JPH032808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案に係る舗装路面の凹凸測定装置は、ア
スフアルト舗装した路面の長さ方向に亘つて生じ
た凹凸を測定し、この凹凸を補修するための資料
を作成するのに利用する。

（従来の技術） アスフアルト舗装した路面は、地盤の不等沈下
や重量車両の往来により、道路の幅方向だけでな
く長さ方向にも凹凸が形成される。このような凹
凸があまり大きくなると、降雨時に多量の雨水が
溜るだけでなく、車両等の通行にとつて危険にな
つたり、或は車両の乗り心地が悪くなるため、凸
部分のアスフアルトを削り取つたり、或は凹部分
に新たにアスフアルトを補填したりする路面補修
を行なわなければならない。

路面補修を行なうのに先立ち、路面がどの程度
凸出し、或は凹んでいるかを測定しなければなら
ない。この測定は、社団法人日本道路協会が定め
たアスフアルト舗装要綱に従つて行なうが、従来
は第６図に示す様な測定装置を用いて測定を行な
つていた。

即ち、十分な剛性を有する梁１の前後両端部下
方に３ｍの間隔をあけて、この梁１を長さ方向に
亘り路面上を移動させるための車輪２，２を設
け、梁１の中央部に測定器３を支承している。こ
の測定器３には下端に支承したローラ６を路面４
に当接させる測定ロツド５が設けられている。こ
の測定ロツド５を設ける位置は、梁１の前後両端
に設けた車輪２，２の丁度中間位置とし、測定ロ
ツド５から前後の車輪２，２までの距離をいずれ
も1.5ｍとしている。

上述のように構成された従来の舗装路面の凹凸
測定装置により道路の長さ方向に亘る路面の凹凸
を測定する作業は、第６図に矢印ｘ図で示すよう
に、梁１を路面上を道路の長さ方向に亘つて移動
させることにより行なう。梁１の中央部に支承さ
れた測定器３の測定ロツド５は、路面の凹凸を倣
うように昇降し、測定器３に内蔵され梁１の移動
量に比例した量だけ送り出される自記記録紙に第
７図に示すような曲線ａが描き出される。この曲
線ａは、道路の長さ方向に亘る凹凸を、長さ方向
を短縮して誇張して示したものとなるため、1.5
ｍ置きにこの曲線ａと基準平面を示す直線ｂとの
差を求め、標準偏差σを求める等の処理をして路
面の補修計画をする。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上述のように構成され作用する従来
の舗装路面の凹凸測定装置に於いては、多量の記
録紙を消費し、測定後記録紙から1.5ｍ毎の凹凸
量を読み取る作業が非常に面倒であつた。又、垂
直に昇降する測定ロツド５の路面に対する追従性
が必ずしも十分とは言えず、測定装置の移動速度
を遅くしなければならないため、測定作業に長時
間を要し、又交通量の多い道路での作業は危険で
もあつた。

本考案の舗装路面の凹凸測定装置は上述のよう
な不都合を解消するものである。

ｂ 考案の構成 （問題を解決するための手段） 本考案の舗装路面の凹凸測定装置は、前後２個
所位置を車輪で支えた梁に固定した角度検出器に
上端を枢支した測定腕の下端を路面に当接させ、
この測定腕の回転中心から測定腕の下端で路面に
当接する点までの距離Ｌと、角度検出器が検出す
る測定腕の傾斜角度θとより、梁から路面までの
距離ｌを求め、この距離ｌの変化に基づき路面の
凹凸を測定する。

梁には、この梁が路面に対して移動した距離を
測定する距離測定器が設けられている。この距離
測定器の信号と、前記角度検出器の信号とは、同
一のコンピユータに入力し、このコンピユータ内
に移動距離を路面の凹凸との関係を記録する。

（実施例） 次に、図示の実施例を説明しつつ本考案を更に
詳しく説明する。

第１図は本考案の舗装路面の凹凸測定装置の第
一実施例を示している。前後両端部に設けた車輪
２，２により長さ方向の移動を自在とした梁１の
中間部には角度測定器７と距離測定器８とが設け
られている。角度測定器７に上端を枢支した測定
腕９の下端にはローラ１０が枢着されている。測
定腕９の長さは、この測定腕９の上端部枢支位置
（第１図のイ点）から路面までの距離よりも少し
長くして上記ローラ１０が常に路面４に当接する
ようにしている。又、このローラ１０が路面に当
接する点ロは、梁１の前後に設けた車輪２の丁度
中間位置となるようにし、点ロから各車輪２，２
の中心線までの距離はそれぞれ1.5ｍとする。

又、距離測定器８に上端を枢支した揺動腕１１
の下端には測距用の車輪１２を支承している。車
輪１２の外周長さは正確な値に形成し、この車輪
が所定距離（例えば１cm）分だけ転動すると距離
測定器からパルスが発せられるように構成してい
る。

このように構成される舗装路面の凹凸測定装置
は、第２〜３図に示すように作業車１３の後部に
連結し、牽引しながら路面４の凹凸を測定する。
測定装置の梁１を道路の長さ方向に亘つて移動さ
せると、下端のローラ１０により路面４を倣う測
定ロツド５が鉛直線となす角度θが路面の凹凸に
従つて変化する。測定ロツド５の回動中心である
点イを通る水平線から上記ローラ１０が路面に当
接する点ロまでの距離ｌはｌ＝Lcosθ（Ｌは上記
の両点イ，ロ間の距離）で表わされる。測定装置
の移動に伴つて変化する角度θを表わす信号と、
一定距離の移動毎に距離測定器８が発するパルス
信号とを作業車１３に積んだマイクロコンピユー
タに送る。マイクロコンピユータは、距離測定器
８からパルス信号が送られて来た瞬間に於ける角
度信号から、路面までの距離を求めて記録する。
路面の凹凸を求める場合、この記録値から第７図
に示すような線図を書き起したり、或は記録値か
ら直接路面の凹凸を求め、標準偏差σ等補修工事
に必要な数値を求める。なお、前記距離Ｌと点ロ
から各車輪２，２までの距離とは、路面の凹凸に
伴うローラ１０の昇降により多少変化するが、実
用上問題となる程の変化量となることはない。
又、測定腕９を長くして上記距離Ｌを大きくすれ
ば、それだけ路面の凹凸に伴う各数値の変化量を
小さくできる。

次に、第４〜５図は本考案の第二実施例を示し
ている。本実施例は、測定装置を現場への運搬を
容易に行なえるように伸縮自在に形成するととも
に、測定精度を２倍に向上させたものである。

１対の門形の支柱１４，１４の両下端部にはそ
れぞれ車輪２，２を装着している。このうち、進
行方向前側（第４図左側）の車輪２は方向転換自
在な自在車輪とし、後側の車輪２は進行方向に対
して直角な方向で不動の軸に支承されている。前
後の支柱１４，１４の下端部に支承された車輪
２，２の間隔Ｄは1.5ｍとしている。両支柱１４，
１４には断面が倒立Ｌ字形の固定梁１５が掛け渡
され、この固定梁１５の側辺１５ａと支柱１４，
１４とをボルト１６，１６により固定している。
このように１対の支柱１４，１４に掛け渡して固
定した固定梁１５の上辺１５ｂの下面には、カー
テンレール状に下側開口の幅を狭く、奥の幅を広
くした案内レール１７が固定されている。この案
内レール１７には断面が倒立Ｌ字形の移動梁１８
の上辺１８ａの上面に固定した断面が倒立凸字状
の摺動片１９をがたつきなく係合させている。移
動梁１８の後端部で側辺１８ａの下端部側面には
直接、或はブラケツト２０を介して角度測定器７
が固定されている。この角度測定器７に上端を枢
支した測定腕９の下端には路面４を倣うためのロ
ーラ１０を設けている。

上述のように一端部に角度測定器７を設けた移
動梁１８は、支柱１４に固定した固定梁１５に対
して長さ方向に摺動自在であるが、移動梁１８を
固定梁１５の下側から一杯に引き出した場合、ロ
ーラ１０が路面４と接触する点ロから後側の車輪
２の中心線までの距離ｄは、前述した前後の車輪
２，２の中心線の間隔Ｄと等しく1.5ｍ（Ｄ＝ｄ
＝1.5ｍ）となるように、固定梁１５に対する移
動梁１８の移動量を制限するストツパ（図示せ
ず）を設ける。又、固定梁１５に対して移動梁１
８を移動させるのは、手動により行なつても良い
が、モータによりラツクとピニオン、或はチエン
を介して自動的に移動できるようにしても良い。

上述のように構成される第二実施例の舗装路面
の凹凸測定装置は、移動梁１８を固定梁１５から
一杯に引き出した状態で、第１図に示した第一実
施例の測定装置と同様、第２〜３図に示すように
作業車１３の後方に連結し、この作業車１３で測
定装置を引張りながら路面の凹凸を測定する。角
度測定器７からの角度信号と距離測定器（第４〜
５図の例では支柱支持用の車輪２のうちの１個を
距離測定用の車輪として使用しているため図面に
明示せず。）からのパルス信号とを作業車１３に
積んだコンピユータに送つて処理することは前述
の第一実施例の場合と同様である。但し、第４〜
５図に示した第二実施例の場合、角度測定用のロ
ーラ１０が測定装置移動用の車輪２，２の外側に
存在するため、第１図に示すように車輪２，２の
中間位置に存在する場合に比べて、路面４の凹凸
が同じ場合でもローラ１０の昇降量が２倍にな
る。従つて、前述したアスフアルト舗装要綱の定
めに合わせるため、角度測定器７の信号に基づく
変化量を半分にする処理をコンピユータで行な
う。

なお、第４図に於いて、２１は下端に重錘２２
を固定したロツド２３の傾きにより固定梁１５と
移動梁１８との水平面に対する傾斜角度を求める
測角器であるが、このような測角器２１は必ずし
も設けなくて良い。

ｃ 考案の効果 本考案の舗装路面の凹凸測定装置は以上に述べ
た通り構成され作用するので、路面の凹凸の追従
性に勝れ、測定装置を比較的速く移動させても信
頼性の高い凹凸測定を行なえるため測定作業に要
する時間が短くて済み、交通量の多い道路での作
業も安全に行なえる。又、路面の凹凸を直接数値
として読み取ることができるため、測定作業後標
準偏差等を求める作業を容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の舗装路面の凹凸測定装置の第
一実施例を示す側面図、第２〜３図はこの測定装
置を作業車で牽引する状態を示しており、第２図
は側面図、第３図は平面図、第４図は第二実施例
を一部を省略して示す側面図、第５図は第４図の
右方から見た図、第６図は従来の測定装置を示す
側面図、第７図はこの装置により記録される路面
の凹凸を示す線図である。 １：梁、２：車輪、３：測定器、４：路面、
５：測定ロツド、６：ローラ、７：角度測定器、
８：距離測定器、９：測定腕、１０：ローラ、１
１：揺動腕、１２：車輪、１３：作業車、１４：
支柱、１５：固定梁、１５ａ：側辺、１５ｂ：上
辺、１６：：ボルト、１７：案内レール、１８：
移動梁、１８ａ：上辺、１８ｂ：側辺、１９：摺
動片、２０：ブラケツト、２１：測角器、２２：
重錘、２３：ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 進行方向の前後２個所を車輪で支持した梁に、
   上端を枢支し下端を路面に当接させる測定腕の傾
   斜角度を検出して角度信号を出す角度測定器と、
   この梁の移動距離を測定して一定距離移動毎にパ
   ルス信号を発する距離測定器とを設け、両信号を
   入力してパルス信号を受けた瞬間に於ける梁から
   路面までの距離を角度信号と測定腕の長さとから
   計算し記録するコンピユータを有する舗装路面の
   凹凸測定装置。