JPH0325370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、可動磁石部分と、導電材料よりなる
短絡環を挿入するための２つの溝を磁極面に有す
る固定磁石部分とを備えた電磁開閉器の電磁石装
置に関する。

〔従来の技術〕

可動磁石部分と固定磁石部分とを備え、固定磁
石部分の磁極面に短絡環を有する開閉器におい
て、針状の磁気帰路部にプランジヤ接極子形磁石
系を備え、針状の磁気帰路部に隣接して設けた磁
力線を通す板に短絡環を固定し、交流励磁により
開閉器を動作させるようにしたものは公知である
（ドイツ連邦共和国特許第1270655号明細書参照）。

また電磁開閉器、特に接極子形接触器におい
て、励磁コイルを貫通するアングル状継鉄の鉄心
極に、鉄心極の面積を増大させ且つ接極子と協同
動作する極板をねじ止めし、直流励磁により開閉
器を動作させるようにしたものも公知である（ド
イツ連邦共和国実用新案第1901736号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の目的は、できるだけ同種の部品を使用
して交流用電磁石装置を直流用電磁石装置として
使用することが可能な電磁開閉器の電磁石装置を
得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案において
は、可動磁石部分と、導電材料よりなる短絡環を
挿入するための２つの溝を磁極面に有する固定磁
石部分とを備えた電磁開閉器の電磁石装置におい
て、固定磁石部分の磁極面を取り囲むように磁極
面より外方に突出し、中心部に磁極面が貫通する
透孔と透孔間に形成された２つの脚部を有する磁
性材料からなる極板の両脚部を、固定磁石部分の
磁極面の両溝に嵌め込むようにしたものである。

可動磁石部分は、その吸引された状態で磁極面
と平行に延びる積層金属板から構成するのが好ま
しい。

電磁石装置を接極子磁石系として構成すると有
利である。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面について説明する。

図に示された電磁開閉器は、上部ハウジング２
の中に設けられた接触子系１と、下部ハウジング
４の中に収納された接極子磁石系２とからなつて
いる。接極子磁石系３は磁性板を積み重ねて形成
した可動磁石部分５と、継鉄８にコイル７を巻装
した固定磁石部分１７とから構成され、コイル７
に電圧が印加されることにより継鉄に生じた磁束
により可動磁石部分５が吸引され、接触子系１の
橋絡接触子支持体６が操作されることによつて接
触子系１の各接触子間の電気接続が行われる。

固定磁石部分１７の継鉄８の可動磁石部分５に
対向する磁極面９には、２つの溝１０，１１が設
けられている。両溝１０，１１内には、第１図の
ものにおいては導電材料よりなる短絡環１２が嵌
め込まれており、その結果第１図の接極子磁石系
は交流励磁磁石系として動作することができる。
この場合の構成は第１図の−線に沿う断面で
もつて第３図の右半分に平面図で示されている。

第２図は第１図の短絡環１２の代わりに極板１
３を用いた本考案の実施例を示し、その−線
に沿う断面でもつて第３図の左半分に平面図が示
されている。極板１３は固定磁石部分１７の磁極
面９を取り囲むように磁極面９より外方に突出す
る広がりを有し、中心部には一部をくりぬいて透
孔１８，１９，２０が設けられ、２つの透孔１
８，１９間、１９，２０間に磁極面９の２つの溝
１０，１１と嵌合する２つの脚部１４，１５が形
成され、磁性材料より形成されている。この極板
１３の透孔１８，１９，２０を磁極面９が貫通
し、脚部１４，１５を磁極面９の溝１０，１１に
嵌め込むことによつて極板１３は固定磁石部分１
７の磁極面９に固定され、直流励磁磁石系として
使用することができる。この場合極板１３はその
全体の大きな面積で可動磁石部分５と対向し、吸
引反発動作を行う。可動磁石部分５を形成する積
層板の方向は、可動磁石部分５が吸引されたとき
極板１３の縦方向と平行である。

可動磁石部分５に積層板を使用することは、交
流励磁式の場合に消費電力量が極めて僅少になる
という利点があり、また積層板の１枚を橋絡接触
子支持体６への伝達要素として利用することがで
きる。必要に応じ、極板１３と可動磁石部分５と
の間に薄い接着防止板１６を介装することができ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、短絡環と極板とを固定磁石部
分の磁極面に設けた溝を利用して選択的に挿入す
るだけで、交流励磁磁石系を直流励磁磁石系とし
て使用することができ、しかも特別な固定装置も
必要としないから、部品数が僅少で組立が容易と
なり、機械的な寿命が長くなるものである。また
本考案の電磁石装置は、良好な騒音特性、僅少な
可動質量、取付状態の任意性及び高い耐振性のた
め、特に接触子形磁石系として有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は交流用として短絡環を装着した開閉器
の例を示す一部切欠側断面図、第２図は第１図に
示すもの短絡環を極板に差し換えて直流用とした
本考案の実施例の主要部の構成を示す側断面図、
第３図は第１図および第２図の−線に沿う断
面をそれぞれ右半分、左半分に示した平面図であ
る。 １……接触子系、３……接極子磁石系、５……
可動磁石部分、７……コイル、８……継鉄、９…
…固定磁石部分の磁極面、１０，１１……溝、１
２……短絡環、１３……極板、１４，１５……脚
部、１７……固定磁石部分、１８，１９，２０…
…透孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 可動磁石部分５と、導電材料よりなる短絡環
   １２を挿入するための２つの溝１０，１１を磁
   極面９に有する固定磁石部分１７とを備えた電
   磁開閉器の電磁石装置において、固定磁石部分
   １７の磁極面９を取り囲むように磁極面９より
   外方に突出し、中心部に磁極面９が貫通する透
   孔１８，１９，２０と透孔１８，１９，２０間
   に形成された２つの脚部１４，１５を有する磁
   性材料からなる極板１３の両脚部１４，１５
   を、固定磁石部分１７の磁極面９の両溝１０，
   １１に嵌め込んだことを特徴とする電磁開閉器
   の電磁石装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の電磁石
   装置において、電磁石装置は接極子磁石系であ
   ることを特徴とする電磁開閉器の電磁石装置。