JPH0327871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、チヤイルドシートに関し、特に車両
用シートに取付けて使用するとともに車室外であ
つても使用可能なチヤイルドシートに関する。

《従来の技術》 チヤイルドシートは、安全性や居住性などから
車室内で用いるものと、車室外で用いるものとに
分けて独自に設計されているが、車室内外で使用
できるように構成して使用者の便宜を図るように
したものもある。

ところで、車室内外で使用可能なチヤイルドシ
ートにあつては、一般に、幼児を拘束するシート
本体を車両用シートなどに取付可能に形成すると
ともに、シート本体の背部裏側にシート本体をほ
ぼ直立状態或はリクライニング状態に支える支持
部材を設けておき、その支持部材に連繁されたリ
クライニング機構によつて支持部材を適宜に角度
調整してシート本体を傾動操作できるようになつ
ている。

《考案が解決しようとする問題点》 ところが、このようにリクライニング機構を設
けると全体の構成が複雑化してコスト高なものと
なるばかりでなく、例えば車両用シートに取付け
る場合にリクライニング機構部が外部に突出して
邪魔になるという不具合が生じている。

そこで、本考案は、簡易な構成により前述のよ
うな不具合を一掃することを目的とする。

《問題点を解決するための手段》 すなわち、本考案のチヤイルドシートは、座部
と背部を一体形成したシート本体と、前記座部の
後端に収納可能に設けられ、突出させることによ
り前記シート本体を直立状態に保持する脚部材
と、前記背部の裏側に形成した収納凹部に回動可
能に設けられて、シート本体をリクライニング状
態に傾倒保持するとともに、前記脚部材を突出状
態に係止する支持部材とを備えていることを特徴
とする。

《作用》 シート本体をほぼ直立状態またはリクライニン
グ状態で用いることが可能となる。また、支持部
材を背部の収納凹部に収納するとともに、脚部材
を座部後端内に収納することにより、外部に突出
するものがなくなつて車両用シートにスムーズに
取付けることが可能となる。

《実施例》 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第６図を
用いて説明する。

第１図は本考案を適用したチヤイルドシートの
全体を示す概略断面図である。図において、実施
例での車室内外兼用チヤイルドシートは、背部１
と座部２とを一体化した中空バケツトタイプのシ
ート本体３と、背部１の前面に引き出された１対
の肩当バンド４と、肩当バンド４の先端に着脱可
能に結合されるＴ型のパツド５と、座部２の後端
に収納可能に設けられた脚部材６と、背部１の裏
側に回動可能に設けられた支持部材７とを備えて
いる。

前記シート本体３は、合成樹脂成形体からな
り、表面を肌触りの良好な布地などで覆つてい
る。背部１には、１対のスリツ１ａが複数縦に設
けられ（同図には肩側のスリツト列のみ図示され
ている。）、そのうちの１対のスリツト１ａから内
部に設けられたリトラクタ８により常時巻き取り
方向に付勢された肩当バンド４が引き出されてい
る。また、座部２の中央部にはＴ型のパツド５が
配置され、パツド５の中央部に前記肩当バンド４
の引出端が係脱可能に結合している。パツド５の
取付基部５ａは、座部２に形成された溝（不図
示）の内部に軸６を介して回動可能に枢支されて
いる。また座部２の中空内部において、軸６には
ラチエツト９が軸挿され、これに爪１０が係合し
てパツド５の前後傾を規制するとともに、爪１０
に連結され、かつ座部２の側部に突出したロツク
解除用ノブ（不図示）によつて、パツド５の傾倒
位置を適宜調整できるようになつている。

また、座部２の後端には、１対の切欠部２ｂが
形成され、これらの切欠部２ｂから中空内部に配
置された脚部材６を出し入れできるようになつて
いる。この脚部材６はシート本体３を直立状態に
保持するためのもので、第２図および第３図示す
ようにアーム６ａを一体に有し、アーム６ａの端
部を枢支する軸１１により回動可能となつてい
る。前記軸１１には軸外周に巻きバネ（不図示）
が設けられ脚部材６を座部２の中空内部側に常時
付勢している。更に脚部材６には、突出面に１対
の係止溝６ｂ，６ｃが形成されている。そして、
上段の係止溝６ｂに支持部材７の回動端を嵌合す
ることで、外部に突出させた脚部材６の回動を阻
止して脚部材６を脚として機能させ、また下段の
係止溝６ｃに支持部材７の回動端を嵌合すること
で、支持部材７を背部１の裏側に保持するように
なつている。

前記支持部材７は、第２図に示すようにパイプ
材をほぼコ字状に折曲するとともに、中間部を内
側に折曲して強度をもたせてある。この支持部材
７は、背部１の裏側に形成された収納凹部１ｂの
側壁に支持部材７の両端を挿通することにより回
動可能に取付けられている。また支持部材７は、
背部１の収納凹部１ｂに取付けられ、かつ支持部
材７の回動範囲を規制する１対のストツパ１２に
より最大回動角が規制され、また１対のフツク１
３によつてその揺動が阻止されるようになつてい
る。フツク１３としては、第４図に例示するよう
な１対の突起部１３ａ，１３ｂ間に支持部材７を
弾発的に狭み込んで係止する簡易構造のものを用
いることができる。

このように形成されたチヤイルドシートを車室
外で使用する場合には、まず第５図に示すように
脚部材６の係止溝６ｃと支持部材７との嵌合を解
除して脚部材６を前記巻きバネの付勢力に抗して
回動するとともに、上段の係止溝６ｂに支持部材
７を嵌合する。これによりシート本体３は脚部材
６によつて後方への傾倒が阻止されて直立状態に
安定保持されるのである。また支持部材７を脚部
材６から離脱して回動することにより、脚部材６
が前記巻きバネによつて切欠部２ｂから中空内部
に収納されて第６図に示すようにシート本体３を
支持部材７によつてリクライニング状態に傾倒支
持できるのである。また、このチヤイルドシート
を車両用シートに取付けて使用する場合は、前記
支持部材７の回動端を脚部材６の下段係止溝６ｃ
に嵌合して第１図のように背面１の収納凹部１ｂ
に収納保持した後、従来と同様に例えば車両用シ
ートベルトを座部２に設けた挿通孔２１などに通
してシートに固定するようにすればよい。

なお、本考案はこの実施例に限定されるもので
はなく、例えばストツパ１２としてラチエツト式
のものを用いて支持部材７の回動角を段階的に調
整できるように構成したり、或は脚部材６を座部
２の中空部に完全に収納するように構成する等、
種種変形できることは勿論である。

《考案の効果》 以上説明したように、本考案によれば、構造が
極めて簡易となり、しかも車室外においてもリク
ライニング状態で使用でき、また車両用シートへ
の取付けもスムーズに行なえる、等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチヤイルドシートの全体
を示す概略断面図、第２図は前記チヤイルドシー
トの背部裏側を示す背面図、第３図は前記脚部材
を示す側面図、第４図は前記フツク部を示す部分
拡大断面図、第５図は直立状態での使用例を説明
するための側面図、第６図はリクライニング状態
での使用例を説明するための側面図である。 １……背部、１ｂ……収納凹部、２……座部、
３……シート本体、６……脚部材、７……支持部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座部と背部を一体形成したシート本体と、前記
   座部の後端に収納可能に設けられ、突出させるこ
   とにより前記シート本体を直立状態に保持する脚
   部材と、前記背部の裏側に形成した収納凹部に回
   動可能に設けられて、シート本体をリクライニン
   グ状態に傾倒保持するとともに、前記脚部材を突
   出状態に係止する支持部材とを備えていることを
   特徴とするチヤイルドシート。