JPH0322851B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0322851B2
JPH0322851B2 JP58117949A JP11794983A JPH0322851B2 JP H0322851 B2 JPH0322851 B2 JP H0322851B2 JP 58117949 A JP58117949 A JP 58117949A JP 11794983 A JP11794983 A JP 11794983A JP H0322851 B2 JPH0322851 B2 JP H0322851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
purification
recovery rate
degree
molecular weight
buffer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58117949A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS608226A (ja
Inventor
Kimikazu Itaya
Kyoshi Ishii
Kazutaka Mizuta
Hideo Kaneda
Toshiaki Shigenaga
Kenichi Kujira
Kazuya Yamanishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP58117949A priority Critical patent/JPS608226A/ja
Publication of JPS608226A publication Critical patent/JPS608226A/ja
Publication of JPH0322851B2 publication Critical patent/JPH0322851B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な低分子蛋白質を有効成分とする
制ガン剤に関する。 カースウエル(Carswell)らは、バチルスカ
ルメツテイ グエリン(Bacillus Calmette
Guerin、BCG)で感作したマウスに、14日目に
エンドトキシンを投与すると、2時間後にその血
清中に、L−細胞に対して細胞毒性を有する因子
が産生されることを見い出し、これをツーモア
ネクロシス フアクター(Tumor necrosis
factor,TNF)と名付けた〔Proc.Nat.Acad.
Sci.,USA.72巻,3666頁,1975年〕。グリーン
(Green)らは、上記物質を硫酸アンモニウムに
よる分画沈澱、ゲル過などにより部分精製し、
上記TNFの分子量が約150000であると報告した
〔Proc.Nat.Acad.Sci.,USA,73巻,381頁,
1976年〕。その後マテイウース(Matthews)ら
は、ウサギにBCGを投与し、2週間後にエンド
トキシンを投与して、TNFを産生し、精製して、
ゲル過法による分子量が39000で、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法(Polyacrylamide gel
electrophoresis,PAGE)によつて67000である
と報告した〔Br.J.Cancer,42巻,416頁,1980
年〕。更に原中らは、プロピオンバクテリウム
アクネス(Propioni−bacterium acnes)とエン
ドトキシンを用いて、マウス及びウサギでTNF
を産生し、その分子量はゲル過法及びPAGEに
より39000であると報告した〔日本臨床 40巻、
1872頁、1982年〕。 以上の他にも、L−細胞に対して細胞毒性を有
する生理活性物質(TNF)の存在は、多数報告
されているが、その分子量をとつてみても、カル
(Kull)から225000〔J.Immunol.,126巻,1279
頁、1980年〕からマテイウースら及び原中らの
39000の範囲に分布しており、末だ充分に単離精
製されているとは云えず、その性状を調べるに足
る充分な量は得られていないのが現状である。 本発明者らも上記L−細胞に対して細胞毒性を
有する物質の本体を究めるべく鋭意研究を重ねて
きた。その結果、従来報告された例のない低分子
蛋白質を単離精製することに成功し、これが制ガ
ン作用を有することを見い出し、本発明に到達し
た。 本発明の制ガン剤の有効成分である上記新規な
低分子蛋白質(以下単に「本発明物質」という)
は、以下の特性を有することにより特徴付けられ
る。 (1) 分子量 A バイオゲルA1.5mを用いたゲル過法による
分子量 バイオゲル(Biogel)A1.5m(バイオ・ラド社
製、アメリカ)をカラム(16×1000mm、フアルマ
シア社製、スエーデン)に充填し、0.04Mトリス
−塩酸/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)/4M尿素/0.1MNaCl(PH7.8)の緩衝液
を用い、本発明物質試料200μg(蛋白量)を添
加し、ゲル過を行ない、試料の溶出位置より標
準分子量キツト(フアルマシア社製、スエーデ
ン)から求めた標準曲線を用いて分子量を算出し
た。尚上記蛋白量は、ブラツドフオード
(Bradford)の方法〔Anal.Biochem.,72巻、
248頁、1976年〕に準じてクーマジーブリリアン
トブルー G−250による色素結合法により求め
たものであり、以下同様である。 得られた結果は、第1図に示す通りである。図
中1は牛血清アルブミン(分子量67000)を、2
は卵白アルブミン(分子量43000)を、3はキモ
トリプシノーゲンA(分子量25000)を、4はリボ
ヌレアーゼ(分子量13700)を示し、aが本発明
物質である。第1図より本発明物質aは、キモト
リブシノーゲンA3の後に溶出し、その分子量は
約17200であると認められる。 B TSKゲルG3000SWを用いたゲル過法によ
る分子量 フアルマシアFPLCシステム(フアルマシア社
製、スエーデン)にTSKゲルG3000SW(東洋曹
達社製)カラムを接続し、0.1%SDS/0.1Mリン
酸ナトリウム(PH7.0)の緩衝液を用いて、本発
明物質試料100μg(蛋白量)を付加してゲル過
を行ない、高速液体クロマト用標準分子量キツト
(オリエンタル酵母社製)を用い、これらの溶出
パターンより、本発明物質試料の分子量を算出し
た。高速液体クロマトグラフイーによる溶出パタ
ーンを第2図に、また該クロマトグラフイーの溶
出時間から求めた分子量分布を第3図にそれぞれ
示す。各図において5はグルタミン酸脱水素酵素
(分子量290000、尚第2図には示されていない)
を、6はエノラゼ(分子量67000)を、7はアデ
ニル酸キナーゼ(分子量32000)を、8はチトク
ロームC(分子量12300)を、aは本発明物質をそ
れぞれ示す。各図より本発明物質aは、チトクロ
ームC8の前に溶出し、その分子量は約15300と
算出される。 C SDS/ポリアクリルアミドゲルを用いた電気
泳動法による分子量 近藤らの方法〔生化学、44巻、304頁、1972年〕
に従い、リン酸ナトリウム/SDS(PH7.2)で、
SDS−ポリアクリルアミドゲルに、本発明物質試
料5μg(蛋白量)を付与し、40mAで7時間電気泳
動を行ない、標準分子量キツト(オリエンタル酵
母社製)を用いて、電気泳動パターン(第4図)
を記録し、これより分子量曲線(第5図)を作製
し、該図より試料の分子量を算出した。第4図及
び第5図においてaはチトクロームC7量体(分
子量86100)を、bはチトクロームC6量体(分子
量73800)を、cはチトクロームC5量体(分子量
61500)を、dはチトクロムC4量体(分子量
49200)を、eはチトクロームC3量体(分子量
36900)を、fはチトクロームC2量体(分子量
24600)を、gはチトクロームC単量体(分子量
12300)を、それぞれ示す。またsは本発明物質
である。第5図より本発明物質sの、分子量は約
16700と算出される。 (2) 等電点 等電点測定装置(バイオ・ラド社製、アメリ
カ)とアンホライン(Ampholine)ポリアクリ
ルアミドプレート(PH3.5〜9.5)(LKB社製、ア
メリカ)を使用し、標準等電点測定マーカーキツ
ト(フアルマシア社製、スエーデン)を使用し、
本発明物質の等電点を測定した。すなわち、紙
片に本発明物質試料約5μg(蛋白量)を吸収させ、
ゲル上にのせ、10W定電力にて、約2時間泳動さ
せ、電流が一定となつた時点で泳動を終了した。
ゲルは1mm間隔で切り取り、緩衝液にて溶出し、
L−細胞に対する活性の測定に供した。等電点は
等電点マーカーを基準に算出した。その結果、本
発明物質の等電点はPH3.8±0.3と算出された。 (3) 紫外部吸収の測定 ダブルビーム分光光計度UV−300(島津製製所
製)を使用し、0.02M トリス−塩酸/0.1M
NaCl(PH7.8)に溶解した本発明物質試料の紫外
部吸収を測定した。その結果を第6図に示す。該
図より極大値は277nm、極小値は250nmであつ
た。 (4) 溶解性、色及び性状 文発明物質試料を3mg蛋白量/ml濃度に0.02M
トリス−塩酸緩衝液(PH7.8)に溶解した溶液
は、無色透明である。 該溶液にアセトン又はエタノールを70V/V%
以上加えると沈澱を生ずる。 また本発明物質の3mg蛋白量/ml水溶液は、弱
酸性を示す。 (5) 呈色反応 ビユウレツト反応、フオリンローリー反応法、
ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応につ
いてペプチド結合ならびにアミノ酸の呈色反応
は、いずれも陽性である。 (6) アミノ酸組成比 本発明物質試料を6N塩酸で110℃、24時間加水
分解(減圧下)後、アミノ酸アナライザー(ダイ
オネツク(dionex)500、ダイオネツクス社)に
より分析した。その結果本発明物質はグリシン
(Gly)を基準として、以下の比率で各アミノ酸
を含有することが確認された。構成アミノ酸 比率(モル比) Gly 1.00(基準) Asp及び/又はAsn 1.10±0.06 Thr 0.45±0.02 Ser 0.90±0.05 Glu及び/又はGln 1.82±0.09 Pro 0.84±0.04 Ala 1.11±0.06 Cys 0.20±0.02 Val 0.86±0.04 Met 0.18±0.01 Ile 0.38±0.02 Leu 1.73±0.09 Tyr 0.6±0.03 Phe 0.34±0.02 His 0.28±0.01 Lys 0.44±0.02 Arg 0.46±0.02 (7) ミノ酸配列 本発明物質試料のアミノ酸配列を、アミノ酸シ
ークエンサー(Beckman Sequencer
model890c、ベツクマン社製;各アミノ酸は逆相
高速液体クロマトグラフイーにより同定した)を
用いて分析した。その結果アミノ末端側より17個
のアミノ酸が以下の通り配列していることが確か
められた。 H−Ala−Leu−Ser−Asp−Lys−Pro−Leu−
Ala−His−Val−Val−Ala−Asn−Pro−Gln
−Val−Glu− また、本発明の低分子蛋白質は、以下の生理活
性を有する点において特徴付けられる。 (a) L−細胞に対する細胞毒性作用 前記カースウエル(Casewell)らの方法及び
クロスターガード(Kloster gaard)の方法
〔Mol.,Imm.,17巻、613頁、1980年〕に準じ
て、本発明物質のL−細胞殺細胞効果を評価し
た。すなわち、L−細胞を250単位/mlのペニシ
リンと125μg/mlのストレプトマイシンとを含む
イーグルス ミニマル エツセンシヤルメデイウ
ム(MEM)培地に2×105細胞/mlとなる濃度
で懸濁させ、このL−細胞懸濁液名0.1ml及び適
当濃度に希釈した本発明物質試料各0.1mlを、96
穴マイクロプレート(コースター社製、アメリ
カ)の各ウエルに入れ、これを5%炭酸ガス含有
空気中、37℃で48時間培養する。培養細胞をニユ
ートラル レツド(neutral red)で染色し、生
細胞数をタイターテツクマルチスキヤン(フロー
ラボラトリーズ社製、アメリカ)により比色定量
する。活性はL−細胞を50%殺す力を1単位と
し、これに試料の希釈倍数を乗ずる。 その結果、本発明物質のL−細胞に対する細胞
毒性は、8.99×107単位/mg蛋白質以上であつた。 (b) メスA−ザルコーマ(MethA−sarcoma)
担ガンマウスによる抗腫瘍作用 2×105個メスA−ザルコーマ細胞を、
BALB/cマウス腹部皮内に移植し、7日後腫
瘍の大きさが直径7〜8mmとなつたマウスの尾静
脈より、上記L−細胞に対する細胞毒性作用測定
法(a)で2.5×104〜2.5×105単位/mlに希釈した本
発明物質試料の0.2mlを注射し、48時間後、前記
カールウエルらの方法に準じて、以下の判定基準
により抗腫瘍作用を判定した。 (−):変化なし (+):かすかな出血性壊死 ():中程度の出血性壊死(移植癌表面の真
ん中から50%以上にわたつて壊死) ():顕著な出血性壊死(移植癌の中央部が
重度に壊死し、周囲の癌組織がわずかに残
つた状態) 得られた結果を下記第1表に示す。
【表】 次に本発明の新規低分子蛋白質を得る方法につ
いて記述する。 本発明物質は、基本的には公知の方法に従い、
免疫賦活作用を有する物質を哺乳動物に投与し、
次いでグラム陰性菌由来のエンドトキシン又は植
物由来のレクチンを投与することにより、該哺乳
動物体内に産生される。より詳細には、例えばカ
ースウエルらの方法〔Proc.Nat.Acad.Sci.,
USA.,72巻,3666頁,1975年〕に準じて、まず
哺乳動物に免疫賦活作用を有する物質を投与す
る。ここで哺乳動物としては、例えばマウス、ラ
ツト、モルモツト、ウサギ等を例示でき、特にこ
れらに限定されない。免疫賦活作用を有する物質
としては、公知の各種物質を用いることができ
る。その具体例としては例えばバチルス カルメ
ツテイ グエリン(BCG)、コリネバクテリウム
パルバム(Corynebacterium parvam)、プロ
ピオンバクテリウム アクネス(Propioni−
bacterium acnes)、ミコバクテリウム ブチリ
カム(Mycobacterium butyricum)、コリネバ
クテリウム グラニユロサム(Corynebacterium
granulosum)、ストレプトコツカス ピロジネス
(Streptococcus pyrogenes)、プラスモデイウム
(Plasmodium)等のほか、ザイモザン
(Zymosan)、ノカルデイア アストロイデス
(Nocardia asteroides)、リステリア モノサイ
トジエネス(Lysteria monocytogenes)、グルカ
ン(glucan)、細胞膜骨格(cellwall skelton)、
デキストラン硫酸(dextran sulfate)、ムラミル
ジペプタイド(muramyldipeptide)、クレスチン
(呉羽工業社製)等を例示できる。これら免疫賦
活作用を有する物質の投与は、一般に静脈内又は
腹腔内注射により行なわれる。投与量は適宜に決
定されるが、通常1〜1000mg/Kg程度の範囲とす
るのが好ましい。 本法では次いで上記免疫賦活作用を有する物質
の投与後7〜14日目にグラム陰性菌由来のエンド
トキシン又は植物由来のレクチンを供試動物に投
与する。上記エンドトキシン及びレクチンとして
は、公知の各種のものをいずれも使用できる。そ
の代表例としては、例えば大腸菌、緑膿菌、チフ
ス菌等に由来するリポポリサツカライドやタチナ
タマメレクチン(コンカナバリンA、ConA)、
ダイズマメレクチン(SBA)、アカインゲンマメ
レクチン(PHA)等を例示することができる。
これらの投与は通常静脈内注射によるのが望まし
い、投与量は特に限定はないが、通常約10μg〜
10mg/Kgの範囲から選択されるのが一般的であ
る。上記エンドトキシン又はレクチンの投力後約
1.5〜3時間で目的とする制ガン作用を有する本
発明の低分子蛋白質が供試動物の血清もしくは血
漿中に産生される。 本発明物質の採取及び分離精製は、通常の方法
に従い実施される。すなわち供試動物から常法に
従い採血し、得られる血清もしくは血漿中に含有
される当該物質の性質を利用して、物理化学的又
は生化学的手段に従い、例えば塩析、クロマトグ
ラフイー、電気泳動法、抽出法、遠心分離法、透
析法等を単独で又は適宜組合せることにより行な
われる。より具体的には、上記血清又は血漿(以
下これらを粗製溶液と記す)を次の工程に付すこ
とにより実施される。 (1) 硫酸アンモニウム塩析 (2) ゲル過 (3) ハイドロキシアパタイトクロマトグラフイー (4) フアルマシアFPLCモノQカラムクロマトグ
ラフイー (5) 硫酸アンモニウム塩析溶解クロマトグラフイ
ー (6) ゲル過 以下に、これら工程の詳細を説明する。 精製工程 1 粗製溶液に硫酸アンモニウム(以下「硫安」と
記す)を添加し、50〜80%飽和溶液を調製する。
この溶液を2時間〜一夜低温室(4℃)に放置
し、生理活性低分子蛋白質を充分沈澱させる。次
いで冷却遠心分離機(日立製作所製)を使用し、
10000回転/分で10〜30分間遠心分離を行ない生
理活性を有する沈澱を集める。この段階での活性
回収率(前記L−細胞に対する細胞毒性活性測定
法による)は80〜100%であり、精製度は10〜20
倍である。 精製工程 2 工程1で得られた沈澱を0.02M トリス−塩酸
(PH7.8)/0.1M NaClの緩衝液に懸濁させる。こ
の懸濁液に2〜8Mの尿素を加え、不溶性物質を
10000回転/分で10〜30分間冷却遠心分離を行な
い、清澄な生理活性を有する上清液を得、これを
ゲル過に付す。ゲル過用担体としてはウルト
ロゲルAcA44,54(LKB社製、アメリカ)、ある
いはバイオゲルA1.5m(バイオ・ラド社製、アメ
リカ)等が用いられる。 ゲル過分画物につき、前記L−細胞に対する
細胞毒性活性測定を行ない、活性画分を集めて、
限外過膜YM10(アミコン社製・アメリカ)を
装着した限外過装置TCF−10(アミコン社製・
アメリカ)により限外過濃縮を行なう。但し、
濃縮は50〜80%飽和硫安沈澱法によつてもよい。
この方法による活性回収率は80〜100%であり、
精製度は20〜50倍である。 精製工程 3 工程2で得られた生理活性画分の濃縮液を透析
用チユーブ(半井化学薬品社製)を用い、50〜
100倍量の0.02Mリン酸緩衝液(PH6.8)に対して
4℃で、数回外液を交換しながら、一夜透析す
る。透析液を冷却遠心分離機(4℃)で10000回
転/分、20〜30分間遠心分離を行ない、清澄な上
清を得る。次いでこの上清液をハイドロキシアパ
タイト(日本ケミカル社製)に吸着させ、0.02M
〜0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)で連続的濃度勾
配法に従い、もしくは段階的に濃度を上昇させて
生理活性区分を溶離する。得られた生理活性区分
を限外過濃縮、又は硫安塩析により濃縮する。
この方法による生理活性区分の回収率は40〜80%
であり、精製度は約4〜10倍である。 精製工程 4 精製工程3で得られた生理活性区分の濃縮液を
透析用チユーブに入れ、50〜100倍量の希薄なリ
ン酸、あるいはトリス緩衝液(PH7.0〜8.0)に対
して、4℃で一夜透析する。この透析液をフアル
マシアFPLCモノQカラム(フアルマシア社製、
スエーデン)に吸着させ、緩衝液濃度、あるいは
NaCl濃度を連続的に上昇させて生理活性物質の
溶離を行なう。この工程での活性回収率は70〜90
%であり、精製度は約3〜6倍上昇する。 精製工程 5 精製工程4における活性区分につき限外過濃
縮を行ない、硫安塩析溶解カラムクロマトグラフ
イーに付する。トーヨーパールSW50、55、また
は60(いずれも東洋曹達社製)をカラムに充填し、
フアルマシアFPLCシステム(フアルマシア社
製・スエーデン)を用い、カラム中で生理活性区
分を硫安塩析、次いで連続的に硫安濃度を下げて
活性区分を溶解分別する。この段階での活性回収
率は30〜70%であり、精製度は約3〜4倍であ
る。 精製工程 6 精製工程5で得られた活性区分を濃縮し、バイ
オ・ゲルA1.5mあるいはウルトロゲルAcA44又
は54を充填したカラム(16×1000mm)に付し、ゲ
ル過を行なう。あるいはトーヨーソーダ高速液
体クロマト用カラムG2000SW又はG3000SW(東
洋曹達社製)を用いてゲル過を行なう。この工
程における活性回収率は25〜75%でり、精製度は
約3〜6倍である。 精製工程1〜6を通しての活性回収率は、5〜
30%であり、精製度は2.7×104〜7.8×105倍であ
る。 この様にして得られた生理活性を有する低分子
蛋白質の特性を測定した結果は、前記した通りで
ある。 かくして本発明の低分子蛋白質を得る。得られ
る本発明物質は前述した通り、L−細胞に対して
インビトロで直接細胞毒作用を有し、またインビ
ボで抗腫瘍作用を有するに加え、以下の薬理試験
例に示す通りヒトガン細胞乃至メラノーマ細胞に
対しても細胞毒作用乃至殺細胞作用を示し、しか
も低毒性である。 薬理試験例 細胞毒乃至殺細胞作用 (a) ヒトガン細胞殺細胞作用 ヒトバーキツトリンパ腫由来株Raji(J.Nat.
Cancer Inst.,37巻、547頁、1966年〕、ヒト胃癌
(印環細胞癌)由来株Kato−〔Jpn.J.Exp.
Med.,48巻、61頁、1978年〕及びヒト鼻咽腔癌
由来株KB〔Cancer Res.,18巻、1017頁、1958
年〕の各細胞に対する本発明物質の殺細胞効果を
評価した。すなわち、ヒトバーキツトリンパ腫由
来細胞株及びヒト胃癌由来細胞株を、250単位/
mlのペニシリン、125μg/mlのストレプトマイシ
ン及び10%非働化牛胎児血清を含むRPMI1640培
地で2×105細胞/mlに調整した。また、ヒト鼻
咽腔癌由来細胞株を、250単位/mlのペニシリン、
125μg/mlのストレプトマイシン及び10%非働化
牛血清を含むイーグルス ミニマル エツセンシ
ヤル メデイウム培地を用いて2×105細胞/ml
に調整した。 上記各細胞調整液0.1mlと各種濃度に希釈した
本発明物質0.1mlとを96穴マイクロプレートの各
ウエルに入れ、これを5%炭酸ガス含有空気中、
37℃で48時間培養した。 培養48時間後に細胞をトリパンブルーで染色
し、顆微鏡下でビルケルチユルク計算盤(エルマ
オプテイカルワークス社製、日本)を使用して生
細胞数を算出した。この結果、本発明物質の各種
細胞の増殖を50%抑制する濃度は、ヒトバーキツ
トリンパ腫由来細胞に対しては8.0ng蛋白量/ml
以上、ヒト胃癌由来細胞に対しては27.0ng蛋白
量/ml以上、ヒト鼻咽腔癌由来細胞に対しては
11.0ng蛋白量/ml以上であつた。 (b) メラノーマ細胞に対する細胞毒性作用 ヘルソン(Helson)らの方法〔Nature,258
巻,731頁,1975年〕に準じて、本発明物質のメ
ラノーマA−375〔J,Natl.Cancer Inst.,51巻,
1417頁,1973年〕細胞に対する細胞毒性作用を評
価した。即ち、グルタミン、非必須アミノ酸、ペ
ニシリン、ストレプトマイシン及び10%非働化牛
胎児血清を含むイーグルス培地を用いてメラノー
マA−375細胞5×104細胞/mlの懸濁液を調整し
た。この細胞懸濁液各1ml及び本発明物質を適当
に希釈調整した試料溶液1mlを3.5cm径のシヤー
レに入れ、5%炭酸ガス含有空気中下37℃で培養
した。 培養3日目に上記(a)と同様にして細胞をトリパ
ンブルーで染色し、顕微鏡下でビルケルチユルク
計算盤を使用して生細胞数を算出した。この結
果、本発明物質のメノラーマA−375細胞の増殖
を50%抑制するのに必要な量は14ng蛋白量/ml
以上であつた。 薬理試験例 急性毒性 8週令のddY系雌雄マウスを各々10匹用い、本
発明物質を3.7mg蛋白量/Kgの割合で静脈内投与
し、急性毒性を調べた。 その結果死亡例は認められず、LD0は3.7mg/
Kg以上であることが確認された。また、観察期間
中、本発明物質に起因すると考えられる明らかな
中毒症状は認められなかつた。 以上の通り本発明物質は各種細胞に対し細胞毒
作用乃至殺細胞作用を奏し、また低毒性であると
ころから抗腫瘍剤乃至制ガン剤として有用であ
る。 本発明物質はこれを抗腫瘍剤乃至制ガン剤とし
て利用するに当つては、その有効量を含有する各
種形態に調整され、該形態に応じた各種投与経路
により投与される。その製剤形態としては通常液
状溶液、懸濁液、乳濁液等を例示でき、これらは
一般に静脈、皮下又は筋肉内に投与される。これ
らはまた使用前に適当な担体の添加によつて液状
になし得る乾燥品として提供することもできる。
該抗腫瘍剤の投与量は、疾患の程度、患者の年
齢、性別等によつて異なるが、通常、蛋白量とし
て約1.85〜18.5μg/Kg/日を1〜数回に分けて投
与するのが好ましい。 以下に実施例を示し、本発明をより具体的に述
べるが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例 1 ニユージランドホワイト又は日本白色系雌ウギ
(体重2.0〜3.0Kg)にホルマリン死菌コリネバク
テリウム パルバム(Corynebacterium
paruvam、ウエルカム社製、イギリス)70mgを
耳静脈より注射した。注射9日後に100μgのリポ
ポリサツカライド(大腸菌055;B5、デイフコ社
製、アメリカ)を耳静脈より注射し、2時間後心
臓より全採血した。採血した血液を5000回転/分
で20分間遠心分離し、血清を分離した。該操作に
より100羽のウサギから15900単位/mlの力価を有
する血清7530mlが得られた。 なお、ニユージランドホワイトと日本白色系の
本生理活性物質の産生量は第2表に示すように、
日本白色系ウサギの方が高かつた。
【表】 該血清1000mlに472gの硫安を添加溶解後、4
℃で一夜放置し、活性物質を沈澱させた。沈澱を
10000回転/分で30分間遠心分離(4℃)し、沈
澱を集め、約100mlの0.02M トリス−塩酸緩衝
液/0.1M NaCl(PH7.8)に懸濁させた。この段階
での活性回収率は98%で精製度は18倍であつた。 次いで、該沈澱懸濁液100mlに対し36.04gの尿
素を加え溶解させた。これを10000回転/分で30
分間冷却遠心分離(4℃)し、不溶物質を除去し
た。この上清液50mlをとり、0.02M トリス−塩
酸/0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルトロゲ
ルAcA54を用いゲル過(カラムサイズ50×
1000mm)し、溶出区分につきL−細胞に対する活
性測定法により、活性を調べ活性区分を集めた。
該方法による活性回収率は92%で、精製度は33倍
であつた。全段階を通しての活性回収率は90.2%
で精製度は約600倍であつた。 次いでアミコン限外過膜YM10を装着した限
外過濃縮器TCF−10を用いて活性区分を濃縮
した。この濃縮液を透析用チユーブにいれ、50倍
量の0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)に対して4
℃透析を行なつた。外液を3時間毎に3回交換し
た後、同緩衝液中で、4℃、一夜放置した。この
透析活性区分をあらかじめ0.02M リン酸緩衝液
(PH6.8)で平衡化したハイドロキシアパタイトゲ
ルのカラム(サイズ26×400mm)に付した。流速
5.0ml/時、3ml/分画の条件下に同緩衝液で充
分洗浄した後、0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)
500ml及び0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)500mlを
使用し、連続的に濃度勾配を上昇させ、吸着物質
を溶離した。この方法では非吸着区分に活性は認
められず、すべての活性は吸着され、吸着された
活性区分はリン酸緩衝液濃度0.15M〜0.3Mの間
に溶出された。活性区分を集め、アミコン限外
過濃縮装置TCF−10を用い、4℃で限外過濃
縮を行なつた。この方法による活性回収率は48%
であり、精製度は4.5倍であつた。全工程を通し
ての活性回収率は43.3%、精製度は2.7×103倍で
あつた。 次いで、上記方法で得られた活性区分の濃縮液
を透析用チユーブにいれ、50倍量の0.02Mトリス
−塩酸(PH7.8)/0.1MNaCl緩衝液に対して、4
℃で一夜透析を行なつた。同緩衝液で緩衝化した
フアルマシアモノQカラムに透析内液を付し、1
ml/分、1ml/分画の条件で活性物質を吸着させ
た。次いで同緩衝液で充分洗浄後、0.02Mトリス
−塩酸(PH7.8)/1.0M NaClを用い連続的に
NaCl濃度を上昇させ、吸着した活性区分を溶離
させた。活性区分をアミコン限外過膜YM10を
装着した限外過装置を用い濃縮した。この方法
による活性回収率は80%であり、精製度は4倍上
昇した。全工程を通しての活性回収率は34.6%で
あり、精製度は1.1×104倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安で平衡化したトーヨーパ
ールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、流速1
ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で塩析し
た。ついで0.1Mトリス−塩酸(PH7.8)の緩衝液
を用い、連続的に硫安濃度を低下させて溶出溶離
を行なつた。活性区分を集め、アミコン限外過
膜YM10を装着した限外過濃縮装置により濃縮
した。この方法による活性回収率は62%であり、
精製度は4倍であつた。全工程を通しての活性回
収率は21.5%、精製度は4.40×104倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1Mリン酸ナトリウム
(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平衡
化したトーヨーソーダーG3000SWカラム(7.5×
600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画でゲ
ル過を行なつた。この方法で活性回収率は26%
であり、精製度は5.3倍上昇した。全工程を通じ
ての活性回収率は5.6%であり、精製度は2.33×
105倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.24×107単位/mg蛋白質であつた。 実施例 2 ニユージランドホワイト系雌ウサギ(体重2.0
〜3.0Kg)にホルマリン死菌ミコバクテリウム
ブチリカム(デイフコ社製、アメリカ)150mgを
耳静脈より注射した。注射9日後に100μgのリポ
ポリサツカライド(大腸菌 055;B5、デイフコ
社製、アメリカ)を耳静脈より注射し、2時間後
心臓より全採血した。採血した血液を5000回転/
分で20分間遠心分離し、血清を分離した。該操作
により、100羽のウサギから5160単位/mlの力価
を有する血清7410mlが得られた。 該血清1000mlに472gの硫安を添加後、よく溶
解し、4℃で一夜放置した。硫安塩析液を10000
回転/分、30分間冷却遠心分離(4℃)し、沈澱
を集め、この沈澱を約100mlの0.02M トリス−
塩酸/0.1M NaCl緩衝液(PH7.8)に懸濁させた。
この段階での活性回収率は97%で、精製度は20倍
であつた。 次いで、該沈澱懸濁液100mlに対し36.04gの割
合で尿素を加え溶解後、10000回転/分で30分間
冷却遠心分離(4℃)を行ない、不溶物を除去し
た。この上清50mlをとり、0.02M トリス−塩酸
(PH7.8)/0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルト
ロゲルAcA54(カラムサイズ50×1000mm)を用い
流速40ml/時、7ml/分画でゲル過し、活性区
分を集めた。該方法による活性回収率は92%で、
精製度は28倍であつた。全段階を通しての活性回
収率は89.2%で、精製度は約560倍であつた。 次いでアミコン限外過膜YM10を装着した限
外過濃縮器TCF−10を用いて活性区分を濃縮
した。この濃縮液を透析用チユーブにいれ、50倍
量の0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)に対して4
℃で透析を行なつた。外液を3時間毎に3回交換
した後、同緩衝液中で、一夜透析した。この透析
活性区分をあらかじめ0.02M リン酸緩衝液(PH
6.8)で平衡化したハイドロキシアパタイトゲル
のカラム(サイズ26×400mm)に流速5.0ml/時、
3ml/2分画で吸着させた。吸着させた活性区分
を0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)と0.5M リン
酸緩衝液(PH6.8)とを使用し、連続的に濃度勾
配を上昇させることにより溶離した。この方法で
の活性回収率は68%であり、精製度は10倍であつ
た。全工程を通しての活性回収率は60.7%、精製
度は5.6×103倍であつた。 次いで、上記活性区分を限外過器で濃縮し、
透析用チユーブにいれ、50培量の0.02Mトリス−
塩酸(PH7.8)/0.1M NaCl緩衝液に対して、4
℃で一夜透析を行なつた。この透析した活性区分
を、同緩衝液で緩衝化したフアルマシアモノQカ
ラムに1ml/分、1ml/分画の条件で吸着させ
た。次いで同緩衝液で充分洗浄後、0.02M トリ
ス−塩酸(PH7.8)/1.0M NaCl緩衝液を用い連
続的にNaCl濃度を上昇させ、吸着された活性区
分を溶出させた。活性区分をアミコン限外過濃
縮器により濃縮した。この方法による活性回収率
は62%であり、精製度は4倍上昇した。全工程を
通しての活性回収率は37.6%、で精製度は2.24×
104倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安緩衝液で平衡化したトー
ヨーパールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、
流速1ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で
塩析した。ついで0.1Mトリス−塩酸(PH7.8)の
緩衝液を用い、連続的に硫安濃度を低下させて溶
解分画を行なつた。活性区分を集め、限外過濃
縮器により濃縮した。この段階での活性回収率は
34%であり、精製度は4.7倍であつた。全工程を
通じての活性回収率は12.8%であり、精製度は
1.05×105倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1Mリン酸ナトリウム
(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平衡
化したトーヨーソーダーG3000SWカラム(7.5×
600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画でゲ
ル過を行なつた。この段階での活性回収率は62
%であり、精製度は6.3倍であつた。全工程を通
じての活性回収率は7.9%であり、精製度は6.62
×105倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.19×107単位/mg蛋白質であつた。 実施例 3 ニユージランドホワイト系雌ウサギ(体重2.0
〜3.0Kg)にクレスチン(呉羽化学工業株式会社
製)100mgを耳静脈より注射した。注射9日後に
100μgのリポポリサツカライド(大腸菌055:B5、
デイフコ社製、アメリカ)を耳静脈より注射し、
2時間後心臓より全採血した。採血した血液を
5000回転/分で20分間遠心分離し、血清を分離し
た。該操作により、100羽のウサギから6200単
位/mlの力価を有する血清7000mlが得られた。 該血清1000mlに472gの硫安を添加溶解後4℃
で一夜放置し、活性物質を沈澱させた。沈澱を
10000回転/分、30分間、4℃で遠心分離し、再
度沈澱を集め、約100mlの0.02M トリス−塩酸
緩衝液/0.1M NaCl(PH7.8)に懸濁させた。この
段階での活性回収率は98%で精製度は18倍であつ
た。 次いで、該沈澱懸濁液100mlに対し36.04gの割
合で尿素を加え溶解させた。これを10000回転/
分で30分間、4℃で遠心分離し、不溶物を除去し
た。この上清液50mlをとり、0.02M トリス−塩
酸/0.5MNaCl(PH7.8)緩衝液で平衡化したウル
トロゲルAcA54を用いゲル過(カラムサイズ
50×1000mm)し、L−細胞に対する活性測定法に
より、活性を調べ、活性区分を集めた。該方法に
よる活性回収率は95%で、精製度は30倍であつ
た。全段階を通しての活性回収率は93.1%で精製
度は約540倍であつた。 次いでアミコン限外過膜YM10を装着したゲ
ル過濃縮器TCF−10を用いて活性区分を濃縮
した。この濃縮液を透析用チユーブにいれ、50倍
量の0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)に対して透
析を行なつた。外液を3時間毎に3回換した後、
同緩衝液中で4℃、一夜放置した。この透析活性
区分をあらかじめ0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)
で平衡化したハイドロキシアパタイトゲルのカラ
ム(サイズ26×400mm)に付した。流速5.0ml/
時、3ml/分画の条件下に同緩衝液で充分洗浄し
た後、0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)500mlと
0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)500mlとを使用し、
連続的に濃度勾配を上昇させることにより吸着物
質を溶離した。この方法では非吸着区分に活性は
認められず、すべての活性は吸着され、吸着され
た活性区分はリン酸緩衝液濃度0.15M〜0.3Mの
間に溶出された。活性区分を集め、アミコン限外
過濃縮装置TCF−10を用い、4℃で限外過
濃縮を行なつた。この方法での活性回収率は56%
であり、精製度は10倍であつた。全工程を通して
の活性回収率は52.1%、精製度は5.4×103倍であ
つた。 次いで、上記活性区分の濃縮液を透析用チユー
ブにいれ、50倍量の0.02M トリス−塩酸(PH
7.8)/0.1M NaCl緩衝液に対して、4をで一夜
透析を行なつた。同緩衝液で緩衝化したフアルマ
シアモノQカラムに透析内液を付し、1ml/分、
1ml/分画の条件で活性区分を吸着させた。次い
で同緩衝液で充分洗浄後、0.02M トリス−塩
酸/1.0M NaCl緩衝液(PH7.8)を用い連続的に
NaCl濃度を上昇させ、吸着した活性区分を溶離
させた。活性区分をアミコン限外過膜YM10を
装着した限外過装置を用い濃縮した。この方法
による活性回収率は80%であり、精製度は5.5倍
上昇した。全工程を通しての活性回収率は41.7
%、精製度は2.97×104倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス.塩酸/
70%飽和硫安(PH7.8)緩衝液で平衡化したトー
ヨーパールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、
流速1ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で
塩析した。ついで0.1M トリス−塩酸(PH7.8)
の緩衝液を用い、連続的に硫安濃度を低下させて
溶出溶離を行なつた。活性区分を集め、アミコン
限外過膜YM10を装着した限外過濃縮装置に
より濃縮した。この段階での活性回収率は64%で
あり、精製度は3.9倍であつた。全工程を通して
の活性回収率は26.7%であり、精製度は1.16×105
倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M リン酸ナトリウ
ム/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液(PH7.0)で平
衡化したトーヨーソーダーG3000SW(カラムサイ
ズ7.5×600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分
画でゲル過を行なつた。この段階での活性回収
率は28%であり、精製度は5.0倍上昇した。全工
程を通じての活性回収率は7.5%であり、精製度
は5.8×105倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は8.99×107単位/mg蛋白質であつた。 実施例 4 ニユージランドホワイト系雌性ウサギ(体重
2.0〜3.0Kg)にホルマリン死菌コリネバクテリウ
ム・パルバム(ウエルカム社製、イギリス)100
mgを耳静脈より注射した。注射9日後に10mgのコ
ンカナバリンA(和光純薬工業社製)を耳静脈よ
り注射し、2時間後心臓より全採血した。採血し
た血液を5000回転/分で20分間、4℃で遠心分離
し、血清を分離した。該操作により、100羽のウ
サギから3780単位/mlの力価を有する血清7640ml
が得られた。 該血清1000mlに472gの硫安を添加後、よく溶
解し、4℃で一夜放置した。硫安塩析液を10000
回転/分で30分間冷却遠心分離(4℃)し、沈澱
を集め、約100mlの0.02Mトリス−塩酸/0.1M
NaCl緩衝液(PH7.8)に懸濁させた。この段階で
の活性回収率は99%で、精製度は20倍であつた。 次いで、該沈澱懸濁液100mlに対し36.04gの尿
素を加え溶解後、10000回転/分で30分間冷却遠
心分離(4℃)し、不溶物を除去した。この上清
50mlをとり、0.02Mトリス−塩酸(PH7.8)/
0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルトロゲル
AcA54を用いゲル過(カラムサイズ50×1000
mm、流速40ml/時、7ml/分画)し、溶出区分を
集めた。該方法による活性回収率は95%で、精製
度は41倍であつた。全段階を通しての活性回収率
は94.1%で精製度は約820倍であつた。 次いでアミコン限外過膜YM10を装着した限
外過濃縮器TCF−10を用いて活性区分を濃縮
した。この濃縮液を透析用チユーブにいれ、50倍
量の0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)に対して4
℃で透析を行なつた。外液を3時間毎に3回交換
した後、同緩衝液中で、4℃、一夜放置した。こ
の透析活性区分をあらかじめ0.02M リン酸緩衝
液(PH6.8)で平衡化したハイドロキシアパタイ
トゲルのカラム(サイズ26×400mm)に流速5.0
ml/時、3ml/分画で吸着させた。吸着させた活
性区分は0.02Mリン酸緩衝液(PH6.8)と0.5M
リン酸緩衝液(PH6.8)とを使用し、連続的に濃
度を上昇させる事により吸着物質を溶離した。こ
の方法による活性回収率は65%であり、精製度は
9.8倍であつた。全工程を通しての活性回収率は
61.1%、精製度は8.0×103倍であつた。 次いで、上記活性区分を限外過器で濃縮し、
透析用チユーブにいれ、50倍量の0.02Mトリス−
塩酸(PH7.8)/0.1M NaCl緩衝液を用い、4℃
で一夜透析を行なつた。この透析した活性区分を
同緩衝液で平衡化したフアルマシアモノQカラム
に1ml/分、1ml/分画の条件で吸着させた。次
いで同緩衝液で充分洗浄後、0.02M トリス−塩
酸(PH7.8)/1.0M NaCl緩衝液を用い連続的に
NaCl濃度を上昇させ、吸着した活性区分を溶出
した。活性区分をアミコン限外過濃縮器により
濃縮した。この方法による活性回収率は74%であ
り、精製度は5.3倍であつた。全工程を通しての
活性回収率は45.2%であり、精製度は4.2×104
であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安緩衝液で平衡化したトー
ヨーパールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、
流速1ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で
塩析した。ついで0.1M トリス−塩酸(PH7.8)
緩衝液を用い、連続的に硫安濃度を下げて、溶解
分画を行なつた。活性区分を集め、限外過濃縮
器により濃縮した。この方法による活性回収率は
58%であり、精製度は3.2倍であつた。全工程を
通しての活性回収率は26.2%で、精製度は1.4×
105倍であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M リン酸ナトリウ
ム(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平
衡化したトーヨーソーダーG3000SWカラム(7.5
×600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画で
ゲル過を行なつた。この方法で活性回収率は44
%であり、精製度は5.7倍であつた。全工程を通
しての活性回収率は11.5%で、精製度は7.8×105
倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.3×107単位/mg蛋白質であつた。 実施例 5 ddY雌性マウス(体重25〜30g)にホルマリン
死菌コリネバクテリウム パルバム(ウエルカム
社製、イギリス)1mgを腹腔内投与し、注射9日
後にリポポリサツカライド(緑膿菌;デイフコ社
製、アメリカ)10μgを尾静脈内注射し、2時間
後眼球を摘出して眼窩静脈叢より血液を採取し
た。採取した血液を5000回転/分で20分間遠心分
離し、血清を分離した。該操作により、100匹の
マウスから56100単位/mlの力価を有する血清
90.6mlが得られた。 該血清100mlに47.2gの硫安を添加溶解後、4
℃で一夜放置し、活性物質を沈澱させた。沈澱を
10000回転/分で30分間遠心分離(4℃)し、沈
澱を集め、約20mlの0.02M トリス−塩酸緩衝
液/0.1M NaCl(PH7.8)に懸濁させた。この段階
での活性回収率は98%で、精製度は21倍であつ
た。 次いで、該沈澱懸濁液20mlに対し7.2gの尿素
を加え溶解させた。これを10000回転/分で30分
間冷却遠心分離(4℃)し、不溶物質を除去し
た。この上清液10mlをとり、0.02Mトリス−塩
酸/0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルトロゲ
ルAcA54を用いてゲル過(カラムサイズ26×
1000mm)し、溶出分画した。該方法による活性回
収率は90%で、精製度は32倍であつた。全段階を
通しての活性回収率は88.2%で、精製度は約672
倍であつた。 次いでアミコン限外過濃縮器TCF−10を用
いて活性区分を濃縮した。この濃縮液を0.02M
リン酸緩衝液(PH6.8)に対して、4℃で一夜透
析をした。この透析活性区分を0.02Mリン酸緩衝
液(PH6.8)で平衡化したハイドロキシアパタイ
トゲルのカラム(サイズ26×400mm)に付した。
流速5.0ml/時、3ml/分画の条件下に同緩衝液
で充分洗浄した後、0.02M リン酸緩衝液(PH
6.8)500ml及び0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)500
mlを使用し、連続的に濃度勾配を上昇させ、吸着
物質を溶離した。活性区分を集め、アミコン限外
過濃縮装置TCF−10を用い、4℃で限外過
濃縮を行なつた。この方法による活性回収率は40
%であり、精製度は6倍であつた。全工程を通し
ての活性回収率は35.3%であり、精製度は4.03×
103倍であつた。 次いで、上記方法で得られた活性区分を0.02M
トリス−塩酸(PH7.8)/0.1M NaCl緩衝液に対
して、4℃で一夜透析を行なつた。同緩衝液で緩
衝化したフアルマシアモノQカラムに透析内液を
付し、1ml/分、1ml/分画の条件で当該物質を
吸着させた。次いで同緩衝液で充分洗浄後、
0.02M トリス−塩酸(PH7.8)/1.0M NaCl緩
衝液を用い連続的にNaCl濃度を上昇させ、吸着
した活性区分を溶離させた。活性区分は限外過
濃縮した。この方法による活性回収率は75%であ
り、精製度は5倍上昇した。全工程を通しての活
性回収率は26.5%であり、精製度は2.02×104倍で
あつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安で平衡化したトーヨーパ
ールSW60(カラムサイズ10×500mm)に流速1
ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で塩析し
た。ついで0.1Mトリス−塩酸(PH7.8)の緩衝液
を用い、連続的に硫安濃度を低下させて溶出溶離
を行なつた。活性区分を限外過濃縮装置を用い
濃縮した。この方法による活性回収率は47%であ
り、精製度は4倍であつた。全工程を通しての活
性回収率は12.4%であり、精製度は8.08×104倍で
あつた。 次いで、上記濃縮液を0.1Mリン酸ナトリウム
(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平衡
化したトーヨーソーダーG3000SW(カラムサイズ
7.5×600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画
でゲル過を行なつた。この方法での活性回収率
は31%であり、精製度は4倍上昇した。全工程を
通じての活性回収率は3.8%であり、精製度は
3.23×105倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.04×107単位/mg蛋白質であつた 実施例 6 ddY雌性マウス(体重25〜30g)にザイモザン
A(シグマ社製 アメリカ)2.0mgを腹腔内投与
し、注射9日後にエンドトキシン(大腸菌リポポ
リサツカライド)10μgを尾静脈内注射し、2時
間後眼球を摘出して眼窩静脈叢より血液を採取し
た。採取した血液を5000回転/分で20分間遠心分
離し、血清を分離した。該操作により、100匹の
マウスから4800単位/mlの力価を有する血清96ml
が得られた。 該血清100mlに47.2gの硫安を添加溶解後、4
℃で一夜放置し、活性物質を沈澱させた。沈澱を
10000回転/分で30分間遠心分離(4℃)し、沈
澱を集め、約20mlの0.02M トリス−塩酸緩衝
液/0.1M NaCl(PH7.8)に懸濁させた。この段階
での活性回収率は97%で、精製度は17倍であつ
た。 次いで、該沈澱懸濁液20mlに対し7.2gの尿素
を加え溶解させた。これを10000回転/分で30分
間冷却遠心分離(4℃)し、不溶物質を除去し
た。この上清液10mlをとり、0.02M トリス−塩
酸/0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルトロゲ
ルAcA54を用いてゲル過(カラムサイズ26×
1000mm)し、溶出分画した。該方法による活性回
収率は92%で、精製度は38倍であつた。全段階を
通しての活性回収率は89.2%で精製度は約646倍
であつた。 次いでアミコン限外過濃縮器TCF−10を用
いて活性区分を濃縮した。この濃縮液を0.02M
リン酸緩衝液(PH6.8)に対して、4℃で一夜透
析をした。この透析活性区分を0.02M リン酸緩
衝液(PH6.8)で平衡化したハイドロキシアパタ
イトゲルのカラム(サイズ26×400mm)に付した。
流速5.0ml/時、3ml/分画の条件下に同緩衝液
で充分洗浄した後、0.02Mリン酸緩衝液(PH6.8)
500ml及び0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)500mlを
使用し、連続的に濃度勾配を上昇させ、吸着物質
を溶離した。活性区分を集め、アミコン限外過
濃縮装置TCF−10を用い、4℃で限外過濃縮
を行なつた。この方法による活性回収率は43%で
あり、精製度は6.8倍であつた。全工程を通して
の活性回収率は38.3%、精製度は4.39×103倍であ
つた。 次いで、上記方法で得られた活性区分を0.02M
トリス−塩酸(PH7.8)/0.1M NaCl緩衝液に対
して4℃で一夜透析を行なつた。同緩衝液で緩衝
化したフアルマシアモノQカラムに透析内液を付
し、1ml/分、1ml/分画の条件で当該物質を吸
着させた。次いで同緩衝液で充分洗浄後、0.02M
トリス−塩酸(PH7.8)/1.0M NaCl緩衝液を
用い連続的にNaCl濃度を上昇させ、吸着した活
性区分を溶離させた。活性区分は限外過濃縮し
た。この方法による活性回収率は77%であり、精
製度は4.4倍上昇した。全工程を通しての活性回
収率は29.5%であり、精製度は1.93×104倍であつ
た。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安で平衡化したトーヨーパ
ールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、流速1
ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で塩析し
た。ついで0.1Mトリス−塩酸(PH7.8)の緩衝液
を用い、連続的に硫安濃度を低下させて溶出溶離
を行なつた。活性区分を限外過濃縮装置を用い
濃縮した。この方法による活性回収率は43%であ
り、精製度は3.2倍であつた。全工程を通しての
活性回収率は12.7%、精製度は6.2×104倍であつ
た。 次いで、上記濃縮液を0.1Mリン酸ナトリウム
(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平衡
化したトーヨーソーダーG3000SW(カラムサイズ
7.5×600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画
でゲル過を行なつた。この方法での活性回収率
は28%であり、精製度は5.4倍上昇した。全工程
を通じての活性回収率は3.6%であり、精製度は
3.35×105倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.44×107単位/mg蛋白質であつた。 実施例 7 ウイスター系雌性ラツト(体重200〜250g)に
ホルマリン死菌コリネバクテリウム パルバム
(ウエルカム社製、イギリス)10mgを腹腔内投与
し、注射9日後にエンドトキシン(大腸菌リポポ
リサツカライド)250μgを尾静脈内注射した。エ
ンドトキシン投与2時間後にエーテル麻酔下で腹
部下大静脈より血液を採取した。採取した血液を
5000回転/分で20分間遠心分離し、血清を分離し
た。該操作により、100匹のラツトから1500単
位/mlの力価を有する血清306mlが得られた。 該血清100mlに47.2gの硫安を添加溶解後、4
℃で一夜放置し、活性物質を沈澱させた。沈澱を
10000回転/分で30分間遠心分離(4℃)し、沈
澱を集め、約20mlの0.02M トリス−塩酸緩衝
液/0.1M NaCl(PH7.8)に懸濁させた。この段階
での活性回収率は94%で、精製度は21倍であつ
た。 次いで、該沈澱懸濁液20mlに対し7.2gの尿素
を加え溶解させた。これを10000回転/分で30分
間冷却遠心分離(4℃)し、不溶物質を除去し
た。この上清液10mlをとり、0.02Mトリス−塩
酸/0.5M NaCl緩衝液で平衡化したウルトロゲ
ルAcA54を用いてゲル過(カラムサイズ26×
1000mm)し、溶出分画した。該方法による活性回
収率は90%で、精製度は47倍であつた。全段階を
通しての活性回収率は84.6%で、精製度は約987
倍であつた。 次いでアミコン限外過濃縮器TCF−10を用
いて活性区分を濃縮した。この濃縮液を0.02M
リン酸緩衝液(PH6.8)に対して、4℃で一夜透
析した。この透析活性区分を0.02M リン酸緩衝
液(PH6.8)で平衡化したハイドロキシアパタイ
トゲルカラム(サイズ26×400mm)に付した。流
速5.0ml/時、3ml/分画の条件下に同緩衝液で
充分洗浄した後、0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)
500ml及び0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)500mlを
使用し、連続的に濃度勾配を上昇させ、吸着物質
を溶離した。活性区分を集め、アミコン限外過
濃縮装置TCF−10を用い、4℃で限外過濃縮
を行なつた。この方法による活性回収率は64%で
あり、精製度は7.3倍であつた。全工程を通して
の活性回収率は54.1%であり、精製度は7.2×103
倍であつた。 次いで、上記方法で得られた活性区分を0.02M
トリス−塩酸(PH7.8)/0.1M NaCl緩衝液に
対して、4℃で一夜透析を行なつた。同緩衝液で
緩衝化したフアルマシアモノQカラムに透析内液
を付し、1ml/分、1ml/分画の条件で当該物質
を吸着させた。次いで同緩衝液で充分洗浄後、
0.02M トリス−塩酸(PH7.8)/1.0M NaCl緩
衝液を用い連続的にNaCl濃度を上昇させ、吸着
した活性区分を溶離させた。活性区分は限外過
濃縮した。この方法による活性回収率は81%であ
り、精製度は8.1倍上昇した。全工程を通しての
活性回収率は43.9%であり、精製度は5.83×104
であつた。 次いで、上記濃縮液を0.1M トリス−塩酸
(PH7.8)/70%飽和硫安で平衡化したトーヨーパ
ールSW60(カラムサイズ10×500mm)に、流速1
ml/分、2ml/分画で付与し、カラム中で塩析し
た。ついで0.1M トリス−塩酸(PH7.8)の緩衝
液を用い、連続的に硫安濃度を低下させて溶出溶
離を行なつた。活性区分を限外過濃縮装置を用
い濃縮した。この方法による活性回収率は38%で
あり、精製度は5.1倍であつた。全工程を通して
の活性回収率は16.7%で、精製度は2.97×105倍で
あつた。 次いで、上記濃縮液を0.1Mリン酸ナトリウム
(PH7.0)/0.2M NaCl/0.1%SDS緩衝液で平衡
化したトーヨーソーダーG3000SW(カラムサイズ
7.5×600mm)を用い、流速1ml/分、1ml/分画
でゲル過を行なつた。この方法での活性回収率
は39%であり、精製度は6.1倍上昇した。全工程
を通しての活性回収率は6.5%であり、精製度は
1.81×106倍であつた。 なお、本生理活性を有する低分子蛋白質の比活
性は9.05×107単位/mg蛋白質であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はバイオゲルA1.5mを用いたゲル過法
による本発明物質の分子量を測定した分子量分布
図である。第2図はトーヨーソーダーTSKゲル
G3000SWを用いたゲル過法による本発明物質
の溶出パターンである。第3図は第2図の各標準
蛋白質の溶出時間から求めた本発明物質の分子量
分布図である。第4図はポリアクリルアミドゲル
電気泳動による本発明物質の泳動図である。第5
図は第4図から求めた本発明物質の分子量分布図
である。第6図は本発明物質の紫外線吸収スペク
トル分析図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質及び構造的特徴を有する
    低分子蛋白質を有効成分とする制ガン剤。 a 分子量:16000±1500 b 等電点:PH3.8±0.3 c 0.1M NaCl加0.02Mトリス−塩酸緩衝液(PH
    7.8)中での紫外部吸収極大値が277nm、極小
    値が250nmである d 3mg蛋白量/mlの0.02Mトリス−塩酸緩衝液
    (PH7.8)溶液において無色透明であり、アセト
    ン又はエタノールを該溶液に70V/V%以上加
    えると沈澱を生ずる e 水溶液は弱酸性を示す f ビユウレツト反応、フオリンローリー反応法
    ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応に
    ついてペプチド結合ならびにアミノ酸の呈色反
    応を示す g アミノ酸組成比: 6N塩酸で110℃、24時間減圧下に加水分解後、
    アミノ酸アナライザーにより分析したアミノ酸組
    成比(モル比)は、Glyを1.00として以下の通り
    である Gly 1.00 Asp及び/又はAsn 1.10±0.06 Thr 0.45±0.02 Ser 0.90±0.05 Glu及び/又はGln 1.82±0.09 Pro 0.84±0.04 Ala 1.11±0.06 Gys 0.20±0.02 Val 0.86±0.04 Met 0.18±0.01 Ile 0.38±0.02 Leu 1.73±0.09 Tyr 0.64±0.03 Phe 0.34±0.02 His 0.28±0.01 Lys 0.44±0.02 Arg 0.46±0.02 h アミノ酸配列 アミノ酸シークエンサーによるアミノ末端側よ
    り17個のアミノ酸が以下の配列を有している。 H−Ala−Leu−Ser−Asp−Lys−Pro−Leu−
    Ala−His−Val−Val−Ala−Asn−Pro−Gln−
    Val−Glu−
JP58117949A 1983-06-28 1983-06-28 低分子蛋白質を有効成分とする制ガン剤 Granted JPS608226A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58117949A JPS608226A (ja) 1983-06-28 1983-06-28 低分子蛋白質を有効成分とする制ガン剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58117949A JPS608226A (ja) 1983-06-28 1983-06-28 低分子蛋白質を有効成分とする制ガン剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS608226A JPS608226A (ja) 1985-01-17
JPH0322851B2 true JPH0322851B2 (ja) 1991-03-27

Family

ID=14724217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58117949A Granted JPS608226A (ja) 1983-06-28 1983-06-28 低分子蛋白質を有効成分とする制ガン剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS608226A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2601678B1 (fr) * 1986-07-18 1989-11-24 Inst Nat Sante Rech Med Peptides comprenant la sequence seryl-aspartyl-lysyl-prolyle, procede pour l'extraction du tetrapeptide correspondant, et applications, notamment a la protection de la moelle osseuse au cours de traitements anticancereux par la chimiotherapie
JPS63115732A (ja) * 1986-11-04 1988-05-20 株式会社 磯輪鉄工所 段ボ−ル製造装置の自動フル−ト変更装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59118714A (ja) * 1982-12-24 1984-07-09 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 制ガン作用を有する低分子蛋白質

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59118714A (ja) * 1982-12-24 1984-07-09 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 制ガン作用を有する低分子蛋白質

Also Published As

Publication number Publication date
JPS608226A (ja) 1985-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4275056A (en) HGI-Glycoprotein capable of stimulating proliferation and differentiation of human granulocyte, process for preparing same and leukopenia curative containing same
JPH0770195A (ja) 糖修飾インターフェロン
EP0215662A2 (en) Anti-tumor protease preparations
US4529594A (en) Protein having antitumor activity
EP0090892B1 (en) Process for the purification of physiologically active substance having antitumour activity
HU185314B (en) Process for producing water-soluble immunostimulant glyco-proteins from klebsiella pneumoniae
US4845078A (en) Method for treating hematopoietic diseases
JPH0322851B2 (ja)
JP2548822B2 (ja) マカラスムギ由来の糖タンパク質、その製造法及びそれを含有する免疫調節剤
JPH0341478B2 (ja)
JPH0251440B2 (ja)
JPH0611705B2 (ja) 血小板減少症治療剤
JPH0251439B2 (ja)
JPH0341480B2 (ja)
US4524026A (en) Novel proteinous cancer-cell proliferation inhibitory factors
JPH0826072B2 (ja) 生理活性ポリペプチド、その製法および用途
EP0195681B1 (en) Tumor cytostatic-cytocidal factor and method of obtaining same
NO850152L (no) Fremgangsmaate ved fremstilling av human, endogen cancerregulerende faktor.
KR890004692B1 (ko) 항종양 생리학적 활성물질의 정제방법
EP0178050A1 (en) Proteinaceous substance
US5023320A (en) Process for the purification of physiologically active substance having antitumor activity
JP2623280B2 (ja) 抗腫瘍剤
JPS60226816A (ja) 抗腫瘍活性をもつヒト由来蛋白質
JPS6363559B2 (ja)
JP2000290196A (ja) 血圧低下抑制剤