JPH032564Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はカーポート、テラスあるいはバルコ
ニーの如く、野外で起立した複数の柱上に屋根を
備え、且つ各柱間の開口部が遮閉シートで覆閉し
てある構築体に関する。

〔従来の技術〕

周知のように、カーポートの如く屋根があるが
柱間の周面が開放された構築体が販売され使用さ
れているが、地方によりあるいは季節によつて構
築体の周面を覆い外界と遮断されることが要望さ
れるもので、これに対し各柱間の開口部に遮閉シ
ートを取付けたものが提案されており、その殆ん
どの取付け手段はカーテンの如く遮閉シートの上
端縁を等間隔おきにフツクなどによつて吊り下
げ、遮閉シートの下端縁を等間隔おきに地中に打
ち込んだ杭で止着している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、前記従来の構築体によれば遮閉シー
トがカーテン状に吊り下げてあるため、吊り下げ
るフツクとフツクの間は襞の如くに突出するか、
あるいは緊張して張つても、フツク間の緊張度が
低いため、強風時には遮閉シートのフツク間の部
分が風にあおられ「ばたばた」と音を出して揺れ
動き、騒音害となると共にフツクに無理な荷重が
加わり耐久性に問題があつた。この考案は以上の
問題を解決すべく工夫したもので、遮閉シートの
全面が均一に緊張して張り付けられ、しかもその
脱着が容易になる屋根付き構築体を提供すること
にある。

〔問題を解決するための手段〕

この考案による解決手段は、屋根を保持する各
柱間の開口部を覆閉する遮閉シートの上縁が屋根
を構成する桁に開離可能のスライドフアスナーで
止着してあると共に、遮閉シートの中間部が各柱
に対し締付け可能の締結具によつて止着したこと
にある。

〔実施例〕

第１図に示す例の構築体はカーポートであつ
て、地上に起立された複数本の柱１上に屋根２を
支持してあつて、各柱１間の前面を除く他の両側
面及び後面の各開口部を遮閉シート４で脱着自在
に覆閉したもので、該遮閉シート４は、例えば網
状シートあるいは多数の小孔をあけた多孔シート
の如く無数の目孔３を有するシート、またはテン
ト布などで形成したものである。該遮閉シート４
を脱着自在に張り付ける構造は、屋根２を構成す
る桁５に対してスライドフアスナー６で吊り下
げ、各柱１に対しては締結具２０で止着したもの
である。

前記スライドフアスナー６は一対のフアスナー
ストリンガー６ａ，６ｂ（テープの一側縁にフア
スナーエレメントを止着したもの）が完全に分離
し得るもので、一方のフアスナーストリンガー６
ａを第２図図示の如く桁５に取付け、他方のフア
スナーストリンガー６ｂを遮閉シート４に取付
け、両ストリンガー６ａ，６ｂに亘つてスライダ
ー７を通すことにより互いに噛合され、遮閉シー
ト４が吊り下げられる。またスライダー７を抜き
取ることにより遮閉シート４を取外すことが出来
る。しかし両ストリンガー６ａ，６ｂを噛合した
のみでは両端より開離してしまう恐れがあるた
め、両ストリンガー６ａ，６ｂを桁５及び遮閉シ
ート４に取付ける際、両ストリンガーの各両端を
桁及び遮閉シートより適宜の長さ延長した状態に
設けて置き、第５図図示の如くストリンガーの始
端部において、フツク状棘を有する雄体片８ａと
ループ状棘を有する雌体片８ｂとで形成される面
フアスナー８の何れか一方片を各ストリンガー６
ａ，６ｂの両面に止着し、両ストリンガーを噛合
した後に、双方のフアスナー８に亘つて他の面フ
アスナー８を覆い被せるように噛合して両ストリ
ンガー６ａ，６ｂを互いに一体的に連結する。ま
た両ストリンガーの末端部においては、同じく第
５図図示の如く、噛合した両ストリンガー６ａ，
６ｂに亘つて「日」字状の止着具９をくぐり通
し、その一端にスライダー７を当接してスライダ
ー７の抜け取れ及び開離を防止して置く。しかし
必ずしも上記構造をもつスライドフアスナー６を
使用する必要がなく、完全に分離できる機能をも
つた開離嵌挿具付きスライドフアスナー（図示せ
ず、一般にジヤンパーなどに取付けてある）を使
用しても良い。

更に上記スライドフアスナー６の取付け構造は
第２図図示の如く、桁５に取付けるフアスナース
トリンガー６ａのテープに筒部１０を形成し、筒
部１０に薄鉄板などの補強板１１を差し込んでお
き、また桁５には一般に雨樋１２が一体に形成し
てあるから、雨樋１２の室外側立上り壁１３に前
記ストリンガー６ａの筒部１０を掛止金具１４で
挾み当てボルト、ナツトで締付ける。遮閉シート
４に取付けるフアスナーストリンガー６ｂは、遮
閉シート４と該ストリンガー６ｂ間に補強布１５
を挾んで縫い付けて置く。あるいは第４図図示の
如く、雨樋のない桁５には、桁５の下面に下向き
に口を開いた溝１６を形成し、一方の筒部１０を
備えたフアスナーストリンガー６ａの筒部１０に
補強板１１をテープ部がＴ字形を呈するように挿
入し、該補強板１１を入れた筒部１０を前記溝１
６内にガスケツト１７と押縁３０と、により固定
したものである。また第４図図示の如く、桁５に
前記例と同様の溝１６を形成し、フアスナースト
リンガー６ａの筒部１０にゴムロープ１８を挿入
して、これを溝１６に嵌めて押え板３１で固定し
て取付ける。他方のフアスナーストリンガー６ｂ
は第３図に示す例と同様に遮閉シート４に取付け
る。

上述の如く吊り下げられた遮閉シート４は、そ
の下端が地上よりやや浮き上がつた状態に取付け
られる高さに形成し、且つ該下端に第６図のＡ図
の如く、針金あるいはロープなどの芯材１９を補
強布１５に包んで取付けるか、Ｂ図の如く補強布
１５のみを取付け、風のあおりを防止している。

次に前記締結具２０は、第７図に示すように帯
状体の表面先端部に面フアスナー８の雌雄何れか
一方の面を取付け、基部に他面の面フアスナー８
を設け、その基端に「口」形をなす連結具２１を
止着し、中間部に「日」形をなす係止具２２を差
し通したもので、このベルト２０を使用して遮閉
シート４を柱１に止着するには、第８図図示のよ
うに、遮閉シート４に鳩目２３縁取りした透孔２
４の室外側面に係止具２２をあてがい、室内側よ
りベルト２０を透孔２４及び係止具２２に差し通
し、更にベルト２０を柱１の外周に巡ぐらし、先
端部を連結具２１に掛け、その先端部を引き付け
て緊締してからベルト２０の雌雄の両フアスナー
８を互いに噛合しておく。尚、以上の締結具２０
は第１図図示のように柱１の縦方向に数箇所に亘
つて設けられる。しかし遮閉シート４の両端の各
下端部には、第９図図示のバツクル２５を備えた
締結ベルト２６を遮閉シート４に固着し、柱１に
巻き付けて締結してある。

更に、遮閉シート４は第１０図図示の如く、構
築体の両側面及び後面をそれぞれ単位とする分割
型に形成して覆閉しても良い。この場合、桁に吊
り下げるスライドフアスナー６も個々に分割して
設ける。また各単位ごとの遮閉シート４……の隣
接縁を互いにスライドフアスナー６で連結する。
その場合隣接する遮閉シート４，４の上端縁にお
いて第１１図図示の如く、フツク２７とアイ２８
で連結しておくことが望ましい。

〔考案の効果〕

この考案による屋根付き構築体は、その各柱間
の開口部を覆閉する遮閉シートの上縁が、屋根を
構成する桁に開離可能のスライドフアスナーで止
着され、且つ遮閉シートの中間部が各柱に締付け
可能の締結具によつて止着したもので、遮閉シー
トがスライドフアスナーによつて吊り下げてある
ため、中間に襞の生じることがなく偏平な状態に
張り付けられ、更に遮閉シートの中間部が各柱に
締結具によつて止着したものであるから、遮閉シ
ートの全面に亘り均一な状態に張り付けられ、強
風時にあおられることがなく安定した状態を保持
するものである。また、スライドフアスナーは開
離できるものであるから、遮閉シートの取外し及
び取替えが簡単に出来るものであり、また締結具
は締付け可能のものであるから、遮閉シートの緊
張度を適宜に調節され、遮閉シートの素地に応じ
て適度の緊張度で張り付けられるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による屋根付き構築体を示す
斜視図、第２図、第３図、第４図は遮閉シートを
桁に吊り下げる構造例を示す各断面図、第５図は
遮閉シートを桁に吊り下げるスライドフアスナー
の始端と末端部を示す斜視図、第６図のＡ図とＢ
図は遮閉シートの下端部を示す断面図、第７図は
締結具を示す斜視図、第８図は第７図に示す締結
具で遮閉シートを柱に止着する状態を示す断面
図、第９図は遮閉シートの下端部を柱に止着する
締結ベルトとそのバツクルを示す断面図、第１０
図は分割型の遮閉シートを示す正面図、第１１図
は分割型遮閉シート間の連結構造を示す斜視図で
ある。 １……柱、２……屋根、４……遮閉シート、５
……桁、６……スライドフアスナー、８……面フ
アスナー、２０……締結具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の柱１上に屋根２を備え、各柱間の開口部
   を遮閉シート４で覆閉してある構築体において、
   前記遮閉シート４の上縁が、屋根２を構成する桁
   ５に開離可能のスライドフアスナー６で止着して
   あると共に、遮閉シート４が各柱１に締付け可能
   の締結具２０によつて止着していることを特徴と
   する屋根付き構築体。