JP2763326B2 - 超音波用結像レンズ系 - Google Patents

超音波用結像レンズ系

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    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波を発生し且つ物体で反射した超音波
を受けて物体の超音波像を表示する超音波装置において
超音波を結像せしめるのに用いられる超音波用結像レン
ズ系に関する。
〔従来の技術〕
この種の超音波装置は、第32図に示した如く、多数の
微小な超音波素子を枡目状に配列したトランスデューサ
21とそれと物体との間に位置するポリスチレン等から成
る超音波用結像レンズ系22とを備えている。そして、各
超音波素子がパルス発生器23により駆動されて超音波を
発生し、且つ物体で反射した超音波を受ける(発信器と
検出器を兼ねる)ようになっている。尚、トランスデュ
ーサ21と物体との間は水等で満たされている。
まず、一つの超音波素子がパルス状の超音波を発生
し、これが結像レンズ系22により物体に集束される。物
体で反射した超音波は逆に結像レンズ系22により元の超
音波素子上に集束され、この超音波素子で電気信号に変
換される。次に隣りの超音波素子が同じように動作す
る。これを繰り返して1ラインの走査が終わったら次の
ラインに移る。全部終われば物体のある範囲を超音波で
走査したことになる。こうして得た電気信号を信号処理
回路24で処理してモニターTV25上に物体の超音波像を表
示するようになっている。
そして、この種従来の超音波用結像レンズ系として
は、例えば特開昭51−113601号公報や米国特許第397971
1号明細書に記載のものがあった。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、この種の結像レンズ系としては、単に水よ
りも音速の速い物質を用いて両凹レンズとしただけの単
レンズが記載されているだけで、超音波用結像レンズ系
としてはどの様な条件の下で最適な解を得ることができ
るかが論じられていなかった。又、その条件の下でより
広画角で解像力の良い性能を得ることがどうすれば可能
かが不明であったため、画角を持つ超音波用結像レンズ
系は解像力も悪いという欠点を有していた。又、従来の
超音波用結像レンズ系は反射防止膜を用いていなかった
ため、音響インピーダンスの差による反射が起こり、音
波の透過率が低下して減衰が大きいという問題があっ
た。又、レンズ表面で多重反射が起こり、偽像が発生す
るという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、画角を持つ超音波用結
像レンズ系としての性能即ち画角,収差,開口角,減衰
等の性能を大幅に向上させた超音波用結像レンズ系を提
供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明による超音波用結像レンズ系は、超音波を発生
し且つ物体で反射した超音波を受けて物体の超音波像を
表示する超音波装置において超音波を結像せしめるのに
用いられる超音波用結像レンズ系において、該結像レン
ズ系の半画角ωが、 であることを特徴としている。
但し、v0は第1レンズ面の入射側媒質中における音
速、v1は第1レンズ面の出射側媒質中における音速であ
る。
以下、これについて説明する。
第1図は、超音波に対する屈折作用の原理を示す図で
ある。この図で示した矢印の線は超音波の波面の法線を
表わしている。そして界面を挾んで入射側の媒質I中の
音速とv1、出射側の媒質II中の音速をv2、界面への超音
波の入射角をθ、屈折角をθとすると、すでによく
知られているように、 という関係式が成り立つ。
その為光学でよく用いられる相対屈折率を定義するこ
とが可能であり、媒質Iの屈折率をn1、媒質IIの屈折率
をn2とすれば、式(1)は、 となる。
絶対屈折率を音速何mで定義するかは議論の余地があ
るが、本願では計算の都合上水の音速を1としている。
第2図は、画角を持つ超音波用結像レンズ系の典型的な
例を示している。
図中、1は超音波用結像レンズ系、2は物体、2′は
物体2の結像レンズ系1による像、3は軸外の結像にあ
ずかる周辺音線(以下、波面の法線の包絡線を音線と呼
ぶこととする。)、4は軸上の音束を制限する音束絞り
である。
現実的なレンズの媒質としては現在のところ下記表に
示す物質が有力である。
但し、音速の値は、温度37℃の条件下で周波数5MHzの
超音波のものである。又、Vwは水中での音速、Z1は水の
音響インピーダンス、Z2はレンズ媒質の音響インピーダ
ンスである。
通常、レンズの媒質としては水よりも音速が速いもの
が使用され、レンズ周囲の媒質としては、減衰特性等の
関係上、水又は水に近い物質が用いられる。その為音波
は水(通常屈折率大)からレンズ媒質(通常屈折率小)
に入射するため、全反射が起こりやすい。例えば、ポリ
スチレンを用いた場合には、 が全反射角度となる。
これが画角を持つ超音波用結像レンズ系に関する大き
な制約条件となる。例えば、第2図の軸外物点からの周
辺音線3の方向に進む音波は全反射する可能性が高くな
るが、全反射の結果結像にあずかる音束が細くなると回
折が生じ、それによって像面の周辺の解像力が低下して
しまう。従って、全反射による損失が大きくなり易い最
大像高に対応する物点からレンズ系に入射し音束絞り4
でけられない音束のうち少なくとも半分以上は全反射を
生ずることなく結像させることが必要である。そこで、
今、レンズ系の入射瞳位置(画角の発生点)をEPとし
(第3図参照)、瞳の中心を通る音線(以下、このよう
な音線を主音線と呼ぶ。)を5とすると、レンズ媒質中
での音速をV0、レンズ外の媒質中の音速をV1とすると
き、レンズ媒質の入射角度ω′が臨界角 より小さいこと即ち が条件となり、最大画角ωと音速比との関係が が絶対条件となる。但し、h1は最大画角における主音線
の第1レンズ面への入射高、R1は第1レンズ面の曲率半
径である。
h1≪R1の場合には、式(4)の左辺第2項は無視して
も良く、 が条件となる。これらの条件を満足すれば、音束の収
斂,発散の状態にもよるが、同一物点からの音線のうち
主音線より上側又は下側の何れかの音線の第1レンズ面
への入射角が主音線の入射角より小さくなるので、音束
の半分以上が全反射せず透過するようになる。
次に全反射を防ぐことができると共にレンズ枚数が少
なく且つ肉厚の薄いタイプの超音波用結像レンズ系につ
いて考案する。
第2図及び第4図に示したタイプのように絞り4を挾
んで両側にパワーを持つ面を持ち且つ夫々絞り4に向か
って凸となる面を持つタイプの結像レンズ系と、第5図
に示すように絞り4を挾んで絞り4に向かって凹となる
面を持つタイプの結像レンズ系との比較を行なう。尚、
第4図のものは、第2図のレンズ系の中肉を水に置きか
えただけのものである。第2図及び第4図のタイプに
は、上記式(4)が条件となるが、第5図のタイプの場
合には、上記式(5)が条件となり、式(4)中の左辺
第2項がないので、第1レンズ面の曲率半径の大小や第
1レンズ面への入射音線高h1の影響を受けず、有利であ
ることがわかる。上記条件式(4),(5)は主音線だ
け考えたが、周辺音線、例えば第2図の音線3も全反射
しないようにし、これによって像面の中心も周辺も同程
度の音束量になるようにするには、第5図の音線6を全
反射させないように、音束の開き角をθとするとき、 を満足する音速を持つ媒質の音響レンズから結像レンズ
系1を構成することになる。軸外音束の場合には第5図
のタイプが有利であったが、逆に軸上音束の場合には第
2図のタイプの方が有利であり、FNO.を明るくするこ
とができる。即ち、軸上近傍であれば第2図のタイプの
方が同じ角度θの時に屈折面での入射角が第5図のタイ
プのものよりも小さい。これは、第1レンズ面の曲率半
径が第2図のタイプの場合には物体側に凹面となってい
ることから明らかである。
これに対して、第5図のタイプであると、軸上音速は
逆に制限を受けてしまい、その制限は、 となる。
今まであまり言及しなかったが、結像レンズ系1に軸
上及び軸外の音束を制限するための音束絞り4を設ける
ことは、収差の除去はもとより超音波の乱反射等のノイ
ズの除去に大きな効果がある。何故なら、音束絞りの開
口の大きさをレンズの外径より小さくして音束の太さを
適当に絞ることにより、収差が除去される範囲内で結像
が行われるからである。
又、特に軸外の音束に対し、FNO.が小さいレンズで
は全反射が生じやすいが、全反射をそのまま生じさせた
のでは、超音波の受音素子側(結像面側)でその全反射
した音束がノイズとして受音されるため、予め全反射す
る音束を吸音材等の反射が生じない物質でカットしてお
くのが望ましい。
又、通常レンズ表面では全反射が生じない場合でも少
量の反射波が生じ、これがノイズの原因となる。この
為、第6図に示したように、結像レンズ系1の周辺を吸
音材8で覆っておくことは、ノイズの低減に非常に有効
である。
次にレンズの肉厚について述べる。超音波用結像レン
ズでは、一般にレンズ媒質内での超音波の減衰が大きい
ため、レンズの肉厚は薄ければ薄い程良い。従って、第
2図のものに比較すれば、第4図のように中間のレンズ
媒質をなくして2枚構成にしたものの方が減衰特性の面
では優れている。超音波の減衰の様子を具体例に挙げて
考察すると以下の通りである。
第2図に示した単レンズと同じレンズを平面で切って
中間部を除き、代りに水を満たした第4図のレンズ系と
の比較を行なう。第2図においてd=20mm,第4図にお
いてd1=d2=5mm、2枚のレンズの間隔を10mmとし、レ
ンズの材質はポリスチレン、レンズの周囲は水で満たさ
れているとする。Dをポリスチレンに換算した音路(音
線の経路を音路と呼ぶことにする。)の長さとすると、
第4図のものでは、 D=10+10/0.6696=24.93 となり、第2図のものに比較してレンズ系の第1面から
最終面までの音路の長さは長くなる。しかし、ポリスチ
レンに比較して水中での超音波の減衰は無視できる程小
さいので、多少音路の長さが延びても、減衰特性の面か
ら見れば第4図の方が有利である。
さて、ポリスチレン中の超音波の減衰率を−0.25dB/m
mとすると、第2図のレンズの軸上における透過率は約3
2%であるのに対し、第4図のレンズ系では約56%であ
る。従って、第4図のようにポリスチレン部分の厚さを
1/2とすることにより透過率がほぼ75%改善されたこと
になる。レンズの材質によっても改善効果は異なるが、
レンズ部分の厚さを全肉厚の1/2程度にすれば、おおむ
ね50%程度の透過率が改善される。従って、レンズ系の
全長をD、各構成レンズの軸上肉厚をd1,d2,・・・・dn
(nは構成レンズの枚数)とするとき、 を満足せしめることが望ましい。
尚、上の例ではレンズ系の軸上付近での超音波の減衰
について検討したが、レンズ周辺においては一般にレン
ズ厚がより厚くなるので透過率は一層小さくなる。
第2図及び第4図において、レンズ面の曲率半径R=
30mmとしたモデルを第8図及び第9図に示した。物点O
をレンズ系中で軸上音束が軸に平行になる位置に設定し
て音源とし、絞り4の位置での音線の高さをhとした
時、hを横軸、レンズの透過率を縦軸にとると第10図の
ような関係が得られる。図から明らかなように、音線高
さと共に透過率が小さくなるため、特に開口数の大きい
レンズ系,画角の大きいレンズ系ではレンズ部分の肉厚
を薄くすることが有効である。尚、第7図(A),
(B)に示すように結像レンズ系を4枚又はそれ以上の
音響レンズから構成してもよい。
又、超音波パルスの送信,受信に同一の超音波撮像素
子を用いる場合には、超音波パルスはこのレンズ系を往
復することになるので、更にレンズ系を薄くすることが
望まれる。
又、第2図のタイプは勿論、第4図,第5図,第6
図,第7図のタイプでもレンズ面に反射防止膜を被覆す
ることは非常に重要なことである。
反射防止膜はマッチング層ともいうが、例えばレンズ
媒質をポリスチレンとし、マンチング層にレンズ媒質と
異なる軟質ポリエチレンを用い、5MHzの超音波を用いる
とすると、その厚みは約0.1mmにも達し、曲率を持つレ
ンズ面へ均一に塗布することは非常に難しい。この事を
考えると、レンズの片側が平面に近いことは非常に望ま
しい事であり、反射防止膜を均一に塗布しやすいという
多大な利点を有する。
第11図はレンズ面に反射防止膜を被覆した結像レンズ
系の断面を示す図である。図中、結像レンズ系1の表面
には単層或いは多層にした反射防止膜9,10,11が被覆さ
れ、その周囲は水12で満たされている。レンズ媒質には
ポリスチレンなどのプラスチック材料が使われる。各反
射防止膜の厚さはλ/4であり、それらの音響インピーダ
ンスを夫々Z1,Z2,Z3とする。但し、λは超音波の中心周
波数の波長である。又、レンズ系1の音響インピーダン
スをZL、水12の音響インピーダンスをZWとすれば、これ
らの音響インピーダンスの間には次のような関係が成り
立つ。
各反射防止膜の材料としてポリエチレン,ポリイミ
ド,PVDF,ポリエステル,エポキシにタングステンなどの
粉末を混ぜたものがあげられる。これらの合成樹脂をレ
ンズ表面に熱圧着,高周波融着,塗布,注型等の方法を
用いて接着すればよい。
各反射防止膜の厚さが丁度λ/4になるような中心周波
数では完全に音響インピーダンスがZWからZLに変換され
るが、中心周波数からずれるに従い完全なマンチングが
取れなくなる。即ち透過率が劣化していく。反射防止膜
を2層,3層と多層にするに従い透過率の高い周波数帯域
が増していく。超音波診断装置では距離分解能を改善す
るために広い周波数帯域をもった短い超音波パルスを伝
送させる必要がある。そのためレンズの反射防止膜を多
層にすることにより、レンズの透過率の周波数帯域を広
げ、短い超音波パルスを伝送できるようにすれば分解能
の改善が図れる。
レンズ媒質としてポリスチレンを使用し、反射防止膜
を単層にした場合について説明する。ポリスチレン,水
の音響インピーダンスはZL=2.39×106〔kg/m2・s〕,Z
W=1.524×106〔kg/m2・s〕であり、反射防止膜の音響
インピーダンスは となる。ここで反射防止膜として軟質ポリエチレン(密
度0.92〔g/cm3〕,音速2080〔m/s〕)を選べば、音響イ
ンピーダンスはZ1=1.92×106〔kg/m2・s〕となり、こ
れを超音波の中心周波数の波長λの1/4の厚みのシート
にして、レンズ表面に熱圧着又は接着剤にて接着すれば
よい。
〔実施例〕
以下に示す実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
但し、下記データ中、r1,r2,・・・・は各レンズ面の曲
率半径、d1,d2,・・・・は各レンズ面の間隔、n1,n2,・
・・・は各レンズの屈折率、l1はレンズ系最前面から物
点までの距離、l2はレンズ系最後面から像点までの距
離、IHは像高、fはレンズ系の焦点距離、P5はペッツバ
ール和、Fはレンズ系の有効Fナンバーである。
又、非球面の式は、 と表わされ、その場合x軸はレンズ系の軸(各面の曲率
中心を結ぶ線をレンズ系の軸とする。)、y軸はレンズ
系の軸に垂直な軸、原点はx軸と面との交点、Rは面の
原点における曲率半径、Pは円錐係数、B2E4,・・・・
は2次,4次,・・・・の非球面係数である。
第1実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第12図及び
第13図に示す。
これは、単レンズから成る一番基本的なタイプであっ
て、両面が非球面になっている。特に軸上収差を補正す
るために、非球面は長軸に回転対象の楕円面の1部とな
っている。又、レンズの中心外周部には、音束絞りを設
定する為に溝が形成されている。レンズ媒質はポリスチ
レンである。
第2実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第14図及び
第15図に示す。
この基本構成は第1実施例と同様であるが、F/1.64ま
で音束を通し、軸上収差をほぼゼロにしてある。レンズ
媒質はポリスチレンである。
第3実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第16図及び
第17図に示す。
これは、第2実施例に比べて、レンズ媒質による音波
の減衰を抑えるために、2枚のレンズから構成してレン
ズの肉厚を極力減らすと共に、レンズ間の媒質を水にし
たものである。
第4実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第18図及び
第19図に示す。
これは、絞りに向かって凹面となるパワー面を持つ二
枚のレンズから構成したものであって、両面とも非球面
である。
第5実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第20図及び
第21図に示す。
この基本構成は第4実施例と同様であるが、F/1.64ま
で音束を通し、非球面で特に軸上収差を除去したもので
ある。非球面は双曲面になっている。
第6実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第22図及び
第23図に示す。
この基本構成は、第5実施例と同様であるが、平面に
ゆるいカーブを付けたものである。
第7実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第24図及び
第25図に示す。
この基本構成は第6実施例と同様であるが、レンズ媒
質にTPX004を用いている。
第8実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第26図及び
第27図に示す。
これは、音束絞りに向う凹面を非対物な形状にすると
共に、レンズ系の前後に迷音絞りを設けて成るものであ
る。絞りは、例えば吸音特性の優れたシリコンゴムから
構成されている。
第9実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第28図及び
第29図に示す。
これは、レンズ系を4枚のレンズから構成してレンズ
の総厚がさらに薄くなるようにしたものである。
第10実施例 本実施例のレンズ構成及び収差曲線は夫々第30図及び
第31図に示す。
これはレンズ系を4枚のレンズから構成すると共に、
これらのレンズを音束絞りに関して非対称に配置したも
のである。
〔発明の効果〕 本発明による超音波用結像レンズ系は、画角,収差,
開口角,減衰等の性能が大幅に優れている。又、レンズ
表面に反射防止膜を設けたことにより、音波の減衰率が
更に低下し、多重反射による偽像も防止し得るという利
点も有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は超音波に対する屈折作用の原理図、第2図は本
発明による超音波用結像レンズ系の典型例を示す図、第
3図はレンズ−水界面における全反射防止に関する説明
図、第4図乃至第7図は夫々他の例を示す図、第8図及
び第9図は夫々単レンズ及び複数レンズから成るモデル
を示す図、第10図は両モデルを通る音線の減衰後の強さ
を示すグラフ、第11図はレンズ表面に反射防止膜を被覆
した例の断面図、第12図,第14図,第16図,第18図,第
20図,第22図,第24図,第26図,第28図,第30図は夫々
第1乃至第10実施例のレンズ構成を示す図、第13図、第
15図,第17図,第19図,第21図,第23図,第25図,第27
図,第29図,第31図は夫々第1乃至第10実施例の収差曲
線図、第32図は超音波装置の概略図である。 1……超音波用結像レンズ系、第2……物体、2′……
像、3……周辺音線、4……音束絞り、5……瞳の中心
を通る音線、6……音線、7……音響レンズ、8……吸
音材、9,10,11……反射防止膜、12……水。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を発生し且つ物体で反射した超音波
    を受けて物体の超音波像を表示する超音波装置において
    超音波を結像せしめるのに用いられる超音波用結像レン
    ズ系において、該結像レンズ系の半画角ωが、 であることを特徴とする超音波用結像レンズ系。 但し、v0は第1レンズ面の入射側媒質中における音速、
    v1は第1レンズ面の出射側媒質中における音速である。
  2. 【請求項2】複数枚の音響レンズから成り、各音響レン
    ズ間がレンズの媒質よりも減衰特性が小さい媒質で満た
    されていることを特徴とする請求項(1)に記載の超音
    波用結像レンズ系。
  3. 【請求項3】第1レンズ面から最終レンズ面までの距離
    をDとし、各レンズの肉厚を夫々dm(m=1〜n,nは構
    成音響レンズの枚数)とした場合、 であることを特徴とする請求項(2)に記載の超音波用
    結像レンズ系。
  4. 【請求項4】複数枚の音響レンズから成り、その中の少
    なくとも一枚が平凸レンズであることを特徴とする請求
    項(1)に記載の超音波用結像レンズ系。
  5. 【請求項5】複数枚の音響レンズから成り、少なくとも
    1個の吸音材から成る音束絞りを有し、該音束絞りの開
    口径がレンズより小さいことを特徴とする請求項(1)
    に記載の超音波用結像レンズ系。
  6. 【請求項6】複数枚の音響レンズから成り、各レンズの
    周囲を吸音材で覆ったことを特徴とする請求項(1)に
    記載の超音波用結像レンズ系。
  7. 【請求項7】音響インピーダンスがレンズ媒質と異なる
    合成樹脂を主な組成分とする反射防止膜を少なくとも一
    層以上レンズ面に被覆したことを特徴とする請求項
    (1)に記載の超音波用結像レンズ系。
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