JPH03251848A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH03251848A
JPH03251848A JP33468290A JP33468290A JPH03251848A JP H03251848 A JPH03251848 A JP H03251848A JP 33468290 A JP33468290 A JP 33468290A JP 33468290 A JP33468290 A JP 33468290A JP H03251848 A JPH03251848 A JP H03251848A
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Application number
JP33468290A
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English (en)
Inventor
Yasushi Mizuta
泰史 水田
Yasuyuki Hanatani
花谷 靖之
Kaname Nakatani
中谷 要
Takeshi Yoshida
武史 吉田
Tadashi Sakuma
佐久間 忠司
Narishiro Tanaka
作白 田中
Arihiko Kawahara
在彦 川原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は複写機などの画像形成装置に好適に使用される
電子写真感光体に関する。
〈従来の技術〉 近年、電子写真用感光体として、機能設計の自由度の大
きい感光体、特に光照射により電荷を発生する電荷発生
物質を含有した電荷発生層(CGL)と、発生した電荷
を輸送する電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(CTL
)とからなる積層型の正帯電型電子写真用感光体が提案
されている。かかる積層型の感光体は、例えば導電性基
材上に電荷輸送層および電荷発生層を順次浸漬塗工する
などして形成される。
かかる積層型の感光体においては、電荷発生層の表面近
傍で光生成した電荷(ホール)は、電荷発生層中を走行
して電荷輸送層に注入され、静電潜像が形成される。
このような電子写真感光体としては、特願昭63−29
0960号に示されるようなものが知られている。
すなわち、このものは、導電性基材上に電荷輸送層およ
び電荷発生層がこの順に積層されたものであって、前記
電荷輸送層が一般式(■):(式中、Ar+ 〜Ar4
は置換基を有してもよいアリール基である)で示される
ブタジェン誘導体と、例えば4− (N、N−ジエチル
アミノ)ヘンズアルデヒドーN、N−ジフェニルヒドラ
ゾン、4−(N、N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒ
ド−N、N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン化合
物とを含有し、前記電荷発生層かアルコール系溶剤で塗
布形成されたものである。
上記ヒドラゾン化合物は電荷輸送物質として従来より用
いられているものである。この化合物を前記−紋穴(I
)で示されるブタジェン誘導体と併用することにより、
以下の利点がある。
(a)  前記各ヒドラゾン化合物は融点が前記ブタジ
ェン誘導体よりも低く、かつ結着樹脂に対する相溶性が
良好であるため、可塑剤として働き、ブタジェン誘導体
の相溶状態を安定化させる。従って、電荷発生層形成用
塗布液の塗布時にブタジェン誘導体の結晶化やクラック
か発生するのを防止することができる。
+b+  前記各ヒドラゾン化合物はアルコール系溶剤
に対して0,1〜2%程度の溶解度を有し、かつそれ自
体か電荷輸送能を有するので、電荷発生層形成用塗布液
にアルコール系溶剤を使用すると、この塗布液の電荷輸
送層上への塗布時にヒドラゾン化合物の一部が溶解して
電荷発生層中に拡散するため、電荷発生層から電荷輸送
層への電荷の注入が円滑に行われ、感光体の感度が向上
する。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述のような従来の電子写真感光体では
、電荷発生層中に拡散するヒドラゾン化合物の量を多く
して高感度化を図るために、電荷輸送層中に含有される
ヒドラゾン化合物量を増やしたとしても、電荷輸送層か
ら電荷発生層中に溶出するヒドラゾン化合物の量には限
界があるばかりか、電荷輸送層中にヒドラゾン化合物を
添加し過ぎると、電荷輸送層のガラス転移点が下がり、
機械的強度が低下するという問題も生じる。
また、アルコール系溶剤よりも溶解度の高い溶剤を使用
して、電荷輸送層中のヒドラゾン化合物含有量を増加さ
せることなしに電荷発生層中への溶出量を増加させるこ
とも考えられるか、アルコール系溶剤よりも溶解度の高
い溶剤を使用すると、いわゆるソルベントショックによ
り結晶化(共晶化)が起こったり、またはクラックが発
生したりして、電荷輸送層の膨潤や界面の荒れを引き起
こし画像欠陥の原因となる。
本発明は、上述のような問題を排除すべくなされたもの
であって、高寿命で高感度かつ安定した感度を有する電
子写真感光体を提供することを目的とする。
く課題を解決するための手段および作用〉本発明の電子
写真感光体は、導電性基材上に電荷輸送層と、電荷発生
層と、表面保護層とかこの順に積層され、前記電荷輸送
層が一般式(I]:(式中、Ar、〜Ar、は置換基を
有してもよいアリール基である)で示されるブタジェン
誘導体および/または一般式(■): (式中、J、mおよびnは炭素数1〜5のアルキル基ま
たは炭素数1〜2めアルコキシ基、R1およびR2は同
一または異なって炭素数1〜5のアルキル基またはフェ
ニル基、pHp2およびp3は同一または異なって0〜
2の整数である)で示されるヒドラゾン化合物を含有し
、前記電荷発生層が電荷発生物質に加えて、電荷輸送物
質として上記−紋穴(I[]で示されるヒドラゾン化合
物を含有し、アルコール系溶剤で塗布、形成されたもの
である。
上記構成の電子写真感光体によれば、表面保護層が電荷
発生層の表面に設けられているので、電子写真感光体の
摩耗強度を高め高寿命とし、電荷発生層の薄膜化を可能
にする働きをする。
一方、電荷輸送物質である上記−紋穴(11で表される
ヒドラゾン化合物が電荷発生層に含有されているため、
電荷発生層の表面近傍で光生成した電荷(ホール)を速
やかに電荷輸送層に輸送し、感度を向上させることがで
きる。したがって、高感度化を図るために上記ヒドラゾ
ン化合物を電荷輸送層中に多量に含有させる必要はなく
、このためヒドラゾン化合物の添加し過ぎによる電荷輸
送層のガラス転移点の低下や機械的強度の低下を生じる
おそれがない。さらに電荷発生層の形成時にヒドラゾン
化合物の溶解度の高い溶媒を使用する必要がなくなる。
また、膜厚を薄くすることにより、サーマルキャリアや
ホールの構造的トラップ等の存在確率が非常に小さくな
り、安定した感度を有する電子写真感光体を設計するこ
とが可能である。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明における電荷輸送層は電荷輸送物質、結着樹脂お
よび溶剤からなる電荷輸送層用塗布液を導電性基材上に
塗布、乾燥して形成される。電荷発生層も同様にして、
電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤から
なる電荷発生層用塗布液を電荷輸送層上に塗布、乾燥し
て形成される。
また、表面保護層は、導電性付与物質と結着樹脂とから
なる表面保護層用塗布液を電荷発生層上に塗布、硬化し
て形成される。
電荷輸送層中に含有される電荷輸送物質としては、前記
−紋穴(I)で示されるブタジェン誘導体と、前記−紋
穴(I[]で示されるヒドラゾン化合物とからなる。
ブタジェン誘導体の具体例としては、特開昭62−30
2’55号公報に開示のものがあげられるか、特に次式
圓で示される化合物が好適に使用される。
このものはπ電子系による平面構造を有すると共に、ブ
タジェンの1位に2つのフェニル基が、4位に2つの4
−N、N−ジエチルアミノフェニル基かそれぞれ結合し
た構造を有するため、大きく分極しており、極めて電荷
輸送能に優れるという利点がある反面、溶解性に劣ると
いう欠点かある。したがって、かかるブタジェン誘導体
と前記ヒドラゾン化合物とを併用することにより、ブタ
ジェン誘導体の有する欠点か排除され、高感度の感光体
が得られる。
前記−紋穴[1[)で示されるヒドラゾン化合物として
は、例えば4− (N、N−ジエチルアミノ)ベンズア
ルデヒド−N、N−ジフェニルヒドラゾン、4− (N
、N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド−N、N−ジ
フェニルヒドラゾン、 4− (N、N−ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド
−N、N−ジフェニルヒドラゾン、4− (N、N−ジ
エチルアミノ)ヘンズアルデヒドーN−(3’−メチル
)フェニル−N−フェニルヒドラゾン、 4−(N−メチル−N−フェニル−アミノ)ベンズアル
デヒド−N−(B’−メチル)フェニル−N−フェニル
ヒドラゾン、 3−メチル−4−(N−メチル−N−二チルアミノ)ベ
ンズアルデヒド−N、N−ジフェニルヒドラゾン、 2−エチル−4−(N−フェニル−N−エチルアミノ)
ベンズアルデヒド−N、N−ジメトキシフェニルヒドラ
ゾン、 3−エトキシ−4−(N、Nジフェニルアミノ)ベンズ
アルデヒド−N、N−(2’ 、3’  −ジエチル)
ジフェニルヒドラゾン、 2−ブチル−4−(N−メチル−N−フェニルアミノ)
ベンズアルデヒド−N、N、 −ジフェニルヒドラゾン
、 2.3−メチル−4−(N−エチル−N−ブチルアミノ
)ベンズアルデヒド−N−(2’ 、3’エチル)フェ
ニル−N−(2’ 、3’ −エトキシ)フェニルヒド
ラゾン、 3−エチル−4−(N−フェニル−N−エチルアミノ)
ヘンズアルデヒドーN、N−ジェトキシフェニルヒドラ
ゾン、 3−メトキシ−4−(N、Nジメチルアミノ)ベンズア
ルデヒド−N、N−(2’ 、3’  −ジエチル)ジ
フェニルヒドラゾン、 2.6−プチルー4−(N、Nジフェニルアミノ)ベン
ズアルデヒド−N、N−ジフェニルヒドラゾン、 4− (N、N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド−
N、N−ジエチルフェニルヒドラゾン、2.6−メチル
−4−(N−エチル−N−プロピルアミノ)ベンズアル
デヒド−N−(2’ 、3’−エチル)フェニル−N−
(2’ 、3’ −メトキシ)フェニルヒドラゾン等が
あげられる。これらは、アルコール系溶剤に対する溶解
性か他の電荷輸送物質に比較して高く、また前記一般式
(I]て示されるブタジェン誘導体の酸化電位に最も近
い酸化電位を有するからである。すなわち、2つの電荷
輸送物質間の酸化電位差か大きくなると、電荷がトラッ
プされるという問題か生しる。
ヒドラゾン化合物とブタジェン誘導体との割合は、ブタ
ジェン誘導体100部(重量部、以下同様)に対して、
ヒドラゾン化合物が10〜300部程度であるのが好ま
しい。ヒドラゾン化合物の含有量がこの範囲よりも大な
るときは得られる電子写真感光体の感度が向上せず、ま
たこの範囲よりも小なるときは電荷輸送層と電荷発生層
との間で電荷の輸送に支障をきたし感度が悪くなると共
に、電荷輸送層に結晶化やクラックか生じやすくなるた
め、いずれも好ましくない。
電荷輸送物質としての上記一般式[I]および/または
一般式[II]で示される化合物は、従来公知の他の電
荷輸送物質と組み合わせて使用することができる。
この電荷輸送物質としては、例えば、テトラシアノエチ
レン、2,4.7−ドリニトロー9−フルオレノン等の
フルオレノン系化合物、2,4゜8−トリニドロチオキ
サントン、ジニトロアントラセン等のニトロ化化合物、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン
酸、2.5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合
物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン
等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカ
ルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物
、4.4’ 、4’ −トリス(N、N−ジフェニルア
ミノ)トリフェニルアミン、4,4′ −ビス[N−フ
ェニル−N(3−メチルフェニル)アミノコシフェニル
などのアミン誘導体、共役不飽和化合物、ヒドラゾン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環族化合物等があげられ、これらの電荷輸送
物質は一種または二種以上を混合して使用される。
また、電荷輸送物質の給配合量は結着樹脂100部に対
して20〜200部であるのか好ましい。電荷輸送物質
の総量かこの範囲よりも小なるときは電荷輸送能か充分
てなく、またこの範囲よりも大なるときは電荷輸送層の
機械的強度が低下する。
電荷輸送物質を結着樹脂と共に混合する溶剤としては、
例えばメタノール、エタノール、プロパツール、イソプ
ロパツール、ブタノール等のアルコール類、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノプロビルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのセ
ロソルブ類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等
の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、ジクaOエタン、四塩化炭素、塩化
メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド等の種々の溶剤かあげられ、一種
または二種以上が混合して用いられる。
電荷輸送層用の結着樹脂としては、例えばスチレン系重
合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合
体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
素イヒポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等
のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル〈アルキッド樹脂、
ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボ
ネート、ボリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタ
レート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂や、エポキシアク
リレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリ
レート等の光硬化型樹脂等があげられる。これらの樹脂
は一種または二種以上を混合して用いられる。
電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤からなる塗布液は導
電性基材上に厚さ10〜40μm1特に15〜30μm
の層となるように塗布、乾燥される。
前記導電性基材としては、導電性を有するシート状やド
ラム状のいずれであってもよく、導電性を有する種々の
材料、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、
錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、
カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウ
ム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、蒸着等の手段
により上記金属、酸化インジウム、酸化錫等の導電層が
形成されたプラスチック材料およびガラス等があげられ
る。感光層との密着性を高めるため、上記導電性基材の
うち酸化物表面を有するもの、特にアルマイト処理され
たアルミニウム、中でもアルマイト処理層の膜厚が5〜
12μmであり、表面粗さが1.5S以下のアルマイト
処理されたアルミニウムか好ましい。
なお、導電性基材と感光層との密着性をさらに高めるた
め、導電性基材はシランカップリング剤、チタンカップ
リング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。
前記電荷発生層に含有される電荷発生物質としては、例
えばセレン、セレン−テルル、セレンーヒ素、アモルフ
ァスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスアゾ
系化合物、フタロシアニン系化合物、アンサンスロン系
化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、トリフ
ェニルメタン系化合物、スレン系化合、物、トルイジン
系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キ
ナクリドン系化合物、ピロロピロール系化合物等があげ
られる。これらの電荷発生物質は、一種または二種以上
を混合して使用される。なお、電荷発生物質は適宜選択
することができるか、分光感度を高めるには、例えばα
型、β型、γ型などの種々の結晶型を有するアルミニウ
ムフタロシアニン、銅フタロシアニン、中でもメタルフ
リーフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニンな
どのフタロシアニン系化合物を含有するものが好ましい
本発明においては、電荷発生物質として特にN型顔料と
P型顔料との組み合わせて使用するのが好ましい。
P型顔料はコロナ放電等により感光体が正帯電すると、
P型顔料中に存在する熱ホールを電荷輸送層に注入し、
電荷発生層中に負の空間電荷を発生させる。この負の空
間電荷が電荷発生層中の光キャリアの電場を強調し、後
続の露光プロセスにおいて、光キャリアの発生効率を高
める働きをする。また、この電子写真感光体を露光する
と、光の吸収端が550〜600nmであるN型顔料よ
り正負両電荷が生成する。このうち、正電荷はホール輸
送性を有するP型顔料により電荷発生層中を該電荷発生
層と電荷輸送層との界面まで輸送された後、該電荷輸送
層に注入される。一方、負電荷は帯電時に電子写真感光
体表層に誘起された正電荷と中和し、これにより静電潜
像が露光部分に形成される。このように、電荷発生層に
N型顔料とP型顔料とを含有することにより、光キヤリ
ア生成のための電場の強調と、電荷発生層中のホール輸
送性の向上による感度の向上とか図れる。
N型およびP型側顔料の重量比(N型顔料/P型顔料、
以下rN/P比」という)は40/60〜90/10の
範囲とする。これは、N/P比か90/10を越えた場
合、層中のP型顔料の含有量が相対的に少なくなるため
、電場の強調とホール輸送性が弱くなり、感度が悪くな
り、N/P比か40/60未満の場合は、N型顔料の含
有量か相対的に少なくなるため、感度および赤色原稿の
複写性が悪くなるからである。
また、上記N型顔料としては、例えば、アミノ基または
その誘導体を置換基として有する、ペリレン系化合物、
アンサンスロン系化合物、アゾ系化合物、メタン、ジフ
ェニルメタン、キサンチン、アクリジン等かあげられる
。なかでもアンサンスロン系化合物は光キヤリア生成効
率か高いために好適に使用される。
P型顔料としては、例えば、スルホン基またはカルボキ
シル基を有するアゾ、アントラキノン、トリフェニルメ
タン、ニトロ、キサンチン、アジン、キノリン等の各種
顔料やフタロシアニン系化合物等があげられる。なかで
も無毒で加工性に優れたフタロシアニン系化合物、特に
メタルフリーフタロシアニンやオキソチタニルフタロシ
アニンを用いるのが好ましい。
この電荷発生層に含有される前記−紋穴(I[)で示さ
れるヒドラゾン化合物としては、例えば、前述の電荷輸
送層で例示したヒドラゾン化合物があげられる。ヒドラ
ゾン化合物の電荷発生層への含有量は適宜決定されるが
、含有量が増すに従いホール輸送性が上がるので、感度
は向上する傾向にあるが、同時にサーマルキャリアも増
加するので、−船釣に繰り返し安定性が低下するという
二面性を持つ。これらの寄与する割合は、使用する処方
材料(電荷輸送剤、溶剤、結着樹脂やその他の添加剤)
の種類や構造によって異なるため、各々の処方において
要求される感度や繰り返し安定性に対する最適量を選択
すれば良い。本発明の構成においては、電荷発生層に含
有するヒドラゾン化合物は結着樹脂100部に対して0
.1〜100部、好ましくは、5〜50部である。これ
は、ヒドラゾン化合物の含有量か100部より大なると
きには溶解性不良や機械的強度が小さくなり、また、0
.1部より小なるときには実質的に添加効果かないから
である。
電荷発生層用の結着樹脂としては、前述の電荷輸送層用
にあげた結着樹脂かいずれも使用可能であるが、中でも
、ポリビニルアセクールか、機能材料の成分の分散性に
優れると共に、塗布液の保存安定性に優れるため好適に
使用される。
ところが、上記ポリビニルアセタールは多量の水酸基を
含有しているために吸湿性か高く、耐環境性の点て問題
かある他、上記水酸基か露光時に発生する電荷キャリア
(ホール)のトラップとして作用する等して感光体の感
度か低下する。
また上記のように多量の水酸基を含有するポリビニルア
セクールは、アルコール等の有機溶媒に対する溶解性か
高いので、表面保護層を積層する場合には、その表面保
護層用塗布液中に含まれる有機溶媒によってポリビニル
アセクールが著しく膨潤あるいは溶解して、電荷発生層
と表面保護層との2つの層の界面が不明確となり、感光
体の感度特性等に悪影響を与え、表面保護層の強度も低
下したりするという問題を含んでいる。
そこで、電荷発生層用の結着樹脂としてポリビニルアル
コールを用いる場合には、アセチルアセトン錯塩(金属
アセチルアセトネート)を添加することが好ましい。す
なわち、アセチルアセトン錯塩は、電荷発生層用塗布液
の乾燥時に加水分解してポリビニルアセタール中の水酸
基と縮合反応するため、形成された層中に残存する水酸
基量を低減することができる。
アセチルアセトン錯塩としては、例えばアセチルアセト
ンと金属原子とからなる(モノ)アセチルアセトナト錯
塩、ビスアセチルアセトナト錯塩、トリスアセチルアセ
トナト錯塩、およびテトラキスアセチルアセトナト錯塩
に属する、種々のキレート等を使用することかてきる。
なかても特に、下記−紋穴■またはMて表される錯塩が
好適に使用される。
[M  (C5R702)  n コ        
     0)ノ][M  (C1H702)  n−
m  R’  tn  ]     (V](式中、M
は3価または4価の金属を表し、R3はアルキル基また
はアルコキシ基を表し、nはMが3偏の場合は3、Mが
4価の場合は4を表し、mは2以下の整数を表す) なお、上記−紋穴flV)、 (V)中のMとしては、
例えばアルミニウムやジルコニウム等があげられる。
上記アセチルアセトン錯塩は、通常、保存性を考慮して
粉末状等の固体状態で供給されるが、ポリビニルアセタ
ール中に均一に分散させるのに長時間を要することから
、アセチルアセトン錯塩を溶液状態(例えばアセチルア
セトン錯塩をアルコールおよび水で溶解したもの)で用
いることが好ましい。
アセチルアセトン錯塩を水と共に溶液状態にするだめに
配合されるアルコールとしては、例えばエチルアルコー
ル、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチ
ルアルコール、β−オキシエチルメチルエーテル(メチ
ルセロソルブ) β−オキシエチルエーテル(エチルセ
ロソルブ)、β−オキシエチルプロピルエーテル(プロ
ピルセロソルブ)、ブチル−β−オキシエチルエーテル
(ブチルセロソルブ)等があげられ、なかでも揮発性が
低く、安全性の高いブチルアルコールやブチルセロソル
ブが好適に使用される。
アセチルアセトン錯塩とアルコールと水からなる溶液(
以下、アセチルアセトン錯塩溶液という)における、ア
セチルアセトン錯塩の濃度は、本発明では特に限定され
ないが、0.05〜0.5モル/Jの範囲内であること
が好ましい。アセチルアセトン錯塩の濃度が0.5モル
/ノより大なるときには、アセチルアセトン錯塩の全量
を溶解するのに長時間を要し、溶液の調整に手間かかか
るたけてなく、塗布ムラを生じ易くなったり、形成され
た特定層にブツや縦筋等が発生して形成画像に欠陥を生
じたり、あるいは、感光特性や層の強度、耐環境性等の
特性にムラを生じたりする。
また、アセチルアセトン錯塩の濃度が0.05モル/ノ
より小なるときには、電荷発生層中に残存するポリビニ
ルアセタールの水酸基を十分に低減させるために、結着
樹脂用塗布液に多量のアセチルアセトン錯塩溶液を配合
しなければならず、結着樹脂用塗布液の粘度が低下して
、塗布性、成膜性が悪化するだけてなく、塗膜の乾燥に
長時間を要する等の問題か生じる。
一方、アセチルアセトン錯塩溶液中における水の濃度も
、本発明では特に限定されるものではないが、1〜10
モル/ノの範囲内にあることが好ましい。水の濃度が1
0モル/Jより大なるときには、アセチルアセトン錯塩
が加水分解してしまい、電荷発生層中に残存する水酸基
の量を十分に低減できなくなり、顔料等を併用する場合
に、その分散性か低下する。また、水の濃度が1モル/
ノより小なるときには、水の添加効果が十分に得られず
、アセチルアセトン錯塩の全量を溶液中に溶解すること
が困難で、溶液の調製に手間がかかるだけでなく、塗布
ムラや形成画像の欠陥を生じたり、感光特性や層の強度
、耐環境性等にムラを生じたりする。
なお、アセチルアセトン錯塩溶液中におけるアセチルア
セトン錯塩の濃度と水の濃度との間には特別の比例関係
は存在しないが、アセチルアセトン錯塩の極性との関係
から、安定な溶液を維持するためには、アセチルアセト
ン錯塩を多量に含有する溶液など、水を多量に含有させ
ることが望ましい。
アセチルアセトン錯塩溶液の電荷発生層用塗布液への配
合割合は特に限定されないが、塗布液中に含まれるポリ
ビニルアセタールの水酸基に対して、0.01〜2.0
当量のアセチルアセトン錯塩が配合されるようにアセチ
ルアセトン錯塩溶液の配合量を調整することが好ましい
。ポリビニルアセタールの水酸基に対するアセチルアセ
トン錯塩の配合割合か2.0当量より犬なるときには、
上記各特性は向上するが、繰返使用時の安定性が低下す
る。また、ポリビニルアセタールの水酸基に対するアセ
チルアセトン錯塩の配合割合か0.01当量より小なる
ときには、アセチルアセトン錯塩の添加効果か十分に得
られず、電荷発生層中に多量に水酸基が残留することに
なり、感度低下や耐環境性の悪化、有機溶媒に対する耐
性等を十分に改善することができないおそれかある。
また、電荷発生層形成用の塗布液に使用される溶剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、プロパツール、
イソプロパツール、n〜ブタノール等のアルコール類が
あげられる。何故なら、これらのアルコール系溶剤に対
して電荷輸送層中に含有される前記ヒドラゾン化合物は
0.1〜2%程度の溶解度を有するため、塗布時に電荷
輸送層中に含有されたヒドラゾン化合物の一部が溶解し
、電荷発生層中に拡散するため、電荷発生層と電荷輸送
層との界面での電気的な障壁が生じるのか防止されるか
らである。なお、アルコール系溶剤は適宜選択すること
ができるか、電荷発生層と電荷輸送層との界面での電気
的な障壁か生したり、ソルベントショックによるクラッ
クの発生や電荷輸送材の結晶化あるいはバインダー樹脂
の溶出等を防止する効果をより高めるうえで、n−ブタ
ノールを使用するのが特に好ましい。
電荷発生層における電荷発生物質と結着樹脂との割合は
、結着樹脂100部に対して電荷発生物質5〜500部
、特に10〜250部であるのが好ましい。電荷発生物
質が5部未満であると電荷発生能が小さく、500部を
越えると密着性が低下する等の問題がある。電荷発生層
の厚さは、約0.01〜3μm、特に0.1〜2μm程
度であるのが適当である。
表面保護層用塗布液としては、シリコーン樹脂系、アル
キッド樹脂系等の、従来公知の硬化性の塗布液か使用さ
れ、中でも、熱、光に対して安定で、しかも電気特性に
優れたシリコーン樹脂膜を形成するシリコーン樹脂系の
保護層用塗布液が最も好ましく使用される。
上記シリコーン樹脂系塗布液は、テトラアルコキンシラ
ン、トリアルコキシアルキルシランアルコキシジアルキ
ルシラン、ジフェニルジェトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン等のオルガノシラン、トリクロルアルキルシラン、ジ
クロルジアルキルシラン等のオルガノハロシランなど、
シラン系化合物の、単独または2種以上の混合物の加水
分解物(いわゆるオルガノンロキサンオリゴマー)、ま
たはその初期縮合反応物を、非揮発性固形成分として、
溶媒中に溶解または分散させたもので、シラン化合物の
アルコキシ基、アルキル基としては、メトキシ基、エト
キシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、グリシド
キシ基、メチル基、エチル基等の、炭素数1〜4程度の
低級基が挙げられる。
上記導電性付与剤としては、酸化スズ、酸化チタン、酸
化インジウム、酸化アンチモン等の単体金属酸化物や、
酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体等の導電性金属酸
化物の微粒子が挙げられ、特に、上記酸化スズと酸化ア
ンチモンとの固溶体粒子が用いられている。
保護層用塗布液および導電性付与剤の混和には、ボール
ミル、超音波分散機等の従来公知の装置を使用すること
ができる。また表面保護層の膜厚は、0.01〜3μm
の範囲内であることが好ましい。
表面保護層の膜厚が0.01μm未満であると感光体の
感度が低下し、また表面保護層の膜厚が3μmを越える
と繰返使用時の安定性が損なわれるおそれがある。
電荷輸送層、電荷発生層および表面保護層は、必要に応
じてターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレ
ン等の増感剤、9− (N、N−ジフェニルヒドラジノ
)フルオレン、9−カルバゾリルイミノフルオレンなど
のフルオレン系化合物、ヒンダードフェノール、ヒンダ
ードアミンなどの酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなど
の紫外線吸収剤、可塑剤、ラジカル補促剤などを含有し
ていてもよい。
電荷輸送層用、電荷発生層用および表面保護層の各塗布
液の調製に際しては、分散性、塗工性等をよくするため
、シリコ−オイルなどのレベリング剤、界面活性剤、増
粘剤等を併用してもよい。
また、塗布液は、従来慣用の方法、例えば、ミキサ、ボ
ールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、アトライ
ター、超音波分散器等を用いて調製することができる。
〈実施例〉 以下、実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。
実施例1〜9および比較例1〜4 電荷輸送層用塗布液の調製 下記組成の電荷輸送層用塗布液を調製した。
(成分)           (部)4− (N、N
−ジエチルアミノ) ベンズアルデヒド−N、N−100 ジフエニルヒドラゾン (以下CT剤Aという) ボリアリレート           100(ユニチ
カ社製のU−100) ジクロロメタン          900電荷発生層
用塗布液の調製 0.2モル/ノのテトラキスアセチルアセトナトシルコ
ニウム[Z r  (C5H702) 4コ (日本化
学産業社製)と、3.0モル/Jの水とを含有するロー
ブチルアルコールの溶液を調製した。
そして、電荷発生物質としてジブロモアンサンスロン(
IC1社製、以下CG剤Aという)、メタルフリーフタ
ロシアニン(BASF社製、以下CG剤Bという)、お
よびオキソチタニルフタロシアニン(出隅色素社製、以
下CG剤Cという)から選ばれる一種または二種を用い
、これに混合する電荷輸送物質として上記CT剤Aを用
い、これらをポリビニルブチラール(電気化学社製の3
000K)の100部に対して第1表に示す割合で使用
すると共に第1表に示されるアルコール系溶剤を200
0部、さらに上記ポリビニルブチラール中の水酸基に対
し0.25当量のテトラキスアセチルアセトナトシルコ
ニウムを含むように前記溶液を加え、ホールミルで2時
間攪拌混合して電荷発生層用塗布液を調製した。
表面保護層用塗布液の調製 導電性付与物質としてアンチモンドープ酸化スズ微粉末
(住友セメント社製)50部を用い、これとシリコーン
樹脂(東芝シリコーン社製のトスガード520)の10
0部とを混合し表面保護層用塗布液を調製した。
感光体の作成 電荷輸送層用塗布液をアルミニウム基材上に浸漬塗工し
90℃で30分間乾燥し、第1表に示される膜厚の電荷
輸送層を作成した。ついで、この電荷輸送層上に前記電
荷発生層用塗布液を浸漬塗工し110℃で30分間乾燥
し、膜厚0.5μmの電荷発生層を作成した。さらに、
この電荷発生層上に前記の表面保護層用塗布液を浸漬塗
工し110℃で60分間乾燥し、膜厚2.0μmの表面
保護層を作成して電子写真感光体を得た。
実施例10〜21および比較例5〜6 電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としてCT剤Aと
4− (N、N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド−
N、N−ジフェニルヒドラゾン(以下CT剤Bという)
と1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,
4−ジフェニル−1゜3−ブタジェン(以下CT剤Cと
いう)とから選ばれる一種または二種を第2表に示す割
合で用い、且つ電荷発生層に含有される電荷発生物質と
してCG剤AとCG剤Cとを第2表に示す割合で用い、
電荷発生層に含有される電荷輸送物質としてCT剤Aま
たはCT剤Bを第2表に示す割合で用い、同表に示され
る膜厚の電荷輸送層および電荷発生層を作成したほかは
実施例1〜つと同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例22〜23および比較例7〜13電荷輸送層に含
有される電荷輸送物質としてCT剤AとCT剤Cとを第
3表に示す割合で用い、電荷発生層に含有される電荷輸
送物質としてCT剤AまたはCT剤Cを第3表に示す割
合で用い、同表に示される膜厚の電荷輸送層および電荷
発生層を作成したほかは実施例1〜9と同様にして電子
写真感光体を作製した。
評価試験 各実施例および比較例で得られた電子写真感光体の帯電
特性、感光特性を調べるため、以下の試験を行った。
(a1表表面位の測定 ドラム感度試験機(シュンチック社製、シンシア30M
)を用いて各感光体を正に帯電させ、それらの帯電電位
(V)を測定した。
面露光後電位の測定 ハロゲンランプを用いて感光体上の単位面積あたりに照
射した露光強度が0.1mW/((H2となるように調
製するとともに、ハロゲンランプにより0.3秒間露光
し、露光後の電位(V)を測定した。
(C1電荷輸送層および電荷発生層の外観の判定電荷輸
送層および電荷発生層の外観に異常かあるか否かを目視
によって観察した。
(d+繰返安定性の判定 300サイクル後の電位の低下か50VJJ内か否かを
測定した。
(elガラス転移点温度(Tg)の測定熱分析装置DT
−30(品性製作所製)を用いて感光体のガラス転移点
温度(”C)を測定した。
上記評砺試験の結果を第1表〜第3表に示す。
なお、電荷輸送層および電荷発生層の外観の判定につい
ては、電荷輸送層と電荷発生層とのどちらの外観にも異
状が認められなかったものには○印を記し、電荷輸送層
または電荷発生層のどちらか一方もしくは両方の外観に
異常が認められたものにはX印を記した。また、繰り返
し安定性の判定については、300サイクル後の電位の
低下が20V未満のものにはO印を記し、電位の低下が
20V以上50V未満のものにはΔ印を記し、電位の低
下が50V以上のものにはX印を記した。
また、各表中IPAはイソプロピルアルコールを、n−
BuOHはn−ブチルアルコールを、MIBKはメチル
イソブチルケトンを、CH3CNはアセトニトリルを各
々表す。
(以下余白) 第1表から明らかなように、比較例3および比較例4の
感光体では電荷発生層にヒドラゾン化合物である電荷輸
送物質を含有していないため感度に劣っている。また、
比較例1および比較例2の感光体では電荷輸送層の膜厚
が薄すぎたり、あるいは厚すぎるために感度に劣ったり
、繰返安定性に欠けたりする。これに対して、実施例1
〜9の感光体は特定のヒドラゾン化合物を電荷発生層中
に含有したことにより、クラックや結晶化を生じさせる
ことなく、感度を著しく向上させている。
第2表および第3表からも前記と同様のことがいえる。
また、比較例13はガラス転移点温度が54℃を示し、
他の条件が同じである実施例23の74℃に比べて20
℃もガラス転移点温度が低下している。したがって、比
較例13の感光体は機械的強度が著しく低下している。
これは比較例13では電荷輸送層中の電荷輸送物質(C
T剤A)の含有量を増大させていることが原因している
なお、比較例9および比較例10は、電荷発生層用塗布
液を調製する段階において電荷発生層用塗布液にCT剤
C(ブタジェン誘導体)が溶解しなかったため、感光体
を作製することができなかった。比較例11はソルベン
トショックによる結晶化が起こり、比較例12は電荷輸
送層にクラックが発生した。このことはCT剤A [4
−(N。
N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N、  N−
ジフェニルヒドラゾンコの溶解度がアルコール系溶剤よ
りも高いアセトニトリルやメチルイソブチルケトンを溶
剤として使用したために起こったと考えられる(ちなみ
に、アセトニトリルに対するCT剤への溶解度は4,4
0%、メチルイソブチルケトンに対するCT剤Aの溶解
度は12.8%である)。
さらに、電荷輸送層にCT剤AとCT剤Cとを含有し、
且つ電荷発生層にN型顔料(CG剤A)とP型顔料(C
G剤BまたはCG剤C)とを含有し、且つアルコール系
溶剤で作製された感光体は他のものに比べて露光後電位
か低く、感度に優れていた。加えて、電荷発生層にヒド
ラゾン化合物(CT剤AまたはCT剤B)を含有させる
と感度がより一層向上していた。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明の電子写真感光体によれば、電荷
発生層内に一般式(I[lで示されるヒドラゾン化合物
を含有し、電荷発生層の膜厚が薄いので、電荷輸送層と
電荷発生層との電荷の受は渡しが円滑に行われ、しかも
サーマルキャリアやトラップを生じさせずに性能安定性
の高い感光体が得られる。また表面保護層を設けること
により、摩耗強度が高くなる。その結果、感光体の寿命
が延びると共に、感度が向上し、高品質の画像を得るこ
とができるという効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、導電性基材上に電荷輸送層と、電荷発生層と、表面
    保護層とがこの順に積層され、 前記電荷輸送層が一般式〔 I 〕: ▲数式、化学式、表等があります▼〔 I 〕 (式中、Ar_1〜Ar_4は置換基を有してもよいア
    リール基である)で示されるブタジエン誘導体および/
    または一般式(II): ▲数式、化学式、表等があります▼〔II〕 (式中、l、mおよびnは炭素数1〜5のアルキル基ま
    たは炭素数1〜2のアルコキシ基、R_1およびR_2
    は同一または異なって炭素数1〜5のアルキル基または
    フェニル基、p_1、p_2およびp_3は同一または
    異なって0〜2の整数である)で示されるヒドラゾン化
    合物を含有し、前記電荷発生層が電荷発生物質に加えて
    、電荷輸送物質として上記一般式(II)で示されるヒド
    ラゾン化合物を含有し、アルコール系溶剤で塗布、形成
    されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
JP33468290A 1989-11-30 1990-11-29 電子写真感光体 Pending JPH03251848A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08152728A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Fuji Electric Co Ltd 電子写真用感光体

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JPH08152728A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Fuji Electric Co Ltd 電子写真用感光体

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