JPH0326070B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、洗濯機の特に脱水受筒カバー等の取
付構造に関するもので、簡単な構成によつて、サ
ービス性ならびに品質面での向上を図るものであ
る。

従来の洗濯機の上部構造は、第１〜３図に示す
ように、外槽１の内側に、洗濯槽２ａおよび脱水
受筒２ｂを一体に成形したものよりなる受筒２が
固定してあり、脱水受筒２ｂ内には脱水籠３が配
設されている。４はモーター（図示せず）により
高速回転する脱水籠３と脱水受筒２ｂとの空間部
に、被脱水物等が落ち込まないように前記空間部
の上方を覆つて設けた脱水受筒カバーである。

５は電装品等を取付ける表示板で、下部にはＬ
状突起６が、また、上部には表示板固定用のボス
部７が各々複数個一体に形成してある。８は前記
表示板５の下方に設けたパネル台で、受筒２全体
を横切る大きさで構成しており、前方には、内壁
９と外壁１０とを間隔をおいて設け、かつ外壁１
０の上部には、前記表示板５のＬ状突起６と係合
する係止片１１を設けている。又、このパネル台
８の後方には、複数個の凹部１２が、前記ボス部
７に対応するように後部壁と一体に設けられてい
る。

さらに脱水受筒２ｂ上方には、開閉自在であつ
てその開閉動作に対応して、脱水開始及び終了の
ための電源ON、OFFを行い、かつ、脱水終了
後、高速回転している脱水籠３を強制的に制動さ
せる機能を発揮することを目的として、蓋１３が
あるが、この蓋１３には、前述した開閉動作のた
めの軸部１４が、後方に延出したアーム部１５と
一体に形成されている。前記パネル台８の外壁１
０には、前記蓋１３のアーム部１５が貫通する切
欠き部１６を設け、さらに、前記蓋１３の軸部１
４を回動自在に保持する軸保持部１７を、前記パ
ネル台８に一体に設けている。

以上のように構成された各部材を、受筒２に取
付ける場合は、まず、脱水受筒カバー４を受筒２
の上部に載置し、次に、蓋１３を、その軸部１４
を、パネル台８の軸保持部１７に嵌合させた後、
脱水受筒カバー４の上から更に載置し、ビス等に
よつて受筒２と共締め固定する。そして、表示板
５のＬ状突起６を、その可撓性を利用して、パネ
ル台８の係止片１１に係着させ、その後ボス部７
をパネル台８の後部壁に設けられた凹部１２に当
接させ、ビス等により締めつけ固定する。又、前
記軸保持部１７をパネル台８と一体に構成するの
ではなく、受筒２と一体に形成したものもある
（図示せず）が、この場合も、前述と同様な取付
方法でパネル台８と受筒２を固定する。

ここで、前述した受筒２、脱水受筒カバー４、
表示板５、パネル台８および蓋１３は、いづれも
ポリプロピレン等の合成樹脂等で構成されてお
り、しかも受筒２、表示板５およびパネル台８
は、その構成上、部品単品としては、必然的に大
きなものとならざるを得ない。従つて、成形後の
熱収縮による寸法変化が大きく、寸法精度が出に
くいという欠点を有していた。特に受筒２は、そ
の構成上、中央部に大きな空間部１８を有してい
るため、そのフランジ部１９は全体的に外側に脹
んだり、或いは内側に縮んだりし、同様に熱収縮
のため変形したパネル台８と、受筒２のフランジ
部１８が沿わず、従つて、ビス等の締め付け穴の
位置が合わず、組み立てにくいという欠点を有し
ていた。

さらに、前記したような洗濯機の構造におい
て、蓋１３を交換する必要性が生じた場合は、表
示板５をパネル台８から外し、さらにパネル台８
を受筒２からビス等をゆるめた後取り外さなけれ
ば、パネル台８の軸保持部１７から蓋１３の軸部
１４を取り外すことはできないため、蓋１３の互
換性に劣るという欠点をも有していた。

本発明は上記従来の欠点を除去すべくなされた
もので、以下添付図面に基いて、本発明の一実施
例を説明する。第４図、第５図において、２０は
洗濯槽２０ａおよび脱水受筒２０ｂを樹脂にて一
体成形したものよりなる受筒、２１は電装品等を
取付け収納する表示板で、その下部にはＬ状突起
２２を、また、上部には略鉛直壁２３をそれぞれ
一体に成形して設け、その略鉛直壁２３下方部に
は受筒２０との取付穴２４が複数個形成してあ
る。

２５は前記表示板２１の下方に設けた樹脂製の
パネル台で、受筒２０及び後述する脱水受筒カバ
ーとの取付穴を複数個有し、前方部には、内壁２
６と外壁２７とが間隔をおいて複数個設け、か
つ、外壁２７の上部には、前記表示板２１のＬ状
突起２２と係合する係止片２８を設けている。
又、このパネル台２５は、およそ受筒２０の洗濯
槽２０ａ側の開口を横断し、後述する脱水受筒カ
バーと一部重なりあう程度の大きさで略平面状に
構成されている。

２９は前述した脱水受筒カバーで、樹脂製であ
り、その中央部には、被脱水物を出入れする穴３
０が設けられ、後方部には、パネル台２５と同様
に、内壁３１と外壁３２とを間隔をおいて一体に
複数個設け、かつ外壁３２の上部には、係止片３
３が設けてある。また、脱水受筒カバー２９には
一体に複数個の軸保持部３４が設けてあるととも
に受筒２０とビス等により固着するための取付穴
３５が複数個設けてある。この脱水受筒カバー２
９は、およそ受筒２０の脱水受筒２０ｂの開口を
覆い、前述したパネル台２５の一部が重なり合う
程度の大きさで構成されている。

３６は脱水受筒２０ｂの蓋で、その後方部には
一体に延出したアーム部３７およびこのアーム部
３７から一体に突出した軸部３８が設けてある。
前記軸部３８は軸保持部３４によつて回動自在に
軸支してある。

上記構成において、受筒２０に各部品を取付け
る場合は、まず、パネル台２５を受筒２０の洗濯
槽２０ａ側に載置した後、脱水受筒カバー２９を
脱水受筒２０ｂ側に載置する。なお、この順番は
逆でもよい。そして、脱水受筒カバー２９に設け
た受筒２０との取付穴３５を利用して、ビス等に
てパネル台２５および脱水受筒カバー２９を受筒
２０と各々固着するか、あるいはまた、パネル台
２５の一部と脱水受筒カバー２９の一部が重なり
合うように構成して、受筒２０とパネル台２５お
よび脱水受筒カバー２９とを一体に固着してもよ
い。

次に脱水受筒２０ｂ側の蓋３６の軸部３８を、
脱水受筒カバー２９に形成した軸保持部３４に嵌
合する。なお、受筒２０と固着する以前に、脱水
受筒カバー２９と嵌合させておいても何ら支障は
ない。そして、表示板２１のＬ状突起２２を、パ
ネル台２５の係止片２８及び脱水受筒カバー２９
の係止片３３と係着する。その後、ビス等にて、
受筒２０と表示板２１を固着する。

上記実施例から明らかなように本発明によれ
ば、パネル台を従来の半分程度の大きさとするこ
とができるため、成形後の熱収縮等の影響を受け
にくく、寸法精度が向上し、さらに、受筒のフラ
ンジ部が熱収縮等によつて変形しても、フランジ
部に沿つて、パネル台及び脱水受筒カバーを載置
することが容易であり、組み立てが簡単になり、
作業能率が向上する。また、脱水受筒カバーは、
従来とほとんど同じ大きさであるため、寸法精度
等が従来より劣ることはない。さらに、脱水受筒
側の蓋を交換する場合は、受筒と表示板との固定
用ビス等を外して、表示板のＬ状突起を、パネル
台及び脱水受筒カバーの係止片から外せば、脱水
受筒側の蓋の軸部を脱水受筒カバーの軸保持部か
ら外すことができ、従来のように、全てのビスを
ゆるめて、受筒からパネル台を取外した後でなけ
れば、脱水受筒側の蓋の交換が不可能であるとい
うことがないため、サービス性にも秀れた構造と
なる。さらに、脱水受筒カバーの一部とパネル台
の一部が重なりあうようにして受筒と一体に共締
め固着した場合は、前述の効果に加えて、洗濯機
の上部における堅牢性がより増すという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般的な洗濯機の外観斜視図、第
２図はその表示板およびパネル台の取付構造の拡
大断面図、第３図は同要部の分解斜視図、第４図
は本発明の一実施例における洗濯機の要部の分解
斜視図、第５図は同要部の拡大断面図である。 ２０……受筒、２０ａ……洗濯槽、２０ｂ……
脱水受筒、２１……表示板、２５……パネル台、
２９……脱水受筒カバー、３４……軸保持部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯槽および脱水受筒よりなる受筒と、この
   受筒の洗濯槽側の開口をほぼ横断するように略平
   面状に構成したパネル台と、前記受筒の脱水受筒
   側の開口をほぼ横断するように配した脱水受筒カ
   バーと、前記パネル台および脱水受筒カバーの双
   方に取付けた表示板と、前記脱水受筒カバーに一
   体に形成した軸保持部によつて開閉自在に保持さ
   れた脱水受筒側の蓋とを備えた洗濯機。 ２ パネル台および脱水受筒カバーを、一部をオ
   ーバラツプさせて、受筒と固着した特許請求の範
   囲第１項記載の洗濯機。