JPH032310A - 溶銑予備処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、溶銑予備処理方法に関する。

［従来の技術］ 高炉出銑された溶銑には燐、硫黄、炭素、珪素等の不純
物が不可避的に含有されている。一般に、燐、硫黄、炭
素、珪素等の不純物元素は、鋼の特性を低下させる。特
に、不純物元素の中でも燐は鋼の靭性を低下させるため
、製銑、製鋼工程では溶湯を脱燐処理する必要がある。

したがって、これらの不純物元素を効率良く除去する方
法の開発が行われている。

これらの不純物を除去する方法として、溶湯を転炉に移
す前に溶銑鍋において予備処理を施す溶銑予備処理方法
が行われている。溶銑予備処理方法は、石灰等の副原料
を吹き込むためのインジェクションランスを溶銑中に浸
漬させ、溶銑にスケール等を投入上置し、場面に酸素を
供給するための酸素ガス吹付けランスを配置する。そし
て、酸素ガス吹付けランスから供給された酸素により溶
銑中の炭素を燃焼させ、燃焼により発生した熱でインジ
ェクションランスから溶銑中に吹き込まれた副原料を溶
解させて溶銑を撹拌し、溶銑中の不純物、特に燐を反応
させてスラグとして除去する。

この場合、溶銑中に副原料を吹き込むため、溶銑が湯面
で泡だち、スロッピング（泡たち）やスピッティング（
飛散）が発生する。このスロッピング、スピッティング
が激しくなると、溶銑及びスラグが溶銑鍋外へ飛び散る
という問題を生じる。

この問題を解決するために、フードを溶銑撹拌領域の湯
面を覆うように浸漬し、鍋外への溶銑及びスラグの飛散
を防止する。なお、フードは、場面に被せられるため、
インジェクションランスがフード上部を貫通し、ランス
下端がフード内にて溶銑に浸漬されるようになっている
。これによって、スロッピング、スピッティングが、溶
銑が撹拌される領域に対応する湯面に制限されて、溶銑
鍋から溶銑、スラグ等が零れることがない。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、溶銑予備処理を続けるうちに、浸漬フー
ド内壁に溶銑が付着凝固する。この凝固金属が付着成長
すると浸漬フード内の断面積が減少する。このため、フ
ード内の場面が上昇し、スラグ及び溶銑の飛沫が、浸漬
フードの上部のインジェクションランスの貫通孔まで達
して、その貫通孔近傍で凝固する。この結果、操業を停
止して浸漬フードを交換する際にインジェクションラン
スを浸漬フードから抜き取ることができなくなり、ガス
切断等で凝固した溶銑及びスラグを融解させてインジェ
クションランスを浸漬フードから取り外す作業を要し、
操業に悪影響を及ぼす。したがって、溶銑予備処理にお
いて溶銑が付着しても、その除去が容易である浸漬フー
ドを使用することが望まれている。

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、付着し
て凝固した溶銑が容易に除去できる浸漬フードを使用し
て長期間にわたって安定して操業することができる溶銑
予備処理方法を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、溶銑撹拌領域の湯面を覆うようにフドを浸漬
し、インジェクションランスにより副原料を溶銑中に吹
き込む溶銑予備処理方法において、前記インジェクショ
ンランス又は他の吹き付け装置により前記フードの内面
に粉粒物を予め吹き付けておき、フード内面が粉粒物で
被覆された状態で前記フードにより溶銑撹拌領域のｌ９
而を覆うことを特徴とする。

［作　用］ 本発明の溶銑予備処理方法によれば、溶銑が撹拌される
領域に対応する湯面を粉粒物を吹き付けて被覆した浸漬
フードで覆って溶銑予備処理を行う。このため、副原料
を溶銑に吹き込む際に起こるスロッピング及びスピッテ
ィングによって、浸漬フードの内壁に溶銑及びスラグが
付着しても容易に除去することができる。

即ち、浸漬フードの内壁に粉粒物を吹き付けて粉粒物層
を形成するので、溶銑予備処理中のスピッティングによ
る溶銑及びスラグは粉粒物層に付着凝固する。この粉粒
物層は吹き付けのみによって形成されるため浸漬フード
内壁から容易に剥離することができる。このため、粉粒
物層を剥離すると共に付着凝固した溶銑及びスラグを除
去することができる。また、粉粒物層自体も溶銑等が付
着しにくいので、スピッティングによる溶銑及びスラグ
の付着を防止することができる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例について図面を参照して具体的に
説明する。

第１図は、本発明の溶銑予備処理方法に使用される装置
の模式図である。

図中にて符号１０は、溶銑鍋である。溶銑鍋１０内には
溶銑１２が入っている。溶銑１２には図示しないスケー
ルが上置投入されている。溶銑鍋１０の溶銑１２の中央
部に石灰等の副原料を吹き込むためのインジェクション
ランス１４の下端が浸漬されている。また、酸素ガス吹
付けランス１６が溶銑１２の湯面の直上に配置されてい
る。

溶銑鍋〕０の上方に浸漬フード１８が昇降装置（図示せ
ず）により昇降可能に支持されている。

この浸漬フード１８は、カップ状をなす。浸漬フド１８
の軸心に沿ってインジェクションランス１４及び酸素ガ
ス吹き付けランス１６が浸漬フド１８の上部を貫通して
いる。ここで、浸漬フード１８は、高アルミナやジルコ
ン等の耐熱性材料からなる。また、この浸漬フード１８
の大きさは、副原料の吹き込みにより起こるスロッピン
グ及びスピッティング発生領域の溶銑湯面を覆うことが
できるように設定する。浸漬フード１８の内側には、副
原料を溶銑に吹き込む際に起こるスピッティングによる
溶銑の付着を防止するために粉粒物の吹き付けにより粉
粒物層２０が形成されている。

浸漬フード１８の内側に吹き付ける粉粒物は、スピッテ
ィングによる溶銑及びスラグの付着を防止でき、溶銑予
備処理中の浸漬フード１８の内部の雰囲気温度で容易に
浸漬フード１８の材料と反応しないものを選ぶ必要があ
る。このようなものとして、溶銑予備処理に使用する副
原料をはじめ、石灰、シリカ、アルミナ、ドロマイト等
が挙げられる。粉粒物の粒径は吹き付けによって容易に
浸漬フード１８の内壁に被着し得るように設定する。

第２図に示すように、粉粒物を吹き付ける場合は、溶銑
予備処理に使用する石灰をインジェクションランス１４
を昇降させて浸漬フード１８の内壁に吹き付けて粉粒物
層２０を形成する方法がある。これは浸漬フード１８か
らインジェクションランス１４を取り外すことなく粉粒
物を被覆することができる。

また、第３図に示すように、専用の吹き付け機２４で粉
粒物を浸漬フード１８の内壁に吹き付けて粉粒物層２０
を形成してもよい。これは浸漬フド内壁を粉粒物でムラ
なく均一に被覆することができる。これらの方法に限定
されることなく効率良く粉粒物を浸漬フード内壁に被着
させることができるものであればいずれの方法でもよい
。浸漬フード１８の内壁に形成する粉粒物層の厚さは、
溶銑予備処理中に容易に剥離せず、スピッティングによ
る溶銑及びスラグを浸漬フード１８の内壁に接触させな
いように設定する。

このような装置において、溶銑１２に酸素ガス吹付けラ
ンスから酸素ガスを吹き付け、溶銑１２中の珪素及び炭
素を燃焼させて熱を発生させる。

インジェクションランス１４から溶銑１２中に窒素ガス
をキャリアーガスとしてＣａ　ＯＣａ　Ｆ　２−ＣａＣ
Ｏｑ系の副原料を吹き込む。溶銑１２中に吹き込まれた
副原料は、溶銑中の珪素及び炭素の燃焼によって得られ
た熱で溶解され、溶銑１２と共に撹拌される。撹拌によ
り溶銑と副原料が混合し、Ｃａｂ、ＣａＦ２　、並びに
ＣａＣＯ３が溶銑中の燐と反応し、燐酸カルシウムを経
て安定な酸化燐となり脱燐スラグ中に移行する。

この場合、インジェクションランス１４から副原料が溶
銑１２に吹き込まれるため、スロッピング及びスピッテ
ィングが起こるが、浸漬フード１８が配置されているの
で、スロッピング及びスピッティングは浸漬フード１８
で覆われた領域内に制限される。そして、浸漬フード１
８の内壁は粉粒物層２０で覆われているため、スピッテ
ィングによる溶銑の浸漬フード内の付着を防止する。

また、粉粒物層に溶銑及びスラグが付着凝固しても、粉
粒物層２０と共に自然脱落するか粉粒物層２０を剥離す
ることによって容易に除去することができる。したがっ
て、付着凝固した溶銑の堆積によって浸漬フードを廃棄
する必要がなくなり、浸漬フードの寿命を延ばすことが
できる。

［発明の効果］ 以上説明した如く、本発明の溶銑予備処理方法は、粉粒
物を吹き付けることによって被着させた浸漬フードを使
用しているため、浸漬フード内に溶銑及びスラブを付着
させない、又は溶銑等を容易に除去できるものである。

また、浸漬フードの寿命を延ばすことができるので、長
期間にわたって安定して溶銑予備処理を操糸することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例において使用される装置の模式
図、第２図は本発明にかかる浸漬フードに粉粒物を吹き
付ける方法の一実施例を示すためのフードの縦断面図、
第３図は本発明にかがる浸漬フードに粉粒物を吹き付け
る方法の他の実施例を示すためのフードの縦断面図であ
る。 １０・・・溶銑鍋、１２・・・溶銑、１４・・・インジ
ェクションランス、１６・・・酸素ガス吹付けランス、
１８・・・浸漬フード、２０・・・粉粒物層。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 溶銑撹拌領域の湯面を覆うようにフードを浸漬し、イン
   ジェクションランスにより副原料を溶銑中に吹き込む溶
   銑予備処理方法において、前記インジェクションランス
   又は他の吹き付け装置により前記フードの内面に粉粒物
   を予め吹き付けておき、フード内面が粉粒物で被覆され
   た状態で前記フードにより溶銑撹拌領域の湯面を覆うこ
   とを特徴とする溶銑予備処理方法。