対して凹面をむけ
た平凹レンズを音束絞りに対称に2枚ずつ設けたもので
あり、内側の2枚の凹面を非球面とすることにより球面
収差と非点収差を補正するようにしたものである。レン
ズ系の全長が長くなるためレンズの外径も大きくなるが
、遮音絞りで軸外音束をカットし外径を制限している。
レンズ媒質は外側の2枚がポリスチレン、内側の2枚は
TPXOO4である。
次に、実施例10のレンズ形状を第29図、収差図を第
30図に示す。この実施例は音束絞りに対して凹面を向
けたレンズと平凹レンズと音束絞りに対して凸面を向け
たレンズと平凹レンズとを組合わせたものであり、外側
の2枚のレンズの凹面に非球面を導入することにより、
球面収差と非点収差とを補正したものである。このため
に、この実施例では条件(27)を満足するように各面
の曲率半径を選んである。なお、図中の19はレンズを
保持するレンズ枠である。この枠自体をシリコンゴムな
どの吸音特性の優れた材料で構成することによりレンズ
の側面以外の部分からの音波の反射も少なくなるため、
ノイズ減少の効果がある。レンズ媒質はポリスチレンで
ある。
次に、実施例11のレンズ形状を第31図、収差図を第
32図に示す。実施例1ないし10はいずれも結像倍率
が一1×のものであったが、この実施例は結像倍率が−
0,7×となっている。各レンズの形状や非球面の使い
方は実施例10と同様である。レンズ媒質はポリスチレ
ンである。
最後に、実施例12のレンズ形状を第33図、収差図を
第34図に示す。この実施例は実施例10と同様のレン
ズ形状で結像倍率を−0,5×にしたものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、画角や開口数を大きくした場合にも諸
収差が良好に補正できるため、特に2次元的な大きさを
有する物体像を得ようとする超音波装置の対物レンズと
して好適な音響レンズを得ることができる。
第1表 温度37℃、超音波周波数4MHz 第2表 vSはサジタル粕像点、IJMはメリデイオナル結像点
の位置
【図面の簡単な説明】
第1図は音波の屈折の法則を説明するための図、第2図
ないし第4図は音響レンズにおける音線の入射状態を示
す図、第5図は音波の減衰が少ない音響レンズの構成を
示す図、第6図は音響レンズにおいて発生する球面収差
およびペッツバール和の大きさを示すグラフ、第7図な
いし第9図は音響レンズに用いられる非球面の形状を示
す図、第10図は遮音絞りおよび吸音材を設けた音響レ
ンズの構成を示す図、第11図及び第12図は実施例1
のレンズ形状および収差曲線図、第13図及び第14図
は実施例2のレンズ形状および収差曲線図、第15図及
び第16図は実施例3のレンズ形状および収差曲線図、
第17図及び第18図は実施例4のレンズ形状および収
差曲線図、第19図及び第20図は実施例5のレンズ形
状および収差曲線図、第21図及び第22図は実施例6
のレンズ形状および収差曲線図、第23図及び第24図
は実施例7のレンズ形状および収差曲線図、第25図及
び第26図は実施例8のレンズ形状および収差曲線図、
第27図及び第28図は実施例9のレンズ形状および収
差曲線図、第29図及び第30図は実施例10のレンズ
形状および収差曲線図、第31図及び第32図は実施例
11のレンズ形状および収差曲線図、第33図及び第3
4図は実施例12のレンズ形状および収差曲線図、第3
5図は従来の超音波装置の構成の概略を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)物体より発する音波を結像させるための音響レン
    ズ系において、 該レンズ系を構成する音響レンズの少なくとも一つのレ
    ンズ面を非球面としたことを特徴とする音響レンズ系。
  2. (2)請求項1において、 前記非球面が該音響レンズ系の軸から離れるにつれて曲
    率が緩くなるような形状を有することを特徴とする音響
    レンズ系。
  3. (3)請求項1において、 内部に音束絞りを備えた事を特徴とする音響レンズ系が
  4. (4)請求項3において、 前記非球面が前記音束絞りに対して凸の面に設けられて
    おり、以下の条件を満足することを特徴とする音響レン
    ズ系。 0<ε<1 ただし、該非球面の入射側、射出側の媒質中の音速を夫
    々v_o,v_1とするときε=(v_1/v_0)で
    ある。
  5. (5)請求項3において、 前記非球面が前記音束絞りに対して凹の面に設けられて
    おり、以下の条件を満足することを特徴とする音響レン
    ズ系。 1<ε ただし、該非球面の入射側、射出側の媒質中の音速を夫
    々v_0,v_1とするときε=(v_1/v_0)で
    ある。
  6. (6)請求項3において、 以下の条件を満足することを特徴とする音響レンズ系。 ΣP_O_id_O_i>ΣP_T_jd_T_jただ
    し、P_T_j、P_O_iは夫々前記音響レンズ系を
    構成する各音響レンズの前記音束絞りに対して凸の面、
    凹の面の屈折力、d_T_j、d_O_iは夫々各面の
    前記音響絞りからの距離である。
  7. (7)請求項3において、 以下の条件を満足することを特徴とする音響レンズ系。 R_O<R_T ただし、R_T、R_Oは夫々前記音響レンズ系を構成
    する各音響レンズの前記音束絞りに対して凸の面、凹の
    面の曲率半径の平均値である。
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