JPH0324199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はモータなどの駆動手段を用いて打玉を
発射すると共に、ハンドル部材の回動に従い打玉
の弾発力が変わるようになつている電動式パチン
コ機の発射装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、係合により一体となつて回転しかつその
係合状態を外せるようにした第１円状盤と第２円
状盤とから成るばね調節部材を支持軸に回転可能
に遊装し、打玉杆に一端を係止したコイルばねを
前記ばね調節部材の第１円状盤に巻きつけて係止
すると共にハンドル部材の回動軸に一端を係止し
たワイヤの他端をばね調節部材の第２円状盤に止
着し、ハンドル部材の回動操作によつてコイルば
ねの張力を変化させて打玉の弾発力を調節するよ
うにした電動式パチンコ機が知られている（例え
ば実開昭58−101686号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の電動式パチンコ機にあつては、打玉杆が
打玉を弾発する際の衝撃がコイルばね、ばね調節
部材、ワイヤを介して直接にハンドル部材に伝達
されるため、遊技客に不快感を与えるという問題
点があつた。

またコイルばね、ばね調節部材の第１円状盤に
直接に巻きつけられているため、その接触摩擦に
より打玉杆の弾発時の際の伸縮作用が阻害されて
安定した玉飛びが得られないなどの問題点があつ
た。

〔課題を解決するための手段〕

上記のような問題点を解消するために、本考案
における電動式パチンコ機の発射装置によれば、
支持軸にプーリとばね調節部材をそれぞれ別々に
回転可能なように遊装し、前記ばね調節部材は、
係合により一体となつて回転しかつその係合状態
を外せるようにした第１円状盤と第２円状盤とで
構成され、打玉杆に一端を係止したコイルばねを
前記プーリの外周面に巻きつけてその他端を前記
ばね調節部材の第１円状盤に係止すると共に、ハ
ンドル部材の回転軸に一端を係止したワイヤの他
端を前記ばね調節部材の第２円状盤に止着し、前
記ハンドル部材の回動によりばね調節部材を回転
させて打玉杆の弾発力を調節すると共に、その打
玉杆の発射動作に伴なうコイルばねの伸縮に合わ
せてプーリを自由に回転させるようにしたもので
ある。

〔作用〕

ハンドル部材を回転するとワイヤが引かれてば
ね調節部材の第１円状盤および第２円状盤が一体
となつて回転し、コイルばねがプーリに巻きつけ
られながら伸ばされてその引張力が強められる。
これによつて打玉の弾発力を自由に調節すること
ができる。そして、プーリは打玉杆の発射動作に
伴なうコイルばねの伸縮に合わせてばね調節部材
に関係なく自由に回転する。このため、コイルば
ねの伸縮作用が阻害されないのでハンドル部材の
回動度合に応じた安定した玉飛びが得られる。

〔実施例〕

以下図示の実施例について本考案を説明する。
図において、１はパチンコ機の表枠２裏側に固定
される取付基板で、この取付基板には支軸３が回
転自在に取付けられており、該支軸３には打玉杆
４が固定されている。打玉杆４にはローラ５を有
するアーム６が固定され、また打玉杆４の先端部
は遊技盤表面に設けてある発射レール７の発射位
置に臨んでいる。８は取付基板１に固定されたモ
ータで、これらのモータ軸９に固定したカム１０
がローラ５と係合離脱して打玉杆４を弾発駆動す
るようになつている。

１１は打玉杆４近くの取付基板１に固定された
支持板で、これの上面中央部には支持軸１２が固
定され、支持軸１２にはプーリ１３とばね調節部
材１４がそれぞれ別々に回転可能なような遊装さ
れている。ばね調節部材１４は第１円状盤１４ａ
と第２円状盤１４ｂとで大略構成される。第１円
状盤１４ａは中心に軸筒部１５を突設してその軸
筒部１５の軸孔１６を支持軸１２に挿通すること
により回動及び前後摺動自在に支持され、第２円
状盤１４ｂは中心の軸孔１７を第１円状盤１４ａ
の軸筒部１５外周に嵌挿して第１円状盤１４ａに
回動可能に支持されている。また、第１円状盤１
４ａと第２円状盤１４ｂの相対する面に互いに噛
合する鋸歯状の係合部１８及び１９を軸心と同心
的に形成し、支持軸１２に通した押圧用コイルば
ね２０によつて両者を緊密に噛合させて一体する
ようにしている。

前記第１円状盤１４ａの軸筒部１５先端には角
筒部２１が形成され、この角筒部２１にキヤツプ
状の操作子２２を嵌合保持させている。そして、
この操作子２２と第２円状盤１４ｂとの間に回動
用コイルばね２３が装着され、該コイルばね２３
は第２円状盤１４ｂを常に第２図矢印方向に回動
付勢させている。２４は操作子２２の抜脱を防ぐ
止環、２５は第２円状盤１４ｂの突出片２６に当
接してその回動範囲を規制する支持板１１に設け
たストツパ片である。また、第１円状盤１４ａ及
び第２円状盤１４ｂは夫々側方に突出する腕２７
及び２８をもつている。

しかして、前記打玉杆４には付勢用のコイルば
ね２９の一端が係止され、該コイルばねの他端は
前記プーリ１３の外周面に捲きつけて第１円状盤
１４ａの腕２７に突設したピン３０に係止させて
いる。また、第２円状盤１４ｂの腕２８にはワイ
ヤ３１の一端を接続し、該ワイヤ３１の他端はパ
チンコ機の表側に設けられ、遊技客が回動操作す
るハンドル部材３２の回動軸３３に固定したプー
リ３４に止着させている。

上記構成からなる本考案装置は、遊技客がハン
ドル部材３２を第２図矢印方向に回動するとワイ
ヤ３１が引かれて第２円状盤１４ｂが回転し、同
時に係合部１８及び１９の係合により第１円状盤
１４ａが第２円状盤１４ｂと一体となつて回転す
る。この第１円状盤１４ａの回転によつてコイル
ばね２９がプーリ１３に捲きつけられながら伸ば
されてその引張力が強められるもので、ハンドル
部材３２の回動度合によつて打玉の弾発力を自由
に調節することができる。そして、モータ８の駆
動によつてカム１０が回転し、該カム１０がロー
ラ５に係合して打玉杆４を第２図鎖線で示す発射
準備位置に回動させ、該カム１０がローラ５から
離脱すると打玉杆４がコイルばね２９の引張力に
よつて同図実線位置に復帰し打玉を弾発する。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているの
で、以下に記載されるような効果を奏する。

支持軸にプーリとばね調節部材をそれぞれ別々
に回転可能なように遊装し、打玉杆に一端を係止
したコイルばねをプーリに巻きつけると共に、そ
の他端をばね調節部材に係止し、ハンドル部材の
回動によりばね調節部材を回転させてコイルばね
を伸縮することにより打玉杆の弾発力を調節する
と共に、そのコイルばねの伸縮に合わせてプーリ
が自由に回転し得る構成を採用することによつ
て、コイルばねがプーリの外周面に巻きつけられ
ていてもその伸縮作用が阻害されることがないの
で打玉杆の弾発力にばらつきがなく常に安定した
玉飛びが得られる。

また打玉杆が打玉を弾発する際の衝撃は大部分
がプーリに吸収されてばね調節部材およびハンド
ル部材に伝達されないから、遊技客に不快感を与
えるようなことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は概略
斜視図、第２図は正面図、第３図は要部の分解斜
視図、第４図は同じく要部の断面図である。 ４……打玉杆、１２……支持軸、１３……プー
リ、１４……ばね調節部材、１４ａ……第１円状
盤、１４ｂ……第２円状盤、２９……コイルば
ね、３１……ワイヤ、３２……ハンドル部材、３
３……回動軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持軸にプーリとばね調節部材をそれぞれ別々
   に回転可能なように遊装し、 前記ばね調節部材は、係合により一体となつて
   回転しかつその係合状態を外せるようにした第１
   円状態と第２円状盤とで構成され、 打玉杆に一端を係止したコイルばねを前記プー
   リの外周面に巻きつけてその他端を前記ばね調節
   部材の第１円状盤に係止すると共に、ハンドル部
   材の回動軸に一端を係止したワイヤの他端を前記
   ばね調節部材の第２円状盤に止着し、 前記ハンドル部材の回動によりばね調節部材を
   回転させて打玉杆の弾発力を調節すると共に、そ
   の打玉杆の発射動作に伴なうコイルばねの伸縮に
   合わせてプーリを自由に回転させるようにしたこ
   とを特徴とする電動式パチンコ機の発射装置。