JPH0244778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパチンコの玉打機に関する。

通常の電動式玉打機は、モータの回転に連動す
るカムによつて、玉がはじき出されるようになつ
ており、その打出強さはリターンスプリングの引
張力を変えて実現している。

したがつて、この場合、パチンコ機の表側のハ
ンドルは、発射装置との関係から位置が決めら
れ、また、ハンドルに直接的に打出強さの制御反
力が作用してくる。

このため、構造的にかなり複雑化し、取付けや
組立て性が悪く、しかもプレーヤーにはハンドル
操作の負担がかなり大きくなるという問題があつ
た。

このような問題を解決するために、ハンドルと
発射装置とを機械的に全く分離し、ハンドルは発
射信号のみを送り出すものとして、電子制御回路
により電磁的に作動するロータリ型の発射装置を
コントロールするようにし、構造が著しく簡単で
かつ取付け場合が制限されない。しかも長時間プ
レーしていも疲労が少ないパチンコの玉打機につ
いて、本出願人が実願昭57−74411号として提案
している。

ところで、この場合ハンドルと発射装置とが機
械的に全く分離されているため玉打時にハンマア
ームに発生する衝撃振動はハンドルに制御反力と
して作用することはないが、しかしハンマアーム
の衝撃振動が大きいと、パチンコ玉を打ち出す時
の打点が変化し、正確な玉打ちが図れないという
問題があつた。

本考案はこのような問題点に着目し、ハンマア
ームに振動を減衰する穴を形成すると共に、ハン
マアームをロータ型ソレノイドの中心軸に対し回
動自由に支持するケースを非伝導性で、振動の減
衰性の高い材料で形成することにより、上記の問
題点を解消することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は全体的な構造を示すもので、１０は玉
打信号を出力するハンドル、２０はハンドル１０
からの信号を受ける制御回路、３０は制御回路２
０からの駆動信号により作動する電磁式発射装置
を示す。

ハンドル１０は台板１１に回転自由に取付けら
れるとともに、戻しバネ１２により初期位置へと
付勢される。

ハンドル１０には、無人打球操作を防ぐためプ
レーヤーがハンドル１０を握るとONとなるタツ
チセンサ１３と、打球強さを制御するためハンド
ル１０の回転量に比例した信号を出力するポテン
シヨメータ１４と、単位時間当りの打球数を可変
とするための打球数指示スイツチ１５とが設けら
れる。

指示スイツチ１５は、スイツチプレートが例え
ば毎分60球から70，80，90，100までに別れた押
しボタン式スイツチプレートをもつている。

制御回路２０は、ハンドル１０の打球数指示ス
イツチ１５の信号にもとづいて所定周波数のパル
スを出力するパルス発生器２１と、この発生パル
ス幅をポテンシヨメータ１４の出力にもとづいて
変化させるパルス幅変調器２２と、このパルス幅
変調器２２の出力を増幅して発射装置３０の駆動
信号とする増幅器２３を備える。

パルス発生器２１はAND回路２４の出力がハ
イレベルになつたときに動作するが、このAND
回路２４にはハンドル１０を回したことを検出す
る信号として、ポテンシヨメータ１４の出力の一
部と、インバータ２６を介してのOR回路２５の
出力が入力される。

OR回路２５にはタツチセンサ１３のインバー
タ２７を介しての出力と、図示しない異常判別回
路からの異常信号が入力される。

したがつて、ハンドル１０に手を触れるとタツ
チセンサ１３がONになり、このインバータ２７
を介しての反転出力であるOFF信号により、さ
らにインバータ２６の出力をONにしてAND回
路２４のゲートを開き、このときさらにハンドル
１０を回せば、ポテンシヨメータ１４のハイレベ
ルの出力により、パルス発生器２１が作動する。

このときの発生パルス周波数は打球数指示スイ
ツチ１５の支持に応じた値となる。

ハンドル１０から手を離すとタツチセンサ１３
がOFFとなるため、インバータ２６の出力が
OFFとなり、AND回路２４がゲートを閉じパル
ス発生器２１が非作動となる。

発射装置３０は発射レール３１に落し込まれる
玉３２を、ハンマ３３が打ち出すもので、ハンマ
３３の突出作用を制御回路２０からの信号で電磁
的にコントロールする。

具体的には、第２図〜第４図のように構成され
る。

パチンコ機台枠等に取付けられる支持フレーム
４０には、固定軸４１がナツト４２により固定さ
れる。

この固定軸４１には一対の軸受け４３，４３を
介して、回転ケース４４の円板部４５，４５が回
転自由に支持されている。

尚、回転ケース４４は非伝導性で、かつ振動減
衰性の高い材料、例えば合成樹脂で形成される。

ドラム状の回転ケース４４の外周には前述のハ
ンマ３３を先端にもつハンマアーム４６が、可特
鉄片部５６Ａと一体的に取付けられ、ハンマアー
ム４６には図示のように振動を減衰させる円形の
穴７０が多数形成される。

４７は可動鉄片部５６Ａに形成したビス穴を示
し、図示しないピストンを介して回転ケース４４
に形成した軸方向に伸びる係止溝４８に可動鉄片
部５６Ａ，５６Ｂをそれぞれ嵌めた状態で固定す
る。

上記固定軸４１には、ボビン５２が固定され、
ボビン５２にはコイル５３が巻かれており、その
両側から長板状の固定鉄心５４が挾着される。

固定鉄心５４はそれぞれ端部をコイル５３の外
周に沿つて折曲してあり、これらにより駆動ソレ
ノイド５５を構成している。

したがつて、回転ケース４４と一体のハンマア
ーム４６は駆動ソレノイド５５に励磁信号が入力
したときに、重力モーメントに抗して可動鉄片部
５６Ａ，５６Ｂが吸引され、これにより回転ケー
ス４４が第４図の時計方向に回転してハンマ３３
を突き出す打球作用を行なう。

ソレノイド５５が消磁されると、モーメントに
より回転ケース４４と一体にハンマアーム４６は
初期位置へ戻される。６０はハンマアーム４６の
初期位置を決めるストツパである。

このソレノイド５５に制御回路２０の増幅器２
３からの駆動パルスが供給されるのであり、した
がつてこのパルス周波数に応じて回転ケース４４
及びハンマアーム４６は往復動するのであり、か
つそのパルス幅が大きくなるほどソレノイド５５
の１回あたりの吸着力が強まつて打球の強さが増
す。

つまり、ソレノイド５５の吸着力が強くなるほ
ど、回転ケース４４（ハンマアーム４６）の回転
トルクが大きくなるのであり、ハンマ３３の打出
し速度はこれに比例して増加する。

ところで、ハンマアーム４６には玉打時に衝撃
振動（ハンマ３３が玉を打ち出す時の振動と、ハ
ンマアーム４６がストツパ６０とぶつかる時の振
動）が発生するが、この振動は穴７０により減衰
されるため、ハンマアーム４６が次の玉を打つと
きには振動がすつかり消失し、正確な玉打ちが図
れる。

しかも、回転ケース４４も振動の減衰性の高い
材料で形成してあるため、上記効果を更に高める
上、ケース４４自体が振動を起こし固定軸４６の
軸心を狂わすこともなく装置の信頼性と耐久性の
向上が図れる。

尚、ハンマアーム４６は玉の打出し反力が繰り
返し作用するため、十分な強度が要求されるが、
ハンマアーム４６の強度は振動減衰穴７０の分を
見越して適切に設定する。

又、ハンマアーム４６は可動鉄片部５６Ａと一
体的に形成されているため、十分な耐久性が確保
されると同時に、ハンマアーム４６を回転ケース
４４に取付けるに際し、可動鉄片部５６Ａの取付
け手段（ビス、ネジ穴）と共有できるので、取付
け手間と部品の削減がはかれる。

さらに、上記実施例では玉の打出しを従来のよ
うにスプリング力によらず、ソレノイド励磁力に
よつて行なうため、打玉の安定度がきわめて高く
維持できる。

以上のとおり、本考案は非伝導性の回転ケース
を振動減衰性の高い材料で形成すると共に、ハン
マアームに振動減衰穴を形成したので、玉打時の
衝撃振動が効果的に減衰され、正確な玉打が図れ
る上、振動による故障の発生が防止でき、装置の
信頼性と耐久性の向上が図れる。

また、振動減衰穴はハンマアーム軽量化の上
で、大きな効果を生じ、ソレノイド起動トルクに
対する回転ケースの往復回転の応答性が改善さ
れ、より少ない励磁力（励磁電流）で確実かつ応
答よくハンマアームを駆動できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体的な構成図、第２図は要
部断面図、第３図はそのＹ−Ｙ線断面図、第４図
はハンマアーム部分の斜視図である。 １０……ハンドル、１２……戻しバネ、１３…
…タツチセンサ、１４……ポテンシヨメータ、１
５……打玉数指示スイツチ、２０……制御回路、
２１……パルス発生器、２２……パルス幅変調
器、２３…ハンマ、２４……AND回路、３０…
…発射装置、３３……ハンマ、４２……固定軸、
４４……回転ケース、４６……ハンマアーム、５
２……ボビン、５４……固定鉄心、５５……ソレ
ノイド、５６Ａ，５６Ｂ……可動鉄片部、７０…
…振動減衰穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 制御回路からの駆動パルスにより作動するソレ
   ノイドを備えたパチンコの玉打機において、固定
   軸に対し回転自由に非伝導性で、かつ振動の減衰
   性の高い材料で形成した回転ケースを取付け、こ
   の回転ケースの内部に位置して、固定軸に対して
   円心的にソレノイドのボビンを取付け、このボビ
   ンの側面に固定鉄心を配設する一方、上記回転ケ
   ースの外周部に固定鉄心に対応して吸着される可
   動鉄片部を設けると共にハンマアームを突設し、
   このハンマアームに振動を減衰する穴を形成した
   ことを特徴とするパチンコの玉打機。