JPH0328365A - 金属/有機高分子合成樹脂複合体及びその製造方法 - Google Patents

金属/有機高分子合成樹脂複合体及びその製造方法

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JPH0328365A
JPH0328365A JP5368990A JP5368990A JPH0328365A JP H0328365 A JPH0328365 A JP H0328365A JP 5368990 A JP5368990 A JP 5368990A JP 5368990 A JP5368990 A JP 5368990A JP H0328365 A JPH0328365 A JP H0328365A
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隆二 渡辺
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修 三浦
Yukio Ogoshi
大越 幸夫
Michio Ogami
大上 三千男
Takuya Fukuda
福田 琢也
Shigeru Takahashi
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園部 正
Toshio Miyamoto
俊夫 宮本
▲つる▼ 義之
Yoshiyuki Tsuru
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機高分子合成樹脂と金属との複合体及びそ
の製造方法に係り、特に,有機高分子合成樹脂膜(以下
『有機膜」ヒ称する)と金属膜との接着性を向上させた
有機高分子合成樹脂と金属との複合体及びその製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
近年,電子装置の小型化,高速化が進み、その実装系も
高密度化が進んでいる。例えば、LSI搭載用の配線基
板は、従来のセラミック基板上に印刷技術を用いてタン
グステン等の金属を配線していたものから、セラミック
基板上に、絶縁膜としてポリイミドに代表される有機膜
を,導体配線として銅に代表される金属膜を、使用した
薄膜多層配線をフォトリソグラフィー技術により形成す
るものに変化してきている。
このように有機膜と金属膜との複合体が注目されている
また、絶縁膜に用いるポリイミドと導体配線に用いる銅
との接着も、配線パターンの微細化又は高耐熱化に対応
するべく、接着材を用いずポリイミドに銅を直接蒸着す
る製造方法が検討されている。
例えば、特開昭61− 295365号公報には、ポリ
イミド表面を約50〜2000eVのエネルギーをもつ
反応性イオンあるいは電子、または約0.2〜500e
Vのエネルギーをもつ光子よりなる低エネルギー粒子を
照射することによって表面から約10〜300人の深さ
部分の化学構造を変化させ、その後金属を蒸着すること
によって接着性を改善することが記載されている。
また,特開昭53 − 71182号公報には、ボリプ
ロビレンフイルムの表面を大気中でコロナ放電処理した
後、アルミニウムを蒸着する手段が記載されている.特
開昭51−49704号公報には、プラスチック基体表
面をグロー放電処理した後、無電解磁性メッキを施すこ
とが記載されている.特公昭61−34513号公報に
は,有機樹脂膜に対してRFプラズマ処理を行い、その
後金属を蒸着法又はめっき法によって或膜し、有機樹脂
膜と金属膜との接着性を改善することが記載されている
.さらに、特開昭61− 95596号公報には,ポリ
イミドと銅との接着性を改善するために、ポリイミドと
銅との間にポリイミドとの接着性が良い金属、例えばチ
タン等をはさむことが記載されている。
また、ポリイミドも従来から使用されている一般のポリ
イミドに代わり、熱膨張係数が銅やシリコンに近い低熱
膨張性ポリイミドが使用される方向にある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記した特開昭53 − 71182号公報記載のコロ
ナ放電及び特開昭51−49704号公報記載のグロー
放電の技術を用い、電極表面上に有機膜を置き表面処理
を行うと、金属膜と有機膜との接着性に関し、ある程度
の効果が認められる。
しかし、これらの処理は高い運動エネルギーを有する電
子の作用が大きいため、有機膜の内部で劣化が激しく、
特に絶縁耐圧の劣化が著しい。また、この電子の作用を
さけるため、有機膜を電極付近に円筒状に置いた場合で
は、金属膜と有機膜との接着性はほとんど認められなか
った。
さらに,上記した特開昭61− 95596号公報記載
の技術は,一般のポリイミドと銅との接着性改善にはあ
る程度の効果がある.しかし低熱膨張性ポリイミドと銅
との接着性に関してはほとんど効果かない。
さらにポリイミド以外の有機膜に関しては何等開示され
ていない。
上記技術を用いて、一般のポリイミドに例えばPIQ 
(日立化或の商標名)を使用した場合と、低熱膨張性ポ
リイミドに例えばPIQ−LIOO(日立化或の商標名
)を使用した場合と、のピール強度を比較した。
一般のポリイミドに適用した場合にはビール強度がlo
og/amから7 0 0 g/cmに増加するのに対
して、低熱膨張性ポリイミドに適用した場合にはそれが
Log/anから35g/amになるにすぎないことが
わかった. この原因は、チタン挿入の場合、低熱膨張性ポリイミド
はカルボニル基などチタンと結合する官能基が少ないた
めである.したがって低熱膨張性ポリイミドを用いた場
合には接着性が向上せず、ほとんど効果が現われない. また、特開昭61− 295365号公報記載の技術で
、一般のポリイミドに適用した場合と低熱膨張性ポリイ
ミドに適用した場合とのビール強度を比較した. この場合のビール強度はそれぞれ100g/amから3
00g/am,Log/anから25g/amに増加す
るにすぎず、ほとんど効果がない,この原因の一つとし
ては,次のことが考えられる。接着性向上に直接関与す
るのは表面近傍層のみであるにもかかわらず、約50〜
2000eVのエネルギーをもつ粒子の照射では、それ
より深い領域における化学構造の変化を引き起こす。こ
のためポリイミド自体の機械的強度の劣化を招き,ひい
てはこの部分からの凝集破壊を引き起こす.さらに、特
開昭61− 295365号公報にはポリイミド以外の
有機膜に関しては何等開示されていない。
特公昭61− 34513号公報記載のRFプラズマ処
理の場合も、高い運動エネルギーを有する粒子が有機膜
に照射されるため、有機膜の内部で劣化が激しく、有機
膜自体の機械的強度の劣化を招く6その他、低エネルギ
ープラズマ処理に関するものに,米国特許439309
2号公報,特開昭57−138号公報,特開昭60−2
1593号公報、及び特開昭61−139918号公報
があり、また、低温プラズマ処理に関するものに、米国
特許4018426号公報,特開昭59 − 2187
89号公報,特開昭61−182942号公報、及び特
開昭57−186385号公報があるが、いずれも電子
サイクロトロン共鳴プラズマは使用していない。
さらに、RFプラズマ処理に関するものに、特開昭62
−116763号公報があり、イオン化プレーテイング
に関するものに,特開昭61−183460号公報及び
特開昭50 − 77863号公報があり、また、コロ
ナ放電処理に関するものに、特開昭53−101069
号公報があるが、いずれも、有機膜内部で劣化が激しく
、有機膜自体の機械的強度の劣化を招く。
一方、電子サイクロトロン共鳴プラズマで改質するもの
に、特開昭62−177189号公報があるが、接着性
の問題に関する記載がなく、本発明と用途が異なる. 本発明の目的は、コロナ放電やグロー放電による表面処
理やRFプラズマによる表面処理よりも強い接着力を有
する有機高分子合成樹脂と金属との複合体を提供するこ
とにある. 本発明の他の目的は、強い接着力を有する有機膜と有機
膜との複合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、強い接着力を有する有機高分子合
成樹脂と金属との複合体の製造方法を提供することにあ
る. 〔課題を解決するための手段〕 本発明の有機高分子合成樹脂と金属との複合体は、運動
エネルギーが工〜20eVである化学的反応括性な気相
分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらすことによ
り形成された官能基を,実質的な表面に有する有機膜と
、官能基を有する有機膜上に形成された金属膜とを有す
ることを特徴とする。
有機膜と金属膜とは配位結合していることが好ましい. 本発明の複合体は、200g/am以上好ましくは30
0g/am以上のビール強度を有する.また、本発明の
複合体は,実質上凝集破壊がない。実質上とは厚さが1
00入程度以下ということであり,凝集破壊とは、有機
膜内での機械的強度の低下を意味する。
官能基は,常温で金属と安定な錯体を形成するものが好
ましい。
さらに、官能基は、アミノ基,イミド基,イミノ基,シ
アノ基,アミド基,オキシム基,カルボキシル基,カル
ボニル基,水酸基,C−F基,C=S基,メルカプト基
,臭素化炭素及びヨウ素化炭素からなる群から選ばれた
少なくとも一種の官能基であることが望ましい。
また、官能基の相対濃度は、炭素原子を1とすると, ■ 含窒素官能基の場合は、アミノ基,イミノ基,アミ
ド基,イミド基及びシアノ基の和が0.05〜0.25
であること、好ましくは0.08〜0.22であること
が望ましい.また、オキシム基が0.07〜0.24で
あること、好ましくは0.10〜0.21であることが
望ましい.■ 含酸素官能基の場合は、カルボニル基及
びカルボキシル基の和が0.09〜0.39であること
、好ましくは0.12〜0.36であることが望ましい
.また、水酸基が0.l7〜0.48であること,好ま
しくは0.20〜0.48であることが望ましい. ■ 含硫黄官能基の場合は、S − H基が0.10〜
0.17であって.C=S基が0.03〜0.07であ
ることが望ましい. ■ 含フッ素官能基の場合は、フッ素が0.30〜0.
42であることが望ましい。
■ 含臭素官能基の場合は,含臭が0.28〜0.37
であることが望ましい. ■ 含ヨウ素官能基の場合は、ヨウ素が0.15〜0.
32であることが望ましい. さらに,官能基は、後に形成される金属膜によって異な
るが電気陰性度及び誘電分極の少なくとも一方が大きい
元素であって、孤立電子対を持つ元素を含むことが望ま
しい.具体的に電気陰性度については、2.5以上0.
4以下の元素が好ましい.尚、電気陰性度についてはラ
イナス・ポーリング(L.Pauling)のものを用
いた。
また、官能基は、窒素,酸素,フッ素,硫黄,臭素又は
ヨウ素の少なくとも一つの元素を有することが好ましい
化学的反応括性な気相分子又は気相イオンは、NHa,
Not,CHaCN,NHzOH,HCN,N2,  
Ox,  COz,  Co,  H2.○,  CF
41  CHF8FCSt,SOxv HzS,CHz
B rz,CHaB r,B r2,CHzIz、及び
CHaI.その他,水素,窒素,酸素,フッ素,硫黄,
臭素及びヨウ素原子を少なくとも一つを含む分子がら生
戒する化学的反応括性種であることが望ましく、これら
の混合気体から生成されることが望ましい。
化学的反応括性とはラジカル(不対電子を有するもの)
又はイオンということであり、電子的に励起状態にある
ものをいう. これらの化学的反応括性種の生成は、熱励起,光励起又
はプラズマ発生を起こすことによって生成することが望
ましく、低エネルギー、具体的には運動エネルギーが2
0eV以下の化学的反応括性種を得るにはマイクロ波,
半導体レーザ,エキシマレーザ、RFプラズマ,コロナ
放電,グロー放電又はECRマイクロ波プラズマ等の装
置によっても生成することができる。しかし、多数の条
件を考慮すると、電子ザイクロトロン共鳴プラズマ装置
を用いることが最も好ましく、接着性向上に優れる. この電子サイクロトロン共鳴プラズマ(以下rECRプ
ラズマ」と略する)を生成するECRプラズマ装置は、
3個以上のコイルを円筒形の容器側面に有し、このコイ
ルによって磁界を制御する.また,この円筒形の容器の
上下方向からマイクロ波を導入し,基板面近傍にECR
点を形成する.一般にこのECR点はコイルに流す電流
値を変化させることによって、基板面からの距離として
変化させることができる.ECR点では、低い運動エネ
ルギーでイオン化率が高く、電子的励起種密度の高いプ
ラズマを生成することができるため、接着性向上に優れ
たプラズマ処理ができる.このECRプラズマは、他の
プラズマと比較して,非常に高いイオン化率を示すため
,発光強度も非常に高い。また、このECRプラズマは
、50eV以下、好ましくは20eV以下の低い運動エ
ネルギーを有するプラズマを生成する.イオン化率が高
いとは、具体的には、基板面近傍において、任意の一定
条件のもとで、電気的励起種の密度が1%以上であるこ
とを示す。励起状態とは、量子力学系の定常状態のうち
、基底状態よりも高いエネルギー準位のものをいう。
金属膜に用いる金属は、Cu,Ag,Au,Ni,Pd
,Pt,Zn,si,w,Mo,Cd9AQからなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素であることが望まし
い.特に、C u v A Qであることが好ましく、
これらを主或分とした合金であってもよい. 金属膜の形成には,蒸着装置,イオンプレーテイング装
置,スパッタリング装置又はCVD装置を用いることが
好ましい. 有機膜に関しては,ポリイミド膜,ポリアミド膜,ポリ
アミドイミド膜,ポリエステル膜,エボキシ樹脂膜,フ
ェノール樹脂膜及びテトロン膜等電子装置の絶縁膜とし
て形成可能なものであることが好ましく、特にポリイミ
ド膜が望ましい.特に、低熱膨張性ポリイミド膜である
ことが望ましい。
この、ポリイミド膜に関しては、特開昭60−3282
7号公報,特開昭60−243120号,特開昭60−
157286号公報,特開昭60 − 250031号
公報、及び特開昭60 − 208358号公報に記載
されているが,これらに限定されるものではない。
また、本発明に用いる有機膜は、熱膨張係数が0.IX
10”−I1〜5.O X 1 0″″fi(/’C)
であるものが好ましい.さらに、この有機膜は温度が2
00℃程度で,重量減少が5%以下の耐熱性を有するも
のが好ましい.さらに好ましくは500℃程度で5%以
下のものである。
さらに、気相分子又は気相イオンの少なくとも一方で有
機膜の表面をさらすということは、分子やイオンを有機
膜に対して打ち込むことではなく,金属膜を形成する有
機膜をこのような気相状態中に放置することである。ま
た装置上では、バイアス電圧等をかけずに分子やイオン
を加速しないことである.したがって、有機膜上の表面
は,100λ以下の厚さで改質され好ましくは10A未
満の厚さで改質される。この100λ以下という厚さは
、本来有機膜は,表面に1μm程度の凹凸を有して形成
されるが、その凹凸を有している表面に対する厚さであ
り、低い運動エネルギーのプラズマで処理するため、表
面のみ改質されることを意味する. また、さらに有機膜と金属膜との接着性を向上させるた
めには、有機膜と金属膜との間に、有機高分子合成樹脂
とイオン性結合を有する接着性金属層を挿入することが
望ましく、具体的には接着性金属層には、Ti,Zr,
V,Nb,Hf,Ta,Afl,Cr,Mo,Wからな
る群から選ばれた少なくとも一種の元素であることが好
ましい.また有機膜と金属膜との接着性を向上させるた
め、有機膜をプラズマ処理した後、一般的な有機材料か
らなる接着剤を塗布した後に、金属膜を形成してもよい
気相状態中にさらされた有機膜は、さらされない有機膜
に比較して、幾分凹凸が生じ、この形状も有機膜の金属
膜との接着性向上に関係しているより好ましくは有機膜
上をあらかじめ粗面化し,接着面積を増加させて気相分
子や気相イオンでさらすことにより、さらに接着性が向
上する.具体的には,Ar等のプラズマで有機膜の表面
を処理することが好ましい。
さらに、有機膜を気相分子や気相イオンにさらした後、
該有機膜上に金属を打ち込み有機膜と金属膜との混合領
域を形成することにより、さらに接着性が向上する。
本発明の有機高分子合成樹脂と金属との複合体の製造方
法は、有機膜の表面を運動エネルギーが1〜20ev,
好ましくは3 〜1 8 e V、さらに望ましくは5
〜13eVである化学的反応括性な気相分子又は気相イ
オンの少なくとも一方でさらす工程と、気相分子及び気
相イオンの少なくとも一方でさらされた有機膜上に金属
膜を形成する工程とを有することを特徴とする. この有機膜の表面に作用する運動エネルギーは、少なく
ともこの有機膜に対して垂直な方向に対するものであり
、この有機膜に対して平行な方向には、これ以上の高い
運動エネルギーを有していてもよい. また、この気相分子又は気相イオンは、金属膜と相互作
用する官能基の元素組或とほぼ同一の元素組或を有する
混合気体から発生させることが好ましい.1〜20eV
の運動エネルギーとは気相分子又は気相イオンの70%
以上、好ましくは80%以上のものがこの運動エネルギ
ーを有していることを示す. 運動エネルギーの下限値を1eVとしたのは、16V以
下では,有機膜表面のクリーニング効果が小さく、改質
の効果が小さいためである。
化学的反応括性な気相分子や気相イオンでさらす工程は
、励起又はイオン化された原子,分子又はラジカル(不
対電子を有するもの)を導入する工程のことであり、金
属膜は金属元素を気化して有機膜上に薄膜として形成す
る。
さらに本発明は、電子部品の配線膜に利用することがで
きる.特に各配線間の絶縁に有機膜を用いた配線膜に利
用することができ、フレキシブル回路基板,テープ・オ
ートメーテイツド・ボンデイング(以下rTABJと称
する)や各種の半導体パッケージ基板等に適用すること
ができる.本発明の有機高分子合成樹脂と金属との複合
体は、強い接着力を有するため、これを利用した配線膜
は高い信頼性を有する.これらの電子部品に本発明を適
用することによって信頼性の向上した電子装置を提供す
ることができる. 本発明を適用した配線膜は、有機膜の実質的な表面を、
運動エネルギーが1〜20eVである化学的反応括性な
気相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらすこと
により形成された官能基を表面に有する有機膜と、官能
基を有する有機膜上に、選択的に形成された金属膜と、
を有する。この配線膜は、ビール強度が200g/cm
以上好ましくは300g/am以上であることを特徴と
する。
有機膜、特にポリイミド膜を用いたフレキシブル回路基
板は、柔軟性を有するポリイミド膜の実質的な表面を,
運動エネルギーがl〜20eVである化学的反応括性な
気相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらすこと
により形成された官能基と、官能基を含むポリイミド膜
上に、選択的に形成された導体配線と、を有することを
特徴とする. さらには,有機膜、特にポリイミド膜を用いたTABは
,テープ状のポリイミド膜の実質的な表面を、運動エネ
ルギーが1〜20evである化学的反応括性な気相分子
及び気相イオンの少なくとも一方でさらすことにより形
成された官能基と、官能基を含むポリイミド膜上に、選
択的に形成された導体配線と、を有することを特徴とす
る。
また,パッケージ基板は、電気的に絶縁性を有する基板
と,基板上に形成された,金属膜及び有機膜を用いた多
層配線フイルムと、外部に信号を伝達するビンと、を具
備し、有機膜と金属膜との界面に、運動エネルギーが1
〜20eVである化学的反応括性な気相分子及び気相イ
オンの少なくとも一方で、有機膜表面をさらすことによ
り形成された官能基を有することを特徴とする。
さらに、多層プリント板は,#l!縁材料としての有機
膜と、該有機膜上に選択的に形成された金属膜とを積層
した多層プリント板であって,有機膜と金属膜との界面
に、運動エネルギーが1〜2oeVである化学的反応括
性な気相分子及び気相イオンの少なくとも一方で有機膜
の表面をさらすことにより形成された官能基を有する。
また、本発明の複合体は、モジュール化された半導体の
実装装置及びコンピュータにも適用することができる. 半導体の実装装置は、電気的に絶縁性を有する基板と、
基板上に形成された、金属膜及び有機膜を用いた多層配
線フィルムと、該フィルム上に形成された少なくとも2
つ以上の半導体素子と、該半導体素子と前記フィルム内
の導体配線を介して,外部に信号を伝達する手段と、を
具備し,有機膜と金属膜との界面に、運動エネルギーが
1〜20eVである化学的反応括性な気相分子及び気相
イオンの少なくとも一方で,有機膜表面をさらすことに
より形成された官能基を有することを特徴とする。
また、本発明を適用したコンピュータは、プラツタと、
該プラツタにコネクタを介して装置された多層プリント
基板と、該基板に装着された論理用半導体パッケージ及
び主記憶用半導体パッケージを有するコンピュータであ
って、該半導体パッケージの少なくとも一方には半導体
素子を搭載し,前記多層プリント基板が、絶縁層として
の有機膜と該有機膜上に選択的に形成された導体配RI
ANとしての金属膜とを有し、前記有機膜の実質的な表
面を運動エネルギーが1〜20eVである化学的反応括
性な気相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらす
ことにより、前記有機膜と前記金属膜との界面に形成さ
れた官能基を有する.〔作用〕 第l図を用いて,本発明の作用を説明する.有機膜1の
表面をマイクロ波,半導体レーザ,エキシマレーザ又は
プラズマ等により発生した20eV以下の低エネルキー
を持つ化学種により処理する。具体的には.有機膜表面
をプラズマ等によりさらすことで処理する, 例えば,これらの化学種が ■ Nzy NHay NOl2,CHaCN,NHz
OH,HCNの場合には、有機膜の表面には,アミノ基
,イミド基,イミノ基,アミド基,シアノ基又はオキシ
ム基の少なくとも一種が含有され、窒素が高密度に含ま
れ、これらの少なくとも一種が含有される官能基が高密
度に含まれる.■ Oz,Co,CO,HzO の場合
には、有機膜の表面には、カルボキシル基,カルボニル
基及び水酸基の少なくとも一種が含有され、酸素が高密
度に含まれ、これらの少なくとも一種が含有される官能
基が高密度に含まれる.■ CSz, Sox,H2S
 (1)場合には、有機膜の表面には、C=S基及びメ
ルカプト基の少なくとも一種が含有され、硫黄が高密度
に含まれ、これらの少なくとも一種が含有される官能基
が高密度に含まれる。
■ Fz,CF4.CHFδの場合には、有機膜の表面
には,フッ素化された炭素が高密度に含まれ、これらの
少なくとも一種が含有される官能基が高密度に含まれる
■ CHzB rzt CHsB r,B rzの場合
には,有機膜の表面には、臭素化された炭素が高密度に
含まれ、こ.れらの少なくとも一種が含有される官能基
が高密度に含まれる。
■ CHzIy.,CH3I,I2の場合には、有機膜
の表面には、ヨウ素化された炭素が高密度に含まれ、こ
れらの少なくとも一種が含有される官能基が高密度に含
まれる. このように、高密度にこれら窒素等の原子が含まれた部
分が改質層2である。
この上に、金属膜3を形成する。この金属膜3を形成す
る金属元素は、改質W!J2上に飛来するときには一部
イオン化された状態で付着する.この時、改質M2中の
窒素等の原子の孤立電子対は、金属イオンと相互作用す
る。この結果、金属とこれら原子との間に配位結合が生
じる. このため、金属膜と改質層との間に強い化学結合が生じ
、これらにより作られた複合体は、強い接着力を有し、
耐湿性及び耐久性が向上した複合体が達成される。
〔実施例〕
実施例1 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する.第工
図は有機高分子合成樹脂と金属との複合体の部分的拡大
図である.符号1は有機膜として用いた低熱膨張性ポリ
イミド膜であり、符号3は導体配線としての金属膜であ
り,本実施例では銅を用いた.符号2は、窒素が含有さ
れているアミノ基,イミド基,イミノ基,アミド基又は
シアノ基の少なくとも一種が含まれ,接着性改善のため
改質されている低熱膨張性ポリイミド膜の一部分である
. このポリイミド膜は,セラミック,ガラス等の基板の上
に形成してもよく、ポリイミド膜のみでもよい. 次に、第1図に示した有機高分子合成樹脂と金属との複
合体の製造方法について説明する.まず、シリコン基板
に、低熱膨張性ポリイミドとの接着性を向上させるため
にアルミキレート処理を施し、その上に低熱膨張性ポリ
イミドを膜厚0.7μmになるようにスピンコートし、
後に形成する金属膜の酸化を防止するため窒素ガス雰囲
気中で硬化させた.有機高分子合成樹脂としての低熱膨
張性ポリイミドは、PIQ−LIOO (日立化成の商
標名)を使用した. これを,マイクロ波加熱装置により表面処理した. この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド基
板を設置し、N H aガスを試料表面に200oc/
+ainの流量で流し, 4mtorrの雰囲気を形成
した.次にマイクロ波導波管により導入した200〜i
500Wのマイクロ波を試料に垂直に10分間照射する
ことによって、N H aの回転励起種を発生させた。
このときのマイクロ波周波数は2.45GHz  であ
る.この際、温度上昇によりポリイミドの分解を防止す
るため、基板を裏側から水冷した.このようにして、1
0分間処理した。
この後基板を別真空容器中に移動し、電子線加熱により
銅を基板温度200’C,蒸着速度100λ/Sで膜厚
5μmに蒸着した.この試料を幅10の短冊状にして、
90°ビール試験を引きはがし速度0 . 5 m/w
inで行った。
この結果を第2図に示す. 第2図はマイクロ波出力(W)とビール速度(g/cs
e)との関係を示す.図中、0印は1k集破壊による剥
離が起きていることを示す.同じビール試験を表面処理
しない低熱膨張性ポリイミド(PIQ−LIOO)膜上
の銅薄膜に対して試みたところ、ビール強度は5 g 
/ as以下であった. したがって.マイクロ波出力が1200Wの時では,表
面処理をした場合(4 0 0 g/am)としない場
合(5 g/am)とでは80倍近くビール強度の差が
あり,表面処理を施すことにより,接着力が著しく向上
した. 但し、基板温度350℃で蒸着した場合のビール強度は
2 7 0 g/mであったため、蒸着時基板温度は2
00℃〜250℃の範囲では低い方が好ましい. さらに,このアンモニア(NHa)のマイクロ波加熱処
理(マイクロ波出力:1200W)を施した低熱膨張性
ポリイミド膜の表面をXPS分析した.装置は、μ一E
SCA (米国SSI社製SSX−400−206)を
用い、xiは、AQ−KCE線(1486,6eV)を
用いた,その結果、表面層における酸素原子及び窒素原
子の炭素原子に対する割合(0/C,N/C)はそれぞ
れO/C=0.18及びN/C=0.25)であった。
低熱膨張性ポリイミド(PIQ/LIOO)の分子構造
中のO/C及びN/CはそれぞれO/C=0.18及び
N/C=0.09であるため,表面近傍の窒素濃度が2
.8倍と大幅に増加していることがわかる. 第3図にマイクロ波出力が1200Wの時のポリイミド
表面の結合エネルギ(B,E,)Nl gのスペクトル
を示す.イミド基(B.E.=400θV)のほかにイ
ミノ基,シアン基,アミド基(B.E.=399aV)
とアミノ基(B.E.=3 9 8 e V).が検出
され、それらの割合はB.E.の高い順に7:40:5
3であった.この結果から、このマイクロ波加熱処理に
より改質した低熱膨張性ポリイミド表面にはイミド基以
外に、イミノ基,アミド基,シアン基及びアミノ基の少
なくとも一種の官能基が含有されていることがわかる.
この結果から,窒素を有する官能基が接着性向上に影響
していると考えることができる.こうした構或にするこ
とにより、従来のような接着層を挿入しないため、製造
工程も削減できる.実施例2 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を形
成した後、それを気体レーザー装置により表面処理した
. この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド基
を設置し、N H aガスを試料表面に100cc /
 winの流量で流し、lmtorrの雰囲気を形成し
た.次に10WのA r Fエキシマレーザーを試料表
面の極近傍に平行に導入して.NHsの電子励超種を発
生させた. このようにして10分間処理した後、実施例J,と同じ
方法により綱を蒸着し,同様の条件でビール試験を行っ
たところ,ビール強度は440g/備であった. 実施例3 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を形
成した後、それをECRマイクロ波プラズマCVD装置
により表面処理した. このECRプラズマ装置の概略図を、第39図に示す.
本装置は、磁界制御コイル14を円筒形の容器チャンバ
12の側面に有する。このコイル14に流れる電流を制
御することによりチャンバ12内に発生するECR点1
3の位置を制御する.一方,チャンバ12内に、マイク
ロ波導波管15からマイクロ波を導入し,プラズマを発
生させる.低熱膨張性ポリイミド膜を基板11上に設置
し、表面処理を行う. この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド基
板を設置し,窒素ガスをプラズマ生成室に導入し.0.
8mtorrの雰囲気を形成する.そこにマイクロ波導
波管により導入した50W〜1000Wのマイクロ波を
照射することによってプラズマを発生させた.マイクロ
波の出力は50W〜IOOOWの範囲ならどれでも良い
.この時、電子サイクロトロン共鳴領域と基板との距離
を変化させ、プラズマの基板への影響を変化させること
ができるが、本実験では、O〜30(!lのI@囲とし
た. このようにして、3分間処理した後,実施例1と同じ方
法により鋼を蒸着した.xpsによる分析結果によれば
、表面層(3 0 0Wマイクロ波処理)における酸素
原子及び窒素原子の炭素原子に対する割合(0/C,N
/C)はそれぞれO/C=0.21及びN/C=0.2
4であった.低熱膨張性ポリイミド(PIQ−LIOO
)の表面近傍の窒素濃度は、300Wマイクロ波処理の
時、2.7倍と大幅に増加していることがわかる.第4
図に、この表面のNlsのスペクトルを示す. 更に第5図に表面処理をしない場合の表面のNlgのス
ペクトルを示す.第5図に示すように、無処理の場合に
は、イミド基だけであったのに対して.ECRマイクロ
波プラズマ処理では、イミド基(B.E.=400eV
)のほかに、イミノ基,シアノ基,アミド基(B.E.
=399”eV) 、7ミノ基(B.E.=398eV
)及びN或分(B.E.=402eV)が検出され、そ
れらの割合はB.E.の高い順に8:44:43:6で
あった。
これより、この窒素プラズマ処理により改質した低熱膨
張性ポリイミドの表面にはイミド基以外に、アミノ型,
イミノ型,アミド型成分及びシアノ型の少なくとも一種
の官能基が含有されていることがわかる. このプラズマ処理の際、基板に高周波発信機により1 
3 . 5 6 M H z  の高周波をかけること
によって基板に負のバイアスをかけることができる.そ
の結果、プラズマ中の正イオンにバイアス値b;見合う
運動エネルギーが付与される. 第6図は,高周波の出力を0〜300Wにしたときの窒
素プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対
する割合との関係を示す.運動エネルギーはO〜50e
Vとした. 第7図は、窒素プラズマ種の運動エネルギーとビール強
度との関係を示す. 第6図に示すように、運動エネルギーの増加につれてイ
ミノ基又はアミノ基は徐々に増加し、イミド基は著しく
減少していることがわかる.一方,第7図に示すように
運動エネルギーが工OeV以下の場合には、ビール強度
は増加するのに対して、]. O e V以上の場合に
は、ビ7ル強度は徐々に減少する.運動エネルギーが5
0eVのときには、ビール強度はわずか120g/cm
であり凝集破壊を起こして剥離していることがわかる. 又、この時のNlgのスペクトルを第8図に示す.第8
図に示すように、第4図に比べるとイミド基が減少して
いることがわかる.これらより、ビール強度の低下の原
因は、窒素プラズマ種の運動エネルギーの増大に伴い、
イミド基の破壊が生じ、ポリイミド膜の機械的強度の劣
化を招いているためと考えることができる. 実施例4 酸素ガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱膨張性
ポリイミド膜の表面処理を実施した.XPS分析による
と、処理膜の表面における酸素及び窒素原子の炭素原子
に対する割合(0/C,N/C)はそれぞれO/C=0
.29  と、N/C=0.11 であった. 第9図は、この表面のOlgスペクトルを示す.更−に
第10図に表面処理をしない場合の表面の01gのスペ
クトルを示す。第10図に示すように、無処理の場合に
は、イミド基によるC=0或分のみが検出されたのに対
し、プラズマ処理後にはC=O成分(イミド基によるも
の以外を含む)(B.E.=5 3 1.5 eV),
 C−Ofj,分(B.E.=533.5eV)が検出
され,それらの割合は65=35であった。これより、
酸素プラズマ処理による改質を施した低熱膨張性ポリイ
ミドの表面には、C=O又は/及びC−○型成分が含有
されていることがわかる. 実施例3と同様に,基板にバイアスをかけたときの酸素
プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対す
る割合との関係を第11図に示す.又,第12図は、酸
素プラズマ種の運動エネルギーとビール強度との関係を
示す. 第11図に示すように,運動エネルギーの増加につれて
C=O威分は余り変化しないのに対して,C−0或分が
著しく増加していることが分かる。
これは、酸素によるポリイミド膜が破壊されたと考える
ことができる. 一方、第12図に示すように酸素プラズマ種の運動エネ
ルギーの増加につれてビール強度は10eV付近をピー
クに徐々に減少し、50eV付近ではわずか170g/
amであり凝集破壊を起こして剥離していることがわか
る.これらより、実施例3と同様にイミド基の破壊が、
ビール強度の低下に関係していることがわかる. 実施例5 C F aガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱
膨張性ポリイミド膜の表面処理を実施した.xPS分析
によると、処理膜の表面におけるフッ素原子の炭素原子
に対する割合(F/C)はF/C=0.42 であった
. フッ素を含まないポリイミドの表面は、プラズマ処理す
るとCF或分(B.E.−687.8eV)が検出され
た.これより、C F aプラズマ処理による改質を施
した低熱膨張性ポリイミドの表面には、C−F型フッ素
が含有されていることがわかる.実施v43と同様に,
基板にバイアスをかけたときのプラズマ種の運動エネル
ギーと官能基の炭素原子に対する割合との関係を第13
図に示す。
又、第14図はフッ素プラズマ種の運動エネルギーとビ
ール強度との関係を示す。第13図に示すように、運動
エネルギーの増加につれてCF成分が増加していること
がわかる. 一方、第14図に示すように、フッ素プラズマ種の運動
エネルギーが10eV付近までは、それが増加するにつ
れてビール強度も急激に増加するが、それ以上では減少
し、それが30eV以上では凝集破壊を起こして剥離し
ていることがわかる。
これらより、実施例3と同様にイミド基の破壊が、ビー
ル強度の低下に関係していることがわかる.実施例6 二硫化炭素ガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱
膨張性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分布によると,処理膜の表面における硫黄原子の
炭素原子に対する割合(S/C)はS/C=0.20 
であった. 第15図は、この表面のS2Pスペクトルを示す。硫黄
を含まないポリイミドの表面を、プラズマ処理すると、
C=S戒分(B.E.= 1 6 1.8eV)及びS
−H成分(B.E.=162.9eV)が検出され,そ
れらの割合は36:64であった.これより、二硫化炭
素プラズマ処理による改質を施した低熱膨張性ポリイミ
ドの表面には、C=S又は/及びS−H型硫黄が含有さ
れていることがわかる. 実施例3と同様に、基板にバイアスをかけたときの硫黄
プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対す
る割合との関係を第l6図に示す。
又、第17図は硫黄プラズマ種の運動エネルギーとビー
ル強度との関係を示す.第16図に示すように、運動エ
ネルギーの増加につれてC=S成分及びS−H成分が増
加していることがわかる。
第l7図に示すように,硫黄プラズマ種の運動エネルギ
ーが10eV付近までは、それが増加するにつれてビー
ル強度も急激に増加するが、それ以下では減少しそれが
30eV以上では凝集破壊を徐々に起こして剥離してい
ることがわかる.これらより、実施例3と同様にイミド
基の破壊がビール強度の低下に関係していることがわか
る。
実施例7 CHiBrzガスを用いて実施例3と同じ方法により低
熱膨張性ポリイミド膜の表面処理を実施した. xPS分析によると、処理膜の表面における臭素原子の
炭素原子に対する割合(Br/C)はBr/C=0.2
2 であった. 臭素を含まないポリイミドの表面を,プラズマ処理する
と、CBr戒分(B,E.=71.5eV)が検出され
た.これより、CHzBr2プラズマ処理による改質を
施した低熱膨張性ポリイミドの表面には、C−Br型臭
素が含まれていることがわかる。
実施例3と同様に,基板にバイアスをかけたときの臭素
プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対す
る割合との関係を第18図に示す.又,第19図は臭素
プラズマ種の運動エネルギーとビール強度との関係を示
す.第l8図に示すように、運動エネルギーの増加につ
れてCBr戒分が増加していることがわかる。
一方、第19図に示すように臭素プラズマ種の運動エネ
ルギーが10eV付近までは、それが増加するにつれて
ビール強度も急激に増加するが、それ以上では減少し、
それが30eV以上では凝集破壊を起こして剥離してい
ることがわかる。これらより、実施例3と同様にイミド
基の破壊が、ビール強度の低下に関係していることがわ
かる.実施例8 CHzIzガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱
膨張性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分析によると、処理膜の表面におけるヨウ素原子
の炭素原子に対する割合( I /C)は工/C=0.
16 であった. ヨウ素を含まないポリイミドの表面を、プラズマ処理す
ると、CI或分(B,E.=62 1.2eV)が検出
された.これにより、CHxIzプラズマ処理による改
質を施した低熱膨張性ポリイミドの表面には.CI型ヨ
ウ素が含有されていることがわかる. 実施例3と同様に、基板にバイアスをかけたときのプラ
ズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対する割
合との関係を第20図に示す。
又、第21図はヨウ素プラズマ種の運動エネルギーとビ
ール強度との関係を示す.第20図に示すように,運動
エネルギーの増加につれてCI成分の量が増加している
ことがわかる。
一方、第21図に示すようにヨウ素プラズマ種の運動エ
ネルギーが10eV付近まではそれが増加するにつれて
ビール強度も急激に増加するが,それ以上では減少し3
0eV以上では凝集破壊を起こして剥離していることが
わかる。これらより、実施例3と同様にイミド基の破壊
が、ビール強度の低下に関係していることがわかる。
実施例9 第22図は本発明の他の実施例を示した有機高分子合成
樹脂と金属との複合体の部分拡大図である。
符号1,2及び3は、第1図と同じであり、符号4は絶
縁層としての有機膜と導体配線としての金属膜との接着
力を高めるために形成した層である.具体的には、EC
Rマイクロ波プラズマ処理を用いて銅を打ち込むことに
より層を形成した。
次に第22図に示した有機高分子合成樹脂と金属との複
合体の製造方法について説明する。実施例1と同じ方法
により有機膜として低熱膨張性ポリイミド膜を形成した
後,やはり同様にECRマイクロ波プラズマCVD装置
により表面処理を施す。実施例3と同様の窒素プラズマ
処理を施した後、100℃に加熱したSUSタンクに入
っているC u (acac)zの固体にマスフローコ
ントローラーを介してH2ガスを3 cc / win
流した。また、プラズマ生成ノズルからはArガスを4
0cc/win流した,0.8mtorrの圧力で13
0Wのマイクロ波を当てプラズマを発生させ、ノズルか
ら導入したC u (acac)zガスをArにより分
解させ、イオン化された銅を基板に高周波をかけて打ち
込んだ。この高周波出力をO〜500Wの範囲で10分
間処理した後、実施例3と同様に銅を蒸着した。
第23図に高周波出力とビール強度との関係を示す.高
周波出力増加に伴う基板バイアスの増加により銅イオン
が強く打ち込まれ、配位結合の促進又は投錨効果により
ビール強度が増大している。
本実施例では、Arを使用したがHeでも良く,C u
 (acac)zの代わりにT i+ C r + V
 p T a等のアセチルアセトナト錯体,塩化物又は
フツ化物を分解しても良い。また,本実施例ではCu打
ち込み時にはN2ガスを止めたが、N2ガスを流し続け
ても良く、その場合低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜と
の間にCuxNy型の化合物層を作ることができる。
また、N2プラズマ処理を施す前に基板にArプラズマ
を当て表面を粗面化しても良い。Arの他、窒素,l!
2素等のプラズマを用いて表面を粗而化してもよい。
以上の実施例より、第7図,第12図,第14図,第1
7図,第19図及び第21図の、プラズマ処理における
各種プラズマ種の運動エネルギーと各種プラズマにおけ
るビール強度との関係から、20eV以下のエネルギー
であればビール強度が、250g/CXlと実用的な強
度が得られることがわかった。
実施例10 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ボリイミド膜を形
成した後、それをECRマイクロ波プラズマ装置により
表面処理した。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド基
板を設置し、N H sガスをプラズマ生或室に導入し
.0.1mtorrの雰囲気を形成する。
そこにマイクロ波導波管により導入した50W〜100
0Wのマイクロ波を照射することによってプラズマを発
生させた。マイクロ波の出力は50W−1000Wの範
囲ならどれでも良い。この時、電子サイクロトロン共鳴
領域と基板との距離を変化させ,プラズマの基板への影
響を変化させることができるが、本実験では、O〜30
cmの範囲とした。
このプラズマ処理の際、基板に高周波発信機により1 
3 . 5 6 M H z  の高周波をかけること
によって基板に負のバイアスをかけることができる。
その結果、プラズマ中の正イオンにバイアス値に見合う
運動エネルギーが付与される。
このようにして3分間処理した後、基板を別真空容器中
に移動し,電子線加熱により銅を基板温度200℃、蒸
着速度100λ/Sで膜厚5μmに蒸着した.電子サイ
クロトロン共鳴領域と基板との距離を変化させた試料に
ついて、幅1のの短冊状にして90″ビール試験を引き
はがし速度Q.5m/winで行なった。
この結果を第24図に示す。
第24図はアンモニアのECRプラズマ処理におけるプ
ラズマ種のECR点距離とビール強度との関係を示す図
である。
同じビール試験を表面処理しない低熱膨張性ポリイミド
(p I Q−L 1 0 0)膜上の銅薄膜に対して
試みたところ、ビール強度は5 g / on以下であ
った. 窒素ガスのみの処理の場合は,ビール強度が450g/
amであり、本実施例の場合は、ビール強度が600g
/cxである.ビール強度が600g/amの場合では
、XPSによる分析結果によれば、表面層における酸素
原子及び窒素原子の炭素原子に対する割合(07c,N
/C)はそれぞれ0/C=0.21及びN/C=0.1
9であった.低熱膨張性ポリイミド(PIQ−LIOO
)の分子構造中の○/C及び分析N/CはそれぞれO/
C=0.18及びN/C=0.09であるため,表面近
傍の窒素濃度が大幅に増加していることがわかる。
また、第25図にポリイミド表面のNlsのスペクトル
を示す。イミド基(B.E.=400eV)のほかに、
イミノ基(B.E.=399eV)とアミノ基(B.E
.−398eV)が検出され、それらの割合はB.E.
の高い順に39:41:20であった。
又、第26図にビール強度とアミノ成分十イミノ或分と
の関係を示す。これらより、接着性とアミノ或分十イミ
ノ成分とは相関関係のあることがわかる. 実施例11 ギ酸ガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱膨張性
ポリイミド膜の表面処理を実施した.その後、基板を別
真空容器内に移動し,電子線加熱によりチタンを基板温
度200℃,蒸着速度5人/Sで膜厚500人に蒸着し
た.その後鋼を基板温度200℃,蒸着速度100λ/
Sで膜厚5μmに蒸着した. 実施例1と同様にしてビール試験を行った結果を第27
図に示す。
第27図はギ酸のECRプラズマ処理におけるプラズマ
種のECR点間距離とビール強度との関係を示す図であ
る.同じビール試験を表面処理しない低熱膨張性ポリイ
ミド(PIQ−LIOO)膜上の同じ厚さのチタンー銅
薄膜に対して試みたところ、ビール強度は30g/as
以下であった.酸素のみの処理の場合はビール強度が3
20g/■であり,本実施例の場合はビール強度が50
0g/amである.ビール強度が500g/alの場合
では.xpsによる分析結果によれば表面層における酸
素原子及び窒素原子の炭素に対する割合(0/C,N/
C)はそれぞれO/C=0.35及びN/C=0.10
 であり、酸素濃度が大幅に増加していることがわかる
. また第28図にポリイミド表面の013のスぺクトルを
示す.C−O或分(B.E.=533eV)及びC=O
或分(B.E.=532eV)が検出され,それらの割
合はB.E.の高い順に47 : 53であり.C1s
のスペクトルとの比較により、ほとんどがカルボキシル
基であることがわかった。
第29図にビール強度とカルボキシ或分との関係を示す
。これらより、接着性とカルボキシル或分とは相関関係
のあることがわかる。
実施例12 第30図は、本発明の他の実施例を示した半導体パッケ
ージの断面構或図である。
符号101はセラミック基板、102はスルーホール、
103は有機膜としてのポリイミド膜、104は金属膜
をそれぞれ示す. 本発明により、符号105で示すポリイミド膜と銅との
接着面を処理することにより、ポリイミド膜と金属膜と
の接着力が向上し,信頼性が高い配線が可能となる. 第31図は、本発明の他の実施例を示したパッケージ基
板の一種である半導体素子内蔵のビングリツドアレイパ
ッケージの構或図である。
基板10上に、金属膜と有機膜としてのポリイミド膜と
を有する多層配線フイルム1lが形成され、半導体素子
13が接続端子12により多層配線フイルム11に電気
的に接続されている。さらに多層配線フイルム1工には
、半導体素子工3に外部からの信号を入出力するための
ビン15が形成されている.又、半導体素子13はキャ
ップ14により絶縁封止されている.尚、符号16は放
熱フィンである。
本発明により、従来のピングリッドアレイパッケージに
比較して、金属膜と有機膜との接着力が向上するため,
配線の信頼性が向上する。
また,本発明のピングリッドアレイパッケージでは、ビ
ン数を400ピン以上、特に600ピン以上にすること
ができる。さらに、金属膜とポリイミド膜との接着力が
向上したため、ピングリッドアレイパッケージに搭載す
る半導体素子の発熱量も増加することができ、ビングリ
ッドアレイパッケージとしての消費電力もIOW以上と
することができる. また、ゲート数も15万ゲート以上、特に45万ゲート
以上が達成でき、ピングリッドアレイパッケージの多層
配線フイルムの配線幅も40μm以下とすることができ
る. 本実施例では、半導体素子を搭載した、ビングリッドア
レイパッケージを示したが、半導体素子を搭載せず、キ
ャップでおおわれていない状態でも本発明の効果を有す
る。
さらには、樹脂で封止されている半導体装置では、配線
膜だけでなくリードフレームと封止材として用いられる
樹脂との接着面に対しても本発明を適用することができ
る。
第32図は、半導体素子を複数個搭載し、モジュール化
した半導体の実装装置の部分的構或図である. 基板20上に,金属膜と有機膜としてのポリイミド膜と
を有する多層配線フイルム21が形成され、半導体素子
23が複数個搭載されている。さらに、半導体素子23
は接続端子22により多層配線フイルム21に電気的に
接続されている。尚、符号26は放熱フィンである。
本発明による実装装置は,多層配線フイルムにおける金
属膜とポリイミド膜との接着力が向上したため、従来の
ものより微細配線が可能となり実装密度が向上し、伝送
速度が速い実装装置を提供することができる. 第33図は、IC搭載用のTABの構或図である。
テープ状(フイルム状)に形成された有機膜としてのポ
リイミド膜30に、デバイス孔34,スプロケット孔3
5及びアウテーソード孔33が形成されている.さらに
ポリイミド膜上に導体配線としての金属膜が、インナー
リード31及びアウターリード32として配線されてい
る。
本発明のTABは、ポリイミド膜と金属膜との接着性が
向上するため、配線の信頼性が向上し、高密度の配線が
可能となる。さらに発熱量の高い半導体素子を搭載する
ことができる。
本実施例では、半導体素子を搭載していないTABを示
したが、半導体素子を搭載した状態でもよい. さらに、TABのように,シール性を有する状態で使用
される場合には,特に、本発明が有効である. 第34図は、フレキシブル回路基板の構成図である。
図中、符号40は有機膜としてのポリイミド膜、41は
導体配線としての金属膜である。
本発明のフレキシブル回路基板も、ポリイミド膜と金属
膜との接着性が向上するため高密度の配線が可能となる
. 第35図は、高密度マルチチップモジュールの構成図で
ある. 多層基板53上に、複数個のLSIチップ52を搭載し
、個々のLSIチップ上には、くし歯形接触子51が形
成されている。さらに放熱用の給水コネクタ54を形成
し、高密度マルチップモジュールを構成する. 第35図に示した高密度マルチチップモジュールパッケ
ージを複数個搭載したコンピュータを第36図に示す。
低誘電率多層プリント基板63上に、高密度マルチチッ
プモジュールパッケージ64を複数個形成し,パッケー
ジ61を構成する。高密度マルチチップモジュールパッ
ケージ64の間を冷却水パイプ66で接続し、各モジュ
ールパッケージ64の熱を放出する.さらに、これらを
具備したパッケージ61を複数枚,多芯コネクタ65を
介してプラツタ62に形成する。
本発明によるコンピュータに用いる多層プリント基板は
、ポリイミド、特に低熱膨張性ポリイミドを絶縁膜に用
い、導体配管としての金属,特に銅を用いて金属膜とし
ている。
さらに、ポリイミド膜の表面を運動エネルギーが20e
V以下である化学的反応括性な気相分子及び気相イオン
の少なくとも一方でさらすことにより,ポリイミド膜と
金属膜との界面に官能基を形成し、ポリイミド膜と金属
膜との接着性を向上させている。
これにより、配線の微細化が可能となり高密度の実装が
可能となる。
高密度が可能になることにより信号の伝達速度が向上す
るという効果も有する。
さらに、半導体素子内の絶縁層にポリイミドを用いる場
合にも、接着性が向上し、より微細な配線が可能となる
又、本発明は、ICカード,ポケットTV,カメラ及び
液晶ドライバ等の高密度の配線を必要とする電気製品に
応用することができる。
実施例12 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を形
戒した後,それをコロナ放電,グロー放電及びRFプラ
ズマ(バレル型及び平行平板型)装置により表面処理し
た, この表面処理は,まず試料室に低熱膨張性ポリイミド基
板を設置し、 ■ コロナ放電の場合は大気中 ■ グロー放電の場合は窒素ガスを用いて1mtorr
の雰囲気 ■ RFプラズマの場合は窒素ガスを用いて50mtO
rrの雰囲気 をそれぞれプラズマ生成室に形成し、300Wの出力を
用いて表面処理を行った。
ここでコロナ放電及びグロー放電の場合には,電極に対
して、ポリイミド膜の表面を平行方向の場合と垂直方向
の場合とにおいて処理を行った。
さらに、表面近傍で、波長を200〜600nmとした
場合における発光強度を測定した。
各処理を、3分間行った後、実施例1と同じ方法により
銅を蒸着した。実施例1と同じ方法で各処理を施した試
料に対してビール試験を行ったところ第37図に示す結
果を得た。第37図は、各処理とビール強度との関係を
示す図である。第37図からECRプラズマによる処理
が最も接着性に優れていることが分かる。また、ECR
プラズマによる表面処理では,ポリイミド膜内でig集
破壊がないことが分かった。
第38図は、ポリイミド膜表面近傍における各処理と発
光強度との関係を示す図である6第37図と第38図と
から、ビール強度と発光強度との間にある程度の相関関
係があることがわかる。また発光強度が高いということ
は、電子的励起種の密度が高いことであり、イオン化率
が高いことを示すため、ECRプラズマは他のものに比
較して高いことがわかる。
コロナ放電及びグロー放電では,電極に対して平行にポ
リイミド膜を設置したもののビール強度は、電極に対し
て垂直にポリイミド膜を設置したもののビール強度より
大きいことがわかる。しかし,平行に設置したポリイミ
ド膜には、凝集破壊がみられ,ポリイミド膜の劣化が観
測された。
これらの結果か.ECRプラズマによる表面処理が金属
膜とポリイミド膜との接着性に関して、最も効果が大き
いことがわかった。
〔発明の効果〕
本発明によれば,強い接着力を有する有機膜と金属膜と
の複合体が達或できる。
さらに、本発明によれば、有機膜の実質的に表面のみを
化学修飾することができるので、膜質の劣化が少ない有
機膜と金属膜との複合体が達或できる。
また、強い接着力を有する、有機膜と金属膜との界面が
得られるので、この界面を有する、つまり本発明の複合
体を用いる電気製品の耐久性及び信頼性等を大幅に高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第l図は、本発明の一実施例である有機高分子合戊樹脂
と金属との複合体の部分的拡大図、第2図は、マイクロ
波加熱処理におけるマイクロ波出力どビール強度との関
係を示す図、第3図,第4図,第8図及び第25図は、
本発明により改質された低熱膨張性ポリイミド膜表面を
XPS分析したときのNlsスペクトルを示す図、第5
図は低熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析したとき
のNlsスペクトルを示す図、第6図,第11図,第1
3図,第16図,第18図及び第20図は、それぞれ窒
素,酸素,フッ素,硫黄,臭素及びヨウ素のECRプラ
ズマ処理における各種プラズマ種の運動エネルギーと各
種官能基の炭素原子に対する割合とを示した図、第7図
,第12図,第14図,第17図,第l9図及び第21
図は、それぞれ窒素,酸素,フッ素,硫黄,臭素及びヨ
ウ素のECRプラズマ処理における各種プラズマ種の運
動エネルギーと各種プラズマ種におけるビール強度との
関係を示す図、第9図及び第28図は,本発明により改
質された低熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析した
ときのOlsスペクトルを示す図、第10図は、低熱膨
張性ポリイミド膜表面をxPS分析したときのOlsス
ペクトルを示す図、第15図は、本発明により改質され
た低熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析したときの
S2pスペクトルを示す図,第22図は,本発明の他の
実施例である有機高分子合成樹脂と金属との複合体の部
分的拡大図、第23図は、高周波出力に対する金属膜の
ビール強度依存性を示す図、第24図及び第27図は、
それぞれアンモニア及びギ酸のECRプラズマ処理にお
ける各種プラズマ種のECR点距離とビール強度との関
係を示す図、第26図及び第29図は、それぞれアンモ
ニア及びギ酸のECRプラズマ処理におけるそれぞれア
ミノ基+イミノ基及びカルボキシル基とビール強度との
関係を示す図、第30図は,半導体パッケージの断面構
造図、第31図は、ビングリッドアレイパッケージの構
或図、第32図はモジュール化した半導体の実装装置の
部分的構戒図、第33図はIC搭載用のTABの構威図
、第34図は、フレキシブル回路基板の構成図,第35
図は、高密度マルチチップモジュールの構戒図,第36
図は,コンピュータの構成図、第37図は、各処理とビ
ール強度との関係図、第38図は、各処理における基板
表面での発光強度(200〜600nmの積分値)を示
す図、第39図は.ECRプラズマ装置の概略図を示す
。 l・・・有機膜、2・・・改質されている有機膜の一部
分、第1図 −3: 第 2 図 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 マイクロ波出力(w) 第 5 図 406.1 結合エネルギーNjSスペクトル(eV)393.3 50 窒素プラズマ種の運動エネルギー(eV)第 3 図 第 4 図 406.1 結合エネルギーNISスペクトル(@V)393.3 第 7 第 第 8 図 第 9 図 第10図 538.1 結合エネルギー01Sスペクトル(eV)1525.3 第13 図 フッ素プラズマ種の運動エネルギー(eV)第11 図 50 酸素プラズマ種の運動エネルギー(eV)0     
               50酸素プラズマ種の
運動エネルギー(eV)第14図 フッ素プラズマ種の運動エネルギー(eV)第16図 169.1 結合エネルギー52Pスペクトル(eV)1 56.3 第16図 0                 50硫黄プラズ
マ種の運動エネルギー(eV)0          
       50硫黄プラズマ橿の運動エネルギー(
eV)第20図 ヨウ素プラズマ種の運動エネルギー(eV)0    
               50ヨウ素プラズマ種
の運動エネルギー(eV)第18図 0 50 臭素プラズマ種の運動エネルギー(eV)0 50 臭素プラズマ種の運動エネルギー(eV)第22図 第23図 100 200 300 400 500 高周波出力(w) 第24図 ECR点間距離/(cm) 第25図 第28図 第29図 0.05    0.10 力ルボキシ蟇/C 0.15 第26図 アミノ蟇+イミノ蟇/C 第27図 ECRA距II/(am) 第30図 第31 図 第32図 第33図 第34図 第36図 第35図 第38図 第39図

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.電子サイクロトロン共鳴プラズマ装置で発生させた
    化学的反応活性な気相分子又は気相イオンの少なくとも
    一方でさらすことにより形成された官能基を、実質的な
    表面に有する有機高分子合成樹脂膜と、 前記官能基を有する有機高分子合成樹脂膜上に形成され
    た金属膜と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体。
  2. 2.有機高分子合成樹脂膜の実質的な表面を、電子サイ
    クロトロン共鳴プラズマ装置で発生させた化学的反応活
    性な気相分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらし
    、前記表面に官能基を形成する工程と、 該官能基を有する前記表面上に、金属膜を形成する工程
    と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  3. 3.有機高分子合成樹脂膜の表面を、運動エネルギーが
    1〜20eVで高いイオン化率を有する化学的反応活性
    な気相分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらす工
    程と、 前記気相分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらさ
    れた前記有機高分子合成樹脂膜上に、金属膜を形成する
    工程と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  4. 4.有機高分子合成樹脂膜の表面を、電子的励起種の密
    度が高い化学的反応活性な気相分子又は気相イオンの少
    なくとも一方でさらす工程と、前記気相分子又は気相イ
    オンの少なくとも一方でさらされた前記有機高分子合成
    樹脂膜上に、金属膜を形成する工程と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  5. 5.有機高分子合成樹脂膜の表面を、電子サイクロトロ
    ン共鳴プラズマを用いて改質する工程と、該改質された
    有機高分子合成樹脂膜上に、金属膜を形成する工程と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  6. 6.有機高分子合成樹脂膜の表面を、電子サイクロトロ
    ン共鳴プラズマを用いて、前記有機高分子合成樹脂膜上
    に厚さが100Å以下の改質層を形成する工程と、 該改質層上に金属膜を形成する工程と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  7. 7.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機高
    分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、アミ
    ノ基,イミノ基,アミド基,イミド基及びシアノ基の和
    が、0.05〜0.25である金属/有機高分子合成樹
    脂複合体。
  8. 8.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機高
    分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、カル
    ボニル基及びカルボキシルキ基の和が、0.09〜0.
    39である金属/有機高分子合成樹脂複合体。
  9. 9.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機高
    分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、水酸
    基が0.17〜0.48である金属/有機高分子合成樹
    脂複合体。
  10. 10.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機
    高分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、オキ
    シム基が0.07〜0.24である金属/有機高分子合
    成樹脂複合体。
  11. 11.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機
    高分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、S−
    H基が0.10−0.17であつて、C=S基が0.0
    3〜0.07である金属/有機高分子合成樹脂複合体。
  12. 12.表面に官能基を有し、実質上凝集破壌がない有機
    高分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、含ヨ
    ウ素基が0.15〜0.32である金属/有機高分子合
    成樹脂複合体。
  13. 13.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機
    高分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が.炭素原子を1とすると、含臭
    素基が0.28〜0.37である金属/有機高分子合成
    樹脂複合体。
  14. 14.表面に官能基を有し、実質上凝集破壊がない有機
    高分子合成樹脂膜と、 該有機高分子合成樹脂膜上に形成された金属膜と、 を有し、 前記官能基の相対濃度が、炭素原子を1とすると、含フ
    ッ素基が0.30〜0.42である金属/有機高分子合
    成樹脂複合体。
  15. 15.化学的反応括性な気相分子又は気相イオンの少な
    くとも一方でさらすことにより形成された官能基を、実
    質的な表面に有する有機高分子合成樹脂膜と、 前記官能基を有する有機高分子合成樹脂膜上に形成され
    た金属膜と、 を有し、 前記官能基中の配位原子が、電気陰性度2.5〜4.0
    であつて孤立電子対を有する元素を含むことを特徴とす
    る金属/有機高分子合成樹脂複合体。
  16. 16.化学的反応活性な気相分子及び気相イオンの少な
    くとも一方でさらすことにより形成された官能基を、粗
    面化した表面に有する有機高分子合成樹脂膜と、 前記官能基を有する有機高分子合成樹脂膜上に形成され
    た金属膜と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体。
  17. 17.有機高分子合成樹脂膜の表面を、粗面化する工程
    と、 該粗面化した有機高分子合成樹脂膜の表面を、化学的反
    応活性な気相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさ
    らす工程と、 該気相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらされ
    た前記有機高分子合成樹脂膜上に、金属膜を形成する工
    程と、 を有する金属/有機高分子合成樹脂複合体の製造方法。
  18. 18.有機高分子合成樹脂膜の表面を、電子サイクロト
    ロン共鳴プラズマでさらす工程と、 該プラズマでさらされた前記有機高分子合成樹脂膜上に
    、さらに有機高分子合成樹脂膜を形成する工程と、 を有する有機高分子合成樹脂/有機高分子合成樹脂複合
    体の製造方法。
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