JPH0327468B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、太さや原料など、異なつた種類の糸
が巻かれたパツケージを検出する、パツケージ検
査装置に関する。

〔従来の技術〕

自動ワインダ等の巻糸装置によつて生産された
パツケージに、可視光線を照射し、糸層表面で反
射した光線を撮像して、これをイメージセンサで
分析し、パツケージの巻形の良否を検査する装置
は、特開昭61−28033号公報に開示されている。
この装置は、糸層に段差が生じた段差パツケージ
であるとか、巻取管の偏心等によつて端表面に凹
凸が生じた菊巻パツケージなど、パツケージの巻
形を検査するには適したものであるが、パツケー
ジに、太さや原料など異なつた種類の糸が巻かれ
たものは、巻形が良ければ異常を検出できない。
しかるに、多品種少量生産により、例えば、自動
ワインダで糸の仕掛け変更が多くなると、太さや
色また原料等が異なつた糸がパツケージに混入す
ることがある。このような異品種の糸がパツケー
ジに混入したものは、オペレータの目視では発見
することが困難であり、また、これを検出する装
置は、従来の技術にはなかつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の技術では、太さや原料など、異なつた種
類の糸が巻かれた異常パツケージを検出できなか
つた。そこで、この異常パツケージを検出する装
置の提供を目的としたのが本発明装置である。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明はパツケージの糸層表面に向けて紫外線
を照射する紫外線発生器と、紫外線を吸収したパ
ツケージから放出される蛍光を受光する受光器
と、得られるデータ信号を分析処理する分析装置
とからなるような検査装置である。

〔作用〕

パツケージを検査ステーシヨンに導き、このパ
ツケージに対して紫外線発生器により紫外線を照
射すると、暗室内で可視光線に影響されることな
く照射された紫外線はパツケージを照射し、この
パツケージを形成する糸は、紫外線を吸収し、そ
の吸収したエネルギーを長波長の蛍光として放出
する。パツケージを形成する糸が一種類のもので
あれば、パツケージの表面から蛍光が均一に発光
し、これを受光器が受けて、パツケージが正常で
あることを検知する。ところが、パツケージを形
成する糸が二種類以上であれば蛍光の発生量は不
規則なものとなり、受光器がこれを検出すれば、
パツケージに異品種の糸が混入していることを検
知し、異常パツケージを自動的に検出する。

〔実施例〕

以下、本発明装置の実施例を図面に従つて説明
する。

第１図、第２図に検査ステーシヨン１を示す。
パツケージ検査ステーシヨン１はパツケージ搬送
コンベア２の途次に設けた暗室３と、紫外線発生
器４と、受光器５およびパツケージ駆動機構６と
より構成される。

暗室３は上下四側方を遮光材で囲まれ、コンベ
アの上流側入口と下流側出口には開閉扉７，８が
設けられる。なお、パツケージＰは搬送媒体であ
るトレイＴのペグ９に挿着されて搬送され、トレ
イＴに挿着されたまゝ検査を受ける。

即ち、検査位置には第２図の如くトレイのスト
ツパ１０と位置決め用ローラ１１，１２，１３が
設けられ、矢印１４方向にコンベア２上を移送さ
れてきたトレイＴは作用位置にある可動ストツパ
１０に当接して停止し、さらに位置決めローラ１
３が作用位置に移動して３位置ローラ１１，１
２，１３によりトレイＴが所定の位置に位置決め
される。１２が駆動ローラでトレイＴを回転しト
レイ上のパツケージＰを回転させる。１５はスト
ツパ１０の操作用シリンダ、１６は位置決めロー
ラ１３の操作用シリンダである。

暗室の上面には、パツケージＰの上端面に紫外
線を照射する光線４が設けられる。該光源とし
は、本実施例では直管型蛍光灯１７，１８を２本
並置したものを示す。また、該蛍光灯は365mm付
近にピークを持つものが好適であるが、糸種・用
途等により種々の波長ピークのものが使用可能で
ある。なお光源としては他のキセノンランプ、水
銀ランプ等を光学フイルターと組合わせて用いる
ことも可能であるが、上記のように直管型蛍光灯
を２本並置する場合は、パツケージ表面に均一に
光が照射され、また２本の蛍光灯の間１９から光
を取り出すことによりパツケージ表面Paの蛍光
が均一となり分析装置のデータ処理部の補正が簡
単になるという長所がある。また、第１図示の如
く蛍光灯１７，１８の近傍に反射板２０，２１を
取付けることにより光源の光を有効利用できる。

上記光源から照射される光によりパツケージ表
面から発光するけい光を受光する受光器５は、反
射鏡２２と、光学フイルタ２３、レンズ２４、セ
ンサ２５等から構成される。上記光学フイルタ２
３はセンサ２５の前方に設置され、光源４からの
反射光、あるいは、外部からの光を遮断し、パツ
ケージ表面から発する蛍光のみを通し、パツケー
ジ検査の精度をアツプさせるものである。また、
センサ２５としては固体撮像素子CCDの如き、
１次元ラインセンサが用いられる。上記受光器５
および導光路２６も暗室２７内に設けられること
は勿論である。

なお、異品種混合検査においては、パツケージ
の両端面Pa，Pbのうち片側端面のみを検査すれ
ば十分である。即ち、パツケージ中に異品種の糸
が混入する場合は、１個のパツケージを生産する
のに供給する精紡ボビンが例えば20本であつたと
すると、上記供給ボビンのうち、１本が何らかの
原因で異品種のボビンとなる場合であり、この異
品種ボビン１本分の糸がパツケージに巻返される
と、糸は左右にトラバースされつつ巻返されるた
め、必ずパツケージの両端面にある厚みを有して
異品種の糸層が出現するためである。

なお、第１図、第２図において、暗室３内には
パツケージの巻形を検査するための装置２８、あ
るいはバンチ巻の有無の検査装置２９等も設けら
れている。

次に上記検査装置の作用について説明する。

パツケージＰはトレイＴに支持され、搬送路２
を経て暗室３内に入り、検査位置のローラ１１，
１２，１３により位置決めされ、駆動ローラ１２
によりトレイＴを介してパツケージＰが回転す
る。そこで、紫外線発生光源４のスイツチをオン
すれば、蛍光灯１７，１８から紫外線Ｌがパツケ
ージ表面Paに照射される。パツケージＰを形成
する糸は紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを
蛍光として発する。この蛍光灯Ｌ１は導光路２６
を経て、反射鏡２２で屈折し、光学フイルター２
３、レンズ２４を透過してセンサ２５に入る。セ
ンサ２５に入射した光は光電変換され、分析装置
３０へ入力される。ゲイン調整回路３１、A/D
変換器３２を経て、マイクロプロセツサのデータ
処理部３３へ入力される。該処理部３３ではパツ
ケージの１回転の際、次々に入力されるデータに
基づいて、雑音成分を除し、パツケージ表面の微
弱な変化をもとらえ、入力信号のレベル変化を設
定値３４と批判判定３５し、設定値を越えるレベ
ル変化のある場合、異品種が混合しているものと
して不良パツケージとして出力３６する。

即ち、糸は素材により、また同一種の素材例え
ば綿であつても原産地が異なれば、蛍光発生量が
異なるというように種類毎に蛍光発生量が異なる
特性を有し、この特性は極めて敏感で、例えば、
同一原産地の糸であつても、収穫年によつても蛍
光発生量に差が生じる。従つて、センサの感度設
定、基準値の設定は糸の使用目的、用途を考慮し
て適切に設定する必要がある。一種類の糸でパツ
ケージが形成されていれば、回転するパツケージ
に照射された紫外線による蛍光の発生量は常に均
一なものとなり、パツケージ端面の直径線を読み
取つたセンサで得られるレベル信号にはレベル差
は生じず基準範囲内にあり、正常なパツケージで
あると判定する。

一方、第４図に示すように大部分が糸Ｙ１で形
成されたパツケージPi内部に異品種の糸Ｙ２が混
合している場合にはパツケージ端面Paに紫外線
が照射されると、パツケージの回転により得られ
る蛍光レベル信号は第５図の線ｌ１〜lnのように
なる。なおこのレベル信号線はパツケージの半径
部分（第４図３７）をセンサーが読み取つた場合
を示す。即ち、異品種の糸層Ｙ２の部分では他の
部分ｖより大きく異なつたレベルＱとなる。なお
パツケージの回転中に得られるレベル信号の中に
はパツケージ表面に付着したゴミ等によつて部分
的に表れる突出レベルｑ１〜ｑ２が存在するが、
これらはデータ処理部においてパツケージ１回転
においては不連続であるために異品種の糸層によ
るものではないものと判断され削除され、分析装
置３０において比較のために出力されるデータ信
号は第５図の線ｍのように処理されるのである。
この検出信号ｍの突出したレベルＱ１が基準設定
値と比較され、基準値を越えるものである時に、
異品種混合パツケージと判定されるのである。

第５図に示すパツケージPjは同一品種の糸であ
り、糸層部分Ｙ３は昨年入荷した旧原綿で紡績し
た糸を巻取つた部分で糸層部分Ｙ３ａは今年入荷
した新原綿で紡績した糸を巻取つた部分である。

このように同一品種にも関わらず、ロツト換え
が行われた場合にも、糸層表面から発する蛍光量
に差が生じる。即ち第６図示のレベル線図li〜lr
の如く、糸層部分Ｙ３の蛍光量Ｒ１と糸層部分Ｙ
３ａの蛍光量Ｒ１と糸層部分Ｙ３ａの蛍光量Ｒ２
に差が生じ、データ処理した検出信号ｍ１段部Ｑ
２が生じる時はロツト換えによるものと判定する
ことができる。この場合には原綿を処理して紡績
糸を製造する工程の種々の条件設定を調整するこ
とに寄与できるのである。

〔発明の効果〕

以上のように本発明では、パツケージに異品種
の糸が混合していれば、自動的に検出することが
可能であり、正常パツケージとの選別を容易に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の実施例を示す正面図、第
２図は同平面図、第３図は異品種混合のパツケー
ジを検出する分析装置を示すブロツク図、第４図
は異品種混合パツケージの一例を示す平面模式
図、第５図は同パツケージから得られる蛍光のレ
ベル線図、第６図はロツト切換え時に生じるパツ
ケージの一例を示す平面模式図、第７図は同パツ
ケージによつて得られる蛍光のレベル線図であ
る。 １…検査ステーシヨン、４…紫外線発生器、５
…受光器、３０…分析装置、Ｐ…パツケージ、
Pa…パツケージ表面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パツケージの糸層表面に向けて紫外線を照射
   する紫外線発生器と、紫外線を吸収したパツケー
   ジから放出される蛍光を受光する受光器と、該受
   光した信号をデータ処理する分析装置とからなる
   ことを特徴とする巻糸パツケージの検査装置。