JPH0323388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可倒式リアーシートの背面に形成され
たトランクスルー穴を利用してスピーカを取り付
けた車載用スピーカシステムに関する。

従来の、この種車載用スピーカシステムは第１
図で示すようにリアーパーセルトレイＡに対して
スピーカＢを上向きに配置されている。又、トラ
ンクルームＣはリアーパーセルトレイＡ及びリア
ーシートＤによつて車室Ｅと遮断されており、こ
のトランクルームＣを密閉型のバツクキヤビテイ
ーとしてスピーカＢは作動する。そして、スピー
カＢより発生した音波はリアーガラスＦに反射し
た後、リスナーに届くようになつていた。

しかし、従来のスピーカシステムではスピーカ
Ｂを前後幅の狭いリアーパーセルトレイＡに取り
付けていたので、このリアーパーセルトレイＡの
前後幅から取り付け可能なスピーカ口径が決定
し、大口径のスピーカの使用は不可能であつた。
従つて、良質の低音再生には限界があつた。

また、車室内を広くするためにリアーパーセル
トレイＡの前後幅を狭く形成した、あるいは車室
内からでもトランクルームＣ内へ物を出し入れを
可能としたり、長尺物の収納を容易にするためリ
アーシートＤを可倒式に形成したものがあつた。
このような場合には、大口径のスピーカの取り付
け位置は、リアーシートＤの背面部分に限定され
るものであつた。しかし、リアーシートＤが可倒
式となつているために、そのスピーカの取付け手
段は複雑となつて容易なものではなかつた。

そこで、本考案は上記のような欠点を解消しよ
うとするもので、次のように構成したものであ
る。

可倒式リアーシートの後面に小口径のスピーカ
を取り付けたリアパーセルトレイを形成すると共
に、背面にトランクスルー穴を形成し、 該トランクスルー穴に対応してバツフル板に取
り付けた大口径のスピーカを車室に向けて形成
し、 スピーカを取り付けたバツフル板をヒンジによ
つてトランクスルー穴側とリアーパーセルトレイ
側とに回動自在でかつ離脱可能に構成し、 上記ヒンジにバツフル板の回転動作と連動して
作動する両スピーカの切り替えスイツチを設け
た、 ことにより、大口径と小口径の２つのスピーカ
を取り付けることができ、良質な低音を再生する
ことができると共に、低音再生限界を拡大するこ
とを可能とし、しかもトランクスルー機能として
も利用が可能な車載用スピーカシステムを提供す
るのが目的である。

以下、本考案を図面の実施例に基ずいて説明す
ると、第２図は本考案に係るスピーカシステムの
一実施例を示す概略構成図であり、第３図は別の
実施例を示す概略構成図である。図中、１は自動
車のリアーシートで、該リアーシート１は背もた
れ部１ａが前方向、即ち座部１ｂ上に倒すことが
できる構造の可倒式となつている。そして、リア
ーシート１の背面には大きなトランクスルー穴２
が形成され、このトランクスルー穴２を通してト
ランクルーム３と車室４とは連通状態となつてい
る。上記のトランクスルー穴２には該穴２に対応
してバツフル板５に取り付けた大口径のスピーカ
６を車室４に向けて配置するが、バツフル板５は
トランクスルー穴２に対して着脱可能に構成して
ある。又、リアーパーセルトレイ７には、所定の
共振周波数を持つたバスレフポート８が取り付け
られており、このパスレフポート８によりトラン
クスルー穴２がリアーシート１の背もたれ部１ａ
で閉成されているときには、トランクルーム３と
車室４とが連通している。第３図に示した実施例
においては、バツフル板５はヒンジ９によつて、
リアースルー穴２側とリアーパーセルトレイ７側
とに回動できるように構成されていると共に、取
り外し自在に構成されている。前記の実施例で
は、リアーパーセルトレイ７にはバフレスポート
８を取り付けてあるが、これに代えて小口径のス
ピーカ１０を取り付けるようにしてある。また、
この小口径のスピーカ１０と共に、バフレスポー
ト８の両方を取り付けるようにしてもよい。更に
上記のヒンジ９にはバツフル板５の動作と連動し
て作動するスピーカ６と１０の切り替えスイツチ
１１が設けられている。

そして、トランクスルー機能を利用する場合に
は、バツフル板５をヒンジ９を支点としてリアー
パーセルトレイ７側に持ち上げるが、この際、切
替スイツチ１１によりスピーカ６は非動作状態
に、リアーパーセルトレイ７のスピーカ１０は動
作状態に切り替えられる。これによつてリスナー
にトランクスルー機能とカーステレオ双方の利用
を可能にしている。

次に、上記実施例の作用について説明する。

先ず、大口径のスピーカ６の動作時にはリアー
シート１の背もたれ部１ａを前に倒すが、この状
態ではスピーカ６から発生した振動波は直接、車
室４に向つて放射され、かつスピーカ６の背面か
ら放射された振動波の一部は、バスレフポート８
を介して特定の低域分だけが位相反転され車室４
に再放射される。従つて、大口径のスピーカ６と
あいまつて良質な低音をリスナーに提供すること
ができる。

一方、バスレフポート８は、その共振周波数以
下では通過する空気の抵抗は極めて低い性質を有
するため、トランクルーム３の開閉によるトラン
クルーム３内の気圧の変動を最少限に抑えるの
で、スピーカ６にかゝる負荷を減少させている。
従つて、スピーカ６の振動系のコンプライアンス
を大きく取ることができ、低減再生限界を広くす
ることを可能にしている。

又、トランクスルー穴２本来の機能を果す場合
には、該スルー穴２からスピーカ６付きのバツフ
ル板５を取り外せばよい。

尚、バスレフポート８はバツフル板５に取り付
けてもよい。又、リアーシート１の背もたれ部１
ａが左右に２分割されている場合には、夫々の背
もたれ部１ａに対応してスピーカ６を配置し、背
もたれ部１ａを倒した側のスピーカ６が動作状態
となるように背もたれ部１ａの立倒とスピーカ６
の動作とを連動させるように構成してもよい。

本考案は叙上のように、可倒式リアーシート１
の後面に小口径のスピーカ１０を取り付けたリア
ーパーセルトレイ７を形成すると共に、背面にト
ランクスルー穴２を形成し、トランクスルー穴２
に対応してバツフル板５に取り付けた大口径のス
ピーカ６を車室４に向けて形成し、スピーカ６を
取り付けたバツフル板５をヒンジ９によつてトラ
ンクスルー穴２側とリアーパーセルトレイ７側と
に回動自在でかつ離脱可能に構成し、上記ヒンジ
９にバツフル板５の回転動作と連動して作動する
両スピーカ６，１０の切り替えスイツチ１１を設
けたものである。

従つて、スピーカとして大口径のものを使用す
ることができ、良質な低音再生が可能となると共
に、スピーカ６を取り付けたバツフル板５はトラ
ンクスルー穴２から回動自在で離脱可能なので、
簡単な構造でありながらトランクスルー機能本来
の使用には何らの支障もきたさない。

また、上記の可倒式リアーシートを２分割し、
両シートに対応してスピーカを配置すると共に、
両シートの立倒に連動して両スピーカの動作状態
を切り替えるようにしたので、トランクスルー機
能として利用しながらカーステレオとしても利用
することが可能となる。

更にバツフル板５又はリアーパーセルトレイ７
にバスレフポート８を取り付けたので、大口径と
小口径の２つのスピーカを取り付けることがで
き、良質な低音を再生することができると共に、
低音再生限界を拡大することを可能とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の車載用スピーカシステムを示
す概略構成図、第２図及び第３図は夫々本考案に
係る車載用スピーカシステムの異なる実施例を示
す概略構成図である。 １……可倒式リアーシート、２……トランクス
ルー穴、５……バツフル板、６……スピーカ、７
……リアーパーセルトレイ、８……バスレフポー
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 可倒式リアーシート１の後面に小口径のスピ
   ーカ１０を取り付けたリアパーセルトレイ７を
   形成すると共に、背面にトランクスルー穴２を
   形成し、 該トランクスルー穴２に対応してバツフル板
   ５に取り付けた大口径のスピーカ６を車室４に
   向けて形成し、 スピーカ６を取り付けたバツフル板５をヒン
   ジ９によつてトランクスルー穴２側とリアーパ
   ーセルトレイ７側とに回動自在でかつ離脱可能
   に構成し、 上記ヒンジ９にバツフル板５の回転動作と連
   動して作動する両スピーカ６，１０の切り替え
   スイツチ１１を設けたことを特徴とする車載用
   スピーカシステム。 (2) ２分割の可倒式リアシートにおいて、両シー
   トに対応してスピーカを配置すると共に、両シ
   ートの立倒に連動して両スピーカの動作状態を
   切り替えるようにした実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の車載用スピーカシステム。 (3) バツフル板５又はリアーパーセルトレイ７に
   バスレフポート８を取り付けた実用新案登録請
   求の範囲第１項又は第２項記載の車載用スピー
   カシステム。