JPH0341480B2 - - Google Patents

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JPH0341480B2
JPH0341480B2 JP57233950A JP23395082A JPH0341480B2 JP H0341480 B2 JPH0341480 B2 JP H0341480B2 JP 57233950 A JP57233950 A JP 57233950A JP 23395082 A JP23395082 A JP 23395082A JP H0341480 B2 JPH0341480 B2 JP H0341480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は制ガン作用を有する低分子蛋白質に関
する。 カースウエル(Carswell)らは、バチルスカ
ルメツテイ グエリン(Bacillus Calmette
Guerin、BCG)で感作したマウスに、14日目に
エンドトキシンを投与すると、2時間後にその血
清中に、L−細胞に対して細胞毒性を有する因子
が産生されることを見い出し、これをツーモア
ネクロシス フアクター(Tumor necrosis
factor,TNF)と名付けた〔Proc.Nat.Acad.
Sci.,USA,72巻,3666頁,1975年〕。グリーン
(Green)らは、上記物質を硫酸アンモニウムに
よる分画沈澱、ゲル過などにより部分精製し、
上記TNFの分子量が約150000であると報告した
〔Proc.Nat.Acad.Sci.,USA.73巻,381頁,1976
年〕。その後マテイウース(Matthews)らは、
ウサギにBCGを投与し、2週間後にエンドトキ
シンを投与して、TNFを産生し、精製して、ゲ
ル過法による分子量が39000で、ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法(Polyacrylamide gel
electrophoresis,PAGE)によつて67000である
と報告した〔Br.J.Cancer,42巻,416頁,1980
年〕。更に原中らは、プロピオンバクテリウム
アクネス(Propionibacterium acnes)とエンド
トキシンを用いて、マウス及びウサギでTNFを
産生し、その分子量はゲル過法及びPAGEによ
り39000であると報告した〔日本臨床、40巻、
1872頁、1982年〕。 以上の他にも、L−細胞に対して細胞毒性を有
する生理活性物質(TNF)の存在は、多数報告
されているが、その分子量をとつてみても、カル
(Kull)らの225000(J.Immunol.,126巻,1279
頁、1980年〕からマテイウースら及び原中らの
39000の範囲に分布しており、未だ充分に単離精
製されているとは云えず、その性状を調べるに足
る充分な量は得られていないのが現状である。 本発明者らも上記L−細胞に対して細胞毒性を
有する物質の本体を究めるべく鋭意研究を重ねて
きた。その結果、従来報告された例のない低分子
蛋白質を単離精製することに成功し、これが制ガ
ン作用を有することを見い出し、本発明に到達し
た。 本発明の新規な低分子蛋白質は、免疫賦活作用
を有する物質を哺乳動物に投与し、次いでグラム
陰性菌由来のエンドトキシン又は植物由来のレク
チンを投与することにより誘導産出され、以下の
特性を有することにより特徴付けられる。 (1) 分子量 A バイオゲルA1.5mを用いたゲル過法による
分子量 バイオゲル(Biogel)A1.5m(バイオ・ラド社製、
アメリカ)をカラム(16×1000mm、フアルマシア
社製、スエーデン)に充填し、0.04Mトリスー塩
酸/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)/4M
尿素/0.1MNaCl(PH7.8)の緩衝液を用い、本発
明物質試料200μg(蛋白量)を添加し、ゲル過
を行ない、試料の溶出位置より標準分子量キツト
(フアルマシア社製、スエーデン)から求めた標
準曲線を用いて分子量を算出した。尚上記蛋白量
は、ブラツドフオード(Bradford)の方法
〔Anal.Biochem.,72巻、248頁、1976年〕に準じ
てクーマジーブリリアントブルーG−250による
色素結合法により求めたものであり、以下同様で
ある。 得られた結果は、第1図に示す通りである。図
中(1)は牛血清アルブミン(分子量67000)を、(2)
は卵白アルブミン(分子量43000)を、(3)はキモ
トリプシノーゲンA(分子量25000)を、(4)はリボ
ヌクレアーゼ(分子量13700)を示し、(s)が本
発明物質である。第1図より本発明物質(s)
は、キモトリプシノーゲンA(3)の前に溶出し、そ
の分子量は約26500であると認められる。 B TSKゲルG3000SWを用いたゲル過法によ
る分子量 フアルマシアFPLCシステム(フアルマシア社
製、スエーデン)にTSKゲルG3000SW(東洋曹
達社製)カラムを接続し、0.1%SDS/0.1Mリン
酸ナトリウム(PH7.0)の緩衝液を用いて、本発
明物質試料100μg(蛋白量)を付加してゲル過
を行ない、高速液体クロマト用標準分子量キツト
(オリエンタル酵母社製)を用い、これらの溶出
パターンより、本発明物質試料の分子量を算出し
た。高速液体クロマトグラフイーによる溶出パタ
ーンを第2図に、また該クロマトグラフイーの溶
出時間から求めた分子量分布を第3図にそれぞれ
示す。各図において5はグルタミン酸脱水素酵素
(分子量290000、尚第2図には示されていない)
を、6はエノラーゼ(分子量67000)を、7はア
デニル酸キナーゼ(分子量32000)を、8はチト
クロームC(分子量12300)を、(s)は本発明物
質をそれぞれ示す。各図より本発明物質(s)
は、アデニル酸キナーゼ7の後に溶出し、その分
子量は約31200区算出される。 C SDS/ポリアクリルアミドゲルを用いた電気
泳動法による分子量 近藤らの方法〔生化学、44巻、304頁、1972年〕
に従い、リン酸ナトリウム/SDS(PH7.2)で、
SDS−ポリアクリルアミドゲルに、本発明物質試
料5μg(蛋白量)を付与し、40mAで7時間電気泳
動を行ない、標準分子量キツト(オリエンタル酵
母社製)を用いて、電気泳動パターン(第4図)
を記録し、これより分子量曲線(第5図)を作成
し、該図より試料の分子量を算出した。第4図及
び第5図において(a)はチトクロームC7量体(分
子量86100)を、(b)はチトクロームC6量体(分子
量73800)を、(c)はチトクロームC5量体(分子量
61500)を、(d)はチトクロームC4量体(分子量
49200)を、(e)はチトクロームC3量体(分子量
36900)を、(f)はチトクロームC2量体(分子量
24600)を、gはチトクロームC単量体(分子量
12300)を、それぞれ示す。また(s)は本発明
物質である。第5図より本発明物質(s)の、分
子量は約30000と算出される。 (2) 等電点 等電点測定装置(バイオ・ラド社製、アメリ
カ)とアンホライン(Ampholine)ポリアクリ
ルアミドプレート(PH3.5〜9.5)(LKB社製、ア
メリカ)を使用し、標準等電点測定マーカーキツ
ト(フアルマシア社製、スエーデン)を使用し、
本発明物質の等電点を測定した。すなわち、紙
片に本発明物質試料約5μg(蛋白量)を吸収させ、
ゲル上にのせ、10W定電力にて、約2時間泳動さ
せ、電流が一定となつた時点で泳動を終了した。
ゲルは1mm間隔で切り取り、緩衝液にて溶出し、
L−細胞に対する活性の測定に供した。等電点は
等電点マーカーを基準に算出した。その結果、本
発明物質の等電点はPH4.1±0.3と算出された。 (3) 紫外部吸収の測定 ダブルビーム分光光度計UV−300(島津製作所
製)を使用し、0.02M トリス−塩酸/0.1M Na
Cl(PH7.8)に溶解した本発明物質試料の紫外部吸
収を測定した。その結果を第6図に示す。該図よ
り極大値は276nm、極小値は250nmであつた。 (4) 溶解性、色及び性状 本発明物質試料を3mg蛋白量/ml濃度に0.02M
−トリス・塩酸緩衝液(PH7.8)に溶解した溶液
は、無色透明である。 該溶液にアセトン又はエタノールを60V/V%
以上加えると沈澱を生ずる。 また本発明物質の3mg蛋白量/ml水溶液は、弱
酸性を示す。 (5) 呈色反応 ビユウレツト反応、フオリンローリー反応法、
ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応につ
いてペプチド結合ならびにアミノ酸の呈色反応
は、いずれも陽性である。 また、本発明の低分子蛋白質は、以下の生理活
性を有する点において特徴付けられる。 (a) L−細胞に対する細胞毒性作用 前記カースウエル(Casewell)らの方法及び
クロスターガード(Kloster gaard)の方法
〔Mol.,Imm.,17巻、613頁、、1980年〕に準じ
て、本発明物質のL−細胞殺細胞効果を評価し
た。すなわち、L−細胞を250単位/mlのペニシ
リンと125μg/mlのストレプトマイシンとを含む
イーグルス ミニマル エツセンシヤルメデイウ
ム(MEM)培地に2×105細胞/mlとなる濃度
で懸濁させ、このL−細胞懸濁液各0.1ml及び適
当濃度に希釈した本発明物質試料各0.1mlを、96
穴マイクロプレート(コースター社製、アメリ
カ)の各ウエルに入れ、これを5%炭酸ガス含有
空気中、37℃で48時間培養する。培養細胞をニユ
ートラル レツド(nutral red)で染色し、生細
胞数をタイターテツクマルチスキヤン(フローラ
ボラトリーズ社製、アメリカ)により比色定量す
る。活性はL−細胞を50%殺す力を1単位とし、
これに試料の希釈倍数を乗ずる。 その結果、本発明物質のL−細胞に対する細胞
毒性は、9.99×107単位/mg蛋白質以上であつた。 (b) メスA−ザルコーマ(Meth A−sarcoma)
担ガンマウスによる抗腫瘍作用 2×105個メスA−ザルコーマ細胞を、 BALB/cマウス腹部皮内に移植し、7日後腫
瘍の大きさが直径7〜8mmとなつたウスの尾静脈
より、上記L−細胞に対する細胞毒性作用測定法
(a)で2.5×104〜2.5×105単位/mlに希釈した本発
明物質試料の0.2mlを注射し、48時間後、前記カ
ールウエルらの方法に準じて、以下の判定基準に
より抗腫瘍作用を判定した。 (−):変化なし (+):かすかな出血性壊死 ():中程度の出血性壊死(移植癌表面の真
中から50%以上にわたつて壊死) ()顕著な出血性壊死(移植癌の中央部が重
度に壊死し、周囲の癌組織がわずかに残つた
状態) 得られた結果を下記第1表に示す。
【表】 次に本発明の新規低分子蛋白質を得る方法につ
いて記述する。 本発明物質は、基本的には公知の方法に従い、
免疫賦活作用を有する物質を哺乳動物に投与し、
次いでグラム陰性菌由来のエンドトキシン又は植
物由来のレクチンを投与することにより、該哺乳
動物体内に産生される。より詳細には、例えばカ
ースウエルらの方法〔Proc.Nat.Acad.Sci.,
USA.,72巻,3666頁,1975年〕に準じて、まず
哺乳動物に免疫賦活作用を有する物質を投与す
る。ここで哺乳動物としては、例えばマウス、ラ
ツト、モルモツト、ウサギ等を例示でき、特にこ
れらに限定されない。免疫賦活作用を有する物質
としては、公知の各種物質を用いることができ
る。その具体例としては例えばバチルス カルメ
ツテイ グエリン(BCG)、コリネバクテリウム
パルバム(Corynebacterium parvam)、プロ
ピオンバクテリウム アクネス
(Propionibacterium acnes)、ミコバクテリウム
ブチリカム(Mycobacterium butyricum)、
コリネバクテリウム グラニユロサム
(Corynebacterium granulosum)、ストレプトコ
ツカス ピロジネス(Streptococcus
pyrogenes)、プラスモデイウム(Plasmodium)
等のほか、ザイモザン(Zymosan)、ノカルデイ
ア アストロイデス(Nocardia asteroides)、
リステリア モノサイトジエネス(Lysteria
monocytogenes)、グルカン(glucan)、細胞膜
骨格(cellwallskelton)、デキストラン硫酸
(dextran sulfate)、ムラミルジペプタイド
(muramyldipeptide)、クレスチン(呉羽工業社
製)等を例示できる。これら免疫賦活作用を有す
る物質の投与は、一般に静脈内又は腹腔内注射に
より行なわれる。投与量は適宜に決定されるが、
通常1〜1000mg/Kg程度の範囲とするのが好まし
い。 本法では次いで上記免疫賦活作用を有する物質
の投与後7〜14日目にグラム陰性菌由来のエンド
トキシン又は植物由来のレクチンを供試動物に投
与する。上記エンドトキシン及びレクチンとして
は、公知の各種のものをいずれも使用できる。そ
の代表例としては、例えば大腸菌、緑膿菌、チフ
ス菌等に由来するリポポリサツカライドやタチナ
タマメレクチン(コンカナバリンA、ConA)、
ダイズマメレクチン(SBA)、アカインゲンマメ
レクチン(PHA)等を例示することができる。
これらの投与は通常静脈内注射によるのが望まし
い。投与量は特に限定はないが、通常約10μg〜
10mg/Kgの範囲から選択されるのが一般的であ
る。上記エンドトキシン又はレクチンの投与後約
1.5〜3時間で目的とする制ガン用を有する本発
明の低分子蛋白質が供試動物の血清もしくは血漿
中に産生される。 本発明物質の採取及び分離精製は、通常の方法
に従い実施される。すなわち供試動物から常法に
従い採血し、得られる血清もしくは血漿中に含有
される当該物質の性質を利用して、物理化学的又
は生化学的手段に従い、例えば塩析、クロマトグ
ラフイー、電気泳動法、抽出法、遠心分離法、透
析法等を単独で又は適宜組合せることにより行な
われる。より具体的には、上記血清又は血漿(以
下これを粗製溶液と記す)を次の工程に付すこと
により実施される。 (1) 硫酸アンモニウム塩析 (2) ゲル過 (3) ハイドロキシアパタイトクロマトグラフイー (4) フアルマシアFPLCモノQカラムクロマトグ
ラフイー (5) 硫酸アンモニウム塩析溶解クロマトグラフイ
ー (6) ゲル過 以下に、これら工程の詳細を説明する。 精製工程 1 粗製溶液に硫酸アンモニウム(以下「硫安」と
記す)を添加し、50〜80%飽和溶液を調製する。
この溶液を2時間〜−夜低温室(4℃)に放置
し、生理活性低分子蛋白質を充分沈澱させる。次
いで冷却遠心分離機(日立製作所製)を使用し、
10000回転/分で10〜30分間遠心分離を行ない生
理活性を有する沈澱を集める。この段階での活性
回収率(前記L−細胞に対する細胞毒性活性測定
法による)は80〜100%であり、精製度は10〜20
倍である。 精製工程 2 工程1で得られた沈澱を0.02M トリス−塩酸
(PH7.8)/0.1M Na Clの緩衝液に懸濁させる。
この懸濁液に2〜8Mの尿素を加え、不溶性物質
を10000回転/分で10〜30分間冷却遠心分離を行
ない、清澄な生理活性を有する上清液を得、これ
をゲル過に付す。ゲル過用担体としてはウル
トロゲルAcA44,54(LKB社製、アメリカ)、あ
るいはバイオゲルA1.5m(バイオ・ラド社製、ア
メリカ)等が用いられる。 ゲル過分画物につき、前記L−細胞に対する
細胞毒性活性測定を行ない、活性画分を集めて、
限外過膜YM10(アミコン社製・アメリカ)を
装着した限外過装置TCF−10(アミコン社製・
アメリカ)により限外過濃縮を行なう。但し、
濃縮は50〜80%飽和硫安沈澱法によつてもよい。
この方法による活性回収率は80〜100%であり、
精製度は20〜50倍である。 精製工程 3 工程2で得られた生理活性画分の濃縮液を透析
用チユーブ(半井化学薬品社製)を用い、50〜
100倍量の0.02M リン酸緩衝液(PH6.8)に対し
て4℃で、数回外液を交換しながら、一夜透析す
る。透析液を冷却遠心分離機(4℃)で10000回
転/分、20〜30分間遠心分離を行ない、清澄な上
清を得る。次いでこの上清液をハイドロキシアパ
タイト(日本ケミカル社製)に吸着させ、0.02M
〜0.5M リン酸緩衝液(PH6.8)で連続的濃度勾
配法に従い、もしくは段階的に濃度を上昇させて
生理活性区分を溶離する。得られた生理活性区分
を限外過濃縮、又は硫安塩析により濃縮する。
この方法による生理活性区分の回収率は40〜80%
であり、精製度は約4〜10倍である。 精製工程 4 精製工程3で得られた生理活性区分の濃縮液を
透析用チユーブに入れ、50〜100倍量の希薄なリ
ン酸、あるいはトリス緩衝液(PH7.0〜8.0)に対
して、4℃で一夜透析する。この透析液をフアル
マシアFPLCモノQカラム(フアルマシア社製、
スエーデン)に吸着させ、緩衝液濃度、あるいは
NaCl濃度を連続的に上昇させて生理活性物質の
溶離を行なう。この工程での活性回収率は60〜90
%であり、精製度は約3〜6倍上昇する。 精製工程 5 精製工程4における活性区分につき限外過濃
縮を行ない、硫安塩析溶解カラムクロマトグラフ
イーに付する。トーヨーパールSW50,55,また
は60(いずれも東洋曹達社製)をカラムに充填し、
フアルマシアFPLCシステム(フアルマシア社
製・スエーデン)を用い、カラム中で生理活性区
分を硫安塩析、次いで連続的に硫安濃度を下げて
活性区分を溶解分別する。この段階での活性回収
率は15〜40%であり、精製度は約3〜5倍であ
る。 精製工程 6 精製工程5で得られた活性区分を濃縮し、バイ
オ・ゲルA1.5mあるいはウルトロゲルAcA44又
は54を充填したカラム(16×1000mm)に付し、ゲ
ル過を行なう。あるいはトーヨーソーダ高速液
体クロマト用カラムG2000SW又はG3000SW(東
洋曹達社製)を用いてゲル過を行なう。この工
程における活性回収率は7〜20%であり、精製度
は約3〜6倍である。 精製工程1〜6を通しての活性回収率は、3〜
15%であり、精製度は約2×105〜1.0×106倍で
ある。 この様にして得られた生理活性を有する低分子
蛋白質の特性を測定した結果は、前記した通りで
ある。 かくして本発明の低分子蛋白質を得る。得られ
る本発明物質は前述した通り、L−細胞に対して
インビトロで直接細胞毒作用を有し、またインビ
ボで抗腫瘍作用を有するに加え、以下の薬理試験
例に示す通りヒトガン細胞乃至メラノーマ細胞に
対しても細胞毒作用乃至殺細胞作用を示し、しか
も低毒性である。 薬理試験例 細胞毒乃至殺細胞作用 (a) ヒトガン細胞殺細胞作用 ヒトバーキツトリンパ腫由来株RaJi(J.Nat.
Cancer Inst.,37巻、547頁、1966年〕、ヒト胃癌
(印環細胞癌)由来株Kato−〔Jpn.J.Exp.
Med.,48巻、61頁、1978年〕及びヒト鼻咽腔癌
由来株KB〔Cancer Res.,18巻、1017頁、1958
年〕の各細胞に対する本発明物質の殺細胞効果を
評価した。すなわち、ヒトバーキツトリンパ腫由
来細胞株及びヒト胃癌由来細胞株を、250単位/
mlのペニシリン、125μg/mlのストレプトマイシ
ン及び10%非働化牛胎児血清を含むRPMI1640培
地で2×105細胞/mlに調整した。また、ヒト鼻
咽腔癌由来細胞株を、250単位/mlのペニシリン、
125μg/mlのストレプトマイシン及び10%非働化
牛血清を含むイーグルス ミニマル エツセンシ
ヤル メデイウム培地を用いて2×105細胞/ml
に調整した。 上記各細胞調整液0.1mlと各種濃度に希釈した
本発明物質0.1mlとを96穴マイクロプレートの各
ウエルに入れ、これを5%炭酸ガス含有空気中、
37℃で48時間培養した。 培養48時間後に細胞をトリパンブルーで染色
し、顕微鏡下でビルケルチユルク計算盤(エルマ
オプテイカルワークス社製、日本)を使用して生
細胞数を算出した。この結果、本発明物質の各種
細胞の増殖を50%抑制する濃度は、ヒトバーキツ
トリンバ腫由来細胞に対しては7.0ng蛋白量/ml
以上、ヒト胃癌由来細胞に対しては23.6ng蛋白
量/ml以上、ヒト鼻咽腔癌由来細胞に対しては
9.6ng蛋白量/ml以上であつた。 (b) メラノーマ細胞に対する細胞毒性作用 ヘルソン(Helson)らの方法(Nature,258
巻、731頁,1975年〕に準じて、本発明物質のメ
ラノーマA−375〔J.Natl.Cancer Inst.,51巻、
1417頁,1973年〕細胞に対する細胞毒性作用を評
価した。即ち、グルタミン、非必須アミノ酸、ペ
ニシリン、ストレプトマイシン及び10%非働化牛
胎児血清を含むイーグルス培地を用いてメラノー
マA−375細胞5×104細胞/mlの懸濁液を調整し
た。この細胞懸濁液各1ml及び本発明物質を適当
に希釈調整した試料溶液1mlを3.5cm径のシヤー
レに入れ、5%炭酸ガス含有空気中下37℃で培養
した。 培養3日目に上記(a)と同様にして細胞をトリパ
ンブルーで染色し、顕微鏡下でビルケルチユルク
計算盤を使用して生細胞数を算出した。この結
果、本発明物質のメノラーマA−375細胞の増殖
を50%抑制するのに必要な量は12ng蛋白量/ml
以上であつた。 薬理試験例 急性毒性 8週令のddY系雌雄マウスを各々10匹用い、本
発明物質を3.2mg蛋白量/Kgの割合で静脈内投与
し、急性毒性を調べた。 その結果死亡例は認められず、LD0は3.2mg/
Kg以上であることが確認された。また、観察期間
中、本発明物質に起因すると考えられる明らかな
中毒症状は認められなかつた。 以上の通り本発明物質は各種細胞に対し細胞毒
作用乃至殺細胞作用を奏し、また低毒性であると
ころから抗腫瘍剤として有用である。 本発明物質はこれを抗腫瘍剤として利用するに
当つては、その有効量を含有する各種形態に調整
され、該形態に応じた各種投与経路により投与さ
れる。その製剤形態としては通常液状溶液、懸濁
液、乳濁液等を例示でき、これらは一般に静脈、
皮下又は筋肉内に投与される。これらはまた使用
前に適当な担体の添加によつて液状になし得る乾
燥品として提供することもできる。該抗腫瘍剤の
投与量は、疾患の程度、患者の年齢、性別等によ
つて異なるが、通常、蛋白量として約1.61〜
16.1μg/Kg/日を1〜数回に分けて投与するのが
好ましい。 以下に実施例を示し、本発明をより具体的に述
べるが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例 1 ニユージランドホワイト又は日本白色系雌ウサ
ギ(体重2.0〜3.0Kg)にホルマリン死菌コリネバ
クテリウム パルバム
(Corynebacteriumparuvam、ウエルカム社製、
イギリス)70mgを耳静脈より注射した。注射9日
後に100μgのリポポリサツカライド(大腸菌
O55:B5、デイフコ社製、アメリカ)を耳静脈
より注射し、2時間後心臓より全採血した。採血
した血液を5000回転/分で20分間遠心分離し、血
清を分離した。該操作により100羽のウサギから
15900単位/mlの力価を有する血清7530mlが得ら
れた。 なお、ニユージランドホワイトと日本白色系の
本生理活性物質の産生量は第2表に示すように、
日本白色系ウサギの方が高かつた。
【表】 ドホワイト
日本白色系 1.31×10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 免疫賦活作用を有する物質を哺乳動物に投与
    し、次いでグラム陰性菌由来のエンドトキシン又
    は植物由来のレクチンを投与することによつて誘
    導産生される下記の特性を有する低分子蛋白質。 a) 分子量:29000±2500 b) 等電点:PH4.1±0.3 c) 0.1M NaCl加0.02Mトリスー塩酸緩衝液
    (PH7.8)中での紫外部吸収極大値が276nm、極
    小値が250nm付近にある。 d) 3mg蛋白量/mlの0.02Mトリスー塩酸緩衝
    液(PH7.8)溶液において無色透明であり、ア
    セトン又はエタノールを該溶液に60V/V%以
    上加えると沈澱を生ずる。 e) 水溶液は弱酸性を示す。 f) ビユウレツト反応、フオリンローリー反応
    法ならびに塩酸加水分解後のニンヒドリン反応
    についてペプチド結合ならびにアミノ酸の呈色
    反応を示す。 g) 培養細胞マウスL−細胞に対してインビト
    ロで直接細胞毒作用を有する及び。 h) メスAザルコーマ担ガンマウスに対してイ
    ンビボで抗腫瘍作用を有する。
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JPS57140725A (en) * 1981-12-28 1982-08-31 Dainippon Pharmaceut Co Ltd Physiologically active substance having carcinostatic action

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