JP7436800B2 - ビルドアップ層の除去方法及びビルドアップ除去剤 - Google Patents

ビルドアップ層の除去方法及びビルドアップ除去剤 Download PDF

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Description

本発明は、ビルドアップ層の除去方法及びビルドアップ除去剤に関する。
製鋼プロセスにおいて、溶銑又は溶鋼(以下、「溶鋼等」という。)を貯蔵又は運搬等するために用いられる取鍋等の容器には、耐火物が設けられている。
取鍋の使用時には、溶鋼等の製造時及び/又は精錬時に発生するスラグが耐火物に付着堆積し、いわゆるビルドアップ層が生じる。例えば、取鍋の内壁に設けられた耐火物にビルドアップ層が生じると、取鍋の容量が減ってしまう。このため、耐火物に生じるビルドアップ層を取り除く技術が求められている。
例えば、特許文献1には、ホタル石10~80重量%及び石灰石90~20重量%を主材としてなる溶鋼容器用スラグビルドアップ防止剤を、予め溶鋼容器内に投入し、次いで溶鋼容器に受鋼する技術が記載されている。
特開平4-116117号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、溶鋼容器用スラグビルドアップ防止材の原料の一部として、フッ素を含有するホタル石が用いられるため、ホタル石中のフッ素がスラグに含有されてしまう。近年、環境問題への意識の高まりの中で、スラグ中のフッ素含有量をなるべく抑制する方向に開発が進められている。そのため、環境により配慮しつつ、耐火物に生成されたビルドアップ層をより簡便に除去することが可能な方法が、希求されていた。
ホタル石などのフッ化物を用いない方法として、生石灰をビルドアップ除去剤としてビルドアップ層に例えば吹き付けることにより、生石灰をビルドアップ層に付着させる方法が考えられる。例えば、ビルドアップ層に付着した生石灰と、ビルドアップ層とを反応させることで、ビルドアップ層を低融点化し、ビルドアップ層を除去し易くすることが考えられる。しかしながら、単に生石灰をビルドアップ層に付着させると、生石灰の付着性が悪く、生石灰がビルドアップ層に十分に付着しないことが懸念される。また、生石灰の付着性を向上させるために、生石灰に水を混合する方法が考えられるが、生石灰と水とが反応すると、場合によっては、過剰な発熱が発生することが懸念される。このため、ビルドアップ層にビルドアップ除去剤をより簡便に付着させ、ビルドアップ層を簡便に除去することが可能な方法が希求されていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ビルドアップ層にビルドアップ除去剤をより簡便に付着させ、耐火物に生成されたビルドアップ層をより簡便に除去することが可能な、ビルドアップ層の除去方法及びビルドアップ除去剤を提供することにある。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)溶銑又は溶鋼に接触し得る耐火物を備えた処理対象物の前記耐火物の表面に形成されるビルドアップ層の除去方法であって、前記ビルドアップ層は、スグを含み、CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰と、水と、を含水率が5~45質量%となるように混合して、ビルドアップ除去剤を作製する準備工程と、前記ビルドアップ層の表面に前記ビルドアップ除去剤を付着させ、付着層を形成する付着工程と、前記付着層を、前記消石灰の結晶水分解反応が完了する温度まで加熱する加熱工程と、を含む、ビルドアップ層の除去方法。
(2)前記加熱工程の後に、前記溶銑又は溶鋼を前記付着層に接触させる接触工程を含む、(1)に記載のビルドアップ層の除去方法。
(3)前記接触工程の後に、前記付着層を前記溶銑又は溶鋼と接触している状態から解放する解放工程を含む、(2)に記載のビルドアップ層の除去方法。
(4)前記付着層の平均厚さは、5~10mmとする、(1)~(3)のいずれか1つに記載のビルドアップ層の除去方法。
(5)前記ビルドアップ層の平均厚さは、5mm以上である、(1)~(4)のいずれか1つに記載のビルドアップ層の除去方法。
(6)溶銑又は溶鋼に接触し得る耐火物を備えた処理対象物の前記耐火物の表面に形成されるビルドアップ層の除去に用いられるビルドアップ除去剤であって、CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰と、水と、を含み、含水率が5~45質量%であるビルドアップ除去剤。
(7)前記消石灰の粒径は、3mm以下である、(6)に記載のビルドアップ除去剤。

以上説明したように本発明によれば、環境により配慮しつつ、耐火物に生成されたビルドアップ層をより確実かつ簡便に除去することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る処理対象物の一例として取鍋10を示す図である。 本発明の一実施形態に係るビルドアップ層の除去方法について説明するための図である。 ビルドアップ除去剤が、ビルドアップ層20に付着することにより、付着層30が形成されている状態を示す図である。 溶鋼40が注ぎ込まれた取鍋10を示す図である。 実施例1の効果を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.処理対象物>
まず、本発明の一実施形態に係る処理対象物について説明する。
本実施形態で着目する処理対象物は、処理対象物の内面部又は外面部に耐火物が設けられ、かかる耐火物の少なくとも一部が溶銑又は溶鋼に接触し得る処理対象物である。このような処理対象物として、例えば、取鍋、浸漬管、トーピードカー(「混銑車」ともいう。)などのような、耐火物が設けられる各種の処理対象物を挙げることができる。
図1に、処理対象物の一例として取鍋10を示す。取鍋10は、外壁11と、かかる外壁11の内側に設けられる耐火物12と、を含む。取鍋10は、溶鋼等を貯留又は移動させたり、内部に保持される溶鋼等に対して各種の処理を実施したりするために用いられる容器である。図1では、耐火物12が1層でのみ存在している場合について図示しているが、かかる場合に限定されず、取鍋10における耐火物12は、例えば2層構造等の多層構造を有していてもよい。
取鍋10に溶鋼等が注がれると、溶鋼等が耐火物12の表面に接触する。また、取鍋10に保持された溶鋼等の液面には、シリカ(SiO)やアルミナ(Al)などの酸化物等で構成されるスラグが浮遊している。このため、取鍋10が溶鋼等を受銑又は受鋼(以下、「受鋼等」という。)すると、取鍋10に設けられた耐火物12にスラグが付着する。また、取鍋10から溶鋼等を取り出す過程で溶鋼等の液面が変位するため、溶鋼等の表面に浮遊しているスラグが、液面付近に存在している耐火物12以外の耐火物12に対しても付着してしまう。取鍋10を用いた操業が繰り返される結果、耐火物12の表面には、スラグが徐々に堆積していき、ビルドアップ層20が形成される。本実施形態では、後述するビルドアップ除去剤を用いてビルドアップ除去方法が実施されることで、形成されたビルドアップ層20が除去される。
<2.ビルドアップ層の除去方法>
次に、本実施形態に係るビルドアップ層の除去方法について説明する。
耐火物12に形成されたビルドアップ層20は、シリカ、アルミナ等の酸化物を主成分とするスラグを含む。また、溶鋼に含まれる不純物をスラグとして除去するために、溶鋼に対してアルミナが投入されることから、ビルドアップ層20には、アルミナがより多く含まれる。例えば、ビルドアップ層20は、30~60質量%のアルミナと、5~10質量%の生石灰(CaO)と、5質量%以下のシリカと、を含むスラグである場合がある。
ここで、本発明の実施形態に係るビルドアップ除去方法による、ビルドアップ層20の除去のメカニズムについて説明する。なお、かかるメカニズムの詳細は明らかになっていないが、本出願の発明者らは、以下の2つのメカニズムを推定した。
まず、第1のメカニズムについて説明する。
一般的に、スラグの融点は、溶鋼等の温度よりも高く、ビルドアップ層20の融点も溶鋼等の温度よりも高い。そのため、ビルドアップ層20が、高温の溶鋼等を受鋼等したとしても、ビルドアップ層20は溶解せず、取鍋10から除去されない。そこで、本実施形態では、以下で詳述するビルドアップ除去剤を用い、後述する加熱工程を経ることにより、ビルドアップ層20の融点を意図的に低下させた上で、ビルドアップ層20を除去する。より具体的には、後述する付着層30が加熱されることによって、これらの界面から低融点層(融点:1600℃未満)が形成され、かかる低融点層が溶解することにより、ビルドアップ層20が除去される。このように、第1のメカニズムによれば、ビルドアップ層20に低融点層を形成することにより、ビルドアップ層20が除去される。
次に、第2のメカニズムについて説明する。
ビルドアップ層の表面は滑らかではなく、凹凸を有している。このため、後述する付着層30の一部が、ビルドアップ層中に侵入しやすくなっている。ビルドアップ除去剤を用い、後述する加熱工程を経ることで、ビルドアップ除去剤(より具体的には、後述する付着層)の脱水反応により、ビルドアップ層20に亀裂が発生することが考えられる。これにより、ビルドアップ層20が耐火物12から剥離し易くなる。亀裂が発生したビルドアップ層20が剥離することにより、ビルドアップ層20が耐火物12から除去される。このように、第2のメカニズムによれば、ビルドアップ層20に亀裂を発生させることにより、ビルドアップ層20が除去される。
以下、図2のフローチャートに沿ってビルドアップ層20の除去方法について、より具体的に説明する。まず、図2に示すフローチャートの概略を説明する。
本実施形態に係るビルドアップ層の除去方法では、まず、消石灰及び水を含むビルドアップ除去剤が準備される(ステップS101:準備工程)。次いで、かかるビルドアップ除去剤を、処理対象物の耐火物12に生成されたビルドアップ層20に付着させて、付着層を形成させる(ステップS103:付着工程)。次いで、付着層を所定の条件で加熱する(ステップS105:加熱工程)。ここで、本実施形態において、加熱工程に続けて、取鍋10の内部に、次チャージの溶鋼等が注ぎ込まれてもよい。このとき、新たに注入された溶鋼等により、加熱工程を経たビルドアップ層の少なくとも一部が剥離又はスラグ中に溶解する。その後、溶鋼が取鍋10から取り出されると、ビルドアップ層の少なくとも一部が、スラグおよび溶鋼と共に取鍋10から取り出される。以上のようにして、本実施形態に係るビルドアップ層の除去方法では、ビルドアップ層が除去される。
以下、図3~図5を参照しながら、図2に示す各工程をより詳細に説明する。
(準備工程)
まず、ステップS101において、準備工程が実施される。準備工程は、CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰と、水とを、含水率が5~45質量%となるように混合することにより作製されたビルドアップ除去剤を、準備する工程である。
なお、消石灰の代わりに生石灰を用いることが考えられ得るが、その場合には、上述のように、生石灰が水と反応して過剰に発熱することが懸念される。過剰な発熱が生じると、例えば、生石灰をビルドアップ層に付着させるために用いる装置等に、故障などの悪影響を与える可能性がある。そこで、本発明では、水と混合されたときに過剰な発熱の懸念が生じない消石灰を用いる。
ここで、本発明の一実施形態に係るビルドアップ除去剤についてより詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るビルドアップ除去剤には、CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰が含まれる。ビルドアップ除去剤中のCa含有量が、CaO換算で60質量%未満である場合には、後段の除去工程において、ビルドアップ層20を除去することができない。理由は定かではないが、ビルドアップ除去剤中の消石灰におけるCa含有量が高いほど、除去工程において、より十分にビルドアップ層が除去される。このため、ビルドアップ除去剤中のCa含有量は、かかるCa含有量に対応する消石灰の量と水との和が、100質量%を超えない範囲で高いほど好ましい。また、ビルドアップ除去剤は、消石灰及びかかる消石灰に混合される水以外に、SiO、Al、Fe、およびMgOを、合計3.0質量%以下含んでいてもよく、残留COを1.5質量%以下含んでいてもよい。
また、本実施形態では、ビルドアップ除去剤に対して、水が、含水率が5~45質量%の範囲内で含まれる。
ビルドアップ除去剤の含水率が5質量%未満であると、付着工程において、ビルドアップ層20にビルドアップ除去剤が付着しづらくなる(付着性が低下する)。つまり、使用するビルドアップ除去剤の量に対して、ビルドアップ除去剤がビルドアップ層20に付着する量の割合が低下する。この結果、後述する除去工程において、ビルドアップ層20を除去することができない。また、ビルドアップ除去剤を、スプレーなどを用いてビルドアップ層20に吹き付ける場合には、ビルドアップ除去剤に含まれる消石灰が空中に舞ってしまい、作業性が悪くなってしまう場合がある。ビルドアップ除去剤の含水率が5質量%以上であれば、付着工程において、ビルドアップ除去剤がビルドアップ層20へ十分に付着し、除去工程においてビルドアップ層20を除去することができる。さらに、ビルドアップ除去剤の含水率が5質量%以上であれば、例えばスプレーによりビルドアップ除去剤をビルドアップ層に吹き付ける際に当該ビルドアップ除去剤が空中に舞うことが抑止される。この結果、付着工程における作業性が向上する。ビルドアップ除去剤の含水率は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。
一方、ビルドアップ除去剤の含水率が45質量%を超えると、付着工程において、ビルドアップ層20に付着したビルドアップ除去剤が、ビルドアップ層20から垂れ落ちてしまう。ビルドアップ除去剤の含水率が45質量%以下であれば、付着工程において、ビルドアップ層20に付着したビルドアップ除去剤が、ビルドアップ層20から垂れ落ちにくくなる。この結果、十分な厚さの付着層30が形成されるため、後述する除去工程において、ビルドアップ層20を除去することができる。ビルドアップ除去剤の含水率は、好ましくは40質量%以下である。
ビルドアップ除去剤に含まれる消石灰の粒径は特に限定されず、市販のものを使用できる。ここで、かかる粒径は、JIS Z 8815(1994)に規定されたふるいを用いたふるい分けによる、ふるい分け粒径である。
消石灰の粒径は、例えば3mm以下であることが好ましい。消石灰の粒径が3mm以下であると、付着工程において、消石灰がビルドアップ層20から当該消石灰の重みで落ちること又は垂れることが、より確実に抑止される。
準備工程では、消石灰と水とを混合することによりビルドアップ除去剤を作製してもよいし、既製品を入手することによりビルドアップ除去剤を準備してもよい。消石灰と水とを混合する方法は特に限定されず、各種の公知の混合機を用いて混合してもよい。
(付着工程)
次に、ステップS103において、付着工程が実施される。付着工程とは、ビルドアップ層20の表面にビルドアップ除去剤を付着させて、付着層を形成する工程である。
図3を参照して、付着工程について説明する。図3は、ビルドアップ除去剤が、ビルドアップ層20に付着することにより、付着層30が形成されている状態を示す図である。
付着工程では、図3に示すように、取鍋10を例えば横向きにした状態で、ビルドアップ層20にビルドアップ除去剤を付着させることが好ましい。例えば、図1に示すように、取鍋10が縦向きの状態で、取鍋10の内周面におけるビルドアップ層20にビルドアップ除去剤が付着すると、ビルドアップ除去剤がビルドアップ層20の表面に沿って流れ落ちる可能性がある。これに対し、図3に示すように、取鍋10が横向きの状態であれば、取鍋10の内表面におけるビルドアップ層20に付着したビルドアップ除去剤が、ビルドアップ層20の表面に沿って垂れることが抑止される。従って、例えばビルドアップ層20の表面に付着したビルドアップ除去剤が重力で滴り落ちなければ、付着層30の厚さが維持される。本実施形態では、上述のようにビルドアップ除去剤の含水率が45質量%以下であるため、ビルドアップ除去剤がビルドアップ層20から滴り落ちることが抑止されている。
なお、ビルドアップ層20にビルドアップ除去剤を付着させる方法は、特に限定されるものではなく、例えばスプレー等を用いてビルドアップ層20にビルドアップ除去剤を吹き付けてもよい。これにより、均一にビルドアップ除去剤をビルドアップ層20に付着させ易くなる。なお、作業性の向上のため、スプレーの吹出口付近において、ビルドアップ除去剤にさらに1質量%以下の水を混合しながら吹き付けてもよい。この場合に吹き付けられる水は、ビルドアップ除去剤に含有される水としては考慮しない。
付着層30の平均厚さは、5~10mmであることが好ましい。付着層30の平均厚さが5mm以上であることにより、ビルドアップ層20がより除去され易くなる。一方、付着層30の平均厚さが10mm以下であることにより、付着層30がビルドアップ層20から滴り落ちる可能性がより低減される。付着層30の平均厚さは、5mm以上であれば十分にビルドアップ層が除去される。このため、付着層30の平均厚さが5~10mmの範囲では、製造コストの観点から、付着層30の平均厚さは薄いほど好ましい。
なお、付着層30の平均厚さは、付着層30全体のうちの数カ所の厚さを、例えばメジャー等の各種の公知の長さを測定する道具又は機器で測定することで算出する。具体的には、かかる道具又は機器の一部を、付着層30に対してビルドアップ層20に到達するまで埋没させて、上記のような道具又は機器の一部が付着層30中に埋没した長さを特定する。このような測定を任意の5個所で実施し、各測定個所で得られた値を平均した値(相加平均値)を、付着層30の平均厚さとする。
(加熱工程)
次に、ステップS105において、加熱工程が実施される。加熱工程とは、付着層30を、消石灰の結晶水分解反応が完了する温度まで加熱する工程である。加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ガスバーナーなどの各種の公知の加熱装置を用いることが可能である。
消石灰が、結晶水分解反応が完了する温度まで加熱されると、下記の式(1)に示す化学反応式に基づいて、酸化カルシウム(CaO)が生成される。
Ca(OH) → CaO+HO ・・・(1)
付着層30が、消石灰の結晶水分解反応が完了する温度まで加熱されない場合、式(1)に示す反応が完了せず、消石灰が付着層30に残存する。このため、取鍋10に溶鋼等を注ぎ込んだときに、消石灰が一気に分解され、溶鋼の飛散等が生じる場合がある。理論的には、消石灰の結晶水分解反応が完了する温度とは、約580℃である。したがって、消石灰の結晶水分解反応をより確実に完了させるために、付着層30の加熱到達温度は、好ましくは650℃以上であり、より好ましくは750℃以上である。
また、付着層30の加熱到達温度の上限は、特に限定されるものではないが、実操業上の理由から、例えば1100℃である。
なお、溶銑又は溶鋼と接触後の耐火物12を備える取鍋10は、加熱工程開始時点で常温とは限らず、受鋼等による余熱のため高温である場合がある。例えば取鍋10の温度が400~500℃程度であった場合であっても、本発明の加熱工程を含むビルドアップ除去方法を実施することで、ビルドアップ層が除去される。また、取鍋10が加熱工程開始時点で消石灰の結晶水分解反応が完了する温度に到達していた場合は、消石灰の結晶水分解反応が完了する温度に到達していることを確認する工程を、加熱工程と見なすことができる。
ここで、加熱工程における加熱時間(すなわち、加熱工程全体の時間)は、特に限定するものではないが、例えば、30分~80分程度とすることができる。加熱時間を上記の範囲内とすることで、消石灰の結晶水分解反応をより確実に完了させることが可能となる。
なお、例えば、上記のような加熱工程を省略し、溶鋼を取鍋10に注ぎ込むことで、本実施形態における加熱工程が実施されるのではないかと、一見考えうる。しかしながら、加熱工程が省略されると、上述のような低融点層の形成や亀裂の発生がなされないためか、ビルドアップ層を除去することができない。このように、付着層30を消石灰の結晶水分解反応が完了する温度まで加熱することが、ビルドアップ層の除去のために重要である。
加熱工程が実施されると、ビルドアップ層20の少なくとも一部は、耐火物から自重により剥離されることがある。つまり、ビルドアップ層20の少なくとも一部が、耐火物から除去されることがある。
ビルドアップ層20の厚みが厚いほど、本発明の実施形態に係るビルドアップ層の除去方法により除去されるビルドアップ層20の量が増加する。特に、ビルドアップ層20の厚みが5mm以上であると、より効果的にビルドアップ層20を除去することが可能になる。従って、本実施形態のように耐火物12の表面にビルドアップ層20が存在する場合、その厚みは、5mm以上であることが好ましい。
なお、ビルドアップ層20の厚みが厚くなると、例えばビルドアップ層20を除去するためにかかる時間又は必要なビルドアップ除去剤の総量が増加し、ビルドアップ層20の除去にかかるコストが増加する。このため、ビルドアップ層20の厚みは、好ましくは55mm以下である。
以上説明したように、本発明に係るビルドアップ層の除去方法によれば、まず、準備工程においてビルドアップ除去剤が準備される。本発明に係るビルドアップ除去剤の含水率は、5質量%~45質量%であるため、付着工程においてビルドアップ層にビルドアップ除去剤をより簡便に付着させることができる。さらに、加熱工程において、付着層を加熱することにより、ビルドアップ層を除去することができる。従って、本発明に係るビルドアップ層の除去方法によれば、耐火物に生成されたビルドアップ層をより簡便に除去することが可能である。
また、加熱工程が実施された取鍋を、本来の用途である受鋼プロセスに供することによって、ビルドアップ層20の少なくとも一部は除去される。本実施形態では、この受鋼プロセスについて説明する。
(受鋼プロセス)
本実施形態において、受鋼プロセスとは、取鍋等の容器(処理対象物)に溶鋼等が注がれ、溶鋼等と処理対象物が接触する工程(接触工程)と、溶鋼等が処理対象物から取り出され、溶鋼等と処理対象物とが接触している状態から解放する工程(解放工程)と、を含むプロセスである。より具体的には、溶鋼等が付着層30と接触する工程と、溶鋼等と付着層30とが接触している状態から解放する工程と、を含む。加熱工程が実施された処理対象物を、受鋼プロセスに供することによって、ビルドアップ層20はより一層除去される。本実施形態では、接触工程と解放工程とを含む受鋼プロセスについて説明する。
≪接触工程≫
接触工程では、溶鋼等を、前述の加熱工程を経た付着層30に接触させる。本実施形態では、取鍋10に溶鋼等を注ぎ込むことにより、溶鋼等を付着層に接触させる。図4は、溶鋼40が注ぎ込まれた取鍋10を示す図である。溶鋼40が取鍋10に注ぎ込まれると、ビルドアップ層20の少なくとも一部が、取鍋10に保持されている溶鋼40及び/又はスラグ中に移行する。この結果、ビルドアップ層20の少なくとも一部は、耐火物12の表面から除去される。この除去されるメカニズムについては明らかではないが、加熱工程を実施することでビルドアップ層20が溶解又は剥離等しやすくなっており、溶鋼等が付着層30を介してビルドアップ層20に接触することにより、ビルドアップ層20の少なくとも一部が耐火物12から除去されると考えられる。ビルドアップ層20及び付着層30の構成成分は、元来、スラグ中に存在している成分であり、例えばフッ素のような環境への影響を考慮すべき物質も存在していない。また、溶鋼中に移行したビルドアップ層20及び付着層30の構成成分は、溶解及び拡散によって、その後スラグ中に移行する。そのため、ビルドアップ層20や付着層30が溶鋼及び/又はスラグ中に混入したとしても、生成された溶鋼及び/又はスラグの品質を損なうものではない。
このとき、取鍋10に注ぎ込まれる溶鋼40の温度、つまり付着層30に接触する溶鋼40の温度は、1450℃~1650℃であることが好ましい。付着層30に接触する溶鋼40の温度が1450℃以上であることにより、溶鋼の流動性が十分に確保され、ビルドアップ層20の少なくとも一部がより確実に除去される。一方、溶鋼40の温度が1650℃以下であることにより、取鍋10の過剰な損耗を防止しながら、より簡便にビルドアップ層20を除去することができる。なお、ここでは、取鍋10に溶鋼40を注ぎ込む例について説明したが、取鍋10に溶銑を注ぎ込む場合も同様である。
≪解放工程≫
解放工程では、付着層30を、溶鋼40と接触している状態から解放する。より具体的には、取鍋10に注ぎ込まれた溶鋼40を、例えば着目している取鍋10とは異なる容器に移すことで、付着層30と溶鋼40との接触状態を解放する。この際、取鍋10の底に設けられたノズル(図示せず。)等から、例えば、連続鋳造等で用いられるタンディッシュに向けて溶鋼40が排出される。溶鋼40が取鍋10から排出されると、取鍋10には、僅かな溶鋼と、スラグとが残る。溶鋼40がノズル等から排出された後、取鍋10を傾動させることで、取鍋10の側壁に設けられた溶鋼取り出し口(図示せず。)又は取鍋10の上方に設けられている開口部からスラグと僅かな溶鋼とを、取鍋10の外部に排出する。これにより、結果として、ビルドアップ層20の少なくとも一部が、取鍋10から取り出される。
以上のように、解放工程では、付着層30が溶鋼等と接触している状態から解放される際に、耐火物12から除去されたビルドアップ層20が、溶鋼等又はスラグと共に排出される。このようにして解放工程が実施されることにより、より十分にビルドアップ層20が除去される。
上記の実施形態では、受鋼プロセスにおいて、溶鋼等を付着層30に接触させる接触工程と、付着層30を溶鋼等と接触している状態から解放する解放工程と、が実施される。上記の実施形態では、接触工程において、取鍋10に溶鋼40が注ぎ込まれ、解放工程において取鍋10から溶鋼40とスラグとが排出される。受鋼プロセスにおける一連の工程(すなわち、接触工程及び解放工程)におけるいずれかのタイミングで、ビルドアップ層20が耐火物から除去される。
さらにビルドアップ層を除去するために、処理対象物の本来の性質を損なわない範囲で、振動を与えてもよい。例えば、ブレーカー等の建設機械で付着層30に衝撃を与えることで、ビルドアップ層20の少なくとも一部がより一層剥離される。
以上、本発明の実施形態に係るビルドアップ層20の除去方法について説明した。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明に係るビルドアップ層20の除去方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係るビルドアップ層20の除去方法のあくまでも一例にすぎず、本発明に係るビルドアップ層20の除去方法が下記の例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例において使用されるビルドアップ除去剤を準備する工程(準備工程)について説明する。表1に、準備したビルドアップ除去剤の条件を示している。ビルドアップ除去剤A1~A6は、実施例で用いられるビルドアップ除去剤である。一方、ビルドアップ除去剤B1~B7は、比較例で用いられるビルドアップ除去剤である。以下、実施例及び比較例に用いられるビルドアップ除去剤の準備方法について説明する。
まず、実施例に用いられるビルドアップ除去剤A1~A6の準備方法について説明する。
≪ビルドアップ除去剤A1≫
CaをCaO換算で60質量%含む消石灰と水とを、含水率が25質量%となるように混合し、ビルドアップ除去剤A1を作製した。
≪ビルドアップ除去剤A2、A3≫
消石灰の粒径を1mm未満とした以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件で、ビルドアップ除去剤A2を作製した。また、消石灰の粒径を3mm超とした以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件で、ビルドアップ除去剤A3を作製した。
≪ビルドアップ除去剤A4≫
消石灰がCaをCaO換算で65質量%含むこと以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件で、ビルドアップ除去剤A4を作製した。つまり、ビルドアップ除去剤A4における消石灰に含まれるCa量は、ビルドアップ除去剤A1における消石灰に含まれるCa量よりも多い。
≪ビルドアップ除去剤A5、A6≫
含水率を変更したこと以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件で、ビルドアップ除去剤A5及びA6を作製した。具体的には、含水率を7質量%又は38質量%として、ビルドアップ除去剤A5及びA6を作製した。
以上、実施例に用いられるビルドアップ除去剤A1~A6の準備方法について説明した。次いで、比較例に用いられるビルドアップ除去剤B1~B7の準備方法について説明する。
≪ビルドアップ除去剤B1≫
ビルドアップ除去剤A1~A6には、消石灰を用いたが、ビルドアップ除去剤B1は、生石灰を用いた。また、ビルドアップ除去剤B1は、水を含有しない。従って、ビルドアップ除去剤B1は、生石灰と不純物のみで構成される。
≪ビルドアップ除去剤B2~B4≫
含水率を変更したこと以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件で、ビルドアップ除去剤B2~B4を準備した。具体的には、ビルドアップ除去剤B2の含水率は0質量%であり、ビルドアップ除去剤B2は水を含んでいない。また、ビルドアップ除去剤B3の含水率は、本発明の範囲外である4質量%である。さらに、ビルドアップ除去剤B4の含水率は、本発明の範囲外である48質量%である。
≪ビルドアップ除去剤B5~B7≫
消石灰に含まれるCaのCaO換算量を変更したこと以外は、ビルドアップ除去剤A1と同一の条件でビルドアップ除去剤B5~B7を準備した。より具体的には、ビルドアップ除去剤B5~B7の消石灰が含むCaのCaO換算量は、いずれもビルドアップ除去剤A1の消石灰が含むCaのCaO換算量である60質量%よりも小さい量である。
Figure 0007436800000001
以上、実施例及び比較例に係るビルドアップ除去剤の準備方法について説明した。以下、各実施例及び各比較例において実施される準備工程よりも後の工程(付着工程、加熱工程、接触工程、及び解放工程)について詳細に説明する。
(実施例1)
まず、実施例1について説明する。まず、付着工程において、スプレー型の吹付装置を用いて、取鍋1基に対して20kgのビルドアップ除去剤A1を、ビルドアップ層に吹き付けた。これにより、ビルドアップ層20に付着層30が形成された。具体的には、図3に示したように、取鍋10が横向きに倒された状態で、付着層30の平均厚さが5mmとなるように、ビルドアップ層20の表面に付着層30が形成された。
次いで、取鍋10を横向きの状態から鉛直の状態に立て直した。その後、目視により、付着層の付着性を評価した。具体的には、ビルドアップ除去剤が吹き付けられた面積(つまり取鍋10の内側の総面積である15m)における付着層が剥がれた数に応じて、ビルドアップ除去剤の付着性を評価した。具体的には、150mm×150mm(0.02m)程度の剥がれの数が、2箇所以下の場合には優(評点A)、3箇所又は4箇所の場合には良(評点B)、5個以上の場合には不可(評点C)として評価し、評点A又は評点Bを合格とした。なお、ビルドアップ除去剤が剥がれる場合以外にも、ビルドアップ除去剤が垂れる等により、ビルドアップ除去剤がビルドアップ層に付着しない箇所についても剥がれた箇所として数えた。以下の実施例及び比較例のおいても、同様にしてビルドアップ除去剤の付着性を評価した。実施例1におけるビルドアップ除去剤A1の付着性は、Aであった。
次に、加熱工程において、バーナーを用いて、付着層の温度が650℃となるよう加熱した。なお、実際の付着層の加熱到達温度を、別途放射温度計により測定し、表1に示している。表1における他の実施例/比較例での「加熱温度」についても、実施例1と同様に、実際の付着量の加熱到達温度を示している。
次に、接触工程において、取鍋に1600℃の溶鋼が計100t注ぎ込まれた。さらに、溶鋼を精錬するため、注ぎ込まれた溶鋼1tあたりにつき1.87kgの生石灰が、溶鋼に投入された。次いで、解放工程において、取鍋10の底に設けられたノズル(図示せず。)から、連続鋳造等で用いられるタンディッシュに向けて溶鋼40が排出された。
次に、実施例1の効果を説明する。図5は、実施例1の効果を説明するための図である。図5に示すグラフでは、縦軸に溶鋼鍋重量指数、横軸に受鋼回数を示している。ここでいう受鋼回数とは、取鍋への溶鋼の注入と取鍋からの溶鋼の排出とが実施された回数である。ここで、溶鋼鍋重量指数とは、ある時点における取鍋の重量とビルドアップ層の重量とを合わせた重量を1として、解放工程が実施された後の取鍋の重量とビルドアップ層の重量とを合わせた重量を表す指数である。溶鋼鍋重量指数は、取鍋内に形成されたビルドアップ層の量に応じた指数である。例えば、溶鋼鍋重量指数が1.1のとき、取鍋内に存在するビルドアップ層の厚みは5mm程度である。また、溶鋼鍋重量指数が1.05のとき、取鍋内に存在するビルドアップ層の厚みは2.5mm程度である。
実施例1において、受鋼回数35回目までは、付着工程と加熱工程とを実施しなかった。つまり、受鋼回数35回目までは、取鍋に溶鋼を注ぎ込み、当該溶鋼に生石灰を投入し、その後溶鋼を排出する処理のみを実施した。受鋼回数35回目よりも後では、本実施形態に係るビルドアップ除去方法による処理が実施されている。より具体的には、受鋼回数35回目よりも後では、付着工程、加熱工程、接触工程、及び解放工程が実施される。以下、これらの工程をまとめてビルドアップ層の除去処理と称する。また、以下では、実施例1の処理とは、実施例1における上記のビルドアップ層の除去処理を指すものとする。
図5に示すように、ビルドアップ層の除去処理が実施されると、徐々に溶鋼鍋重量指数が低下していることがわかる。つまり、受鋼回数が増すごとに取鍋の耐火物に付着したビルドアップ層が徐々に除去されたことにより、ビルドアップ層を含む取鍋全体の重量が軽くなったと考えられる。
ここで、ビルドアップ層の除去性の評価方法について説明する。ビルドアップ層の除去処理を5回繰り返して実施し、解放工程において溶鋼が排出される度に、ロードセルを用いて取鍋及びビルドアップ層の合計の重さを測定する。次いで、受鋼回数と5回の溶鋼鍋重量指数の測定結果との関係を、一次関数に近似する。当該一次関数において、受鋼回数に対する溶鋼鍋重量指数の傾き(以下、「除去性指数」とも称する。)が負の値であれば、ビルドアップ層の除去性を良(B)とし、更に、除去性指数が-0.0015以下であれば優(A)として評価する。つまり、除去性指数が負の値であれば、ビルドアップ層の除去処理により、ビルドアップ層が除去されたといえる。一方、当該除去性指数が0又は正の値であれば、ビルドアップ層の除去性を不可(C)として評価する。つまり、除去性指数が0又は正の値であるとき、ビルドアップ層の厚みに変化がない又は増加しているため、ビルドアップ層が除去されていないといえる。なお、実施例1では、ビルドアップ層の除去処理が7回実施されているが、例えば、ビルドアップ層の除去処理が実施された初めの5回に着目すると、除去性はA評価であった。
また、総合評価について説明する。付着性又は除去性のいずれかがC評価であれば、総合評価をC評価とした。また、付着性又は除去性のいずれもC評価でなく、かついずれかがB評価である場合には、総合評価をB評価とした。さらに、付着性及び除去性のいずれもA評価である場合には、総合評価をA評価とした。総合評価がA評価又はB評価である場合には、ビルドアップ層にビルドアップ除去剤をより簡便に付着させ、耐火物に生成されたビルドアップ層をより簡便に除去することができたといえる。
実施例1における総合評価はAであり、実施例1に係るビルドアップ層の除去方法によれば、ビルドアップ層にビルドアップ除去剤をより簡便に付着させ、耐火物に生成されたビルドアップ層をより簡便に除去することができた。
ビルドアップ層の厚みが大きいほど、例えばビルドアップ層の亀裂による剥離により、より多くのビルドアップ層が除去され易くなる。実施例1において、ビルドアップ層の除去処理(付着工程と加熱工程とを含む処理)を実施するまでは、取鍋に存在するビルドアップ層の厚みが5mm以上(溶鋼鍋重量指数が1.1以上)であった。実施例1では十分にビルドアップ層が除去されたことから、ビルドアップ層の厚みが5mm以上であると、ビルドアップ層がより十分に除去されるといえる。
(比較例1)
比較例1では、ビルドアップ除去剤B1を用いた点で実施例1と異なる。付着工程では、ビルドアップ除去剤B1をビルドアップ層に付着させ、ビルドアップ層に5mmの厚みの付着層を形成することを試みた。このとき、吹付装置の先端(より詳細には、ビルドアップ除去剤B1が吹き出される吹出口付近)において、ビルドアップ除去剤B1の流動性を確保するために、ビルドアップ除去剤B1に少量の水を混ぜた。より具体的には、吹出口付近において、ビルドアップ除去剤B1と、水と、を含水率が1質量%未満となるよう混ぜながら、ビルドアップ除去剤B1をビルドアップ層に吹き付けた。なお、他のビルドアップ除去剤を用いる例(例えば、含水率が0%であるビルドアップ除去剤B2を用いる比較例15)においても、比較例1と同様にして、吹出口付近においてビルドアップ除去剤と少量の水とを混ぜながらビルドアップ除去剤を吹き付けた。しかし、ビルドアップ除去剤B1はビルドアップ層に十分に付着せず、ビルドアップ除去剤B1の付着性はC評価であった。
次に、加熱工程において、650℃に到達するよう、付着層をバーナーで加熱した。
次に、接触工程において、1600℃の溶鋼を取鍋に注ぎ込み、溶鋼1tあたり1.87kgの生石灰を溶鋼に投入した。さらに、解放工程において、実施例1と同様にして溶鋼を取鍋から排出した。上記のビルドアップ層の除去処理を5回繰り返したところ、溶鋼鍋重量指数に低下がみられなかった。つまり、ビルドアップ層の除去性は、C評価であった。
このように、比較例1において、ビルドアップ層を除去することができなかった原因は、ビルドアップ除去剤B1の付着性が悪かったことが考えられる。このため、加熱工程において、ビルドアップ層に低融点層又は亀裂などが発生せず、ビルドアップ層が除去されなかったと考えられる。一方、実施例1では、ビルドアップ除去剤A1は水を含有するため、付着性が高く、ビルドアップ層に十分に付着した。このため、加熱工程においてビルドアップ層に十分に亀裂又は低融点層が形成され、ビルドアップ層が除去されたと考えられる。
(比較例2)
比較例2では、付着工程と加熱工程を実施せず、取鍋に1600℃の溶鋼を注ぎ込み、取鍋に溶鋼1t当たり1.87kgの生石灰を投入した。なお、比較例2及び後述する比較例3、4において用いた生石灰の粒径は、3mm未満であった。また、生石灰に含まれるCaの量は、CaO換算で90質量%であった。さらに、用いた生石灰には、水は含まれていない。次いで、実施例1と同様に溶鋼を取鍋から排出した。比較例2では、除去性指数は正の値であった。つまり、比較例2では、ビルドアップ層は除去されなかった。
比較例2では、付着工程と加熱工程が実施されなかった。このため、ビルドアップ層に亀裂又は低融点層が十分に形成されず、ビルドアップ層が除去されなかったと考えられる。
(比較例3、4)
比較例3及び比較例4では、取鍋に投入する生石灰の量を増量(溶鋼1tあたり3.74kgと4.67kg)した以外は、比較例2と同様の処理が実施された。この場合にも、比較例2と同様に、溶鋼鍋重量指数に変化がなく、ビルドアップ層は除去されなかった。
比較例3及び比較例4では、生石灰の投入量を比較例1に比べて増量した。このため、生石灰に含まれるCaとビルドアップ層とが反応し、ビルドアップ層に低融点層が形成されるとも考えられる。しかし、比較例3及び比較例4では、溶鋼に投入された生石灰が溶鋼の浴流に流されるため、生石灰がビルドアップ層と反応して低融点層を形成できるほど、生石灰とビルドアップ層とが安定して付着しなかった。このため、ビルドアップ層に亀裂又は低融点層が形成されず、ビルドアップ層が除去されなかったと考えられる。一方、実施例1では、付着工程及び加熱工程において、ビルドアップ除去剤A1がビルドアップ層に安定して付着した状態で加熱されたため、ビルドアップ層に十分な亀裂又は低融点層が形成されたと考えられる。
(実施例2、3)
実施例2及び実施例3では、ビルドアップ除去剤A2又はA3を用いた以外は、実施例1の処理と同様にして実施したところ、実施例2は実施例1と同等の性能が得られた。一方、実施例1及び実施例2の方が、実施例3よりも、ビルドアップ除去剤の付着性、及び、ビルドアップ層の除去性が良いことが分かる。実施例3は、ビルドアップ除去剤に含まれる消石灰の粒径が3mm未満であることにより、消石灰の自重によりビルドアップ除去剤の一部が垂れ落ちることが抑止されたためと考えられる。
(実施例4~6)
実施例4~6では、加熱到達温度及び溶鋼温度を変更した以外は、実施例1の処理と同様にして、ビルドアップ層を除去した。表2に示すように、実施例4~6のいずれにおいても、総合評価はAとなった。なお、実施例4では、溶鋼温度は、全実施例における溶鋼温度の中で最も高い1685℃である。実施例4では、他の実施例と比べて、取鍋10が損耗し易かった。溶鋼温度が高すぎると、取鍋10が損耗し易くなると考えられる。
(実施例7)
実施例7では、付着層の厚さを変更した以外は、実施例1の処理と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。より具体的には、付着層の厚さを4mmとした。実施例7では、ビルドアップ層の除去性の評価はAであったが、実施例1と比べると除去性はやや低かった。これは、実施例7に係る付着層の厚みは、他の実施例(例えば、実施例1~6)に係る付着層よりも薄いため、加熱工程において形成される亀裂又は低融点層が小さくなり、除去されるビルドアップ層が少なくなったことが考えられる。
(実施例8)
実施例8では、付着層の厚さを変更した以外は、実施例1の処理と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。より具体的には、付着層の厚さを15mmとした。実施例8では、総合評価はAであった。しかし、付着層の厚みは15mmより薄くても(例えば、実施例1の5mm)ビルドアップ層を除去するには十分である。このため、製造コストの観点から、付着層の厚みは、15mmよりも薄いことが好ましい。
(実施例9)
実施例9では、ビルドアップ除去剤A4を用いた以外は、実施例1の処理と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。実施例9では、付着性はB評価であった。なお、実施例9における除去性指数は、実施例1における除去性指数よりも低い。つまり、実施例9では、実施例1よりもビルドアップ層が除去されたといえる。ビルドアップ除去剤A4における消石灰に含まれるCaのCaO換算量は、ビルドアップ除去剤A1における消石灰に含まれるCaのCaO換算量よりも大きい。このため、実施例9に係る加熱工程において形成される低融点層の厚みが、実施例1において形成される低融点層の厚みよりも厚くなることが考えられる。この結果、実施例9では、実施例1よりも除去されるビルドアップ層の量が増加したものと考えられる。
(実施例10、実施例11)
実施例10及び実施例11では、ビルドアップ除去剤の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。実施例10及び実施例11における付着性は、いずれもA評価であった。
実施例10及び実施例11に用いられるビルドアップ除去剤A5及びA6と、実施例1に用いられたビルドアップ除去剤A1とでは、含水率が異なる。ビルドアップ除去剤A5の含水率は7質量%であり、ビルドアップ除去剤A1の含水率よりも低く、ビルドアップ除去剤A6の含水率は38質量%であり、ビルドアップ除去剤A1の含水率よりも高い。今回の実施例では、含水率が25質量%のビルドアップ除去剤の付着性が最も良好となった。
(比較例5)
比較例5では、ビルドアップ除去剤B3を用いた以外は、実施例1の処理と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。ビルドアップ除去剤B3の含水率は、ビルドアップ除去剤A1の含水率よりも低く、本発明の範囲外である4質量%である。比較例5では、ビルドアップ除去剤B3の含水率が低すぎたため、ビルドアップ除去剤B3の付着性が悪く、ビルドアップ層に十分にビルドアップ除去剤B3が付着しなかったと考えられる。このため、比較例5では、ビルドアップ層を除去することができなかった。
(比較例6)
比較例6では、ビルドアップ除去剤B4を用いた以外は、実施例1と同様にして、ビルドアップの除去処理を実施した。ビルドアップ除去剤B4の含水率は、ビルドアップ除去剤A1の含水率よりも高く、本発明の範囲外である48質量%である。比較例6では、ビルドアップ除去剤B4の含水率が高すぎたため、ビルドアップ層に付着したビルドアップ除去剤B4がビルドアップ層から垂れ落ちてしまい、十分な厚みの付着層が形成されなかった。この結果、ビルドアップ層を除去することができなかったと考えられる。さらに、ビルドアップ除去剤B4はビルドアップ層から垂れ落ちてしまうため、ビルドアップ除去剤B4に無駄が生じ、生産性が低下してしまった。
(比較例7~9)
比較例で7~9では、加熱到達温度を変更した以外は、実施例1と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。比較例7~9では、ビルドアップ層を除去することができなかった。比較例7~9の加熱到達温度は、実施例1の加熱到達温度よりも低く、いずれも580℃未満であった。このため、加熱工程においてビルドアップ層に十分に亀裂又は低融点層が形成されず、ビルドアップ層を除去できなかったと考えられる。従って、加熱工程における加熱到達温度が消石灰の結晶水分解反応が完了する温度未満であると、ビルドアップ層を除去することができない。
(比較例10)
比較例10では、ビルドアップ除去剤B2を用いた以外は、実施例1と同様にして、ビルドアップ層の除去処理を実施した。ビルドアップ除去剤B2は、実施例1に用いられたビルドアップ除去剤A1と異なり、水を含まない。このため、ビルドアップ除去剤B2は、ビルドアップ層に付着しにくく、十分な厚みの付着層が形成されなかった。このため、ビルドアップ層が除去されなかったと考えられる。
(比較例11~13)
比較例11~13では、ビルドアップ除去剤の種類を変更した以外は、実施例1と同様にしてビルドアップ層の除去処理を実施した。比較例11~13において用いられるビルドアップ除去剤B5~B7における消石灰に含まれるCaは、CaO換算でいずれも60質量%未満である。加熱工程では、ビルドアップ層に含まれるAlと、ビルドアップ除去剤に含まれるCaとが拡散し、低融点層が形成されることが考えられる。しかし、ビルドアップ除去剤における消石灰に含まれるCaの量が少ないと、十分に低融点層が形成されないため、ビルドアップ層が除去されなかったと考えられる。従って、消石灰に含まれるCaのCaO換算量が60質量%未満であると、ビルドアップ層を除去することができない。
Figure 0007436800000002
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の実施形態では、除去工程において、溶鋼等が取鍋10に注ぎ込まれ、他の容器に移されることにより、付着層及びビルドアップ層が除去された。これに限らず、除去工程では、ブレーカーなどの重機械を用いて、取鍋10に衝撃を与えてもよい。これにより、ビルドアップ層の剥離がより促進され、ビルドアップ層が耐火物からより一層剥がれ落ちるようになる。また、取鍋10に衝撃が加えられた後に、本実施形態のように、溶鋼等を取鍋10に注ぎ込むことにより、ビルドアップ層を除去してもよい。
10 取鍋
12 耐火物
20 ビルドアップ層
30 付着層
40 溶鋼

Claims (7)

  1. 溶銑又は溶鋼に接触し得る耐火物を備えた処理対象物の前記耐火物の表面に形成されるビルドアップ層の除去方法であって、
    前記ビルドアップ層は、スグを含み、
    CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰と、水と、を含水率が5~45質量%となるように混合して、ビルドアップ除去剤を作製する準備工程と、
    前記ビルドアップ層の表面に前記ビルドアップ除去剤を付着させ、付着層を形成する付着工程と、
    前記付着層を、前記消石灰の結晶水分解反応が完了する温度まで加熱する加熱工程と、を含む、ビルドアップ層の除去方法。
  2. 前記加熱工程の後に、前記溶銑又は溶鋼を前記付着層に接触させる接触工程を含む、請求項1に記載のビルドアップ層の除去方法。
  3. 前記接触工程の後に、前記付着層を前記溶銑又は溶鋼と接触している状態から解放する解放工程を含む、請求項2に記載のビルドアップ層の除去方法。
  4. 前記付着層の平均厚さは、5~10mmとする、請求項1~3のいずれか1項に記載のビルドアップ層の除去方法。
  5. 前記ビルドアップ層の平均厚さは、5mm以上である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のビルドアップ層の除去方法。
  6. 溶銑又は溶鋼に接触し得る耐火物を備えた処理対象物の前記耐火物の表面に形成されるビルドアップ層の除去に用いられるビルドアップ除去剤であって、
    CaをCaO換算で60質量%以上含む消石灰と、水と、を含み、含水率が5~45質量%であるビルドアップ除去剤。
  7. 前記消石灰の粒径は、3mm以下である、請求項6に記載のビルドアップ除去剤。
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