JPH0322109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、主として牛乳やジユース等の液体
を注入する角筒状の紙製容器の口部に取付けられ
る液体注出栓に関するものであつて、出願人が既
に出願した実願昭60−106805号（実開昭62−
13819号）の改良に係わるものである。

（従来の技術） すなわち、実願昭60−106805号の液体注出栓
は、低い略六角形状の注出栓本体の下周縁に鍔片
を外向きに突設し、そして注出栓本体の上面に、
前端部に摘み片を有する蓋板を、前端近傍及び左
右側縁に切裂部を介して前後方向へ開閉自在に連
設するように形成されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、蓋板が前端近傍及び左右側縁の
各切裂部のみでしか閉鎖されていないため、蓋板
の摘み片に何等かの外力が加わつて蓋板が不意に
開放される虞れがあり、液体が注入された容器を
梱包、運搬、保管する際に極めて危険であつた。
しかも、誰かが蓋板を開放していたり、或いは蓋
板が不意に開放されていたりしても、外部から見
分けがつかないため、不潔感を抱かせるばかりで
なく、衛生的にも頗る問題があつた。

そこで、この考案は、叙上のような問題を解決
すべく案出されたもので、蓋板の摘み片に何等か
の外力が加わつて蓋板が不意に開放されるのを確
実に防止できるようにして、液体が注入された容
器を極めて安全に梱包、運搬、保管できるように
すると共に、まだ誰も蓋板を開放していないこと
や、蓋板が不意に開放されていないことが外部か
ら一目瞭然に分るようにして、清潔感を著しく抱
かせるようにするばかりでなく、頗る衛生的にな
るような液体注出栓を提供するものである。

（課題を解決するための手段） この考案は、叙上のような目的を達成するため
に、適宜形状の注出栓本体の下周縁に容器口部へ
の熱溶着用の鍔片を外向きに突設し、且つ注出栓
本体の上面の前端部側には前端部に開閉用の摘み
片を有する蓋板を、前端近傍及び左右側縁に切裂
部を介して前後方向へ開閉自在に連設し、前記注
出栓本体上の後端部側の天板上面には嵌止溝を凹
設し、前記蓋板の上面には開蓋時の前記嵌止溝嵌
止用の嵌止片を突設し、前記蓋板の前端部近傍下
面には閉蓋時の注出栓本体前壁係止用の蓋止片を
突設すると共に、前記前側の鍔片上面と前記蓋板
の摘み片先端との相互間に、最初の蓋板開放時に
切取る切取片を、上下端に肉薄の切断部を夫々介
して切取自在に連設したものである。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図及び第２図に示すように、前端側の両角
部をカツトした低い略六角錐台形状の注出栓本体
１の下周縁に、角筒状の紙製容器Ａの口部Ｂに内
側から嵌込んで熱溶着する鍔片２を外向きに突設
し、且つ注出栓本体１の上面の後端部側には天板
３を連設し、注出栓本体１の上面の前端部側に
は、前端部に開閉用の摘み片１４を有する蓋板５
を、前端近傍及び左右側縁に薄肉の切裂部６を介
し且つ天板３側の後端縁に薄肉の折溝７を介して
前後方向へ開閉自在に連設する。この場合、切裂
部６は第２図に示すように注出栓本体１の上端面
より若干浮き上がるように設ける。また、前記天
板３の上面中央部には閉蓋方向を示す矢印形状の
嵌止溝８を凹設し、且つ蓋板５の上面中心部には
開蓋方向を示す矢印形状の嵌止片９を、開蓋時に
前記嵌止８に嵌止されるように突設する。更に、
注出栓本体１の相対向する左側壁及び右側壁の外
面に、容器Ａの口部Ｂに仮止めする一対ずつの係
止片１０を適宜間隔に斜め下方へ夫々突設し、且
つ蓋板５の前端部近傍下面には、閉蓋時に蓋板５
を注出栓本体１の前壁に係止する蓋止片１１を突
設する。

そして、前記前側の鍔片２上面と前記蓋板５の
摘み片４先端との相互間に、最初の蓋板５開放時
に切取る切取片１２を、上下端に肉薄の切断部１
３を夫々介して切取自在に連設したものである。

（考案の効果） この考案は、叙上のように構成したから、使用
時には第３図及び第４図に示すように、この考案
の液体注出栓を容器Ａの口部Ｂに内側から嵌込ん
で、この口部Ｂの周縁部上面に注出栓本体１の各
係止片１０を係止させて仮止めした後、口部Ｂの
周縁部に鍔片２を熱溶着して取付け、そして、容
器Ａ内の液体を注出する際は、切取片１２の上側
の切断部１３又は下側の切断部１３を刃物等で切
断した後、摘み片４を摘んで後方へ若干引張るこ
とによつて、蓋板５を切裂部６から切裂いて開放
するようにする。

すなわち、この考案は、前側の鍔片２上面と蓋
板５の摘み片４先端との相互間に、最初の蓋板５
開放時に切取る切取片１２を、上下端に肉薄の切
断部１３を夫々介して切取自在に連設したことに
より、蓋板５が前端近傍及び左右側縁の各切裂部
６と摘み片４の切取片１２とによつて二重に閉鎖
されることになり、蓋板５の摘み片４に何等かの
外力が加わつて蓋板５が不意に開放されるのを確
実に防止することができるため、液体が注入され
た容器Ａを極めて安全に梱包、運搬、保管するこ
とができる。

しかも、切取片１２を設けたことによつて、ま
だ誰も蓋板５を開放していないことや、蓋板５が
不意に開放されていないことが外部から一目瞭然
に分るため、清潔感を著しく抱かせることができ
るばかりでなく、頗る衛生的である。

更に、注出栓本体１上の後端部側の天板３上面
には嵌止溝８を凹設し、蓋板５の上面には開蓋時
の前記嵌止溝８嵌止用の嵌止片９を突設し、蓋板
５の前端部近傍下面には閉蓋時の注出栓本体１前
壁係止用の蓋止片１１を突設したことによつて、
開蓋時に蓋板５の嵌止片９を天板３の嵌止溝８に
嵌止できるため、蓋板５の開放状態を著しく安定
させることができるばかりでなく、閉蓋時に蓋板
５の蓋止片１１の注出栓本体１の前壁に係止でき
るため、蓋板５の閉鎖状態を著しく安定させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は斜視図、第２図は要部縦断側面図、第３図は
容器の口部に取付けた状態の斜視図、第４図は同
上の縦断側面図である。 １……注出栓本体、２……鍔片、３……天板、
４……摘み片、５……蓋板、６……切裂部、７…
…折溝、８……嵌止溝、９……嵌止片、１０……
係止片、１１……蓋止片、１２……切取片、１３
……切断部、Ａ……容器、Ｂ……口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜形状の注出栓本体の下周縁に容器口部への
   熱溶着用の鍔片を外向きに突設し、且つ注出栓本
   体の上面の前端部側には前端部に開閉用の摘み片
   を有する蓋板を、前端近傍及び左右側縁に切裂部
   を介して前後方向へ開閉自在に連設し、前記注出
   栓本体上の後端部側の天板上面には嵌止溝を凹設
   し、前記蓋板の上面には開蓋時の前記嵌止溝嵌止
   用の嵌止片を突設し、前記蓋板の前端部近傍下面
   には閉蓋時の注出栓本体前壁係止用の蓋止片を突
   設すると共に、前記前側の鍔片上面と前記蓋板の
   摘み片先端との相互間に、最初の蓋板開放時に切
   取る切取片を、上下端に肉薄の切断部を夫々介し
   て切取自在に連設したことを特徴とする液体注出
   栓。