JPH05251511A - 銅・ポリイミド積層構造体の製造方法 - Google Patents

銅・ポリイミド積層構造体の製造方法

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JPH05251511A
JPH05251511A JP6623291A JP6623291A JPH05251511A JP H05251511 A JPH05251511 A JP H05251511A JP 6623291 A JP6623291 A JP 6623291A JP 6623291 A JP6623291 A JP 6623291A JP H05251511 A JPH05251511 A JP H05251511A
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JP
Japan
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copper
polyimide
forming
functional group
laminated structure
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Application number
JP6623291A
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English (en)
Inventor
Hiroki Tanaka
浩樹 田中
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Kenji Yamaguchi
健司 山口
Yoshihiro Nakada
義弘 仲田
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて高い界面接着強度を有する銅・ポリイミ
ド積層構造体を提供すること。 【構成】ポリイミドの表面にドライエッチングを施して
粗化面(微細凹凸)を形成した後、当該粗化面に放電プ
ラズマ処理を施すことによって、銅との結合作用が強い
官能基をポリイミド表面に生成させ、その後、当該表面
に銅を蒸着して銅薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路素子や
それを格納するパッケージの組立の際に使用する銅・ポ
リイミド積層構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、銅とポリイミドとの積層構造体を
使用した半導体集積回路素子やそれを格納するパッケー
ジの研究が盛んである。これらの研究は、誘電率が小さ
くて耐熱温度が高いポリイミドと金に次いで比抵抗が小
さい銅とを組み合せることによって、集積回路素子やパ
ッケージとしての電気的特性(高周波特性及び耐雑音特
性)の向上を図ることに狙いがある。また、セラミック
基板上に銅薄膜配線とポリイミド絶縁膜とを積層させた
銅・ポリイミド多層配線基板や、銅箔とポリイミド膜の
積層構造体からなるTAB(Tape Automated Bonding)
用テープキャリア等の製品の開発も盛んに行われてい
る。それ故、銅とポリイミドとを接着させるための技術
は、これらの製品を製造するための極めて重要な要素技
術である。即ち、銅・ポリイミド積層構造体は、ポリイ
ミドと銅との間の接着強度が充分でないと、製造時や運
搬時又は使用時に加えられる熱や振動等によって両者の
界面で剥がれ現象が発生し、製品価値が著しく低下す
る。
【0003】銅に対するポリイミドの接着性は、本質的
にはそれほど良好でない。その主な原因は、接着に必要
とする官能基がポリイミドの表面(銅との界面)に生じ
難いからである。従って、銅とポリイミドとの間の接着
性を改善するための対策は、幾つかの提案が既になされ
ており、その主なものとして、ポリイミドの表面に酸
素等のイオンビームを照射して粗化面(微細凹凸)を形
成し、当該粗化面に銅を食い込ませて接着強度を改善さ
せる所謂「物理的楔効果」を利用する方法〔例えば IBM
J. RES. DEVELOP., 32 (1989) 626 参照〕や、ポリイ
ミド表面を酸素ガス等の放電プラズマ中に曝し、銅との
結合作用が強い官能基(アミド基又はアミノ基)をポリ
イミド表面に生成させる方法〔例えば日刊工業新聞19
80年10月3日号参照〕等がある。
【0004】上記に例示した文献には、夫々の方法で製
造した銅・ポリイミド積層構造体の界面接着強度(90
度引き剥がし試験法による銅・ポリイミド接着強度)が
報告されているが、いずれの方法の場合も、得られた界
面接着強度は、精々700g/cm程度の大きさに留ま
っている。この程度の界面接着強度では、集積回路素子
の高集積化やパッケージの多ピン化等に伴う熱疲労、機
械的衝撃等に充分耐えることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような従来技術の問題点を解消し、極めて高い界面接
着強度を有する銅・ポリイミド積層構造体を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅・ポリイ
ミド積層構造体の製造方法は、ポリイミド表面にドライ
エッチングを施して粗化面(微細凹凸)を形成した後、
当該粗化面に放電プラズマ処理を施すことによって、銅
との結合作用が強い官能基をポリイミド表面に生成さ
せ、その後、ポリイミド表面に銅を蒸着して銅薄膜を形
成することを特徴とする。
【0007】
【作用】既に指摘したように、ポリイミド表面にドライ
エッチングを施して粗化面を形成する試みや、ポリイミ
ド表面に放電プラズマ処理を施して官能基を生成させる
試みは、既に知られている。しかし、本発明者等は、こ
れらの二つの方法について実験と考察を重ねた結果、両
方法を特定の順序でポリイミド表面に適用した場合に限
り、極めて予想外の相乗効果を発揮することを見出し
た。
【0008】実験は、日電アネルバ製平行平板型高周波
(ラジオ波)プラズマエッチング装置(型番:DEM−
451)を使用して行なった。この装置は、プラズマ発
生の条件を最適化することにより、官能基を生成させる
ためのプラズマ処理装置としても使用することが可能で
ある。
【0009】先ず最初に、同装置を用いてポリイミド表
面に官能基を生成させた後、同じ装置を用いてエッチン
グを施して粗化面を形成したところ、二つのプラズマ処
理を併用したことによる改善効果が全く現れないことが
判明した。前段のプラズマ処理において折角生成させた
官能基が後段のプラズマ処理(エッチング)において完
全に消滅してしまったからである。そこで、この順序を
変更し、前段のプラズマ処理において粗化面の形成を行
ない、後段のプラズマ処理において官能基の生成を行な
って見たところ、夫々の単独処理の場合には精々700
g/cm程度に過ぎなかった銅・ポリイミド間の接着強
度が条件次第によって実に1500g/cm程度まで向
上することを確認した。この分野の常識では、二つの方
法を併用した場合に得られる総合効果は、精々数%〜1
0数%程度の改善に留まるのが普通であるから、上記の
効果は、通常の常識を遥かに越える予想外のものである
と言える。
【0010】このような相乗効果が現れた主な原因は、
ポリイミド表面における実質的な表面積(個々の微細凹
凸の表面積の累積値)が官能基の生成密度に強く関与す
るからである。即ち、官能基の生成前に粗化面を形成し
ておくと、微細凹凸の存在のために官能基の生成可能な
実効面積が著しく増大する結果、後段のプラズマ処理に
よって生成される官能基の密度がそれに見合って著しく
高められ、この現象が予想外の接着強度の改善をもたら
したのである。
【0011】粗化面の形成は、上記の放電プラズマ処理
装置のほか、イオンビーム照射装置やスパッタリング装
置等を任意に選択して実施することが出来る。しかし、
本発明の場合は、官能基の生成に放電プラズマ処理装置
を使用する関係上、粗化面の形成も、放電プラズ処理装
置を利用して行なうのがより合理的である。また、粗化
面形成の際のプラズマ形成ガスは、公知の種々のガスを
任意に選択して使用することが可能であるが、高周波
(ラジオ波又はマイクロ波)放電プラズマ処理装置を利
用する場合は、酸素(O2)、アルゴン(Ar)、クリプ
トン(Kr)、クセノン(Xe)及び四弗化炭素(C
4)又はこれらの混合ガスの中から適当なものを選択
して使用することが望ましい。
【0012】粗化面形成の際のプラズマ生成ガスとして
酸素を用いた場合は、ポリイミドを形成している元素の
うち、炭素(C)及び水素(H)が酸素の活性種と反応
し、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)又は 水
(H2O)となってポリイミドの表面から離脱する。残
りの元素、即ち、窒素(N2)及び酸素(O2)は、それ
らと炭素又は水素との間の化学的結合が切れるため、こ
れらも気体となってポリイミドの表面から離脱する。こ
の結果、ポリイミドの表面が化学的にエッチングされ、
微細な凹凸を形成することが出来る。また、プラズマ生
成ガスとしてアルゴンを用いた場合は、高周波の電場に
よって加速されたアルゴンガスのイオンがポリイミドを
形成している元素に衝突し、同元素をポリイミドの表面
から物理的に離脱させる結果、当該表面が物理的にエッ
チングされ、この場合も微細な凹凸を形成することが出
来る。なお、プラズマ生成ガスとしてクリプトン、クセ
ノン又は四弗化炭素を用いた場合や、酸素、アルゴン、
クリプトン、クセノン及び四弗化炭素の二種類以上の混
合ガスを用いた場合は、化学的エッチング及び物理的エ
ッチングのいずれか一方又は双方の現象が発生し、いず
れの場合も、微細な凹凸をポリイミド表面に形成するこ
とが出来る。
【0013】一方、官能基生成の際のプラズマ生成ガス
は、放電の種類(直流か交流か)、供給電力、使用周波
数、ガス圧力その他を条件を最適化することにより、粗
化面形成の場合と同種のガスを兼用することが原理的に
可能であるけれども、本発明者等の実験結果によれば、
高周波放電プラズマ処理装置を利用した場合は、酸素又
はアルゴンのほか、窒素を使用することが望ましい。特
に窒素は、粗化面形成用のプラズマガスとして使用した
場合、物理的又は化学的なエッチング作用が殆ど認めら
れない反面、官能基生成用のプラズマガスとして使用し
た場合は、極めて有効に機能することを確認した。
【0014】粗化面形成又は官能基生成のいずれの場合
も、プラズマ発生のためのガス圧力は、1Torr〜10~5
Torrの範囲に設定することが望ましい。この範囲を外れ
た場合は、プラズマが不安定になるか全く発生しないた
めである。なお、銅・ポリイミド積層構造体の製造の最
終段階である銅の蒸着は、従来と場合と同様、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、化学
蒸着法等のいずれかを適宜に選択して使用することが可
能である。
【0015】
【実施例】〈実施例1〉先ず、スピンコータを使用し、
直径3インチのシリコンウエハ上に粘度130Pのポリ
イミドワニス(日立化成製PIQ)を塗布した後、窒素
ガス雰囲気中において350℃の温度で30分間のキュ
アを行ない、膜厚5μmのポリイミド膜を形成した。こ
の試料を平行平板型ラジオ波プラズマエッチング装置
(日電アネルバ製、型番:DEM−451)の真空槽内
に装填し、3×10~6Torrまで油拡散ポンプ及び油回転
ポンプを用いて真空引きを行った後、酸素ガスを7×1
0~2Torrの圧力で導入し、周波数13.56MHzの高周
波を印加することによって酸素ガスプラズマを発生さ
せ、その状態で2分間の放電プラズマ処理(エッチング
処理)を行ってポリイミド膜の表面に粗化面を形成し
た。
【0016】粗化面を形成した後、真空槽の内部を再び
3×10~6Torrまで真空引きを行った後、次に窒素ガス
を7×10~2Torrの圧力で導入した。粗化面形成の場合
と同様、周波数13.56MHzの高周波を装置に印加す
ることによって窒素ガスプラズマを発生させ、その状態
で8分間のプラズマ処理を行ってポリイミド膜の表面に
官能基を生成させた。
【0017】官能基を生成させた後、試料を真空槽から
取り出して電子ビーム蒸着装置(日本電子製、型番:J
I−500)の真空槽内に装填し、油拡散ポンプ及び油
回転ポンプを用いて3×10~6Torrまで真空引きを行っ
た。そして、タングステン製のハースライナー(蒸着原
料の溶解皿)内に設置した純度99.999%の銅素材
に電子ビームを照射して銅を溶解させ、100Å/分の
成膜速度をもってポリイミド膜の表面に銅を蒸着し、膜
厚5μmの銅薄膜を形成した。
【0018】銅薄膜を形成した後、試料を真空槽内から
取り出してシリコンウェハごと幅1cmの短冊形状に切
断し、90度引き剥がし強度試験法によって銅・ポリイ
ミド間の界面接着強度を測定した。前段のプラズマ処理
(粗化面形成)の際の高周波出力を50〜300Wの範
囲で変化させ、後段のプラズマ処理(官能基生成)の際
の高周波出力を120Wに維持した場合の測定結果を図
1に示す。同図から明らかなように、150Wの高周波
出力で粗化面を形成した場合、最大1200g/cmの
接着強度を得ることが出来た。
【0019】〈実施例2〉実施例1の酸素の代わりにア
ルゴンを粗化面形成用のプラズマガスとして使用し、酸
素ガスプラズマ処理において最大接着強度が得られた1
50Wの高周波出力をもって同一条件でプラズマ処理
(粗化面形成)を行った。窒素ガスプラズマ処理(官能
基生成)及び銅薄膜の形成も同一条件で行い、得られた
試料について接着強度を測定した結果、1100g/c
mの接着強度を得ることが出来た。
【0020】〈実施例3〉実施例1の酸素ガスの代わり
に四弗化炭素を粗化面形成用のプラズマガスとして使用
し、実施例2の場合と同様、150Wの高周波出力をも
って同一条件でプラズマ処理(粗化面形成)を実施し
た。また、窒素ガスプラズマ処理(官能基生成)及び銅
薄膜の形成も同一条件で行い、得られた試料について接
着強度を測定した結果、1500g/cmの極めて良好
な接着強度を得ることが出来た。
【0021】
【発明の効果】本発明は、物理的楔効果に官能基生成効
果を相乗させてポリイミドの表面を改質するものである
から、従来技術を遥かに上回る銅・ポリイミド界面接着
強度を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法(実施例1)によって製造した銅
・ポリイミド積層構造体の界面接着強度を示す特性曲線
図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 E 6921−4E (72)発明者 仲田 義弘 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社金属研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドの表面にドライエッチングを施
    して粗化面(微細な凹凸)を形成する工程と、当該粗化
    面に放電プラズマ処理を施して銅との結合作用が強い官
    能基を生成させる工程と、官能基を生成させたポリイミ
    ドの表面に銅を蒸着して銅薄膜を形成する工程とを記載
    の順序に行なうことを特徴とする銅・ポリイミド積層構
    造体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記粗化面形成工程は、放電プラズマを用
    いたエッチング工程であることを特徴とする請求項1に
    記載の銅・ポリイミド積層構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】粗化面形成のための前記プラズマエッチン
    グ工程は、プラズマ生成ガスとして酸素、アルゴン、ク
    リプトン、クセノン及び四弗化炭素の一種又はこれらの
    二種以上の混合ガスを使用することを特徴とする請求項
    2に記載の銅・ポリイミド積層構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】放電プラズマ処理による前記官能基生成工
    程は、プラズマ生成ガスとして窒素を使用することを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の銅
    ・ポリイミド積層構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記銅薄膜形成工程は、真空蒸着法、イオ
    ンプレーティング法、スパッタリング法又は化学蒸着法
    のいずれか一を使用することを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれか一に記載の銅・ポリイミド積層構造
    体の製造方法。
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