JP2000290196A - 血圧低下抑制剤 - Google Patents

血圧低下抑制剤

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JP2000290196A
JP2000290196A JP11093447A JP9344799A JP2000290196A JP 2000290196 A JP2000290196 A JP 2000290196A JP 11093447 A JP11093447 A JP 11093447A JP 9344799 A JP9344799 A JP 9344799A JP 2000290196 A JP2000290196 A JP 2000290196A
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hcii
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pressure lowering
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shock
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Minoru Tsukada
稔 塚田
Takashi Yuki
隆 結城
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Welfide Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な血圧低下抑制剤を提供する。また、へ
パリンコファクターIIの新たな医薬用途を提供する。 【解決手段】 へパリンコファクターII(HCII)を有
効成分とする血圧低下抑制剤。ショック、特に敗血症シ
ョックによる血圧低下を抑制するHCIIを有効成分とす
る血圧低下抑制剤。 【効果】 上記血圧低下抑制剤は、ショック症状をもた
らす神経性、出血性、細菌性、心原性、熱傷、アレルギ
ー性、薬物性、外傷性等の疾患による血圧低下の治療に
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘパリンコファク
ターII(以下「HCII」という)を有効成分とする血圧
低下抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】HCIIは、アンチトロンビンIII (以下
「ATIII 」という)と同様に、生体内に存在する重要
な抗凝固活性蛋白質であり(松尾ら:Biomedic
alPerspectives,2,269〜274
(1993))、その分子量は、SDSポリアクリルア
ミド電気泳動(SDS−PAGE)分析によると、72
kDaの一本鎖血漿糖蛋白質である(Dougls
M.Tollfsenら:J.Biol.Chemis
try,257,2167〜2169(1982))。
【0003】HCIIの生理機能としては、トロンビン等
のプロテアーゼを阻害する事が知られているが、ATII
I とは作用部位が異なり、血管内よりも血管外における
トロンビン阻害物質として機能していると思われる。そ
こで、HCIIが特定の臓器、組織または細胞で抗凝固作
用を示すことから、本発明者らは、HCIIの静脈内、動
脈内等の全身投与が、敗血症、血流異常を生じる疾患、
肝、肺、腎、脳等の臓器障害等の疾患予防および治療に
有効であることを見出した(特開平9−176040号
公報)。
【0004】さらに、本発明者らは、HCIIをマクロフ
ァージ等の生体内細胞の機能異常亢進を起因とする疾患
に関して局所投与した場合にも該疾患の治療に有効であ
ることを見出した(特願平10−191977号)。こ
のように、HCIIを有効成分として製剤化した場合には
医薬品としての有用性が考えられる。
【0005】HCIIは、全血漿、分画血漿、例えばコー
ンの分画法による上清I、上清II+III もしくは分画IV
または脱クリオ血漿あるいはHCIIの遺伝子を組み込ん
だ形質転換細胞の培養物などに含有されていることが知
られている。該HCIIは、上記の原料に陰イオン交換ク
ロマトグラフィー処理、陽イオン交換クロマトグラフィ
ー処理または固相化へパリン処理を施すことにより、精
製されうることが報告されている(特開平9−2867
97号公報)。
【0006】さらに、HCIIの出発原料から、夾雑蛋白
質を可能な限り除去するためには、該原料に混入してい
る、プロテアーゼ等のHCIIを低分子化させる要因(低
分子化因子)も除去されていることが好ましい。該低分
子化因子の除去は、疎水性クロマトグラフィー、水溶性
ポリマーによる分画、塩析または塩基性アミノ酸をリガ
ンドとするアフィニティークロマトグラフィー処理等に
より達成されることを本発明者らが見出した(PCT/
JP98/04939)。また、上記の出願において、
低分子化因子の除去後にゲル濾過処理を施せば、純度9
9%以上のHCII組成物が得られることも報告した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な血圧低下抑制剤を提供することであり、HCIIの新た
な医薬用途を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々検討を行った結果、HCIIに血圧
低下抑制作用が存在すること、特にエンドトキシンショ
ックに関与する血圧の低下を本HCIIが有意に抑制しう
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は以下の通りである。 [1]へパリンコファクターIIを有効成分とする血圧低
下抑制剤。 [2]ショックによる血圧低下を抑制する[1]記載の
血圧低下抑制剤。 [3]ショックが敗血症ショックである[2]記載の血
圧低下抑制剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるHCII
は、医薬として使用可能な程度に精製されたものであれ
ば、その由来は特に限定されず、天然由来のもの(例え
ば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、イヌ、ウサギ、マウス、
ラット等の哺乳動物由来のもの等)であっても人工のも
の(例えば、HCIIを産生するように遺伝子操作された
組換え宿主由来のもの、化学合成によるもの等)であっ
てもよい。また、HCIIのアミノ酸配列中の1個または
複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加または誘導などの
変異を受けているものおよび公知の手段によりこのよう
な変異が施されたものであって、血圧低下抑制作用を有
するものも本発明におけるHCIIに包含される。
【0011】天然由来のHCIIは、例えばヒトの全血、
血漿、血清または凝固した血液から圧搾された血清等か
ら精製して得ることができる。例えば全血漿、分画血
漿、コーンの分画法による上清I、上清II+III もしく
は分画IVまたは脱クリオ血漿からの精製方法として、陰
イオン交換クロマトグラフィー処理、陽イオン交換クロ
マトグラフィー処理または固相化へパリン処理を施す方
法(特開平9−286797号公報)が例示される。
【0012】さらに、夾雑蛋白質を可能な限り除去し、
より高度に精製されたHCIIを得るために、疎水性クロ
マトグラフィー、水溶性ポリマーによる分画、塩析また
は塩基性アミノ酸をリガンドとするアフィニティークロ
マトグラフィー処理法等を施すことができる。これらの
処理は単独で用いても、あるいは組み合わせて実施して
もよい。
【0013】疎水性クロマトグラフィー処理は、例え
ば、pH6〜9の条件下で、HCIIおよび低分子化因子
を含有する溶液を疎水性クロマト用担体に接触させるこ
とにより行われる。疎水性クロマト用担体としては、炭
素数4〜18のアルキル基型(例えば、ブチル基型、オ
クチル基型、オクチルデシル基型等)、フェニル基型な
どが例示される。ブチル基型としては、ブチル−アガロ
ース、ブチルポリビニル(商品名:ブチルトヨパール、
東ソー社製)などが、オクチル基型としては、オクチル
−アガロースなどが、オクチルデシル基型としては、オ
クチルデシル−アガロースなどが、フェニル基型として
は、フェニル−セルロース(商品名:フェニルセロファ
イン、生化学工業社製)などが例示される。該処理によ
りHCIIは未吸着画分に回収され、低分子化因子は担体
に吸着する。
【0014】水溶性ポリマーによる分画処理は、水溶性
ポリマーを1〜30%(w/v)、好ましくは3〜20
%(w/v)、より好ましくは6〜12%(w/v)の
濃度となるようにして、HCIIおよび低分子化因子を含
有する溶液に添加することにより行われる。該処理によ
りHCIIは溶液中に残り、低分子化因子は沈殿する。処
理液を遠心分離または濾過して上清(濾液)を回収する
ことにより、HCIIから低分子化因子を分離することが
できる。ここで、水溶性ポリマーとは、ポリエチレング
リコール(PEG)や非イオン性界面活性剤等をいう。
PEGは平均分子量4000〜6000のものが好まし
い。また、界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート等
が挙げられる。
【0015】塩析処理は、HCIIおよび低分子化因子を
含有する溶液に、ナトリウム、カリウム、バリウム、ア
ンモニウム等の塩、例えば塩化物、硫酸塩、リン酸塩等
を0.05〜0.25Mの濃度となるように添加するこ
とにより行われる。好ましくは、塩化バリウムを0.0
5〜0.2Mとなるように添加する方法が例示される。
該処理によりHCIIは溶液中に残り、低分子化因子は沈
殿する。処理液を遠心分離または濾過して上清(濾液)
を回収することにより、HCIIから低分子化因子を分離
することができる。
【0016】塩基性アミノ酸をリガンドとするアフィニ
ティークロマトグラフィーは、pH6〜9の条件下で、
HCIIおよび低分子化因子を含有する溶液を、リジン、
アルギニンなどの塩基性アミノ酸、好ましくはリジンを
リガンドとして固相化したクロマト用担体に接触させる
ことにより行われる。該担体としては、例えば多糖類、
シリカゲル、繊維よりなる不溶性の支持体が挙げられ
る。より詳細には、寒天、アガロース、架橋アガロー
ス、セルロース、シリカ、ナイロン、親水性のビニルポ
リマー等である。該処理によりHCIIは未吸着画分に回
収され、低分子化因子は担体に吸着する。
【0017】低分子化HCIIの生成を最小限にし、その
後の精製を容易にするとともにHCIIの回収率を高める
ためには、HCIIと低分子化因子とを分離する工程は、
精製の早い段階で実施することがより好ましい。
【0018】HCIIおよび低分子化因子を含有する溶液
は、まず固相化ヘパリンに接触させてHCIIをヘパリン
に結合させるのが好ましい。固相化ヘパリンは、例えば
多糖類、シリカゲル、繊維よりなる不溶性の支持体など
の固相に結合された単量体ヘパリンである。支持体の例
としては、寒天、アガロース、架橋アガロース、セルロ
ース、シリカ、ナイロン、親水性のビニルポリマー、そ
の他当該分野で公知のものが挙げられる。かかる固相化
ヘパリン処理は、HCIIと低分子化因子とを分離する工
程の前に限らず、後に行っても差し支えない。該処理に
よりポリマー化したHCIIおよび低分子化HCIIの一部
は、モノマーHCII(有効HCII)画分とは別の画分に
分離、除去される。ここで、ポリマー化HCIIとは、H
CIIの生理活性がなくヘパリンに対するアフィニティー
が低い、HCII分子の重合体を意味する。より具体的に
は、二量体またはそれ以上の重合体である。
【0019】HCIIは、塩濃度0.05〜0.2M程度
の緩衝溶液などで洗浄した後に、好ましくは段階的に塩
濃度を上げて洗浄操作を繰り返した後に、塩濃度0.0
5〜1.0M程度、好ましくは0.1〜0.5M程度、
さらに好ましくは0.1〜0.2M程度の緩衝液に接触
させるなどの方法により、固相化ヘパリンから溶出され
る。イオン強度を調整するための塩成分としては、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、チオシ
アン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。好
ましくは塩化ナトリウムである。また、当該緩衝液のp
Hは、6〜9に設定することが好ましい。
【0020】HCII含有溶液はさらに陰イオン交換クロ
マトグラフィー処理に付すことができる。用いられる陰
イオン交換体としては、DEAE系[DEAE−セファ
デックス、DEAE−セルロース、DEAE−セファロ
ース、DEAE−ポリビニル(例:DEAE−Toyo
pearl)など]、QAE系[QAE−セファデック
ス、QAE−セルロース、QAE−セファロース、QA
E−ポリビニル(例:QAE−Toyopearl)な
ど]が例示される。
【0021】陰イオン交換クロマトグラフィー処理にお
ける、陰イオン交換体の平衡化及び洗浄は、0.005
〜0.1Mのクエン酸緩衝液(pH6〜8程度)、0.
005〜0.1Mのリン酸緩衝液(pH6〜8程度)ま
たは0.005〜0.1Mのトリス塩酸緩衝液(pH7
〜9)などを用いることによって行われる。また、陰イ
オン交換体からのHCIIの溶出は、平衡化及び洗浄に用
いられる緩衝液であって、0.05〜0.5M、好まし
くは0.2〜0.25Mの塩化ナトリウムを含有するも
のを用いる。
【0022】上記のHCIIと低分子化因子を分離するた
めの処理、固相化ヘパリン処理および陰イオン交換クロ
マトグラフィー処理の順序は特に限定されず、任意に選
択することができる。また、精製工程におけるHCIIの
ポリマー化および低分子化をできるだけ防ぐ意味から、
特に条件の指定のない限り、上記の各処理はpH6〜
9、4〜20℃の条件下で行うことが望ましい。また、
上記の各工程で使用されるすべての緩衝液は、ポリマー
生成防止のために0.001%〜1.0%(w/v)の
水溶性ポリマー(例:PEG4000等)を含んでいる
ことがより好ましい。
【0023】上記の各精製処理の結果得られるHCII活
性画分には、低分子化したHCII分子が夾雑している可
能性がある。低分子化HCIIとは、高速液体クロマトグ
ラフィー(以下、HPLCという)により「有効HCII
のピークと区別されるピーク(ショルダー)を与えるよ
うな断片化されたHCII分子」を意味する(HPLCの
条件は後記する)。したがって、低分子化したHCIIを
分離除去するために、該HCII活性画分をさらに限外濾
過および/またはゲル濾過クロマトグラフィー等の分子
量の差に基づく分離工程に付すことが好ましい。
【0024】限外濾過に用いられる限外濾過膜として
は、有効HCIIを通過させずに低分子化HCIIのみを通
過させる程度の孔径を有する膜であれば特に制限はない
が、例えばアセチルセルロース、アクリルニトリル共重
合体、芳香族ナイロン、ポリサルホン、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリイミド樹脂膜などが通常用いられ、管状
膜、平膜、スパイラルモジュール、中空糸モジュールな
どの種々の形態を選択して使用できる。限外濾過膜の孔
径は一定していないので、除去されるべき低分子化HC
IIと有効HCIIとの分子量の差が小さい場合には、まず
限外濾過により有効HCIIを濃縮した後、さらにゲル濾
過クロマトグラフィーに付すことが好ましい。
【0025】ゲル濾過クロマトグラフィー処理に用いら
れるゲルとしては、架橋デキストランビーズ(例:セフ
ァデックス)、架橋ポリアクリルアミドビーズ(例:バ
イオゲル)、アガロースゲル(例:セファロース)、デ
キストラン−アクリルアミド(例:セファクリル)など
が挙げられる。ゲル濾過には、0〜0.5M、好ましく
は0.1〜0.2Mの塩化ナトリウムを含有する0.0
1〜0.05Mのクエン酸緩衝液またはリン酸緩衝液
(pH6〜9程度)などが用いられる。
【0026】HCIIのポリマー化および低分子化をでき
るだけ防ぐために、上記の限外濾過およびゲル濾過クロ
マトグラフィー処理は、pH6〜9、4〜20℃の条件
下で行うことが望ましい。また、上記の各工程で使用さ
れるすべての緩衝液は、ポリマー生成防止のために0.
001%〜1.0%(w/v)の水溶性ポリマー(例:
PEG4000等)を含んでいることがより好ましい。
【0027】上記の各処理の結果、純度98%以上、好
ましくは99.9%以上のHCII含有組成物を得ること
ができる(PCT/JP98/04939)。
【0028】人工のもののなかで、組換え宿主由来のも
のは、例えば天然のHCII(例えば、Blinder
ら:Biochemistry,27,752〜759
(1988)を参照)または抗トロンビン活性が保持も
しくは改善された変異型HCII(例えば、特開平3−1
39280号公報を参照)をコードする遺伝子で形質転
換された宿主細胞を培養して得られる培養液や細胞抽出
液、あるいはHCIIをコードする遺伝子を組み込んだト
ランスジェニック動物の体液または乳汁等からも得るこ
とができる。
【0029】本発明の血圧低下抑制剤を使用することが
できる疾患の例としては、突発性の血圧降下がおこる疾
患であることが好ましいが、もっとも典型的には、ショ
ック症状をもたらす神経性、出血性、細菌性、心原性、
熱傷、アレルギー性、薬物性、外傷性等の疾患が例示さ
れる。なかでも敗血症ショックによる血圧低下に対して
本発明の血圧低下抑制剤は有用である。
【0030】本発明の血圧低下抑制剤は、自体公知の手
法にて製剤化することができる。この際、必要に応じ
て、加熱、滅菌、除菌濾過処理、凍結乾燥処理等が行わ
れ、各処理工程において医薬上許容される添加剤(例え
ば、担体、賦形剤、緩衝剤、等張化剤、安定化剤、希釈
剤、溶解補助剤等)などの添加が行われ、凍結乾燥製
剤、液剤等の形態が得られる。特にHCIIを医薬上許容
される添加剤と共に凍結乾燥品として調製し、用時に適
当なビヒクル(例えば、蒸留水、滅菌精製水、生理食塩
水等)で溶解するような凍結乾燥製剤とすることが好ま
しい。この凍結乾燥製剤は、例えば注射用蒸留水によっ
てHCII濃度が約0.1〜100mg/mlとなるよう
に希釈して用いることが好ましい。
【0031】本発明の血圧低下抑制剤に配合することが
できる医薬上許容される添加剤としては、例えば、緩衝
剤(生理的に好ましいpH値を保つものであれば特に限
定されない)、等張化剤(生理的に等張な塩濃度を保つ
ものであれば特に限定されない)、安定化剤(例えば、
マンニトール、ソルビトール等の糖類など)等が挙げら
れるが、特にそれらに限定されない。
【0032】本発明の血圧低下抑制剤は、その投与ルー
トとしては、非経口あるいは局所的に投与することがで
きる。非経口投与剤としては、注射剤、点滴用剤または
粘膜もしくは皮膚吸収剤などが挙げられる。
【0033】本発明の血圧低下抑制剤を治療剤として使
用する場合、血圧低下が予測される際、または血圧低下
が生じた際に投与される。この投与量は、症状、体重、
性別等により適宜増減することが可能であるが、通常H
CII量に換算して0.1〜300mg/kg/日、好ま
しくは1〜100mg/kg/日を一日1回〜数回に分
けて投与する。
【0034】本明細書においてHCII量は、以下の条件
によるHPLCによる分析で純度が98%以上のHCII
含有溶液1mLについて波長280nmにおいて吸光度
を測定して求められる数値(A280)から吸光度係数
5.93として算出した。 HPLCの分析条件 カラム:G3000SWXL(φ7.8mm×30cm;
東ソー社製) 溶離液:0.1M 酢酸ナトリウム,0.3M 塩化ナ
トリウム,0.1% アジ化ナトリウム(pH6.5) 流速:1.0mL/分 検出波長:280nm 検体注入量:50μL(A280=約1(最小0.2〜
最大2の範囲内とする))
【0035】
【実施例】本発明を実施例として以下の製造例、参考
例、実験例および製剤例により詳述するが、本発明はこ
れらによって限定されるものではない。
【0036】製造例1 コーンらの方法(J.Am.Chem.Soc.,7
2,465(1950))に従って得たコーン分画上清
II+III を、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィ
ー担体(商品名:ヘパリントヨパール:東ソー製)を−
6℃で21%エタノール含有10mMクエン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH6.8)で洗浄し、充填した100mL
のカラムに通したのち、2〜10℃で400mMの塩化
ナトリウムを含む10mMのクエン酸ナトリウム水溶液
(pH7.0)を用いて溶出画分(以下「ヘパリン溶出
液」という)を得た。該ヘパリン溶出液を20mMリン
酸緩衝液(pH8)で希釈し、同緩衝液で洗浄した。陰
イオン交換体(商品名:QAEトヨパール550C:東
ソー社製)を充填したカラムに通したのち、250mM
の塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液を用い
て溶出画分を得た。この溶出液を、0.02Mのトリス
−塩酸緩衝液(pH8.5)に対して透析した。同緩衝
液で洗浄したヘパリンアフィニティークロマトグラフィ
ー担体(商品名:ヘパリントヨパール:東ソー製)を充
填したカラムに、上記陰イオン溶出液を通した後、10
0mMの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス−塩酸
緩衝液(pH8.5)を用いて溶出画分を得た。
【0037】製造例2 製造例1に従って得られたHCII含有組成物をA280
値が2.5、硫酸アンモニウム含有量が1Mになるよう
に調整したのち、該組成物(5mL)を、疎水性クロマ
ト用担体(商品名:フェニルセファロース:アマシャム
ファルマシア製)を充填し、1M硫酸アンモニウムを含
有する20mMトリス−塩酸緩衝液(展開液)で平衡化
したカラム(φ1.6×5cm、カラム体積10mL)
に付した。該組成物をカラムに付した後、カラム体積の
6〜8倍量の展開液および硫酸アンモニウム濃度のみ
0.95Mに下げたカラム体積2倍量の展開液を、順次
2mL/minの流速で流し、低分子HCIIを洗浄画分
に分離した。続いて、硫酸アンモニウム濃度のみ0.8
Mに下げたカラム体積5倍量の展開液を同速度でカラム
に流し、低分子HCIIを含有しないHCII画分を得た。
このHCII画分を10mMリン酸ナトリウム、0.15
M塩化ナトリウム(pH7.0)で透析して緩衝液を置
換し、次いで凍結保存し、用時溶解して以下の参考例お
よび実験例に使用した。
【0038】参考例1 正常時のラットの血圧におけるHCIIの影響を調べた。
雄性SDラット(体重222〜262g)3匹(A,
B,C)に、10mMリン酸ナトリウム、0.15M塩
化ナトリウム(pH7.0)に溶解させたHCII(42
mg/7.2mL/kg体重)を尾静脈よりボラス投与
し、HCII投与前および投与5,10,15,30分後
の頸動脈平均血圧を測定した。頸動脈平均血圧は、ラッ
トをネンブタール麻酔下で背位に固定し、気管を切開し
てカテーテルを挿入し、ディスポ血圧トランスデューサ
ーを介して圧アンプに連結し、ポリグラフ上に記録し
た。平均血圧は次の式より算出した。
【0039】
【数1】
【0040】結果 結果を以下の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すように、30分後までの頸動脈
平均血圧を測定したところ、いずれのラットでも有意な
変動はみられず、HCIIは正常時のラットの頸動脈平均
血圧に影響しないことが確認された。
【0043】実験例1 エンドトキシン投与後の血圧低下におけるHCIIの効果
を調べた。雄性SDラット(体重222〜262g)を
3群(1群6匹)に分け、対照群には10mMリン酸ナ
トリウム、0.15M塩化ナトリウム(pH7.0)に
溶解させた0.5%ヒト血清アルブミン(7.2mL/
kg体重)を、HCII投与群には、HCII(42mg/
kg体重または84mg/kg体重)を、それぞれラッ
トの尾静脈からボラス投与した。頸動脈血圧が安定して
いることを確認後(約1分後)、生理食塩水に溶解させ
たエンドトキシン(10mg/2.5mL/kg体重)
をラットの尾静脈からボラス投与し、被験薬物投与前、
エンドトキシン投与前、エンドトキシン投与5,10,
15,30分後の頸動脈平均血圧を参考例1と同様に測
定した。
【0044】結果 結果を以下の表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示すように、エンドトキシン(10
mg/kg体重)を投与することにより、50%程度の
頸動脈平均血圧の低下がみられた(対照群)。その一
方、エンドトキシン投与前にHCII(42mg/kg体
重)を前投与するとエンドトキシン投与後の平均血圧の
低下は30%程度に止まった(HCII投与群;42mg
/kg体重)。また、HCIIの量を2倍(84mg/k
g体重)にした場合では、平均血圧の低下は25%程度
に止まった(HCII投与群;84mg/kg体重)。
【0047】以上の結果から、HCIIは血圧低下を抑制
する優れた作用を有することが示された。
【0048】製剤例1 1バイアル中、 HCII 84mg リン酸水素二ナトリウム 19mg リン酸二水素ナトリウム 8mg 塩化ナトリウム 175mg よりなる凍結乾燥品を用時20mLの注射用蒸留水に溶
解して、静注用製剤とした。
【0049】
【発明の効果】本発明のへパリンコファクターIIを有効
成分とする血圧低下抑制剤は、ショック症状をもたらす
神経性、出血性、細菌性、心原性、熱傷、アレルギー
性、薬物性、外傷性等の疾患による血圧降下の治療に有
用である。なかでも敗血症ショックによる血圧低下に対
して有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 へパリンコファクターIIを有効成分とす
    る血圧低下抑制剤。
  2. 【請求項2】 ショックによる血圧低下を抑制する請求
    項1記載の血圧低下抑制剤。
  3. 【請求項3】 ショックが敗血症ショックである請求項
    2記載の血圧低下抑制剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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