JP2720732B2 - 機械走査式超音波探触子 - Google Patents
機械走査式超音波探触子Info
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Description
され、超音波変換素子の機械的動作により、超音波ビー
ムの走査を行う機械走査式超音波探触子に関する。
については、文献「超音波診断」(日本超音波医学会
編)17頁に示されているような構成が知られている。
以下、従来の機械走査式超音波探触子について図5に示
す要部の一部破断側面図を参照しながら説明する。
前面側、すなわち、超音波の透過する前面側が音響窓4
2になっている。収納ケース41の内側にフレーム43
が取り付けられている。フレーム43の支持部44には
ローター45が回転軸46により回転可能に支持され、
ローター45には超音波を送受信する超音波変換素子4
7が固定されている。ローター45および超音波変換素
子47はモータ(図示省略)の駆動により動力伝達手段
(図示省略)を介して回転運動、若しくは円弧運動され
る。音響窓42内には音響結合媒体48が封入されてい
る。上記音響窓42における内壁曲面49と外壁曲面5
0の曲率中心51は、ローター45等を回転運動、若し
くは円弧運動可能に支持する回転軸46の中心上に位置
している。
いて説明する。モータの駆動によりローター45および
超音波変換素子47を回転運動、若しくは円弧運動させ
ながら、超音波変換素子47から被検体Mに向けて超音
波を送信し、被検体Mで反射された反射波を超音波変換
素子47で受信する。信号伝達系(図示省略)を介して
上記受信信号を超音波診断装置本体に送り、信号処理し
て扇状の超音波画像として表示させることができる。
来例の機械走査式超音波探触子は、超音波走査の際に超
音波変換素子47から送信する超音波を音響窓42に垂
直に入射させる。このため、音響窓42と被検体M、若
しくは音響窓42とこの音響窓42内に封入されている
音響結合媒体48との音響インピーダンスの差から、一
部の超音波は音響窓42を透過しないで反射し、送信し
た超音波変換素子47に戻り、再び音響窓42に向けて
放射する。このように超音波変換素子47からの1回の
超音波放射で、音響窓42と超音波変換素子47との間
で繰り返して反射された超音波による多重反射が発生す
る。多重反射が発生すると、超音波画像における被検体
表面に近い部位には、同心円状の筋が多数現れ、これが
アーティファクトとなり、超音波画像によって診断する
上で大きな障害となる。
るものであり、超音波変換素子の表面と音響窓との間に
発生する多重反射を減少させることができ、したがっ
て、多重反射像の少ない良好な超音波画像を得ることが
できるようにした機械走査式超音波探触子を提供するこ
とを目的とするものである。
の本発明の技術的手段は、音響窓と、この音響窓内に回
転運動、若しくは円弧運動可能に支持されたローター
と、このローターに固定され、超音波を送受信する超音
波変換素子と、上記音響窓内に封入された音響結合媒体
とを備え、上記ローターの回転、若しくは円弧運動の中
心に対し、上記音響窓における内外壁曲面の曲率中心が
異なるように構成されたものである。
壁曲面の曲率中心とが異なるように形成されたものであ
る。
転、若しくは円弧運動の中心と音響窓の内壁曲面の曲率
中心を異ならせることにより、ローターに固定された超
音波変換素子から送信された超音波経路が音響窓の正面
1箇所を除いて音響結合媒体から音響窓の内壁曲面に垂
直に入射されることはなく、超音波変換素子の表面と音
響窓の内壁曲面との間での多重反射は、垂直に入射され
る場合に比べて減少する。
の中心に対し、音響窓の内壁曲面の曲率中心と、外壁曲
面の曲率中心をそれぞれ適当な位置に異なるように設定
することにより、音速の異なる音響結合媒体から音響窓
に、角度を持って入射されるために生じる界面での第1
の超音波の屈折を、音速のそれぞれ異なる音響窓の外壁
曲面と被検体の界面において生じる第2の超音波の屈折
で、被検体内の超音波伝搬経路が、理想的な超音波の経
路、すなわち、音響結合媒体における超音波伝搬経路と
ほぼ平行になるよう補正し、あたかも音響窓における超
音波の屈折がないようにすることができる。
しながら説明する。
式超音波探触子を示す要部の一部破断側面図、図2は図
1のA部の拡大図である。
チック製で、その前面側、すなわち、超音波の伝搬する
前面側の領域が音響窓2になっている。収納ケース1の
内側にフレーム3が取り付けられている。フレーム3の
支持部4にはローター5が回転軸6により回転可能に支
持され、ローター5には超音波を送受信する超音波変換
素子7が固定されている。ローター5および超音波変換
素子7はモータ(図示省略)の駆動により動力伝達手段
(図示省略)を介して回転運動、若しくは円弧運動され
る。音響窓2内には音響結合媒体8が封入されている。
速、音響インピーダンス)が被検体Mと同じ特性である
ことが理想であるが、このような特性を有する材料を入
手することは非常に困難であるのが実状である。このよ
うな状況において、音響窓2として、ポリエチレンやポ
リメチルペンテン(TPX)などが用いられている。こ
れらの材料の音速は約2000m/sec前後であり、音
響結合媒体8、被検体Mに比べて速い。また、音響イン
ピーダンスも音響結合媒体8、被検体Mの音響インピー
ダンス1.5〜1.65Mraylより若干大きく、1.
67〜1.8Mraylという値になっている。
中心10が超音波変換素子7を固定しているローター5
の回転軸6の中心より被検体Mから遠くになり、また、
音響窓2の内壁曲面11の曲率中心12がローター5の
回転軸6の中心と外壁曲面9の曲率中心10とを結ぶ直
線を内分するように形成されている。
作とともに更に詳細に説明する。被検体Mの超音波画像
を得る動作については上記従来例で説明した内容とほぼ
同じであるので、ここではその説明を省略し、超音波変
換素子7により送信、若しくは受信する場合の超音波伝
搬経路について詳細に説明する。
波変換素子7を回転軸6を中心として回転させるが、図
1に示すように、ローター5等の回転角(音響窓2の正
面における法線13と放射音波経路14が挟む角)はψ
0である。超音波変換素子7から送信された超音波は、
上記のような音響窓2等の構成により音響窓2の正面、
すなわち、法線13の1箇所を除いて図2に示すよう
に、音響結合媒体(音速:V1)8中を放射音波経路1
4で伝搬し、入射角(入射面の法線15と放射超音波経
路14が挟む角)θ1で内壁曲面11に入射する。内壁
曲面11を透過せずに反射角(入射角に等しく、入射面
の法線15と対称の角)θ´1で反射した一部の反射波
は、経路16で音響結合媒体8中を伝搬する。したがっ
て、この反射波が超音波変換素子7に入射することはほ
とんどないため、超音波変換素子7の表面と音響窓2と
の間での多重反射は、ほとんど発生しない。
角(入射面の法線15と音響窓2での超音波経路17が
挟む角)θ2で超音波が入射する。このとき、音響結合
媒体8と音響窓2の音速の違いから、スネルの法則によ
り超音波は、(V1/sinθ1=V2/sinθ2)で屈
折する。
を超音波経路17で伝搬する。そして、超音波は、音響
窓(音速:V2)2から入射角(外壁曲面9の法線18
と音響窓2での超音波経路17が挟む角)θ3で被検体
(音速:V3)Mに入射する。このときも上記と同様
に、スネルの法則によって超音波は、(V2/sinθ3
=V3/sinθ4)で屈折し、被検体Mへは入射角(外
壁曲面9の法線18と超音波経路19が挟む角)θ4で
入射する。
M内の超音波経路19のなす角は誤差角εであり、それ
ぞれ音速が異なる音響結合媒体8、音響窓2、被検体M
の界面を超音波が透過する際に、屈折によって生じたも
のである。
出方法について、図3を参照しながら説明をする。計算
を簡易化するために、音響窓2の中をx軸とy軸の2つ
の軸を持つ平面と仮定する。
0)とする。そして、内壁曲面11の音響窓2の部分は
円1:x2+(y−1.3)2=102の一部であると仮定
される。ローター5が正面における音響窓2の法線13
からψ0°回転したときの音響結合媒体8中の超音波の
経路14は
14が内壁曲面11に入射する点aは、上記円1と直線
1との交点である。この点a(xa,ya)は次式で表わ
される。
1は次式で表わされる。
8の音速は1540m/sec、プラスチック製の音響窓
2の音速は2060m/secであり、スネルの法則によ
って音響窓2内の入射角θ2は次式で表わされる。
2:x2+(y−1.5)2=112の一部と仮定するこ
とができ、また、音響窓2内の超音波経路17である直
線2は次式で表わされる。
ら被検体Mに出ていく点b(xb,yb)は、上記円2と
直線2との交点であり、次式で表わされる。
入射する入射角θ3は次式で表わされる。
060m/secであり、スネルの法則によって超音波の
被検体Mへの入射角θ4は次式で表わされる。
理想的な被検体M内の超音波の経路20との誤差角εは
次式のように算出される。
との関係を示したグラフである。このグラフにおいて、
実線は本発明の実施例による誤差角εを示し、破線は音
響窓2の内外壁曲面11、9の曲率中心を同じ点にした
比較例における誤差角εを示している。表1はローター
5の回転角が60°のときの各々の入射角θ1〜θ4と誤
差角εである。
人体の音速、約1500m/secに対し、音響結合媒体
8の音速を例えば1500m/sec、プラスチック製の
収納ケース1の音速を例えば2000m/secとし、収
納ケース1の音速が音響結合媒体8と被検体Mの音速に
比べて速くなるように設定している場合に、ローター5
の回転軸6の中心、音響窓2の内壁曲面11の曲率中心
12ならび外壁曲面9の曲率中心10が直線上に位置
し、かつ内壁曲面11の曲率中心12をローター5の回
転軸6の中心と外壁曲面9の曲率中心10との間に位置
するように設定することにより、超音波変換素子7から
送信された超音波が音響結合媒体8から音響窓2の内壁
曲面11に垂直に入射されることはなく、多重反射のな
い超音波画像が得られ、しかも、被検体M内における超
音波伝搬経路が音響結合媒体8における超音波伝搬経路
と平行になるように補正するので、音響窓2による超音
波の屈折によって生じる歪のない良好な超音波画像が得
られる。
定したローター5が回転する場合について説明したが、
このほか、ローター5が円弧状に往復運動をする場合に
ついても、同様の効果が得られる。このほか、本発明
は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変
更することができる。
音波変換素子を固定しているローターの回転、若しくは
円弧運動の中心と、音響窓における内壁曲面と外壁曲面
の曲率中心を異ならせることにより、超音波変換素子か
ら送信された超音波が音響窓の正面1箇所を除いて音響
結合媒体から音響窓の内壁曲面に垂直に入射されること
はなく、超音波変換素子の表面と音響窓の間で発生する
多重反射を抑えることができ、超音波診断画像における
被検体内の浅い部位を容易に観察することができる。
ターの回転、若しくは円弧運動の中心と、音響窓の内壁
曲面と外壁曲面の曲率中心をそれぞれ異なるように設定
することにより、音響窓における超音波の屈折を補正す
ることができる。したがって、歪みのない良好な超音波
画像を得ることができ、また、誤差のない正確な距離測
定を行うことができる。
触子を示す要部の一部破断側面図
の拡大図
響窓を透過する際の説明図
回転角と誤差角の関係を示すグラフ
部破断側面図
Claims (2)
- 【請求項1】 音響窓と、この音響窓内に回転運動、若
しくは円弧運動可能に支持されたローターと、このロー
ターに固定され、超音波を送受信する超音波変換素子
と、上記音響窓内に封入された音響結合媒体とを備え、
上記ローターの回転、若しくは円弧運動の中心に対し、
上記音響窓における内外壁曲面の曲率中心が異なるよう
に構成されたことを特徴とする機械走査式超音波探触
子。 - 【請求項2】 音響窓の内壁曲面の曲率中心と、外壁曲
面の曲率中心とが異なるように形成されたことを特徴と
する請求項1記載の機械走査式超音波探触子。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4313074A JP2720732B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 機械走査式超音波探触子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4313074A JP2720732B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 機械走査式超音波探触子 |
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JPH06154220A JPH06154220A (ja) | 1994-06-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4313074A Expired - Fee Related JP2720732B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 機械走査式超音波探触子 |
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JPH0332652A (ja) * | 1989-06-29 | 1991-02-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 超音波探触子 |
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1992
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