JPH0323986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、２つの支持台間の相対位置を調整す
る回動調整治具に関するものである。

従来例の構成とその問題点 先ず、回動調整治具の磁気記録再生装置（以
下、VTRと称す）におけるポスト装置への適用
例について説明する。第１図において、磁気テー
プ１は、規制段２Ａ，２Ｂによりこの磁気テープ
１の上下方向を規制する一対の回転ローラポスト
２と、これら回転ローラポスト２間に配設された
一対の傾斜ポスト３とにより規制および案内され
て、内部に回転ヘツドを備えるガイドドラム４の
規制段であるリード４Ａに沿つて添接走行し、以
つて映像信号の記録、再生が行なわれる。したが
つて、高品位な画質や他のVTRとの互換性を得
るには、磁気テープ１は正規の位置を正確に走行
しなければならない。特に、回転ローラポスト２
に対する傾斜ポスト３の位置精度は重要である。
傾斜ポスト３の位置が狂つていると、磁気テープ
１は回転ローラポスト２の規制段２Ａ，２Ｂの片
側に押しつけられ、その結果、磁気テープ１の端
面部に大きな内部応力が生じて、この磁気テープ
１にダメージが出る。また磁気テープ１がリード
４Ａから浮き、ガイドドラム４内の回転ヘツドが
磁気テープ１に対して正確にトレースできなくな
る。このように傾斜ポスト３の位置が狂つている
と、磁気テープ１にダメージを生じたり、正確な
トレースができないことから、画面上にノイズが
現われたり、著しく画質が低下する。前述したこ
とから、傾斜ポスト３の位置調整がいかに重要で
あるかが認識できる。

しかるに、従来のVTRのポスト装置に用いる
治具では、高精度の位置調整が行ないにくいとい
う問題があつた。以下に、第２図、第３図に基づ
いて従来例を説明する。

第２図、第３図において、傾斜ポスト３を所定
の傾斜角をもつて支持する調整台５は、取付台６
に植立させる回転ローラポスト２の規制段部２Ｂ
に回動自在に遊嵌してある。また回転ローラポス
ト２は、両規制段部２Ａ，２Ｂ間に回転ローラ７
を回転自在に支持している。調整台５および取付
台６には、偏平な治具８とそれぞれ係合する切欠
凹部９および凹部１０を設けている。また調整台
５には固定螺子１１を挿通する長孔１２が設けて
あり、さらに取付台６には固定螺子１１と対をな
す雌螺子部１３を設けている。

前記の従来構成において、治具８を切欠凹部９
および凹部１０にそれぞれ係合させて、凹部１０
内での治具８の厚みと凹部１０の幅とのガタの範
囲内で治具８を動かすことにより、調整台５を取
付台６に対して、回転ローラポスト２の規制段部
２Ｂを案内として回動させ得る。そして、所定の
位置まで回動させた後、固定螺子１１を締め付け
ることによつて、調整台５を取付台６に固定する
ものである。

この様に、従来の治具８を用いてVTRのポス
ト装置の位置調整を行なつた場合、凹部１０の治
具８との係合では前述した様にガタが必要なため
治具８を滑らかに動かすことができず、位置調整
がやりにくいという欠点があつた。また治具構造
上、取付台６を調整台５よりも大きくしてそのス
ペースに凹部１０を設ける必要があり、機器の小
形化の上でも問題があつた。

発明の目的 本発明は、従来の欠点を除去し、相対位置調整
を迅速かつ精度よく行なうことができ、また取付
台を小形化できる回動調整治具を提供するもので
ある。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明の回動調整治
具は、第１の支持台と、治具と係合する被係合部
を有し且つ該被係合部を介して前記第１の支持台
に対する相対位置を調整可能な第２の支持台と、
この第２の支持台を前記第１の支持台に固定する
固定螺子とを具備する相対位置調整装置に用いる
回動調整治具であつて、柱状部と、この柱状部の
先端に位置して前記固定螺子と回転自在に遊嵌す
る回動案内部と、前記被係合部に係合する係合部
とを具備して構成している。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第４図、第５図に基
づいて説明する。傾斜ポスト３を所定の傾斜角を
もつて支持する調整台（第２の支持台）５は、取
付台（第１の支持台）６に植立させる回転ローラ
ポスト２の規制段部２Ｂに回動自在に遊嵌してあ
る。回転ローラポスト２は、規制段部２Ａ，２Ｂ
間に回転ローラ７を回転自在に支持している。前
記調整台５は、治具と係合する切欠凹部（被係合
部）９を有し、さらに固定螺子１１を挿通する長
孔１２が設けてある。また取付台６には、固定螺
子１１と対をなす雌螺子部１３を設けている。回
動調整治具１４は、作業者が治具を支持して回動
させるためのハンドル部１５と、このハンドル部
１５から連設した柱状部１６と、この柱状部１６
の先端に位置して前記固定螺子１１と回転自在に
遊嵌する凹状回動案内部１７と、この凹状回動案
内部１７から連設され且つ前記切欠凹部９に係合
するＬ字状部（係合部）１８とを具備している。

前記構成において、回動調整治具１４の先端部
に設けた凹状回動案内部１７を固定螺子１１の外
周部に遊嵌させるとともに、Ｌ字状部１８を切欠
凹部９に係合させる。この状態でハンドル部１５
を回動せしめることにより、Ｌ字状部１８と切欠
凹部９を介して調整台５を規制段部２Ｂの回りに
回動させ得る。そして傾斜ポスト３と回転ローラ
ポスト２とが所望の相対位置関係を成す様にセツ
テイングしたのち、ドライバーで固定螺子１１を
締めつけて調整台５を取付台６に固定する。

第６図は本発明の別の実施例を示す。すなわち
治具の回動案内として、固定螺子１１のドライバ
ー溝１９の中心付近の凹部と嵌合する凸状回動案
内部２０を柱状部１６の先端に設けている。これ
によると前実施例（第４図）と同様の作用が可能
となる。

なお前述の実施例ではVTRのポスト装置に適
用した場合について説明したが、その他の相対位
置の回動調整装置に用いても同様の効果が得られ
るのは言うまでもない。

発明の効果 前述の様に本発明による回動調整治具を用いれ
ば、固定螺子を治具の回動案内に利用したため該
治具の案内部のガタを殺すことができ、また治具
構造も極めて簡単でかつ被調整部材側の治具案内
のための部品点数も増やすことなく、円滑かつ高
精度な回動調整を行なうことができる。しかも第
１の支持台（取付台）には治具と係合する部分は
必要なく、この第１の支持台を従来に比べて小形
にすることができ、機器の小形化を可能にでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は傾斜ポストの位置精度の重要性を説明
するための説明図、第２図ａはVTRのポスト装
置および従来の治具の断面図、第２図ｂは同従来
の治具の斜視図、第３図はVTRのポスト装置の
斜視図、第４図はVTRのポスト装置および本発
明に係る治具の一例の断面図、第５図は同VTR
のポスト装置の斜視図、第６図は本発明の別の実
施例を示すVTRのポスト装置および治具の断面
図である。 ２……回転ローラポスト、２Ａ，２Ｂ……規制
段部、３……傾斜ポスト、５……調整台（第２の
支持台）、６……取付台（第１の支持台）、７……
回転ローラ、９……切欠凹部（被係合部）、１１
……固定螺子、１２……長孔、１３……雌螺子
部、１４……回動調整治具、１５……ハンドル
部、１６……柱状部、１７……凹状回動案内部、
１８……Ｌ字状部（係合部）、１９……ドライバ
ー溝、２０……凸状回動案内部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の支持台と、治具と係合する被係合部を
   有し且つ該被係合部を介して前記第１の支持台に
   対する相対位置を調整可能な第２の支持台と、こ
   の第２の支持台を前記第１の支持台に固定する固
   定螺子とを具備する相対位置調整装置に用いる回
   動調整治具であつて、柱状部と、この柱状部の先
   端に位置して前記固定螺子と回転自在に遊嵌する
   回転案内部と、前記被係合部に係合する係合部と
   を具備してなることを特徴とする回動調整治具。 ２ 回動案内部を、固定螺子と回転自在に遊嵌す
   る凹部としたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の回動調整治具。 ３ 回動案内部を、固定螺子の凹部と回転自在に
   遊嵌する凸部としたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の回動調整治具。