JP2664265B2 - 金属/有機高分子合成樹脂複合体及びその製造方法 - Google Patents

金属/有機高分子合成樹脂複合体及びその製造方法

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JP2664265B2 JP2053689A JP5368990A JP2664265B2 JP 2664265 B2 JP2664265 B2 JP 2664265B2 JP 2053689 A JP2053689 A JP 2053689A JP 5368990 A JP5368990 A JP 5368990A JP 2664265 B2 JP2664265 B2 JP 2664265B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体及
びその製造方法に係り、特に、低熱膨張性ポリイミド膜
と金属膜との接着性を向上させた低熱膨張性ポリイミド
と金属との複合体及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、電子装置の小型化,高速化が進み、その実装系
も高密度化が進んでいる。例えば、LSI搭載用の配線基
板は、従来のセラミツク基板上に印刷技術を用いてタン
グステン等の金属を配線していたものから、セラミツク
基板上に、絶縁膜としてポリイミドを、導体配線として
銅に代表される金属膜を、使用した薄膜多層配線をフオ
トリソグラフイー技術により形成するものに変化してき
ている。
このようにポリイミドと金属膜との複合体が注目され
ている。
また、絶縁膜に用いるポリイミドと導体配線に用いる
銅との接着も、配線パターンの微細化又は高耐熱化に対
応するべく、接着材を用いずポリイミドに銅を直接蒸着
する製造方法が検討されている。
例えば、特開昭61−295365号公報には、ポリイミド表
面を約50〜2000eVのエネルギーをもつ反応性イオンある
いは電子、または約0.2〜500eVのエネルギーをもつ光子
よりなる低エネルギー粒子を照射することによつて表面
から約10〜300Åの深さ部分の化学構造を変化させ、そ
の後金属を蒸着することによつて接着性を改善すること
が記載されている。
また、特開昭53−71182号公報には、ポリプロピレン
フイルムの表面を大気中でコロナ放電処理した後、アル
ミニウムを蒸着する手段が記載されている。特開昭51−
49704号公報には、プラスチック基体表面をグロー放電
処理した後、無電解磁性メツキを施すことが記載されて
いる。特公昭61−34513号公報には、有機樹脂膜に対し
てRFプラズマ処理を行い、その後金属を蒸着法又めつき
法によつて成膜し、有機樹脂膜と金属膜との接着性を改
善することが記載されている。
さらに、特開昭61−95596号公報には、ポリイミドと
銅との接着性を改善するために、ポリイミドと銅との間
にポリイミドとの接着性が良い金属、例えばチタン等を
はさむことが記載されている。
また、ポリイミドも従来から使用されている一般のポ
リイミドに代わり、熱膨張係数が銅やシリンダに近い低
熱膨張性ポリイミドが使用される方向にある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記した特開昭53−71182号公報記載のコロナ放電及
び特開昭51−49704号公報記載のグロー放電の技術を用
い、電極表面上にポリプロピレン等のプラスチック膜を
置き表面処理を行うと、金属膜と前記プラスチック膜と
の接着性に関し、ある程度の効果が認められる。
しかし、これらの処理は高い運動エネルギーを有する
電子の作用が大きいため、低熱膨張性ポリイミド膜の内
部で劣化が激しく、特に絶縁耐圧の劣化が著しい。ま
た、この電子の作用をさけるため、低熱膨張性ポリイミ
ド膜を電極付近に円筒状に置いた場合では、金属膜と低
熱膨張性ポリイミド膜との接着性はほとんど認められな
かつた。
さらに、上記した特開昭61−95596号公報記載の技術
は、一般のポリイミドと銅との接着性改善にはある程度
の効果がある。しかし低熱膨張性ポリイミドと銅との接
着性に関してはほとんど効果がない。
上記技術を用いて、一般のポリイミドに例えばPIQ
(日立化成の商標名)を使用した場合と、低熱膨張性ポ
リイミドに例えばPIQ−L100(日立化成の商標名)を使
用した場合と、のピール強化を比較した。
一般のポリイミドに適用した場合にはピール強度が10
0g/cmから700g/cmに増加するのに対して、低熱膨張性ポ
リイミドに適用した場合にはそれが10g/cmから35g/cmに
なるにすぎないことがわかつた。
この原因は、チタン挿入の場合、低熱膨張性ポリイミ
ドはカルボニル基などチタンと結合する官能基が少ない
ためである。したがつて低熱膨張性ポリイミドを用いた
場合には接着性が向上せず、ほとんど効果が現われな
い。
また、特開昭61−295365号公報記載の技術で、一般の
ポリイミドに適用した場合と低熱膨張性ポリイミドに適
用した場合とのピール強度を比較した。
この場合のピーク強度はそれぞれ100g/cmから300g/c
m,10g/cmから25g/cmに増加するにすぎず、ほとんど効果
がない。
この原因の一つとしては、次のことが考えられる。接
着性向上に直接関与するのは表面近傍層のみであるにも
かかわらず、約50〜2000eVのエネルギーをもつ粒子の照
射では、それより深い領域における化学構造の変化を引
き起こす。このためポリイミド自体の機械的強度の劣化
を招き、ひいてはこの部分からの凝集破壊を引き起こ
す。
特公昭61−34513号公報記載のRFプラズマ処理の場合
も、高い運動エネルギーを有する粒子が有機膜に照射さ
れるため、有機膜の内部で劣化が激しく、有機膜自体の
機械的強度の劣化を招く。
その他、低エネルギープラズマ処理に関するものに、
米国特許4393092号公報,特開昭57−138号公報,特開昭
60−21593号公報、及び特開昭61−139918号公報があ
り、また、低温プラズマ処理に関するものに、米国特許
4188426号公報,特開昭59−218789号公報,特開昭61−1
82942号公報、及び特開昭57−186385号公報があるが、
いずれも電子サイクロトロン共鳴プラズマは使用してい
ない。
さらに、RFプラズマ処理に関するものに、特開昭62−
116763号公報があり、イオン化プレーテイングに関する
ものに、特開昭61−183460号公報及び特開昭50−77863
号公報があり、また、コロナ放電処理に関するものに、
特開昭53−101069号公報があるが、いずれも、有機膜内
部で劣化が激しく、有機膜自体の機械的強度の劣化を招
く。
一方、電子サイクロトロン共鳴プラズマで改質するも
のに、特開昭62−177189号公報があるが、接着性の問題
に関する記載がなく、本発明と用途が異なる。
本発明の目的は、コロナ放電やグロー放電による表面
処理やRFプラズマによる表面処理よりも強い接着力を有
する低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体を提供する
ことにある。
本発明の他の目的は、強い接着力を有する低熱膨張性
ポリイミドと金属との複合体の製造方法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体は、
低熱膨張性ポリイミド膜表面を電子サイクロトロン共鳴
プラズマ装置で発生させた前記低熱膨張性ポリイミド膜
表面垂直方向の運動エネルギー成分が5〜20eVである化
学的反応活性な気相分子又は気相イオンの少なくとも一
方でさらすことにより形成された官能基を、実質的な表
面に有する低熱膨張性ポリイミド膜と、官能基を有する
低熱膨張性ポリイミド膜上に形成された金属膜とを有す
ることを特徴とする。
低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜とは配位結合してい
ることが好ましい。
本発明の複合体は、200g/cm以上好ましくは300g/cm以
上のピーク強度を有する。
また、本発明の複合体は、実質上凝集破壊がない。実
質上とは厚さが100Å程度以下ということであり、凝集
破壊とは、低熱膨張性ポリイミド膜内での機械的強度の
低下を意味する。
官能基は、常温で金属と安定な錯体を形成するものが
好ましい。
さらに、官能基は、アミノ基,イミド基,イミノ基,
シアノ基,アミド基,カルボキシル基,カルボニル基か
らなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基であるこ
とが望ましい。
また、XPS分析による官能基の相対濃度は、炭素原子
を1とすると、 含窒素官能基の場合は、アミノ基,イミノ基,アミ
ド基,イミド基及びシアノ基の和が、0.17〜0.23である
ことが望ましい。
含酸素官能基の場合は、カルボニル基及びカルボキ
シル基の和が、0.28〜0.33であることが望ましい。
また、官能基は、窒素,酸素の少なくとも一つの元素
を有することが望ましい。
化学的反応活性な気相分子又は気相イオンは、NH3,NO
2,CH3CN,NH2OH,HCN,N2,O2,CO2,CO,窒素、酸素を少なく
とも一つを含む分子から生成する化学的反応活性種であ
ることが望ましく、これらの混合気体から生成されるこ
とが望ましい。
化学的反応活性とはラジカル(不対電子を有するも
の)又はイオンということであり、電子的に励起状態に
あるものをいう。
これらの化学的反応活性種の生成は、熱励起,光励起
又はプラズマ発生を起こすことによつて生成することが
望ましく、低エネルギー、具体的には運動エネルギーが
20eV以下の化学的反応活性種を得るにはマイクロ波,半
導体レーザ,エキシマレーザ,RFプラズマ,コロナ放
電,グロー放電又はECRマイクロ波プラズマ等の装置に
よつても生成することができる。しかし、多数の条件を
考慮すると、電子サイクロトロン共鳴プラズマ装置を用
いることが最も好ましく、接着性向上に優れる。
この電子サイクロトロン共鳴プラズマ(以下「ECRプ
ラズマ」と略する)を生成するECRプラズマ装置は、3
個以上のコイルを円筒形の容器側面に有し、このコイル
によつて磁界を制御する。また、この円筒形の容器の上
下方向からマイクロ波を導入し、基板面近傍にECR点を
形成する。一般にこのECR点はコイルに流す電流値を変
化させることによつて、基板面からの距離として変化さ
せることができる。ECR点では、低い運動エネルギーで
イオン化率が高く、電子的励起種密度の高いプラズマを
生成することができるため、接着性向上に優れたプラズ
マ処理ができる。
このECRプラズマは、他のプラズマと比較して、非常
に高いイオン化率を示すため、発光強度も非常に高い。
また、このECRプラズマは、50eV以下、好ましくは20eV
以下の低い運動エネルギーを有するプラズマを生成す
る。イオン化率が高いとは、具体的には、基板面近傍に
おいて、任意の一定条件のもとで、電気的励起種の密度
が1%以上であることを示す。励起状態とは、量子力学
系の定常状態のうち、基底状態よりも高いエネルギー準
位のものをいう。
金属膜に用いる金属は、Cu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Zn,Si,W,
Mo,Cd,Alからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素
であることが望ましい。特に、Cu,Alであることが好ま
しく、これらを主成分とした合金であつてもよい。
金属膜の形成には、蒸着装置,イオンプレーテイング
装置,スパツタリング装置又はCVD装置を用いることが
好ましい。
本発明における低熱膨張性ポリイミド膜としては、熱
膨張係数が銅やシリコンに近い値を有するポリイミド
膜,ポリアミドイミド膜などがある。
この、ポリイミド膜に関しては、特開昭60−32827号
公報,特開昭60−243120号,特開昭60−157286号公報,
特開昭60−250031号公報、及び特開昭60−208358号公報
に記載されているが、これらに限定されるものではな
い。
また、本発明に用いる低熱膨張性ポリイミド膜は、熱
膨張係数が0.1×10-5〜5.0×10-5(/℃)であるものが
好ましい。さらに、この低熱膨張性ポリイミド膜は温度
が200℃程度で、重量減少が5%以下の耐熱性を有する
ものが好ましい。さらに好ましくは500℃程度で5%以
下のものである。
さらに、気相分子又は気相イオンの少なくとも一方で
低熱膨張性ポリイミド膜の表面をさらすということは、
分子やイオンを低熱膨張性ポリイミド膜に対して打ち込
むことではなく、金属膜を形成する低熱膨張性ポリイミ
ド膜をこのような気相状態中に放置することである。ま
た装置上では、バイアス電圧等をかけずに分子やイオン
を加速しないことである。したがつて、低熱膨張性ポリ
イミド膜上の表面は、100Å以下の厚さで改質され好ま
しくは10Å未満の厚さで改質される。この100Å以下と
いう厚さは、本来低熱膨張性ポリイミド膜は、表面に1
μm程度の凹凸を有して形成されるが、その凹凸を有し
ている表面に対する厚さであり、低い運動エネルギーの
プラズマで処理するため、表面のみ改質されることを意
味する。
また、さらに低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜との接
着性を向上させるためには、低熱膨張性ポリイミド膜と
金属膜との間に、低熱膨張性ポリイミドとイオン性結合
を有する接着性金属層を挿入することが望ましく、具体
的には接着性金属層には、Ti,Zr,V,Nb,Hf,Ta,Al,Cr,Mo,
Wからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である
ことが好ましい。
また低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜との接着性を向
上させるため、低熱膨張性ポリイミド膜をプラズマ処理
した後、一般的な有機材料からなる接着剤を塗布した後
に、金属膜を形成してもよい。
気相状態中にさらされた低熱膨張性ポリイミド膜は、
さらされない低熱膨張性ポリイミド膜に比較して、幾分
凹凸が生じ、この形状も低熱膨張性ポリイミド膜の金属
膜との接着性向上に関係している より好ましくは低熱膨張性ポリイミド膜上をあらかじ
め粗面化し、接着面積を増加させて気相分子や気相イオ
ンでさらすことにより、さらに接着性が向上する。具体
的には、Ar等のプラズマで低熱膨張性ポリイミド膜の表
面を処理することが好ましい。
さらに、低熱膨張性ポリイミド膜を気相分子や気相イ
オンにさらした後、該低熱膨張性ポリイミド膜上に金属
を打ち込み低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜との混合領
域を形成することにより、さらに接着性が向上する。
本発明の低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体の製
造方法は、低熱膨張性ポリイミド膜の表面を運動エネル
ギーが5〜20eV、さらに望ましくは5〜13eVである化学
的反応活性な気相分子又は気相イオンの少なくとも一方
でさらす工程と、気相分子及び気相イオンの少なくとも
一方でさらされた低熱膨張性ポリイミド膜上に金属膜を
形成する工程とを有することを特徴とする。
この低熱膨張性ポリイミド膜の表面に作用する運動エ
ネルギーは、少なくともこの低熱膨張性ポリイミド膜に
対して垂直な方向に対するものであり、この低熱膨張性
ポリイミド膜に対して平行な方向には、これ以上の高い
運動エネルギーを有していてもよい。
また、この気相分子又は気相イオンは、金属膜と相互
作用する官能基の元素組成とほぼ同一の元素組成を有す
る混合気体から発生させることが好ましい。5〜20eVの
運動エネルギーとは気相分子又は気相イオンの70%以
上、好ましくは80%以上のものがこの運動エネルギーを
有していることを示す。
運動エネルギーの下限値を5eVとしたのは、5eV以下で
は、低熱膨張性ポリイミド膜表面のクリーニング効果が
小さく、ピール強度の改質の効果が小さいためである。
化学的反応活性な気相分子や気相イオンでさらす工程
は、励起又はイオン化された原子,分子又はラジカル
(不対電子を有するもの)を導入する工程のことであ
り、金属膜は金属元素を気化して低熱膨張性ポリイミド
膜上に薄膜として形成する。
さらに本発明は、電子部品の配線膜に利用することが
できる。特に各配線間の絶縁に低熱膨張性ポリイミド膜
を用いた配線膜に利用することができ、フレキシブル回
路基板,テープ・オートメーテイツド・ボンデイング
(以下「TAB」と称する)や各種の半導体パツケージ基
板等に適用することができる。
本発明の低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体は、
強い接着力を有するため、これを利用した配線膜は高い
信頼性を有する。これらの電子部品に本発明を適用する
ことによつて信頼性の向上した電子装置を提供すること
ができる。
本発明を適用した配線膜は、低熱膨張性ポリイミド膜
の実質的な表面を、運動エネルギーが5〜20eVである化
学的反応活性な気相分子及び気相イオンの少なくとも一
方でさらすことにより形成された官能基を表面に有する
低熱膨張性ポリイミド膜と、官能基を有する低熱膨張性
ポリイミド膜上に、選択的に形成された金属膜と、を有
する。この配線膜は、ピール強度が200g/cm以上好まし
くは300g/cm以上であることを特徴とする。
低熱膨張性ポリイミド膜を用いたフレキシブル回路基
板は、柔軟性を有するポリイミド膜の実質的な表面を、
運動エネルギーが5〜20eVである化学的反応活性な気相
分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらすことによ
り形成された官能基と、官能基を含むポリイミド膜上
に、選択的に形成された導体配線と、を有することを特
徴とする。
さらには、低熱膨張性ポリイミド膜を用いたTABは、
テープ状のポリイミド膜の実質的な表面を、運動エネル
ギーが5〜20eVである化学的反応活性な気相分子及び気
相イオンの少なくとも一方でさらすことにより形成され
た官能基と、官能基を含む低熱膨張性ポリイミド膜上
に、選択的に形成された導体配線と、を有することを特
徴とする。
また、パツケージ基板は、電気的に絶縁性を有する基
板と、基板上に形成された、金属膜及び低熱膨張性ポリ
イミド膜を用いた多層配線フイルムと、外部に信号を伝
達するピンと、を具備し、低熱膨張性ポリイミド膜と金
属膜との界面に、運動エネルギーが5〜20eVである化学
的反応活性な気相分子及び気相イオンの少なくとも一方
で、低熱膨張性ポリイミド膜表面をさらすことにより形
成された官能基を有することを特徴とする。
さらに、多層プリント板は、絶縁材料としての低熱膨
張性ポリイミド膜と、該低熱膨張性ポリイミド膜上に選
択的に形成された金属膜とを積層した多層プリント板で
あつて、低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜との界面に、
運動エネルギーが5〜20eVである化学的反応活性な気相
分子及び気相イオンの少なくとも一方で低熱膨張性ポリ
イミド膜の表面をさらすことにより形成された官能基を
有する。
また、本発明の複合体は、モジユール化された半導体
の実装装置及びコンピユータにも適用することができ
る。
半導体の実装装置は、電気的に絶縁性を有する基板
と、基板上に形成された、金属膜及び低熱膨張性ポリイ
ミド膜を用いた多層配線フイルムと、該フイルム上に形
成された少なくとも2つ以上の半導体素子と、該半導体
素子と前記フイルム内の導体配線を介して、外部に信号
を伝達する手段と、を具備し、低熱膨張性ポリイミド膜
と金属膜との界面に、運動エネルギーが1〜20eVである
化学的反応活性な気相分子及び気相イオンの少なくとも
一方で、低熱膨張性ポリイミド膜表面をさらすことによ
り形成された官能基を有することを特徴とする。
また、本発明を適用したコンピユータは、プラツタ
と、該プラツタにコネクタを介して装置された多層プリ
ント基板と、該基板に装着された論理用半導体パツケー
ジ及び主記憶用半導体パツケージを有するコンピユータ
であつて、該半導体パツケージの少なくとも一方には半
導体素子を搭載し、前記多層プリント基板が、絶縁層と
しての低熱膨張性ポリイミド膜と該低熱膨張性ポリイミ
ド膜上に選択的に形成された導体配線層としての金属膜
とを有し、前記低熱膨張性ポリイミド膜の実質的な表面
を運動エネルギーが5〜20eVである化学的反応活性な気
相分子及び気相イオンの少なくとも一方でさらすことに
より、前記低熱膨張性ポリイミド膜と前記金属膜とを界
面に形成された官能基を有する。
〔作用〕
第1図を用いて、本発明の作用を説明する。
有機膜1の表面をプラズマにより発生した20eV以下の
低エネルギーを持つ化学種により処理する。具体的には
低熱膨張性ポリイミド膜表面をプラズマによりさらすこ
とで処理する。
例えば、これらの化学種が N2,NH3,NO2,CH3CN,NH2OH,HCNの場合には、低熱膨張
性ポリイミド膜の表面には、アミノ基,イミド基,イミ
ノ基,アミド基,シアノ基又はオキシム基の少なくとも
一種が含有され、窒素が高密度に含まれ、これらの少な
くとも一種が含有される官能基が高密度に含まれる。
O2,CO2,COの場合には、低熱膨張性ポリイミド膜の
表面には、カルボキシル基,カルボニル基及び水酸基の
少なくとも一種が含有され、酸素が高密度に含まれ、こ
れらの少なくとも一種が含有される官能基が高密度に含
まれる。
このように、高密度にこれら窒素等の原子が含まれた
部分が改質層2である。
この上に、金属膜3を形成する。この金属膜3を形成
する金属元素は、改質層2上に飛来するときには一部イ
オン化された状態で付着する。この時、改質層2中の窒
素等の原子の孤立電子対は、金属イオンと相互作用す
る。この結果、金属とこれら原子との間に配位結合が生
じる。
このため、金属膜と改質層との間に強い化学結合が生
じ、これらにより作られた複合体は、強い接着力を有
し、耐湿性及び耐久性が向上した複合体が達成される。
〔実施例〕
実施例1 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
1図は低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体の部分的
拡大図である。符号1は低熱膨張性ポリイミド膜であ
り、符号3は導体配線としての金属膜であり、本実施例
では銅を用いた。符号2は、窒素が含有されているアミ
ノ基,イミド基,イミノ基,アミド基又はシアノ基の少
なくとも一種が含まれ、接着性改善のため改質されてい
る低熱膨張性ポリイミド膜の一部分である。
このポリイミド膜は、セラミツク,ガラス等の基板の
上に形成してもよく、ポリイミド膜のみでもよい。
次に、第1図に示した低熱膨張性ポリイミドと金属と
の複合体の製造方法について説明する。
まず、シリコン基板に、低熱膨張性ポリイミドとの接
着性を向上させるためにアルミキレート処理を施し、そ
の上に低熱膨張性ポリイミドを膜厚0.7μmになるよう
にスピンコートし、後に形成する金属膜の酸化を防止す
るため窒素ガス雰囲気中で硬化させた。低熱膨張性ポリ
イミドは、PIQ−L100(日立化成の商標名)を使用し
た。
これを、マイクロ波加熱装置により表面処理した。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド
基板を設置し、NH3ガスを試料表面に200cc/minの流量で
流し、4mtorrの雰囲気を形成した。次にマイクロ波導波
管により導入した200〜1500Wのマイクロ波を試料に垂直
に10分間照射することによつて、NH3の回転励起種を発
生させた。このときのマイクロ波周波数は2.45GHzであ
る。この際、温度上昇によりポリイミドの分解を防止す
るため、基板を裏側から水冷した。このようにして、10
分間処理した。
この後基板を別真空容器中に移動し、電子線加熱によ
り銅を基板温度200℃,蒸着速度100Å/sで膜厚5μmに
蒸着した。この試料を幅1cmの短冊状にして、90゜ピー
ル試験を引きはがし速度0.5mm/minで行つた。
この結果を第2図に示す。
第2図はマイクロ波出力(W)とピーク速度(g/cm)
との関係を示す。図中、○印は凝集破壊による剥離が起
きていることを示す。
同じピーク試験を表面処理しない低熱膨張性ポリイミ
ド(PIQ−L100)膜上の銅薄膜に対して試みたところ、
ピール強度は5g/cm以下であつた。
したがつて、マイクロ波出力が1200Wの時では、表面
処理をした場合(400g/cm)としない場合(5g/cm)とで
は80倍近くピール強度の差があり、表面処理を施すこと
により、接着力が著しく向上した。
但し、基板温度350℃で蒸着した場合のピール強度は2
70g/mmであつたため、蒸着時基板温度は200℃〜250℃の
範囲では低い方が好ましい。
さらに、このアンモニア(NH3)のマイクロ波加熱処
理(マイクロ波出力:1200W)を施した低熱膨張性ポリイ
ミド膜の表面をXPS分析した。装置は、μ−ESCA(米国S
SI社製SSX−100−206)を用い、X線は、Al−Kα線(1
486.6eV)を用いた。その結果、表面層における酸素原
子及び窒素原子の窒素原子に対する割合(O/C,N/C)は
それそれO/C=0.18及びN/C=0.25)であつた。低熱膨張
性ポリイミド(PIQ/L100)の分子構造中のO/C及びN/Cは
それぞれO/C=0.18及びN/C=0.09であるため、表面近傍
の窒素濃度が2.8倍と大幅に増加していることがわか
る。
第3図にマイクロ波出力が1200Wの時のポリイミド表
面の結合エネルギ(B.E.)N1sのスペクトルを示す。イ
ミド基(B.E.=400eV)のほかにイミノ基,シアン基,
アミド基(B.E.=399eV)とアミノ基(B.E.=398eV)、
が検出され、それらの割合はB.E.の高い順に7:40:53で
あつた。この結果から、このマイクロ波加熱処理により
改質した低熱膨張性ポリイミド表面にはイミド基以外
に、イミノ基,アミド基,シアン基及びアミノ基の少な
くとも一種の官能基が含有されていることがわかる。こ
の結果から、窒素を有する官能基が接着性向上に影響し
ていると考えることができる。
こうした構成にすることにより、従来のような接着層
を挿入しないため、製造工程も削減できる。
参考例 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を
形成した後、それを気体レーザー装置により表面処理し
た。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド
基を設置し、NH3ガスを試料表面に100cc/minの流量で流
し、1mtorrの雰囲気を形成した。次に10WのArFエキシマ
レーザーを試料表面の極近傍に平行に導入して、NH3
電子励起種を発生させた。
このようにして10分間処理した後、実施例1と同じ方
法により銅を蒸着し、同様の条件でピール試験を行つた
ところ、ピール強度は440g/cmであつた。
実施例2 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を
形成した後、それをECRマイクロ波プラズマCVD装置によ
り表面処理した。
このECRプラズマ装置の概略図を、第39図に示す。本
装置は、磁界制御コイル14を円筒形の容器チヤンバ12の
側面に有する。このコイル14に流れる電流を制御するこ
とによりチヤンバ12内に発生するECR点13の位置を制御
する。一方、チヤンバ12内に、マイクロ波導波管15から
マイクロ波を導入し、プラズマを発生させる。低熱膨張
性ポリイミド膜を基板11上に設置し、表面処理を行う。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド
基板を設置し、窒素ガスをプラズマ生成室に導入し、0.
8mtorrの雰囲気を形成する。そこにマイクロ波導波管に
より導入した50W〜1000Wのマイクロ波を照射することに
よつてプラズマを発生させた。マイクロ波の出力は50W
〜1000Wの範囲ならどれでも良い。この時、電子サイク
ロトロン共鳴領域と基板との距離を変化させ、プラズマ
の基板への影響を変化させることができるが、本実験で
は、0〜30cmの範囲とした。
このようにして、3分間処理した後、実施例1と同じ
方法により銅を蒸着した。XPSによる分析処理によれ
ば、表面層(300Wマイクロ波処理)における酸素原子及
び窒素原子の炭素原子に対する割合(O/C,N/C)はそれ
ぞれO/C=0.21及びN/C=0.24であつた。低熱膨張性ポリ
イミド(PIQ−L100)の表面近傍の窒素濃度は、300Wマ
イクロ波処理の時、2.7倍と大幅に増加していることが
わかる。
第4図に、この表面のN1sのスペクトルを示す。
更に第5図に表面処理をしない場合の表面のN1sのス
ペクトルを示す。第5図に示すように、無処理の場合に
は、イミド基だけであつたのに対して、ECRマイクロ波
プラズマ処理では、イミド基(B.E.=400eV)のほか
に、イミノ基,シアノ基,アミド基(B.E.=399+eV)、
アミノ基(B.E.=398eV)及びN成分(B.E.=402eV)が
検出され、それらの割合はB.E.の高い順に8:44:43:6で
あつた。これより、この窒素プラズマ処理により改質し
た低熱膨張性ポリイミドの表面にはイミド基以外に、ア
ミノ型,イミノ型,アミド型成分及びシアノ型の少なく
とも一種の官能基が含有されていることがわかる。
このプラズマ処理の際、基板に高周波発信機により1
3.56MHzの高周波にかけることによつて基板に負のバイ
アスをかけることができる。その結果、プラズマ中の正
イオンにバイアス値に見合う運動エネルギーが付与され
る。
第6図は、高周波の出力を0〜300Wにしたときの窒素
プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対す
る割合との関係を示す。運動エネルギーは0〜50eVとし
た。
第7図は、窒素プラズマ種の運動エネルギーとピール
強度との関係を示す。
第6図に示すように、運動エネルギーの増加につれて
イミノ基又はアミノ基は徐々に増加し、イミド基は著し
く減少していることがわかる。
一方、第7図に示すように運動エネルギーが10eV以下
の場合には、ピール強度は増加するのに対して、10eV以
上の場合には、ピール強度は徐々に減少する。運動エネ
ルギーが50eVのときには、ピークル強度はわずか120g/c
mであり凝集破壊を起こして剥離していることがわか
る。
又、この時のN1sのスペクトルを第8図に示す。第8
図に示すように、第4図に比べるとイミド基が減少して
いることがわかる。これらより、ピール強度と低下の原
因は、窒素プラズマ種の運動エネルギーの増大に伴い、
イミド基の破壊が生じ、ポリイミド膜の機械的強度の劣
化を招いているためと考えることができる。
実施例3 酸素ガスを用いて実施例2と同じ方法により低熱膨張
性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分析によると、処理膜の表面における酸素及び窒
素原子の炭素原子に対する割合(O/C,N/C)はそれぞれO
/C=0.29と、N/C=0.11であつた。
第9図は、この表面のO1sスペクトルを示す。
更に第10図に表面処理をしない場合の表面のO1sのス
ペクトルを示す。第10図に示すように、無処理の場合に
は、イミド基によるC=O成分のみが検出されたのに対
し、プラスマ処理後にはC=O成分(イミド基によるも
の以外を含む)(B.E.=531.5eV),C−O成分(B.E.=5
33.5eV)が検出され、それらの割合は65:35であつた。
これより、酸素プラズマ処理による改質を施した低熱膨
張性ポリイミドの表面には、C=O又は/及びC−O型
成分が含有されていることがわかる。
実施例2と同様に、基板にバイアスをかけたときの酸
素プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対
する割合との関係を第11図に示す。
又、第12図は、酸素プラズマ種の運動エネルギーとピ
ール強度との関係を示す。
第11図に示すように、運動エネルギーの増加につれて
C=O成分は余り変化しないのに対して、C−O成分が
著しく増加していることがわかる。これは、酸素による
ポリイミド膜が破壊されたと考えることができる。
一方、第12図に示すように酸素プラズマ種の運動エネ
ルギーの増加につれてピーク強度は10eV付近をピークに
除去に減少し、50eV付近ではわずか170g/cmであり凝集
破壊を起こして剥離していることがわかる。これらよ
り、実施例2と同様にイミド基の破壊が、ピール強度の
低下に関係していることがわかる。
実施例4 CF4ガスを用いて実施例2と同じ方法により低熱膨張
性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分析によると、処理膜の表面におけるフツ素原子
の炭素原子に対する割合(F/C)はF/C=0.42であつた。
フツ素を含まないポリイミドの表面は、プラズマ処理
するとCF成分(B.E.=687.8eV)が検出された。これよ
り、CF4プラズマ処理による改質を施した低熱膨張性ポ
リイミドの表面には、C−F型フツ素が含有されている
ことがわかる。
実施例2と同様に、基板にバイアスをかけたときのプ
ラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対する
割合との関係を第13図に示す。
又、第14図はフツ素プラズマ種の運動エネルギーとピ
ール強度との関係を示す。第13図に示すように、運動エ
ネルギーの増加につれてCF成分が増加していることがわ
かる。
一方、第14図に示すように、フツ素プラズマ種の運動
エネルギーが10eV付近までは、それが増加するにつれて
ピール強度も急激に増加するが、それ以上では減少し、
それが30eV以上では凝集破壊を起こして剥離しているこ
とがわかる。これらより、実施例2と同様にイミド基の
破壊が、ピール強度の低下に関係していることがわか
る。
実施例5 二硫化炭素ガスを用いて実施例2と同じ方法により低
熱膨張性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分布によると、処理膜の表面における硫黄原子の
炭素原子に対する割合(S/C)はS/C=0.20であつた。
第15図は、この表面のS2pスペクトルを示す。硫黄を
含まないポリイミドの表面を、プラズマ処理すると、C
=S成分(B.E.=161.8eV)及びS−H成分(B.E.=16
2.9eV)が検出され、それらの割合は36:64であつた。こ
れより、二硫化炭素プラズマ処理による改質を施した低
熱膨張性ポリイミドの表面には、C=S又は/及びS−
H型硫黄が含有されていることがわかる。
実施例2と同様に、基板にバイアスをかけたときの硫
黄プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対
する割合との関係を第16図に示す。
又、第17図は硫黄プラズマ種の運動エネルギーとピー
ル強度との関係を示す。第16図に示すように、運動エネ
ルギーの増加につれてC=S成分及びS−H成分が増加
していることがわかる。
第17図に示すように、硫黄プラズマ種の運動エネルギ
ーが10eV付近までは、それが増加するにつれてピール強
度も急激に増加するが、それ以下では減少しそれが30eV
以上では凝集破壊を徐々に起こして剥離していることが
わかる。これらより、実施例2と同様にイミド基の破壊
がピール強度の低下に関係していることがわかる。
実施例6 CH2Br2ガスを用いて実施例2と同じ方法により低熱膨
張性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分析によると、処理膜の表面における臭素原子の
炭素原子に対する割合(Br/C)はBr/C=0.22であつた。
臭素を含まないポリイミドの表面を、プラズマ処理す
ると、CBr成分(B.E.=71.5eV)が検出された。これよ
り、CH2Br2プラズマ処理による改質を施した低熱膨張性
ポリイミドの表面には、C−Br型臭素が含まれているこ
とがわかる。
実施例2と同様に、基板にバイアスをかけたときの臭
素プラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対
する割合との関係を第18図に示す。
又、第19図は臭素プラズマ種の運動エネルギーとピー
ル強度との関係を示す。第18図に示すように、運動エネ
ルギーの増加につれてCBr成分が増加していることがわ
かる。
一方、第19図に示すように臭素プラズマ種の運動エネ
ルギーが10eV付近までは、それが増加するにつれてピー
ル強度も急激に増加するが、それ以上では減少し、それ
が30eV以上では凝集破壊を起こして剥離していることが
わかる。これらより、実施例2と同様にイミド基の破壊
が、ピール強度の低下に関係していることがわかる。
実施例7 CH2I2ガスを用いて実施例3と同じ方法により低熱膨
張性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
XPS分析によると、処理膜の表面におけるヨウ素原子
に対する割合(I/C)はI/C=0.16であつた。
ヨウ素を含まないポリイミドの表面を、プラズマ処理
すると、CI成分(B.E.=621.2eV)が検出された。これ
により、CH2I2プラズマ処理により改質を施した低熱膨
張性ポリイミドの表面には、CI型ヨウ素が含有されてい
ることがわかる。
実施例2と同様に、基板にバイアスをかけたときのプ
ラズマ種の運動エネルギーと官能基の炭素原子に対する
割合との関係を第20図に示す。
又、第21図はヨウ素プラズマ種の運動エネルギーとピ
ール強度との関係を示す。第20図に示すように、運動エ
ネルギーの増加につれてCI成分の量が増加していること
がわかる。
一方、第21図に示すようヨウ素プラズマ種の運動エネ
ルギーが10eV付近まではそれが増加するにつれてピール
強度も急激に増加するが、それ以上では減少し30eV以上
では凝集破壊を起こして剥離していることがわかる。こ
れらより、実施例2と同様にイミド基の破壊が、ピール
強度の低下に関係していることがわかる。
実施例8 第22図は本発明の他の実施例を示した低熱膨張性ポリ
イミドと金属との複合体の部分拡大図である。
符号1,2及び3は、第1図と同じであり、符号4は絶
縁層としての低熱膨張性ポリイミド膜と導体配線として
の金属膜との接着力を高めるために形成した層である。
具体的には、ECRマイクロ波プラズマ処理を用いて、銅
を打ち込むことにより層を形成した。
次に第22図に示した低熱膨張性ポリイミドと金属との
複合体の製造方法について説明する。実施例1と同じ方
法低熱膨張性ポリイミド膜を形成した後、やはり同様に
ECRマイクロ波プラズマCVD装置により表面処理を施す。
実施例2と同様の窒素プラズマ処理を施した後、100℃
に加熱したSUSタンクに入つているCu(acac)の固体
にマスフローコントローラーを介してH2ガスを3cc/min
流した。また、プラズマ生成ノズルからはArガスを40cc
/min流した。0.8mtorrの圧力で130Wのマイクロ波を当て
プラズマを発生させ、ノズルから導入したCu(acac)
ガスをArにより分解させ、イオン化された銅を基板に高
周波をかけて打ち込んだ。この高周波出力を0〜500Wの
範囲で10分間処理した後、実施例2と同様に銅を蒸着し
た。
第23図に高周波出力とピール強度との関係を示す。高
周波出力増加に伴う基板バイアスの増加により銅イオン
が強く打ち込まれ、配位結合の促進又は投錨効果により
ピール強度が増大している。本実施例では、Arを使用し
たHeでも良く、Cu(acac)の代わりにTi,Cr,V,Ta等の
アセチルアセトナト錯体,塩化物又はフツ化物を分解し
ても良い。また、本実施例ではCu打ち込み時にはN2ガス
を止めたが、N2ガスを流し続けても良く、その場合低熱
膨張性ポリイミド膜と金属膜との間にCuxNY型の化合物
層を作ることができる。
また、N2プラズマ処理を施す前に基板にArプラズマを
当て表面を粗面化しても良い。Arの他、窒素,酸素等の
プラズマを用いて表面を粗面化してもよい。
以上の実施例より、第7図,第12図,第14図,第17
図,第19図及び第21図の、プラズマ処理における各種プ
ラズマ種の運動エネルギーと各種プラズマにおけるピー
ル強度との関係から、20eV以下のエネルギーであればピ
ール強度が、250g/cm2と実用的な強度が得られることが
わかつた。
実施例9 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を
形成した後、それをECRマイクロ波プラズマ装置により
表面処理した。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド
基板を設置し、NH3ガスをプラズマ生成室に導入し、0.1
mtorrの雰囲気を形成する。そこにマイクロ波導波管に
より導入した50W〜1000Wのマイクロ波を照射することに
よつてプラズマを発生させた。マイクロ波の出力は50W
〜1000Wの範囲ならどれでも良い。この時、電子サイク
ロトロン共鳴領域と基板との距離を変化させ、プラズマ
の基板への影響を変化させることができるが、本実験で
は、0〜30cmの範囲とした。
このプラズマ処理の際、基板に高周波発信機により1
3.56MHzの高周波をかけることによつて基板に負のバイ
アスをかけることができる。その結果、プラズマ中の正
イオンにバイアス値に見合う運動エネルギーが付与され
る。
このようにして3分間処理した後、基板を別真空容器
中に移動し、電子線加熱により銅を基板温度200℃、蒸
着速度100Å/sで膜厚5μmに蒸着した。電子サイクロ
トロン共鳴領域と基板との距離を変化させた試料につい
て、幅1cmの短冊状にして90゜ピール試験を引きはがし
速度0.5mm/minで行なつた。
この結果を第24図に示す。
第24図はアンモニアのECRプラズマ処理におけるプラ
ズマ種のECR点距離とピール強度との関係を示す図であ
る。
同じピール試験を表面処理しない低熱膨張性ポリイミ
ド(PIQ−L100)膜上の銅薄膜に対して試みたところ、
ピール強度は5g/cm以下であつた。
窒素ガスのみの処理の場合は、ピール強度が450g/cm
であり、本実施例の場合は、ピール強度が600g/cmであ
る。ピール強度が600g/cmの場合では、XPSによる分析結
果によれば、表面層における酸素原子及び窒素原子の炭
素原子に対する割合(O/C,N/C)はそれぞれO/C=0.21及
びN/C=0.19であつた。低熱膨張性ポリイミド(PIQ−L1
00)の分子構造中のO/C及び分析N/CはそれぞれO/C=0.1
8及びN/C=0.09であるため、表面近傍の窒素濃度が大幅
に増加していることがわかる。
また、第25図にポリイミド表面のN1sのスペクトルを
示す。イミド基(B.E.=400eV)のほかに、イミノ基
(B.E.=399eV)とアミノ基(B.E.=398eV)が検出さ
れ、それらの割合はB.E.の高い順に39:41:20であつた。
又、第26図にピール強度とアミノ成分+イミノ成分と
の関係を示す。これらより、接着性とアミノ成分+イミ
ノ成分とは相関関係のあることがわかる。
実施例10 ギ酸ガスを用いて実施例2と同じ方法により低熱膨張
性ポリイミド膜の表面処理を実施した。
その後、基板を別真空容器内に移動し、電子線加熱に
よりチタンを基板温度200℃,蒸着速度5Å/sで膜厚500
Åに蒸着した。その後銅を基板温度200℃,蒸着速度100
Å/sで膜厚5μmに蒸着した。
実施例1と同様にしてピール試験を行つた結果を第27
図に示す。
第27図はギ酸のECRプラズマ処理におけるプラズマ種
のECR点間距離とピール強度との関係を示す図である。
同じピール試験を表面処理しない低熱膨張性ポリイミド
(PIQ−L100)膜上の同じ厚さのチタン−銅薄膜に対し
て試みたところ、ピール強度は30g/cm以下であつた。酸
素のみの処理の場合はピール強度が320g/cmであり、本
実施例の場合はピール強度が500g/cmである。ピール強
度が500g/cmの場合では、XPSによる分析結果によれば表
面層における酸素原子及び窒素原子の炭素に対する割合
(O/C,N/C)はそれぞれO/C=0.35及びN/C=0.10であ
り、酸素濃度が大幅に増加していることがわかる。
また第28図にポリイミド表面のO1sのスペクトルを示
す。C−O成分(B.E.=533eV)及びC=O成分(B.E.
=532eV)が検出され、それらの割合はB.E.の高い順に4
7:53であり、C1sのスペクトルとの比較により、ほとん
どがカルボキシル基であることがわかつた。
第29図にピール強度とカルボキシ成分との関係を示
す。これらより、接着性とカルボキシル成分とは相関関
係のあることがわかる。
実施例11 第30図は、本発明の他の実施例を示した半導体パツケ
ージの断面構成図である。
符号101はセラミツク基板、102はスルーホール、103
は有機膜としてのポリイミド膜、104は金属膜をそれぞ
れ示す。
本発明により、符号105で示すポリイミド膜と銅との
接着面を処理することにより、ポリイミド膜と金属膜と
の接着力が向上し、信頼性が高い配線が可能となる。
第31図は、本発明の他の実施例を示したパツケージ基
板の一種である半導体素子内蔵のピングリツドアレイパ
ツケージの構成図である。
基板10上に、金属膜とポリイミド膜とを有する多層配
線フイルム11が形成され、半導体素子13が接続端子12に
より多層配線フイルム11に電気的に接続されている。さ
らに多層配線フイルム11には、半導体素子13に外部から
の信号を入出力するためのピン15が形成されている。
又、半導体素子13はキヤツプ14により絶縁封止されてい
る。尚、符号16は放熱フインである。
本発明により、従来のピングリツドアレイパツケージ
に比較して、金属膜と低熱膨張性ポリイミド膜との接着
力が向上するため、配線の信頼性が向上する。
また、本発明のピングリツドアレイパツケージでは、
ピン数を400ピン以上、特に600ピン以上にすることがで
きる。さらに、金属膜とポリイミド膜との接着力が向上
したため、ピングリツドアレイパツケージに搭載する半
導体素子の発熱量も増加することができ、ピングリツド
アレイパツケージとしての消費電力も10W以上とするこ
とができる。
また、ゲート数も15万ゲート以上、特に45万ゲート以
上が達成でき、ピングリツドラレイパツケージの多層配
線フイッルムの配線幅も40μm以下とすることができ
る。
本実施例では、半導体素子を搭載した、ピングリツド
アレイパツケージを示したが、半導体素子を搭載せず、
キヤツプでおおわれていない状態でも本発明の効果を有
する。
さらには、樹脂で封止されている半導体装置では、配
線膜だけでなくリードフレームと封止材として用いられ
る樹脂との接着面に対しても本発明を適用することがで
きる。
第32図は、半導体素子を複数個搭載し、モジユール化
した半導体の実装装置の部分的構成図である。
基板20上に、金属膜とポリイミド膜とを有する多層配
線フイルム21が形成され、半導体素子23が複数個搭載さ
れている。さらに、半導体素子23は接続端子22により多
層配線フイルム21に電気的に接続されている。尚、符号
26は放熱フインである。
本発明による実装装置は、多層配線フイルムにおける
金属膜とポリイミド膜との接着力が向上したため、従来
のものより微細配線が可能となり実装密度が向上し、伝
送速度が速い実装装置を提供することができる。
第33図は、IC搭載用のTABの構成図である。
テープ状(フイルム状)に形成された有機膜としての
ポリイミド膜30に、デバイス孔34,スプロケツト孔35及
びアウテーソード孔33が形成されている。さらにポリイ
ミド膜上に導体配線としての金属膜が、インナーリード
31及びアウターリード32として配線されている。
本発明のTABは、ポリイミド膜と金属膜との接着性が
向上するため、配線の信頼性が向上し、高密度の配線が
可能となる。さらに発熱量の高い半導体素子を搭載する
おこができる。
本実施例では、半導体素子を搭載していないTABを示
したが、半導体素子を搭載した状態でもよい。
さらに、TABのように、シール性を有する状態で使用
される場合には、特に、本発明が有効である。
第34図は、フレキシブル回路基板の構成図である。
図中、符号40は有機膜としてのポリイミド膜、41は導
体配線としての金属膜である。
本発明のフレキシブル回路基板も、ポリイミド膜と金
属膜との接着性が向上するため高密度の配線が可能とな
る。
第35図は、高密度マルチチツプモジユールの構成図で
ある。
多層基板53上に、複数個のLSIチツプ52を搭載し、個
々のLSIチツプ上には、くし歯形接触子51が形成されて
いる。さらに放熱用の給水コネクタ54を形成し、高密度
マルチツプモジユールを構成する。
第35図に示した高密度マルチチツプモジユールパツケ
ージを複数個搭載したコンピユータを第36図に示す。
低誘電率多層プリント基板63上に、高密度マルチチツ
プモジユールパツケージ64を複数個形成し、パツケージ
61を構成する。高密度マルチチツプモジユールパツケー
ジ64の間を冷却水パイプ66で接続し、各モジユールパツ
ケージ64の熱を放出する。さらに、これらを具備したパ
ツケージ61を複数枚,多芯コネクタ65を介してプラツタ
62に形成する。
本発明によるコンピユータに用いる多層プリント基板
は、ポリイミド、特に低熱膨張性ポリイミドを絶縁膜に
用い、導体配管としての金属、特に銅を用いて金属膜と
している。
さらに、ポリイミド膜の表面を運動エネルギーが20eV
以下である化学的反応活性な気相分子及び気相イオンの
少なくとも一方でさらすことにより、ポリイミド膜と金
属膜との界面に官能基を形成し、ポリイミド膜と金属膜
との接着性を向上させている。
これにより、配線の微細化が可能となり高密度の実装
が可能となる。
高密度が可能になることにより信号の伝達速度が向上
するという効果も有する。
さらに、半導体素子内の絶縁層にポリイミドを用いる
場合にも、接着性が向上し、より微細な配線が可能とな
る。
又、本発明は、ICカード,ポケツトTV,カメラ及び液
晶ドライバ等の高密度の配線を必要とする電気製品に応
用することができる。
比較例 実施例1と同じ方法により低熱膨張性ポリイミド膜を
形成した後、それをコロナ放電,グロー放電及びRFプラ
ズマ(バレル型及び平行平板型)装置により表面処理し
た。
この表面処理は、まず試料室に低熱膨張性ポリイミド
基板を設置し、 コロナ放電の場合は大気中 グロー放電の場合は窒素ガスを用いて1mtorrの雰囲
気 RFプラズマの場合は窒素ガスを用いて50mtorrの雰
囲気 をそれぞれプラズマ生成室に形成し、300Wの出力を用い
て表面処理を行つた。
ここでコロナ放電及びグロー放電の場合には、電極に
対して、ポリイミド膜の表面を平行方向の場合と垂直方
向の場合とにおいて処理を行つた。
さらに、表面近傍で、波長を200〜600nmとした場合に
おける発光強度を測定した。
各処理を、3分間行つた後、実施例1と同じ方法によ
り銅を蒸着した。実施例1と同じ方法で各処理を施した
試料に対してピール試験を行つたところ第37図に示す結
果を得た。第37図は、各処理とピール強度との関係を示
す図である。第37図からECRプラズマによる処理が最も
接着性に優れていることが分かる。また、ECRプラズマ
による表面処理では、ポリイミド膜内で凝集破壊がない
ことが分かつた。
第38図は、ポリイミド膜表面近傍における各処理と発
光強度との関係を示す図である。
第37図と第38図とから、ピール強度と発光強度との間
にある程度の相関関係があることがわかる。また発光強
度が高いということは、電子的励起種の密度が高いこと
であり、イオン化率が高いことを示すため、ECRプラズ
マは他のものに比較して高いことがわかる。
コロナ放電及びグロー放電では、電極に対して平行に
ポリイミド膜を設置したもののピール強度は、電極に対
して垂直にポリイミド膜を設置したもののピール強度よ
り大きいことがわかる。しかし、平行に設置したポリイ
ミド膜には、凝集破壊がみられ、ポリイミド膜の劣化が
観測された。
これらの結果か、ECRプラズマによる表面処理が金属
膜とポリイミド膜との接着性に関して、最も効果が大き
いことがわかつた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、強い接着力を有する低熱膨張性ポリ
イミド膜と金属膜との複合体が達成できる。
さらに、本発明によれば、低熱膨張性ポリイミド膜の
実質的に表面のみを化学修飾することができるので、膜
質の劣化が少ない低熱膨張性ポリイミド膜と金属膜との
複合体が達成できる。
また、強い接着力を有する、低熱膨張性ポリイミド膜
と金属膜との界面が得られるので、この界面を有する、
つまり本発明の複合体を用いる電気製品の耐久性及び信
頼性を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例である有機高分子合成樹脂
と金属との複合体の部分的拡大図、第2図は、マイクロ
波加熱処理におけるマイクロ波出力とピール強度との関
係を示す図、第3図,第4図,第8図及び第25図は、本
発明により改質された低熱膨張性ポリイミド膜表面をXP
S分析したときのN1sスペクトルを示す図、第5図は低熱
膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析したときのN1sスペク
トルを示す図、第6図,第11図,第13図,第16図,第18
図及び第20図は、それぞれ窒素,酸素,フツ素,硫黄,
臭素及びヨウ素のECRプラズマ処理における各種プラズ
マ種の運動エネルギーと各種官能基の炭素原子に対する
割合とを示した図、第7図,第12図,第14図,第17図,
第19図及び第21図は、それぞれ窒素,酸素,フツ素,硫
黄,臭素及びヨウ素のECRプラズマ処理における各種プ
ラズマ種の運動エネルギーと各種プラズマ種におけるピ
ール強度との関係を示す図、第9図及び第28図は、本発
明により改質された低熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS
分析したときのO1sスペクトルを示す図、第10図は、低
熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析したときのO1sスペ
クトルを示す図、第15図は、本発明により改質された低
熱膨張性ポリイミド膜表面をXPS分析したときのS2pスペ
クトルを示す図、第22図は、本発明の他の実施例である
低熱膨張性ポリイミドと金属との複合体の部分的拡大
図、第23図は、高周波出力に対する金属膜のピール強度
依存性を示す図、第24図及び第27図は、それぞれアンモ
ニア及びギ酸のECRプラズマ処理における各種プラズマ
種のECR点距離とピール強度との関係を示す図、第26図
及び第29図は、それぞれアンモニア及びギ酸のECRプラ
ズマ処理におけるそれぞれアミノ基+イミノ基及びカル
ホキシル基とピール強度との関係を示す図、第30図は、
半導体パツケージの断面構造図、第31図は、ピングリツ
ドアレイパツケージの構成図、第32図はモジユール化し
た半導体の実装装置の部分的構成図、第33図はIC搭載用
のTABの構成図、第34図は、フレキシブル回路基板の構
成図、第35図は、高密度マルチチツプモジユールの構成
図、第36図は、コンピユータの構成図、第37図は、各処
理とピール強度との関係図、第38図は、各処理における
基板表面での発光強度(200〜600nmの積分値)を示す
図、第39図は、ECRプラズマ装置の概略図を示す。 1……低熱膨張性ポリイミド膜、2……改質されている
低熱膨張性ポリイミド膜の一部分、3……金属膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 邦夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 渡辺 隆二 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 三浦 修 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大越 幸夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大上 三千男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福田 琢也 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高橋 茂 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 園部 正 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 宮本 俊夫 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株式会社日立製作所半導体設計開発セン タ内 (72)発明者 ▲つる▼ 義之 茨城県つくば市和台48番地 日立化成工 業株式会社筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−103534(JP,A) 特開 昭61−295365(JP,A) 特開 昭60−120525(JP,A) 特開 昭60−195035(JP,A) 特公 昭52−32480(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低熱膨張性ポリイミド膜と、該低熱膨張性
    ポリイミド膜表面を電子サイクロトロン共鳴プラズマ装
    置で発生させた前記低熱膨張性ポリイミド膜表面垂直方
    向の運動エネルギー成分が5〜20eVの化学反応活性な気
    相分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらすことに
    より形成された官能基を含む、厚さが100Å以下の改質
    層と、前記官能基を有する低熱膨張性ポリイミド膜上に
    形成された金属膜とを有し、前記官能基の相対濃度が、
    炭素原子を1とすると、アミノ基、イミノ基、アミド
    基、イミド基及びシアノ基の和が、0.17〜0.23であるこ
    とを特徴とする金属/低熱膨張性ポリイミド複合体。
  2. 【請求項2】低熱膨張性ポリイミド膜の実質的な表面
    を、電子サイクロトロン共鳴プラズマ装置で発生させた
    前記低熱膨張性ポリイミド膜表面垂直方向の運動エネル
    ギー成分が5〜20eVの化学反応活性な気相分子又は気相
    イオンの少なくとも一方でさらし、前記表面に厚さが10
    0Å以下の官能基を有する改質層を形成する工程と、該
    官能基を有する前記表面上に、金属膜を形成する工程
    と、を有することを特徴とする金属/低熱膨張性ポリイ
    ミド複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】低熱膨張性ポリイミド膜と、該低熱膨張性
    ポリイミド膜表面を電子サイクロトロン共鳴プラズマ装
    置で発生させた前記低熱膨張性ポリイミド膜表面垂直方
    向の運動エネルギー成分が5〜20eVの化学反応活性な気
    相分子又は気相イオンの少なくとも一方でさらすことに
    より形成された官能基を含む、厚さが100Å以下の改質
    層と、前記官能基を有する低熱膨張性ポリイミド膜上に
    形成された金属膜とを有し、前記官能基の相対濃度が、
    炭素原子を1とすると、カルボニル基及びカルボキシル
    基の和が、0.28〜0.33であることを特徴とする金属/低
    熱膨張性ポリイミド複合体。
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