JPH0324536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、各種のデイジタル表示やアナログ
表示などを行うLEDデイスプレイを製造する製
造装置に係り、詳しくは、デイスプレイケースの
透孔用孔内に樹脂を注入するに先立つて、デイス
プレイケースの表面に前記孔を閉塞する粘着テー
プを貼着する装置部分に関する。

〔従来の技術〕

例えば第６図に示すようなLEDデイジタル表
示器１は、第７図に示すように、デイスプレイケ
ース２の表面に形成された周知デイジタルパター
ンの透光用の孔３群が所望の色の透光性樹脂４で
埋められるとともに、各孔３の内奥部に対応する
LED素子５群を取付けた基板６がケース２の内
部に埋設されて、基板６から導出したリード端子
７群がケース裏面側に突設された構造となつてい
る。

前記デイスプレイケース２は不透明プラスチツ
クで箱状に形成されたものであつて、第８図に示
すように、各透光用の孔３を形成する周壁部８が
ケース内方に膨出され、この周壁部８の膨出端
面、つまり孔底に相当する面に各孔３ごとに３個
づつLED素子５を係入する小孔９…が形成され
るとともに、基板６を位置決め係止する突起１
０，１０′群が突設されている。

このデイスプレイケース２への樹脂４の注入及
び基板６の埋設に先だつて、第９図に示すように
ケース２の表面に粘着テープ１１を貼着して孔３
群を閉塞する。次いで、裏面を上向きにしたケー
ス２の内部空間及び孔３群に溶融樹脂を注入し、
樹脂が固化しないうちにLED素子５群を対応す
る小孔９群に係入しながら基板６を樹脂内に埋設
し、樹脂４が固化したのちテープ１１を剥離する
ことで第６図及び第７図に示した構造のデイジタ
ル表示器１が得られるのである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、粘着テープの貼着作業においては、粘
着テープの粘着力のバラツキによりテープロール
から引剥す速度に変動が生じたり、又、断続的に
引剥すと粘着面にテープ幅方向に横断する粘着剤
の筋状の縞が発生することが多く、この縞がデイ
スプレイケース表面の孔に位置すると、孔に注入
した樹脂にテープ粘着面の縞が写し残され、テー
プをケース表面から剥離したときに孔を埋めた樹
脂の表面に上記縞が表われて不良品となるもので
あつた。

また、単にデイスプレイケースの表面に粘着テ
ープを貼着して透光用孔内に樹脂を注入固化せし
ただけでは、LEDデイスプレイの完成品におい
て透光用孔内の樹脂部分の表面が平坦となつて光
の散乱が充分で起こらず、そのため、各孔内の樹
脂表面が各部均一に光らず、表示が見にくくな
る、という問題があつた。

この考案は、粘着テープの貼着を機械的に行つ
て作業能率を高めるとともに、テープ粘着面の縞
やシワによるデイスプレイケースの孔内の充填樹
脂の表面の筋条の発生を回避し、かつデイスプレ
イケースの孔内の樹脂の表面部分における光の散
乱を均一にし表示を見やすくすることを目的とす
る。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、テープロールから引き出した粘着テ
ープを、駆動ローラ、テンシヨンローラで巻回案
内して押圧ローラでデイスプレイケースの表面に
貼着し、該ケース表面の透光用孔を閉塞した後、
該孔内に樹脂を注入して固化せしめるLEDデイ
スプレイ製造装置において、前記各ローラの中、
駆動ローラのみが粘着テープの粘着面に接するよ
うに粘着テープを案内するとともに、前記駆動ロ
ーラの周面に沿つて微小な凹凸を形成した。

〔作用〕

上記構成によると、駆動ローラと粘着テープと
の接合力は適度に小さくなり、駆動ローラへのテ
ープ巻込みは発生しない。又、テープロールから
のテープ引剥し速度の変化や作業の中断によつて
テープ粘着面に筋状の縞が発生したとしても、駆
動ローラ周面との接合によつてテープ粘着面に形
成された細かい凹凸との重合によつて筋状の縞の
大部分は押し消されてしまう。従つて、デイスプ
レイケースの透光用孔に充填された樹脂表面には
規則正しい凹凸が写し残されることとなり、僅か
に筋状の縞が残存していたとしてもほとんど目立
つことがない。

また、デイスプレイケースの孔に充填される樹
脂の表面には、駆動ローラ周面の微小な凹凸が粘
着テープを介して転写され、該樹脂の表面全体に
微小な凹凸ができるから、この凹凸がLED素子
の発生する光を各部均一に乱反射させることにな
るため、表示が見やすくなる。

又、テンシヨンローラの作用でテープのシワ発
生は無くなり、テープシワによる充填樹脂表面の
傷発生は皆無となる。

〔実施例〕

第１図に本考案によるテープ貼着装置の全体が
示される。

図において、１２は多数のデイスプレイケース
２を、その表面を上向きにして縦横に整列搭載し
たワーク台であつて、一定方向Ａに移送される。
１１はテープロール１４から繰出される広幅の粘
着テープであつて、駆動ローラ１５、テンシヨン
ローラ１６、及び押圧ローラ１７の順に巻回案内
されてケース２群の表面に押圧貼着される。前記
テンシヨンローラ１６は、常にテープ１１を適度
に緊張して弛みの発生を防止するようにバネ１８
で上方に向け付勢されている。又、前記駆動ロー
ラ１５は、テープ１１をスリツプなく確実に引出
すように粘着面Ｓを巻回しており、かつ、テープ
巻込みを防止するためにローラ周面が細かいロー
レツト状に形成されている。

ローレツトパターンとしては、例えば第２図に
示すように、細溝２０を縦横に交差形成して角形
の小突部２１群を残存させたもの、第３図に示す
ように、角形の小凹部２２群を形成したもの、第
４図に示すように円形の小突部２１群を形成した
もの、第５図に示すように円形の小凹部２２群を
形成したもの等が考えられるが、要は細かい凹凸
が全面に規則正しく配列されていればいかなるパ
ターンのものでもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、テープ
貼着作業を機械的に極めて能率よく行えるのであ
るが、特に外周面に微小な凹凸がある駆動ローラ
を用いることで粘着力の大きいテープの巻込み防
止して、安定したテープ繰出しによるテープ貼着
を行うことができるとともに、テープ粘着面の筋
状の縞の発生を防止することができた。又、ロツ
ト切換時などテープの引剥しを停止したときに生
じた縞が凹凸周面を通過することで目立たなくな
る。テンシヨンローラの利用によつてテープのシ
ワ発生もなくなり、デイスプレイケースの透光用
孔に充填する樹脂表面に、不良品となる縞や傷を
もたらすことが極めて少くなつた。

さらに、駆動ローラの巻回によつてテープ粘着
面に形成された細かい凹凸が充填樹脂表面に写し
残されることで、樹脂内部に埋設されるLEDか
らの光を樹脂表面で乱反射して均一に外部に透過
させるので、樹脂表面の全体が均一に輝くことに
なり、表示が見やすくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のかゝるテープ貼着装置の全体
斜視図、第２図乃至第５図は駆動ローラ外周面の
ローレツトパターンの例を示す部分拡大斜視図で
ある。第６図はLEDデイスプレイの一例にあげ
たLEDデイジタル表示器の外観図、第７図はそ
の縦断面図、第８図はデイスプレイケースを裏面
側から見た一部切欠き斜視図、第９図はテープ貼
着処理されたデイスプレイケースの縦断面図であ
る。 ２……デイスプレイケース、３……透光用孔、
１１……粘着テープ、１４……テープローラ、１
５……駆動ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テープロール１４から引き出した粘着テープ１
   １を、駆動ローラ１５、テンシヨンローラ１６で
   巻回案内して押圧ローラ１７でデイスプレイケー
   ス２の表面に貼着し、該ケース２の表面の透光用
   孔３を閉塞した後、該孔３内に樹脂４を注入して
   固化せしめるLEDデイスプレイ製造装置におい
   て、 前記各ローラ１５，１６，１７の中、駆動ロー
   ラ１５のみが粘着テープ１１の粘着面に接するよ
   うに粘着テープ１１を案内するとともに、前記駆
   動ローラ１５の周面に沿つて微小な凹凸を形成し
   たことを特徴とするLEDデイスプレイ製造装置。