JPH03268912A - 射出成形機における成形評価装置および成形評価方法 - Google Patents

射出成形機における成形評価装置および成形評価方法

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JPH03268912A
JPH03268912A JP2068586A JP6858690A JPH03268912A JP H03268912 A JPH03268912 A JP H03268912A JP 2068586 A JP2068586 A JP 2068586A JP 6858690 A JP6858690 A JP 6858690A JP H03268912 A JPH03268912 A JP H03268912A
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礼男 真鍋
Yasuhiko Onishi
靖彦 大西
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、射出成形機により製造された成形品の成形
安定性等を評価する成形評価装置および成形評価方法に
関する。
(従来の技術) 樹脂製成形品を製造するための射出成形機では、通常シ
リンダ内にスクリューが進退自在に設けられており、シ
リンダ内に樹脂材料を溶融かつ装填した後、スクリュー
を前進させて、溶融した樹脂材料を金型に射出するよう
に構成されている。そして、金型内に注入された樹脂材
料が、その金型内で冷却固化されることによって所望の
形状の成形品が製造される。
ところで、常に一定品質の成形品を提供するためには、
上記射出成形機により成形品が製造されるたび毎に、そ
の成形品の良否を判別する必要がある。しかしながら、
すべての成形品の良否を作業員が正確に判別することは
実際上困難である。
そこで、従来より成形品の良否判定を自動的に行う装置
が提案されている。その−例として、例えば特開昭62
−187009号公報に記載されたものかある。この装
置によれば、良好な成形品を安定して製造することがで
きるようになった段階で、射出成形機のスクリューの位
置とそのスクリューが溶融樹脂材料に与える圧力(射出
圧力)との関係を示す波形データを求めて予めメモリに
記憶しておき、その後成形品を製造するたびにその成形
品を射出成形した際のスクリュー位置と射出圧力との関
係を示す波形データを求めて、それをメモリに記憶され
ている上記波形データと比較することによって、成形品
の良否判別を行っている。
しかしながら、この良否判別方法では、波形データを比
較する、すなわち波形パターンの認識によって成形品の
良否判別を定性的に行っているために、高精度の判別か
困難である。
そこで、上記問題を解消するために、成形品の良否判別
を定量的に行う方法が従来より提案されている。その提
案例のひとつとして、例えば特開昭62−134239
号公報に記載されたものがある。この方法によれば、ス
クリューの射出速度と射出圧力とをそれぞれ検出し、そ
れらの値の乗算値を射出開始から保圧終了時点までの開
時間積分して、射出成形機がスクリューを介して溶融樹
脂材料に与えるエネルギー総量(以下「仕事量」という
)を求めた後、その仕事量と予め設定した基準値とを比
較して、成形品の良否判別を行っている。このように、
この提案例では、各成形品の製造毎にその製造に関連す
る定量値(仕事量)を求め、その値に基づいて成形品の
良否判別を行っているので、従来例に比べてより高い精
度で判別を行うことができる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、この種の技術分野では、単に成形品の良否判
別のみならず、良好な成形品が連続的に安定して製造さ
れているか否か(以下「成形安定性」という)および金
型の温度変化の様子や溶融プラスチック材料の粘度変化
の様子等をモニタすることが望まれている。しかしなが
ら、これらの要望に応えた装置等は現在提案されていな
い。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもの
で、成形安定性を正確にモニタすることができる射出成
形機における成形評価装置および成形評価方法を提供す
ることを目的とする。
(課題を解決するだめの手段) 請求項1の発明は、シリンダ内でスクリューを進退駆動
させて前記シリンダ内の溶融成形材料を金型に射出し、
所定形状の成形品を製造する射出成形機における成形評
価装置であって、上記目的を達成するために、前記スク
リューの位置を検出する位置検出手段と、前記スクリュ
ーが前記溶融成形材料に与える射出圧力を検出する圧力
検出手段と、前記射出成形機によって製造された成形品
の重量を秤量する秤量手段と、成形品の製造毎に、前記
位置検出手段から出力される前記スクリューの位置デー
タと前記圧力検出手段から出力される射出圧力データに
基づいて対応する成形品の製造に要する前記射出成形機
の仕事量をそれぞれ求め、その仕事量と前記秤量手段に
よって秤量された成形品重量との相関関係を統計的に求
めて成形安定性を評価する成形評価手段を備えている。
また、請求項2の発明は、シリンダ内でスクリューを進
退駆動させて前記シリンダ内の溶融成形材料を金型に射
出し、所定形状の成形品を製造する射出成形機における
成形評価装置であって、上記目的を達成するために、成
形品の製造毎に、各スクリュー位置において前記スクリ
ューが前記溶融成形材料に与える射出圧力を検出し、そ
の射出圧力を積分して前記射出成形機の仕事量を求める
第1の工程と、成形品の製造毎に、その成形品の重量を
秤量する第2の工程と、前記第1および第2の工程にお
いて求められた複数の対応する仕事量および重量データ
に基づいて、仕事量と成形品重量との相関関係を統計的
に求める第3の工程と、前記第3の工程において求めら
れた相関関係から成形安定性を評価する第4の工程とを
含んでいる。
(作用) 請求項1あるいは2の発明によれば、成形品の製造毎に
、各スクリュー位置においてスクリューが溶融成形材料
に与える射出圧力が検出され、その射出圧力を積分して
射出成形機の仕事量が求められるとともに、その成形品
の重量が秤量される。
そして、それら複数の対応する仕事量および重量データ
に基づいて、仕事量と成形品重量との相関関係が統計的
に求められた後、その相関関係から成形安定性が正確に
評価される。
(実施例) A、装置の構成 第1図はこの発明にかかる射出成形機における成形評価
装置の一実施例を示すブロック構成図である。同図に示
すように、射出成形機10では、加熱筒シリンダ11の
内周面に沿ってスクリュー12がA方向に進退自在に設
けられている。また、このスクリュー12はスクリュー
駆動用の射出ラム13のピストン部13aと接続されて
いる。そして、射出ラム13が作動しスクリュー12が
入方向に前進移動すると、予め加熱筒シリンダ11内に
充填されている溶融樹脂(図示省略)が金型14のキャ
ビティ15内に射出されるように構成されている。
また、上記のように構成された射出成形機10には、こ
の発明の一実施例たる成形評価装置20が設けられてい
る。この成形評価装置20はスクリュー12と射出ラム
13のピストン部13aとの接続部分に設けられてスク
リュー12の位置を検出するエンコーダ(位置検出手段
)21と、射出ラム圧を検出する油圧検出センサ(圧力
検出手段)22とを備えており、スクリュー12の位置
に関連する位置信号S1および射出ラム圧、すなわちス
クリュー12が溶融樹脂に与える圧力(射出圧力)に関
連する圧力信号S2がモニター23に与えられる。この
モニター23はこれらの信号S、、S2をそれぞれスク
リュー12の位置および射出圧力に応した適当な電圧に
変換する。そしで、モニター23から出力されるスクリ
ュー12の位置および射出圧力に関する電圧値(アナロ
グ値)がA/D変換器24によってディジタル信号り、
D2に変換された後、CPU25に入力される。
また、同図への図示は省略されているが、このCPU2
5には、オペレータが個々の成形品の重量を秤量してそ
の値を入力するだめのキーボードが接続されており、そ
のキーボードを介して入力された値、すなわち成形品の
重量に関連するディジタル信号がCPU25に与えられ
る。なお、成形評価装置20に、成形品重量を秤量する
ための秤量装置を組み込んで、その秤量装置により測定
された成形品の重量に関連する信号を自動的にCPU2
5に与えるように、システム化してもよいことは言うま
でもない。
このCPU25では、それらのディジタル信号り、D2
および成形品重量に関連する信号に基づき以下に説明す
るようにして、成形安定性や金型14の温度変化等が評
価される。また、CPU25には、プリンター26が接
続されており、評価結果等が出力される。
B、成形安定性の評価の原理 次に、成形評価装置20の動作について説明する前に、
上記のように構成された成形評価装置20による成形安
定性の評価の原理について説明する。
本願発明者は、射出成形機10により成形品を連続的に
製造しながら、成形評価装置20によって以下のように
して各成形品毎に仕事量を求めるとともに、秤量装置に
よって各成形品重量を求め、仕事量と成形品重量との相
関関係を調べた。
(B−1)仕事量の算出 射出成形機10によって成形品を製造すると、その成形
品の射出成形過程において、エンコーダ21によってス
クリュー12の位置が、また油圧検出センサ22によっ
て射出圧力がそれぞれ連続的に検出されて、各スクリュ
ー位置における射出圧力がCPU25のメモリ(図示省
略)に記憶される。
そして、成形品の製造が完了すると、CPU25におい
て以下の処理が実行されて、仕事量Xが正確に求められ
る。上記のように、スクリュー12の位置と射出圧力を
連続的に求めると、第2図に示すような波形パターンを
求めることができる。
そこで、スクリュー12の最前進位置PFと後退位置P
Eとの間の各スクリュー位置における射出圧力の値を順
次メモリから読み出して、その値を積分することにより
仕事量を求める。つまり、スクリュー位置と射出圧力と
の関係を示す波形パターン(第2図)の面積を求める。
ただし、この実施例では、第2図の斜線部分に相当する
仕事量ΔXを、上記のようにして求めた仕事量から除い
ている。これは、射出成形工程の保圧時において、金型
14のギヤビティ15に充填された溶融樹脂によってス
クリュー12に逆方向(−A方向)の負荷が印加される
ためである。
なお、仕事量の算出方法としては、上記のようにCPU
25による自動演算のほかに、X−Yレコーダによって
波形パターン(第2図)をゲント紙上に描き、オペレー
タがその波形パターンに対応する部分を切り抜いてその
重量から仕事量を求め、CPU25に人力するようにし
てもよい。ただし、ケント紙のダラムウェイトが紙面全
体にわたって均一であるというわけてはないこと及びX
−Yレコーダでは応答性が悪いため波形パターンが不正
確であるという理由により、この方法は精度の点で上記
自動演算法よりもかなり劣る。
以上のように、射出成形工程における各スクリュー位置
での射出圧力を圧力センサ22によって直接的に測定し
、その測定値を積分して仕事量Xを求めているために、
高い精度で仕事量が求められる。また、保圧状態での充
填流の溶融樹脂による逆方向の負荷(第2図の斜線領域
)については、従来、全く考慮されていなかったが、こ
の実施例ではこの負荷についても考慮している。そのた
め、この実施例で求められた仕事量Xは真の仕事量とほ
ぼ一致したものであると言える。
(B−2)成形品の重量測定 一方、成形品の製造ごとに、成形品が秤量器に運ばれ、
その秤量器によって成形品の重量が秤量される。
(B−3)仕事量と成形品重量との相関関係こうして、
本願発明者は各成形品の仕事量と重量とを求め、第3図
に示すような結果を得た。同図(a)は射出成形開始か
ら50個製造するまでの結果を、また同図(b)は51
個から100個製造までの結果を示している。
同図かられかるように、成形品を50個製造するまでは
、比較的データがばらついているが、51個以後におい
てはデータはほとんど一定の範囲内にある。すなわち、
51個以降の射出成形においては、常に一定の仕事量で
一定重量の成形品を製造することができ、成形安定性が
優れていると結論付けることができる。
したがって、一定例数の成形品を製造しながら、各成形
品毎に仕事量と成形品重量をそれぞれ測定して、仕事量
と成形品重量との相関関係を調べることにより成形安定
性を評価することかできる。
C1成形安定性の評価 次に、成形評価装f[20による成形安定性の評価動作
について第4図を参照しつつ説明する。
オペレータが操作盤(図示省略)を操作して射出成形開
始指令を成形評価装置20のCPU25に与えると、C
PU25から種々の指令信号が射出成形機10の各部に
与えられて、所定形状の成形品が射出成形機10によっ
て製造された(ステツブ5TI)後、CPU25によっ
てその成形品を製造するための仕事量Xが上記のように
して精度良く求められ(ステップ5T2) 、CPU2
5のメモリに記憶される。
次に、金型14から成形品を取り出して、図示を省略す
る秤量装置によって成形品の重量Yを測定する(ステッ
プ5T3)。そして、オペレータがその測定結果をキー
ボードを介してCPU25にインプットすることにより
、成形品の重量Yに関連するデータがメモリに記憶され
る。
ステップST4において、射出成形工程が所定ショト数
だけ繰り返されて所定個数の成形品が製造されたか否か
が判定される。そして、所定ショツト数未満の間、上記
ステップST1〜ST3の処理が実行される。
一方、ステップST4において、所定ショツト数以上で
あると判定されると、上記メモリに記憶されている仕事
量データXと成形品重量データYに基づいて成形安定性
を評価する。
ここでは、成形安定性を評価する場合に統計的手法を用
いている。すなわち、仕事量と成形品重量間に相関関係
がある場合、いわゆる分散分析により有意性が求められ
る場合を成形性不安定とし、逆の場合には成形性安定と
する。
また、仕事量と成形品重量両者の共分散値を利用する。
尚、この両者の間には、第1表に示すような相関が認め
られる。
第1表 そこで、この実施例では、次式に基づいて共分散値SX
Yを求める(ステップ5T5)。
そして、ステップST5において求めた共分散値SxY
と予め設定された基準値との偏差を求めた(ステップ5
T6)後、その偏差が一定範囲内にあるか否かを判定す
る(ステップ5T7)。このステップST7において、
その偏差が一定範囲内にある、すなわち成形安定性が良
いと判定されると、その旨を示す信号を例えばプリンタ
ー26に出力して、安定して成形品が製造されているこ
とをオペレータに知らせる。逆に、一定範囲内にない、
すなわち成形安定性が悪いと判定されると、その旨を示
す信号をプリンター26に出力して、成形安定性が悪い
状態で成形品が製造されていることをオペレータに知ら
せる。
D、その他 上記においては、成形安定性の評価について説明したが
、これ以外に第1図に示すように構成された成形評価装
置20により金型の温度変化の様子や溶融材料の粘度変
化の様子等を比較的高い精度で求めることが可能となる
以下、それらについて説明する。
く金型の温度変化の様子〉 本願発明者は、射出成形機10により成形品を連続的に
製造しながら、成形評価袋!20によって各成形品毎に
仕事量を求めるとともに、秤量装置によって各成形品重
量を求め、ショツト数と仕事量、成形品重量との紅時的
変化の関係をそれぞれ調べた。第5図はその結果を模式
的に示す図であり、同図において実線は仕事量とショツ
ト数との関係を、また点線は成形品重量とショツト数と
の関係を示している。
同図の実線に示すように、仕事量は、射出成形開始から
20〜30シヨツトまでは、ショツト数の増加につれて
仕事量が減少し、それ以後はほぼ一定となっている。こ
の現象は、以下のように考察することができる。すなわ
ち、ショツト数の増加により金型14の温度が徐々に上
昇することにより、金型14への溶融樹脂の注入がスム
ーズになるため、仕事量も徐々に減少するが、射出成形
開始から20〜30ショット近辺で仕事量が安定してく
る。したがって、射出成形開始から20〜30ショット
近辺までの仕事量の減少は金型]4の温度上昇に起因し
、それ以降の仕事量の安定化は金型14の温度上昇が停
止し安定した温度に達したものと結論付けることができ
る。そのため、成形品の製造毎に仕事量を求め、その変
化の様子を解析することにより、金型14の温度変化の
様子を調べることができる。
一方、第5図の点線に示すように、成形品重量は、射出
成形開始から20〜30シヨツトまではショツト数の増
加につれて徐々に増加し、それ以後はほぼ一定となり、
品質が安定したことを示す。
本2つの現象は、従来作業現場において射出成形開始か
ら20〜30シヨツトまでの成形品は不良品であること
か多いために廃棄するという作業、いわゆる捨打ちとい
う経験則の正当性を示唆するものと言える。
く溶融材料の粘度変化の様子〉 また、本願発明者は、流動性の異なる2種類のPo1y
 Butylene Terephthalate  
(以下rPBTJという)を用意し、それぞれのPTB
を射出成形機]0に充填して成形品を連続的に製造し、
成形評価装置20によって射出成形開始時(第1シヨツ
ト目)、第50シヨツト目の波形パターンをそれぞれ求
めた。第6図(a) 、  (b)はそれぞれ第1およ
び第50シヨツト目の波形パターンを示している。同図
において実線は流動性か高いPTB(MI値−3,0g
/l0m1n )のものであり、点線は流動性か低いも
の(MI値−2,0g/login )である。同図か
られかるように、流動性が高いPTBを用いて成形品を
製造する場合には波形パターンはシャープなものとなり
、仕事量が低くなる一方、流動性の低いPTBを用いた
場合にはなだらかなパターンとなり、仕事量が高くなる
本願発明者は、さらに仕事量と溶融樹脂の流動性との関
係を調べるために、溶融樹脂の流動性(MI値)と仕事
量との相関関係を求めた。第7図はその結果を示す図で
ある。同図に示すように、仕事量は流動性か低くなる、
すなわちMI値が小すくナルニツレテ一定の割合(−5
00kgr−C1I/g/10sin)で増加している
したかって、溶融樹脂の流動性については、従来メルト
インデクサ−により成形品のMI値を実測することによ
って経時後間接的にその流動性を評価するしかなかった
が、この成形評価袋!20ては、波形パターンや仕事量
の大小から溶融樹脂の流動性をリアルタイムに判断する
ことができ、しかも仕事量を連続的に求めてその変化の
様子から、溶融樹脂の粘度変化の様子をリアルタイムに
精度良く調べることができる。
〈溶融樹脂の変性検出〉 従来から知られているように、溶融樹脂、例えばPBT
ては、加水分解等により材料変性か生じると、PBTの
流動性は高くなる。そこで、本願発明者は、射出成形機
10により成形品を連続的に製造しながら、成形評価装
置20によって各成形品毎に仕事量を求めるとともに、
所定ショツト数におけるPBTの流動性(MI値)を測
定した。
第8図および第9図はその結果を示す図であり、第8図
は溶融樹脂の水分含有量が0.02wt%未満となるよ
うに水分管理を行った場合を示し、第9図はそれを行わ
なかった場合、即ち水分含有量が0.02νt%以上と
なる場合を示している。
両図を比較すると、全般的に第9図の流動性(MI値)
か第8図のそれに比べて高くなっている。このことは、
上記したように、加水分解等により材料変性が生じたこ
とを示唆するものと考察することができる。また、仕事
量はショツト数の増加につれて減少している。この現象
は上記で説明した溶融樹脂の流動性(MI値)と仕事量
との相関関係と一致したものとなっている。
したがって、成形評価装置20ては、仕事量を連続的に
求めてその変化の様子から、溶融樹脂の変性を検出する
ことができる。また、MI値の代わりに仕事量を連続的
に求めるようにしてもよい。
〈再生材使用時の成形安定性の評価〉 ところで、資源の再利用という観点から、リサイクル材
料(再生材)を利用して、射出成形品を製造することか
ある。そこで、上記と同様にして、リサイクル材料を用
いて射出成形工程を行った場合の成形安定性について調
べた。
すなわち、射出成形機10により成形品を連続的に製造
しながら、成形評価装置20によって各成形品毎に仕事
量を求めるとともに、秤量装置によって各成形品重量を
求め、ショツト数と仕事量成形品重量との関係をそれぞ
れ調べた。第10図はその結果を模式的に示す図であり
、同図(a)は射出成形開始から50個製造するまでで
結果を、また同図(b)は51個から100個製造まで
の結果を示している。同図において実線は仕事量とショ
ツト数との関係を、また点線は成形品重量とショツト数
との関係を示している。
また、上記のようにして求めた仕事量および成形品重量
から、仕事量と成形品重量との相関関係を調べた。第1
1図はその結果を示す図であり、同図(a)は射出成形
開始から50個製造するまでの結果を、また同図(b)
は51個から100個製造までの結果を示している。
ここで、通常の材料(バージン材料)を用いて射出成形
工程を行った場合とリサイクル材料を用いた場合とを比
較してみると、前者の場合は第3図かられかるように5
1シヨツト以降においてはデータのばらつきはほとんど
見られないのに対して、後者の場合には第11図に示す
ように100ショット行ってもまだデータが比較的ばら
ついている。この結果は、リサイクル材料を用いて射出
成形を行った場合には成形安定性か低Fするという経験
則と一致するものである。
したがって、上記実施例にかかる成形評価装置は、通常
の材料のみならずリサイクル材料を用いて射出成形を行
う場合の成形安定性についても適格に評価することかで
きる。
く金型への樹脂の貼付〉 連続成形中に、突然金型に樹脂が貼付することがある。
そこで、正常成形時の波形パターンと金型への樹脂の貼
付が生した時のそれとを、第1図に示すように構成され
た成形評価波W20によりそれぞれ求めた。第12図(
a)が前者を、また第12図(b)が後者を示す。同図
かられかるように、金型への樹脂の貼付が生じた時には
、波形パターンに異常か見られ、その仕事量も極端に減
少している。
したがって、成形評価装置20では、成形品を連続的に
製造しながら、各成形品毎の仕事量を求め、その仕事量
から金型への樹脂の貼付を検出することできる。例えば
、成形評価装置20のCPU25によって各成形品毎の
仕事量と予め設定しておいた基準値との偏差を算出し、
その偏差か所定範囲内にあるか否かを判別する、つまり
偏差が所定範囲内にある場合には正常成形と判断する一
方、所定範囲内にない場合には金型への樹脂の貼付が生
したと判断するように構成すればよい。
(発明の効果) 以上のように、請求項1あるいは2の発明によれば、成
形品の製造毎に、各スクリュー位置においてスクリュー
が溶融成形材料に与える射出圧力を検出し、その射出圧
力を積分して射出成形機の仕事量を求めるとともに、そ
の成形品の重量を秤量して重量データを求め、これらの
仕事量および重量データに基づいて、仕事量と成形品重
量との相関関係を統計的に求めた後、その相関関係から
成形安定性を評価するようにしているので、成形安定性
を成果悔いモニタすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる射出成形機における成形評価
装置を示すブロック構成図、第2図、第6図および第1
2図はそれぞれ第1図に示す射出機のスクリュー位置と
射出圧力との関係を示す波形パターンを示す図、第3図
および第11図はそれぞれ成形品重量と仕事量との相関
関係を示す図、第4図はこの発明にかかる成形評価装置
の一実施例の動作を示すフローチャート、第5図および
第10図はそれぞれ連続成形時の仕事量および成形重量
の変化の様子を示す図、第7図は仕事量と流動性との関
係を示す図、第8図および第9図はそれぞれ連続成形時
の仕事量および流動性の変化の様子を示す図である。 10・・・射出成形機、1トシリンダ、12・・・スク
リュー ]4・・金型、20・・・成形評価装置、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)シリンダ内でスクリューを進退駆動させて前記シ
    リンダ内の溶融成形材料を金型に射出し、所定形状の成
    形品を製造する射出成形機において、前記スクリューの
    位置を検出する位置検出手段と、 前記スクリューが前記溶融成形材料に与える射出圧力を
    検出する圧力検出手段と、 前記射出成形機によって製造された成形品の重量を秤量
    する秤量手段と、 成形品の製造毎に、前記位置検出手段から出力される前
    記スクリューの位置データと前記圧力検出手段から出力
    される射出圧力データに基づいて対応する成形品の製造
    に要する前記射出成形機の仕事量をそれぞれ求め、その
    仕事量と前記秤量手段によって秤量された成形品重量と
    の相関関係を統計的に求めて成形安定性を評価する成形
    評価手段を備えたことを特徴とする射出成形機における
    成形評価装置。
  2. (2)シリンダ内でスクリューを進退駆動させて前記シ
    リンダ内の溶融成形材料を金型に射出し、所定形状の成
    形品を製造する射出成形機において、成形品の製造毎に
    、各スクリュー位置において前記スクリューが前記溶融
    成形材料に与える射出圧力を検出し、その射出圧力を積
    分して前記射出成形機の仕事量を求める第1の工程と、 成形品の製造毎に、その成形品の重量を秤量する第2の
    工程と、 前記第1および第2の工程において求められた複数の対
    応する仕事量および重量データに基づいて、仕事量と成
    形品重量との相関関係を統計的に求める第3の工程と、 前記第3の工程において求められた相関関係から成形安
    定性を評価する第4の工程とを含むことを特徴とする射
    出成形機における成形評価方法。
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