JPH0328242B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、作業ロール、および／または、中間
ロールに垂直ベンデイングを与えるように配置す
るとともに、補強ロールを軸方向調節可能とした
多段式圧延スタンドの改善に関する。

［従来技術とその課題］ 一般的な傾向であるが、圧延材板端部では、巾
方向への無視できないメタルフローが生じ、圧延
力によるロール系の垂直たわみや、作業ロールと
圧延材間のロール扁平が板端部で急激に減少する
ことにより、板端部で極度の板厚減少（エツジド
ロツプ）が生ずる。第６図に示すような、上下補
強ロール１ａ，１ｂの軸線の作る軸平面から変位
された上下作業ロール２ａ，２ｂを、各々水平中
間ロール３ａ，３ｂを介して分割支持ローラ４
ａ，４ｂで支持し、この分割支持ローラの支承体
が支持ブリツジの接触面に支持され、支承体のた
めの接触面の位置が、支持ブリツジ中心に対して
対称的に延びる曲げ線に応じて可変とし、この機
構で作業ロール２ａ，２ｂの水たわみを行うよう
にした多段式圧延スタンドは、特公昭46−6176号
公報として知られている。

このような多段式圧延スタンドでは、作業ロー
ルの水平たわみ量が垂直変位に変換される割合
は、約1/10〜1/20程度であり、板巾方向での内部
に生ずる局部変形はその絶対量が小さいので、形
状修正効果は十分発揮されるものの、板端部形状
の修正とエツジドロツプの改善には、その修正量
が量的に不十分であり、かつ、圧延材板巾変化に
応じて板端部を集中して制御することも、支持分
割ローラ位置が固定されていることから対応し難
い。

一方、第７，８，９図のような、20段センジミ
ア圧延機が実用されている。この圧延機は、第１
中間ロール５ａの端部に片テーパを付与し、軸方
向に移動させることにより作業ロール６の軸心た
わみを制御するとともに、分割支持ローラ７の軸
心位置を制御する機構を備えたもので、特公昭29
−4791号公報、特公昭30−4019号公報、特公昭30
−4020号公報などに開示されている。

このものは、第１、および、第２の中間ロール
５ａ，５ｂを介して、分割支持ローラ位置調整に
より作業ロール６に任意の垂直たわみを与える構
造のため、分割支持ローラ７で局部変形を修正し
ようとしても、途中で修正範囲が拡散し、局部修
正機能の利きが悪い。この改善のため、中間ロー
ルを１段とした構造も種々提案されているが、垂
直方向で圧延反力を支持しているため、分割支持
ローラエツジ部と中間ロール間の圧力が極度に上
昇して作業ロールにロールマークを生じ、これが
圧延材に転写されてしまう欠点が生じる。

一方、従来の４段ロールで圧延する場合の板ク
ラウン・平坦度制御上の課題の一つは、板巾より
外側での作業ロールと、補強ロールの接触によつ
て生じる作業ロール軸心の垂直たわみであり、こ
れを作業ロール垂直ベンデイングで消去するには
限界があつた。この点に着目して開発された６段
ロールの圧延機が、特公昭56−66307号公報など
に開示されている。これは、６段ロールの中間ロ
ールを軸方向に移動する構造の圧延機であり、そ
の特徴は、 (a) 板巾より外側での作業ロールと補強ロールの
接触を、上下それぞれ片側で解消することによ
り、作業ロールの軸心たわみを小さくすること
ができる。

(b) 作業ロールチヨツク部で加えるロールベンド
力の効果が大きくなる。

ことであり、冷間圧延機への実機適用化が図ら
れ、板クラウン・板平坦度制御効果が大きいこと
が知られており、多くの冷間圧延機に適用されて
いる。

しかし、板巾変化に応じて、板端部まで中間ロ
ール端を軸方向移動して作業ロール、あるいは、
中間ロール垂直ベンデイング効果を高める結果、
作業ロールと中間ロール間の接触圧力が中間ロー
ル肩部で著しく高まり、ロール損傷を招くことが
あつた。

また、圧延材板巾方向での中央部にまでベンデ
イング効果を及ぼすためには、中間ロール肩を板
端より内部に入れる必要があるが、この肩部の高
圧力のため、作業ロール表面にはロールマークの
つくおそれがあり、この制限のために板内部の局
部的形状修正能力には限界がある。

更に、作業ロールの小径化を図ると、両端をチ
ヨツクで支持する構造のために、水平たわみが生
じ、たわんだ部分が中間ロール直下で支持されな
くなるので、巾方向厚み不同が生じ、板形状を著
しく損なうことから本ミルの適用には制限があつ
た。

本発明の目的は、圧延材の部分歪の修正は分割
支持ローラによる小径作業ロールの水平たわみ量
の調節で行い、板端部形状の修正は上下補強ロー
ルの軸方向移動調節と、作業ロール、および／ま
たは、中間ロールの垂直ベンデイング調節の併用
で行い、両者を組み合わせて、圧延材の形状制御
を行うようにした圧延スタンドを提供せんとする
ものである。

［課題を解決するための手段］ 従来技術の課題を解決する本考案の構成は、上
下一対の補強ロールと、上下一対の作業ロールを
もち、該作業ロールが、上記上下一対の補強ロー
ルの軸心を垂直に通る共通の軸平面から水平方向
に変位されていて、かつ、作業ロールのロール胴
が水平方向に水平中間ロールを介して分割支持ロ
ーラによつて保持されており、該分割支持ローラ
の支承体が支持ブリツジの接触面に支持せしめら
れ、この分割支持ローラ支承体のための接触面の
位置が、上記支持ブリツジの中心に対して対称的
に伸びる曲げ線に応じて可変である形式の圧延ス
タンドにおいて、上記上下の補強ロールと上下作
業ロールとの間に、各々に連動し、かつ、その軸
心が上下補強ロールの軸心を通る共通の軸平面上
にある中間ロールを介設し、上記上下の補強ロー
ルを、相互に反対方向に向け軸方向移動調節可能
に配置構成するとともに、上記作業ロール、およ
び／または、中間ロールに垂直ベンデイングを与
えるように配置せしめ、作業ロールの水平たわみ
量の調節と、上下補強ロールの軸方向移動調節
と、作業ロール、および／または、中間ロールの
垂直ベンデイング力調節の併用とを組み合わせ
て、圧延材の形状制御を行いうるようにしたもの
である。

［実施例］ 第１〜５図について本発明実施例の詳細を説明
する。

第１図は本発明圧延スタンドの各ロールの配置
説明図、第２図は垂直方向のロール配置図、第３
図は要部の詳細を示す一部切欠正面図、第４図は
上方の補強ロール、および、中間ロールを除去し
た状態の平面図、第５図は上方の補強ロールを除
去した状態の平面図である。

第１〜３図において、上下に対応関係にある小
径の作業ロール１１，１２は、垂直ベンデイング
が与えられるように、中間ロールチヨツク１３，
１４に支承されている上下に配置した中間ロール
１５，１６に垂直に支持されており、両作業ロー
ル１１，１２の軸線は、上下中間ロール１５，１
６の軸心を通る垂直軸平面から偏位されている。
この偏位の方向に両作業ロール１１，１２は、小
径の水平中間ロール１７，１８を介して、多数に
分割された分割支持ローラ１９，２０で支持され
ている。

更に、上記作業ロール１１，１２にも作業ロー
ル用支持爪４７，４８により垂直ベンデイングを
与えることができる。また、上記作業ロール１
１，１２、水平中間ロール１７，１８、および、
分割支持ローラ１９，２０は回転可能に支持され
るもので、作業ロール１１，１２は支持ヘツド２
１に支承され、また、各分割支持ローラ１９，２
０は、一端にキー付摺動軸２２，２３を有する軸
箱２４，２５に支持されている。上記、軸箱２
４，２５内に設けた各摺動軸２２，２３の外側端
面は、圧延スタンドハウジング２６に設けた支持
ブリツジ２７，２８に内蔵させた分割支持ローラ
押出し用のシリンダ２９，３０に面当りされてい
る。

３１，３２は、相互に反対方向に向け軸方向移
動可能に補強ロールチヨツク３３，３４に支持し
た補強ロールで、該補強ロール３１，３２の中心
軸は、上記中間ロール１５，１６の軸心を通る垂
直軸平面上にある。尚、図中３５は圧下ネジ、３
６，３７は補強ロールバランスシリンダで、作業
ロール１１，１２、および、中間ロール１５，１
６の交換時に使用する。３８，３９，４０，４
１、中間ロールベンデイングシリンダである。ま
た、図中４２，４３は分割支持ローラ１９，２０
の軸箱２４，２５の取付金具、４４，４５，５３
はプロジエクトブロツク、４６は、作業ロール１
１，１２、および、中間ロール１５，１６の交換
時に使用するパスライン調整装置、４７，４８は
作業ロール支持用の爪、４９，５０，５１，５２
は、中間ロールベンデイング用ブロツクである。

そして更に、本発明の一実施例は、上下の補強
ロール３１，３２の相反する一端部に、第２図で
示したように、テーパ、または、任意曲線よりな
るロール片クラウンを形成するとともに、この補
強ロール３１，３２を、相互に反対方向に向け軸
方向移動調節可能とするため、補強ロールチヨツ
ク３３，３４を圧延スタンドハウジング２６に摺
動可能に配設し、補強ロールチヨツク３３，３４
にシリンダ（図示略）を取り付けて移動調節を行
うものである。

［発明の効果］ 上述のように本発明の構成によれば、次のよう
な効果が得られる。

(a) 板端部形状の修正とエツジドロツプの改善
は、上下補強ロールの軸方向移動調整と、作業
ロール、および／または、中間ロールの垂直ベ
ンデイング力調節の併用により行うことができ
るが、作業ロールに生ずるたわみは垂直たわみ
であるため、そのまま修正量が板クラウン修正
量に対応し、板端部での板形状修正機能の大巾
改善がなされる。

(b) 圧延材の部分歪の修正は、分割支持ローラに
よる小径の作業ロールの水平たわみ調整で任意
に行える。従つて、板端部、あるいは、板中央
部が伸びて波をうつ単純伸びのみならず、1/4
部などが局部的に伸びて波をうつ複合伸びにも
対応でき、高度の形状制御性を付与しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のロール配置図、第２図は本発
明の垂直方向ロール配置図、第３図は本発明の詳
細を示す一部切欠正面図、第４図は上方の補強ロ
ール、中間ロールを除去した要部の平面図、第５
図は上方の補強ロールを除去した要部の平面図、
第６図は従来の多段式圧延機の配置図、第７図は
従来の20段圧延機の配置図、第８図は同上偏心機
構を示す断面図、第９図は同上ロール配置の一部
断面図である。 １１，１２……小径の作業ロール、１５，１６
……中間ロール、１７，１８……水平中間ロー
ル、１９，２０……分割支持ローラ、２２，２３
……キー付摺動軸、２４，２５……軸箱、２７，
２８……支持ブリツジ、２９，３０……シリン
ダ、３１，３２……補強ロール、３５……圧下シ
リンダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下一対の補強ロールと、上下一対の作業ロ
   ールをもち、該作業ロールが、上記上下一対の補
   強ロールの軸心を垂直に通る共通の軸平面から水
   平方向に変位されていて、かつ、作業ロールのロ
   ール胴が水平方向に水平中間ロールを介して分割
   支持ローラによつて保持されており、該分割支持
   ローラの支承体が支持ブリツジの接触面に支持せ
   しめられ、この分割支持ローラ支承体のための接
   触面の位置が、上記支持ブリツジの中心に対して
   対称的に伸びる曲げ線に応じて可変である形式の
   圧延スタンドにおいて、 上記上下の補強ロールと上下作業ロールとの間
   に、各々に連動し、かつ、その軸心が上下補強ロ
   ールの軸心を通る共通の軸平面上にある中間ロー
   ルを介設し、 上記上下の補強ロールを、相互に反対方向に向
   け軸方向移動調節可能に配置構成するとともに、
   上記作業ロール、および／または、中間ロールに
   垂直ベンデイングを与えるように配置せしめ、作
   業ロールの水平たわみ量の調節と、上下補強ロー
   ルの軸方向移動調節と、作業ロール、および／ま
   たは、中間ロールの垂直ベンデイング力調節の併
   用とを組み合わせて、圧延材の形状制御を行いう
   るように構成したことを特徴とする圧延スタン
   ド。