JPH03277258A - 殼付卵の微生物接種・増殖食品およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生食されている殻付卵に関するものである。

更に詳しく述べるならば、本発明は、生食用殻付卵を殻
付卵のままの形状で、殻付卵の殻に囲まれた内部の卵内
容物に微生物を注入して接種後、接種した微生物を殻付
卵の内容物内あるいは内容積内で培養、増殖させた微生
物接種・増殖殻付卵食品、および、製造方法に関するも
のである。

〔従来の技術とその問題点〕

生態系の一員としての生物は、常に微生物に取り囲まれ
ており、良きにっけ、悪しきにつけて、これらと密接な
関係を有している。例えば、食品の分野においては、一
方では、有用な微生物を利用して、種々の食品の製造お
よび加工が行なわれているが、他方では、有害な微生物
、例えば、細菌やカビなどにより、食品の腐敗や、食中
毒などがしばしば発生している。生食用殻付卵における
上記の問題は、種族保存をっがさどるために産みだされ
る殻付卵も同じことであり、殻付卵自身が、微生物の侵
入、増殖に対して巧みな自然の防御機構がそなわってい
る。

即ち、これは、自然体にしたがったもので、殻付卵も微
生物の侵入、増殖に対しては、自然の防御機構があり、
クチクラ、卵殻、外卵殻膜、内卵殻膜などの卵殻部で微
生物が通過しにくくなっている。特に、内卵殻膜が最も
重要な通過妨害力があると云われている。更に、猟殻部
を通過して侵入した場合でも、侵入微生物に対しては、
抗菌性物質が働くようになっている。即ち、卵内容物中
の卵白部に約０．３％含まれる溶菌酵素リゾチームてあ
り、この殺菌能力は医薬品として使用されていることか
らも明らかなように、卵内容物成分中に含有されている
抗菌性物質である。このように、微生物が殻付卵の内部
に侵入できたとしても、卵白部自体に微生物の増殖を阻
害するいくつかの強力な要因が潜在している。

食用としての殻付卵の利用方法は、生食、ゆで卵、味付
卵、薫製卵、或いは皮蛋なとがあり、それぞれ食料品と
して利用されているが、上記のように、本来、殻付卵は
微生物に対する自然の防御機構があるため、殻付卵がそ
のままの形状で、微生物による発酵食品などになりにく
いものであった。生食用殻付卵に微生物を注入して接種
し、接種した微生物を殻付卵の内容物内あるいは内容積
内で培養、増殖させた微生物接種・増殖殻付卵食品、お
よび、製造方法を見出すことは困難であった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、生食に供されている殻付卵の殻に囲まれた内
部の卵内容物に微生物を注入して接種し、接種した微生
物を殻付卵の内容物内あるいは内容積内で培養、増殖さ
せてなる微生物接種・増殖殻付卵食品およびその製造方
法を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段・作用〕

本発明の微生物接種・増殖殻付卵食品は、殻付卵の殻に
囲まれた内部の卵内容物内あるいは内容積内に微生物を
増殖させたことを特徴とするものである。

また、本発明の製造方法は、卵内容物成分中に抗菌性物
質が含有されているにもかかわらず、その阻害因子を排
除し、微生物を増殖促進させることを特徴とするもので
ある。

本発明に係る微生物接種・増殖殻付卵食品は、生食殻付
卵を卿卵器で暖める程度の加温であるので、ゆで卵や卵
焼きなどの他の加工、調理食品のような加工、調理時の
加熱による栄養素の損失がなく、特に、ビタミンのよう
な微量成分の損失がないという実用上極めてすぐれた完
全栄養食品と云われるままの特性を有している。

本発明に用いられる微生物は、応用微生物食品に使用さ
れているものである。一般的な食用微生物である限り格
別の限定はないが、一般的には、酵母、カビ、および細
菌など、或いはそれらの混合微生物を使用することがで
きる。本発明に、より好ましい微生物は乳酸菌である。

本発明の製造方法において、上記自然律の微生物に対す
る自然の防御機構、或いは微生物の増殖における阻害因
子の排除と増殖促進の方法は、産卵後の殻付卵の卵内か
ら、二酸化炭素ガスの逸散と水分の蒸発を誘導すること
である。即ち、産卵後の殻付卵中に含有されている二酸
化炭素ガスを逸散させることにより、卵白部のＰＨが上
昇するとともに、卵白部のＰＨに対する緩衝能も低下す
る。更に、卵白部が水様化するとともに卵白中のりゾチ
ームが失活しやすくなり、微生物に対する阻害因子が衰
えることとなる。また、約３０°Ｃぐらいの温度に加温
しながら水分の蒸発を誘導すると、卵内部および卵黄部
の水分量が減少し、卵殻部の気室の容積が増大するとと
もに、卵黄部は卵内部の内容積内を移動しやすくなり、
卵黄膜も弱くなり、わずかな衝撃で破れやすくなる傾向
にある。

本発明の微生物の接種にあたっては、上記、自然律にあ
る卵殻部、卵白部などの自然の防御機構を回避し、最も
微生物の増殖条件のよい部位に接種するため、医療で用
いる注射器により行なう。

即ち、注射器の注射器本体の筒状内のポンプには。

接種菌液が充填されており、注射器本体に付けられた注
射針で殻付卵の殻の上から挿入しはじめ、卵黄膜を通過
した卵黄の部位まで注射針を挿入し、接種する。もとよ
り、接種の工程においては、雑菌の汚染を防止するため
、医療における注射の作業と同様に、殻の挿入部位の殺
菌消毒は欠かせないことである。

上記のように処理した殻付卵に、微生物を注入するにあ
たり、卵黄部は、上記処理後もＰＨの変化が少なく、Ｐ
Ｈは約６．０前後であり、微生物の増殖に適しており、
また、成分として水分、タンパク質、脂肪その他ビタミ
ン、ミネラルなど完全栄養食品と云われる所以の栄養要
素が含有されているので、この部位に注入して接種する
。接種の工程により、微生物に無防備な殻付卵の中心部
に位置している卵黄部は、卵黄膜が破れ、卵白部と入り
混じることとなる。また、卵白部に含有されている抗菌
性物質のリゾチームは、失活しいてるため、殻付卵の殻
に囲まれた内部において、卵黄卵白が混合されても、微
生物に対する自然の防御機構がなく、まして、この卵黄
、卵白の混合された液全卵は、微生物の増殖にとってよ
りよい培養液体となるので、微生物の増殖が促進される
。これらのことにより、他の微生物応用食品における微
生物の増殖より、増殖速度が速いのは、この殻付卵の微
生物接種・増殖食品の特徴である。

〔実施例〕

本発明を実施例により更に説明する。

産卵後の殻付卵の卵内からの二酸化炭素ガスの逸散と水
分の蒸発を同時に誘導するために、約３０℃ぐらいの温
度を保持することができる加温調整機能と、減圧に耐え
うることが可能な容器に、殻付卵を収容し、約３０℃ぐ
らいの温度と殻付卵が割れない程度に負圧にして、約４
８時間、この状態を維持することにより、殻付卵の卵内
からの二酸化炭素ガスの逸散と水分の蒸発を同時に誘導
することができる。

上記の処理により、二酸化炭素ガス逸散量、水分の蒸発
量およびその他の重量減少量は０．４７　ｇ　／個（平
均生食用殻付卵重量５１．４５　ｇ　／個）であった。

卵白部の最終的なＰＨは、ＰＨ９以上となり、リゾチー
ムは失活し、水様化により粘度を失いつつあり、卵黄は
卵黄膜の弱体化により、ごくわずかの刺激で破れる状態
となり、自然律の防御機構は、卵殻部のみの状態となる
。この状態の殻付卵に注射器部に充填された接種菌液（
乳酸菌１０“／ｃｃ）を約Ｉｃｅ注入し、容器内にて常
圧で培養、増殖させる。第１図に示すような結果が得ら
れた。

接種菌の種類によっては、増殖における生成物が気体の
場合は、卵殻部の気孔によって、ある程度発散できるの
で、微生物による発酵も可能であり、乳酸菌による乳酸
発酵、或いは酢酸菌による酢酸発酵、または、酒精酵母
によるアルコール発酵などができるが、よりよい微生物
は、乳酸菌による乳酸発酵食品としての利用である。

〔発明の効果〕

本発明の殻付卵の微生物接種・増殖食品は、微生物の侵
入、増殖に対して巧みな自然の防御機構がそなわってい
る殻付卵に、微生物を接種し、培養させた微生物応用食
品を提供することを可能にしたものである。また、本発
明製造方法は、上記食品の製造にあたり、自然の防御機
構の阻害因子の排除を可能にし、殻を自然が創造した素
焼きの容器として、殻付卵の微生物接種・増殖食品の製
造を可能にしたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の殻付卵の微生物接種・増殖食品の経
時的な接種微生物の増殖数を示すグラフである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、生食に供されている殻付卵の殻に囲まれた内部の卵
   内容物に微生物を注入して接種し、接種した微生物を殻
   付卵の内容物内あるいは内容積内で培養、増殖させてな
   る微生物接種・増殖殻付卵食品。 ２、請求項１に記載の微生物接種・増殖殻付卵食品を製
   造するにあたり、微生物の増殖における阻害因子の排除
   と増殖促進させることを特徴とする、微生物接種・増殖
   殻付卵食品の製造方法