JPS6213648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテニス練習機、野球のトスバツテイン
グ練習機等として、返球練習等をするボール発射
装置に関するものである。

従来、球技における練習機としては夫々の球技
専用としての練習機は種々存在していたが、ボー
ルの形状、重さ等が異なる為、個々の専用練習機
としてのみしか使用出来ないので、幅広く一台の
装置で兼用する練習機の出現が望まれていた。し
かしながら、多用途の練習機では練習の方法も異
なり、ボールの発射角度（ボールの弾道）が当然
異なる為に、種々の球技に対応出来る装置とする
には構造が複雑となり、必然的に装置が大型化し
て、操作も手軽に出来ず、装置自体が高価となる
等の欠点があつた。そこで、本考案では従来から
テニス等のボール競技の練習に、所定のボールを
自動的に発射するボール発射装置が用いられてい
たので、この装置を改良して、ボールの種類、ボ
ールの発射角度等を簡単な操作にて適宜に対応出
来る装置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例について説明すると、
第１図は本考案の本体機構を示したもので、箱体
１の中央部には軸受２，３を設け、そこに回転軸
４を取付け、一端にボールを打ち出す打出しレバ
ー５を設け、他端にはボールを打ち出す為の補助
用の補助レバー６を固定して設ける。打出しレバ
ー５は第２図に示される様に矢印ａの方向にのみ
回動する。回転軸４は駆動モータ７、減速機８を
介して回転軸４に設けた歯車９に噛合わせ回動す
る様に設けてある。ボール１０に打出し力を与え
る為には駆動モータ７の回転力と打出しレバー５
に取付けられたコイルバネ１１と補助レバー６に
取付けられた補助コイルバネ１２を設け、両方の
バネ力によつてボール１０を発射する為の打出し
力となる。

通常、テニス練習機としてのボール発射装置に
は、ボールを打返す為のネツト装置（図示せず）
が一対と成つて組合わされている。ネツト装置に
打返えされたボールが再度、遊技者に向けてボー
ルが発射されるには、ボール１０を一列に整列す
る為の供給樋１３を傾斜して設け、供給樋１３の
先端１４がボール発射台１５に連結される。ボー
ル発射台１５上には発射ガイド部１６が取付けら
れ、発射ガイド部１６は箱体１より外方に向けら
れている。打出しレバー５が通過する為に、ボー
ル発射台１５の底部には切欠き部１７を設けてあ
る。回転軸４に連結された支え軸１８は回動自在
に取付けられ、ボール発射台１５と発射ガイド部
１６より構成されたボール供給部Ａは一体と成つ
て設けられ、支え軸１８の先端と連結されてお
り、回転軸４を中心に支え軸１８が回動する事に
よつてボール供給部Ａも連動し、発射ガイド部１
６の発射角度は箱体１に設けた長穴溝１９に沿つ
て自由に変更出来、箱体１より突出したツマミ２
０によつてボール供給部Ａを動かし、任意の発射
角度を決めた後、ツマミ２０にて位置を固定す
る。

次に、ボール発射部に付いて説明すると、従来
では打出しレバー５にコイルバネの一端が引掛け
られ、他端のコイルバネ１１は箱体等に固定され
ていた。そして、打出しレバー５を駆動モーター
７によつて矢印ａに示す方向に回動させると、コ
イルバネ１１は除々に引張られ、バネ力が限界に
達した時、すなわち打出しレバー５が回動してコ
イルバネ１１と一直線上に並んだ位置を通過した
時に、打出しレバー５は上死点を通過した瞬間に
コイルバネ１１に蓄積されたバネ力が打出しレバ
ー５を矢印ａ方向の回転力として瞬時的に打出し
力として回転させる。すなわち、従来では打出し
レバー５の回転力の強さ（打球スピード）はコイ
ルバネ１１によつてのみ決定されていた。

以上の様に、従来ではコイルバネ一本の強さに
よつて打出しレバー５の回転力の強さが決められ
ていた為、打球スピードに変化を持たす事が出来
ず、常に一定となる為、ボールの重さ、大きさ等
に合わせ、特定の球技の専用コイルバネとして、
回転力が選定されていた。そこで、本考案では打
出しレバーの回転力の強さに幅を持たせる構造と
したので、球技の種類や練習方法が多目的に出来
る様に成した。以下、本考案の作動状態に付いて
説明する。

本考案では打出しレバー５に、よい回転力を与
える為に、従来のメインバネのコイルバネ１１に
補助コイルバネ１２を取付け、二つのバネ力を合
わせた力が打球スピードとなる様に設けた。メイ
ンのコイルバネ１１の一端は打出しレバー５に取
付けられ、他端は取付け位置が自由に選択出来る
様に箱体１を横断する選択レバー２１に取付けら
れている。選択レバー２１の一端は箱体１より突
出して設けツマミ２２を取付け、さらに数段の切
換え調整用の長溝２３を箱体１の側面に設ける事
により、ツマミ２２にて任意の長溝２３に選択レ
バー２１を位置させる事によつてメインのコイル
バネ１１のバネ力を変化させられる。本考案の実
施例第２図では一番弱い状態となつており、下段
になるほどバネ力は強くなるのでボールの種類、
練習方法によつて適宜に選択すれば良い。

第２図での打出しレバー５は駆動モータ７によ
つて回転軸４が回動し、メインのコイルバネ１１
と一直線上に並んだ状態が示され、これが上死点
に達した状態である。さらに、本考案では回転軸
４に補助レバー６が設けてあり、この補助レバー
６には固定された補助コイルバネ１２が取付けら
れ、第２図に示されている様に、補助レバー６と
補助コイルバネ１２のバランス状態は崩れた位置
にある。つまり、補助レバー６と補助コイルバネ
１２が一直線上に並んだ状態を通過している、し
かしながら打出しレバー５を送り出す力はない
が、打出しレバー５の回転力を増す補助の役目を
行う事が出来る。角度Ｘ゜はメインのコイルバネ
１１の強さ調整位置、すなわち切換え調整用の長
溝２３の位置によつて変化する。角度Ｙ゜はあら
かじめ、メインのコイルバネ１１と打出しレバー
５のバランスが崩れる前に、先行して補助レバー
６と補助コイルバネ１２によつてバランスが崩れ
る様に設けてある。

通常時は５_１の位置にあり、打出しレバー５は
駆動モータ７が回転すると、５からメインのコイ
ルバネ１１と打出しレバー５が一直線上に並んだ
位置を通過すると、打出しレバー５の打出しスピ
ードが増し矢印ａの方向に向い回転し、５_３の位
置にてボール発射台１５にあるボール１０を打出
す。ボール１０の発射方向は発射ガイド部１６の
角度によつて決定し、さらにボールの発射スピー
ドは打出しレバー５の打出し回転スピードによつ
て決定される。

以上の様に、従来では単にメインのコイルバネ
１１のバネ力に頼つていた発射スピードであつた
為、ボールが重くなると打出し力がなくなり、ボ
ールが飛ばす練習にならない等の不都合があつ
た。しかし、本考案では補助コイルバネ１２を新
たに設けた事によつて、補助コイルバネ１２のバ
ネ力の分だけメインのコイルバネ１１と打出しレ
バー５とのバランスを崩す力、すなわち打出しレ
バー５に与える発射スピードを増加させる効果が
生じる。又、この補助コイルバネとメインのコイ
ルバネのバネ力をボールの種類、球技の練習に合
わせ組合わせを考慮した選定方法を取る事によつ
て、さらに従来にない幅を持つたボール発射装置
を提供する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図で、装
置の平面図を示す、第２図は本考案の要部を示す
状態図。 ４……回転軸、５……打出しレバー、６……補
助レバー、７……駆動モータ、１０……ボール、
１１……コイルバネ、１２……補助コイルバネ、
１６……発射ガイド部、１８……支え軸、２１…
…選択レバー、２３……切換え調整用の長溝、Ａ
……ボール供給部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータの駆動によつて回転する回転軸を設け、
   回転軸の一端には打出しレバー５と他端には補助
   レバー６を取付け、打出しレバー５にはコイルバ
   ネの一端が取付けられ、他端がコイルバネのバネ
   力を調整可能と成す為に取付け位置が変動自在に
   成る様に設け、補助レバー６にも補助用のコイル
   バネを取付け、打出しレバー５が回動しコイルバ
   ネとのバランスが崩れる状態より先行した位置に
   補助レバー６を回転軸に対して固定して取付け、
   打出しレバー５の打出し回転力のスピードを補助
   用コイルバネによつて増大させた事を特徴とした
   ボール発射装置。